防衛大綱をこの時期に書き換える必要があったかね? 自民党国防族の選挙対策じゃ?
現在新しい防衛大綱、および中期防が策定されつつあります。
ですが、このタイミングで行うべきではないでしょう。
政権交代にともなって、本年度の予算は概算要求からやり直しとなり、予算成立が二ヶ月遅れています。しかも8月には来年度の概算要求も出さないといけません。
その上昨年度も補正予算も執行されておりません。
市ヶ谷では予算バタバタ、最近は予算が付かずに、車輛などの整備費が手当できず、現場では稼働率が落ちています。こんなときにまた震災でも起きたらどうなるんでしょうかね?
現防衛大綱はついこの間、決定されたばかりです。自民党としては民主党政権時代につくったものをひっくり返したいのでしょうが、こんなバタバタした状態でつくってもやっつけ仕事になるのは目に見えています。
ならばもっと腰を落ち着けて、大綱のあり方自体を見直して大綱を大幅に、変えるべきです。そもそも大綱の文言は具体性に欠けており、空疎な官僚作文の嫌いがあります。
現在までの大綱はいわゆる別表にしても科目が少なく、例えば戦車400輛といっても、それが10式なのかM4シャーマンなのか書いておりません。火砲にしてもMLRSも榴弾砲も含めてますし、前大綱では対艦ミサイルが含まれていたのに、今度は外されています。しかもこのことは大綱には書かれていません。あまりに粗雑です。
しかも水陸両用部隊に関しても具体論はなく、特殊部隊の増強(航空部隊創設も含む)なし、高年齢の隊員の処遇を含めた人件費抑制の具体的な目標もなく、防衛産業の振興策もまともに書いてありません。
大綱の在り方を大きく変えて、リニューアルすべきです。
米国のQDRぐらいに細かく書くべきではないでしょうか。
単に自民党の国防族が、選挙対策で、国内防衛産業にカネをばらまくためのツールぐらいに思って、作成を急がせているとしか思えません。
防衛大綱は国益を考えて策定して欲しいものです。
以下の記事を朝日深部のWEBRONZA+に寄稿しております。
空自のF-35は中国が導入するSu-35に対抗できるか(上)
――ロシアが売却する事情とは?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013070400007.html?iref=webronza
空自のF-35は中国が導入するSu-35に対抗できるか(中)――日本が不利な理由
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013071000011.html?iref=webronza
東日本大震災で防衛省の無人機はなぜ飛ばなかったか(1)――墜落を恐れた?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013061900007.html
東日本大震災で防衛省の無人機はなぜ飛ばなかったか(2)――省内の食い違い
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013062000004.html
東日本大震災で防衛省の無人機はなぜ飛ばなかったか(3)――難しい新規参入
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013062700005.html?iref=webronza
東日本大震災で防衛省の無人機はなぜ飛ばなかったか(4)――「我が国固有の環境」とは何か
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013070100008.html?iref=webronza
ですが、このタイミングで行うべきではないでしょう。
政権交代にともなって、本年度の予算は概算要求からやり直しとなり、予算成立が二ヶ月遅れています。しかも8月には来年度の概算要求も出さないといけません。
その上昨年度も補正予算も執行されておりません。
市ヶ谷では予算バタバタ、最近は予算が付かずに、車輛などの整備費が手当できず、現場では稼働率が落ちています。こんなときにまた震災でも起きたらどうなるんでしょうかね?
現防衛大綱はついこの間、決定されたばかりです。自民党としては民主党政権時代につくったものをひっくり返したいのでしょうが、こんなバタバタした状態でつくってもやっつけ仕事になるのは目に見えています。
ならばもっと腰を落ち着けて、大綱のあり方自体を見直して大綱を大幅に、変えるべきです。そもそも大綱の文言は具体性に欠けており、空疎な官僚作文の嫌いがあります。
現在までの大綱はいわゆる別表にしても科目が少なく、例えば戦車400輛といっても、それが10式なのかM4シャーマンなのか書いておりません。火砲にしてもMLRSも榴弾砲も含めてますし、前大綱では対艦ミサイルが含まれていたのに、今度は外されています。しかもこのことは大綱には書かれていません。あまりに粗雑です。
しかも水陸両用部隊に関しても具体論はなく、特殊部隊の増強(航空部隊創設も含む)なし、高年齢の隊員の処遇を含めた人件費抑制の具体的な目標もなく、防衛産業の振興策もまともに書いてありません。
大綱の在り方を大きく変えて、リニューアルすべきです。
米国のQDRぐらいに細かく書くべきではないでしょうか。
単に自民党の国防族が、選挙対策で、国内防衛産業にカネをばらまくためのツールぐらいに思って、作成を急がせているとしか思えません。
防衛大綱は国益を考えて策定して欲しいものです。
以下の記事を朝日深部のWEBRONZA+に寄稿しております。
空自のF-35は中国が導入するSu-35に対抗できるか(上)
――ロシアが売却する事情とは?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013070400007.html?iref=webronza
空自のF-35は中国が導入するSu-35に対抗できるか(中)――日本が不利な理由
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013071000011.html?iref=webronza
東日本大震災で防衛省の無人機はなぜ飛ばなかったか(1)――墜落を恐れた?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013061900007.html
東日本大震災で防衛省の無人機はなぜ飛ばなかったか(2)――省内の食い違い
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013062000004.html
東日本大震災で防衛省の無人機はなぜ飛ばなかったか(3)――難しい新規参入
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013062700005.html?iref=webronza
東日本大震災で防衛省の無人機はなぜ飛ばなかったか(4)――「我が国固有の環境」とは何か
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013070100008.html?iref=webronza
この記事へのコメント
思うにドクトリンとは「いかに戦うか」であり、戦争否定の憲法の元の「戦わない軍隊」である自衛隊が「主体的に」戦う事など考えないのではないかと思います。それと作ったところで結局のところ決定権があるのは軍事などまともに知らない・知ろうともしない政治家だったりします(かつて中曽根氏がF4からわざわざ爆撃装置を取り外させた等)。さらに通常国(軍)は「単独」で戦うのが基本で、必要に応じて他国と協力したりするのですが、自衛隊の場合は「米軍との連携」が「前提」なので、アメリカ次第という事もあるのではないかと思っています。
対地装備は付けても空自のパイロット数で対地攻撃に割く飛行時間の余裕が有ったんですかね?
言葉が足りなかったようなので補足します。
戦争はスポーツ(の試合)と違い「参加者全員に勝てる"可能性"」といったものは用意されません(例:有力な新人を特定の球団に偏らせないためのドラフト制度)。「己が勝てる、有利な状況」といったものは己が作りだすしかないのです(その点ではビジネスも投資も同じ)。そういった"仕込み"で勝敗の半分以上が決まると言っても過言ではないでしょう。ドクトリンとは「己が勝てる、有利な状況」をいかに作り出すかです。しかし自衛隊は
・海上自衛隊:先の大戦でアメリカの潜水艦と機雷で日本が干上がったので対潜及び対機雷
・航空自衛隊:先の大戦でアメリカのB29に日本を焼け野原にされたので本土防空
・陸上自衛隊:先の大戦では実現しなかった本土決戦(地上戦)
で、北朝鮮がミサイルを飛ばせばMD、中国が島を狙えば水陸両用戦闘車と、全て「相手(侵略者)の土俵(作りだした状況)」で戦う事を前提にしています。「主体的に戦わない」というのは「己が勝てる、有利な状況を自ら作りださなない」といった意味で述べました。このような「相手がよほど弱小かまたは格下でもなければ勝てない(勝つのが非常に困難)」ような事をするのはやはり「戦争放棄の憲法下の戦わない(戦えない)軍隊」だからではないかと思います(戦わない・戦えないのだから勝つ事など考える必要はない?)。
>対地装備は付けても空自のパイロット数で対地攻撃に割く飛行時間の余裕が有ったんですかね?
それは空自レベルで判断する事でしょう。政治家が考えるとすれば「爆撃装置なんか付けたら周辺国に『侵略の意図あり』とでも思われる」といった事では。