川崎重工広報部の見識
防衛省に提供を求めたところ、あれは防衛省のものではなく川重のものなので、川重に聞いてくれといわれたからです。
ぼくは正直なのでUH-Xに対して批判的な内容になると伝え、過去の関連記事も提供しました。
すると同社広報部からは「リリースで配布したが、この件では応じられない」と拒否されました。
同社は自社に不都合な記事には一切協力しないということでしょう。
川重に対する批判は許さず。と。
まあ、別に彼らに提供する義務はないんですけどね。 CGの提供がなければぼくが原稿書けないわけでもない。
もっともこれが日経からの依頼だったら断らないでしょうが。
中国の軍事企業にはこういう態度をとることろは多いですね。
同社にはUH-Xはメディアや世論の批判に耐えられない胡乱なぷろとの、そのような認識があると思われて仕方ないでしょう。
自信があるのならば「清谷ごとき」の批判歯牙にもかけないでしょう。
ですが、これは通常広報、特に上場企業の態度としてはNGです。
そんなことをすれば、IRでもあれこれ隠し事をしているのではないかと思われますし、会社のガバナンス能力自体を疑われます。
自分たちに批判的な記事に対しても対応するのがプロの広報です。
批判的な書き手や媒体に対しても、情報を提供することで少なくと事実誤認に基づく批判を防ぐのが広報の仕事の一つです。
かつてのJALや東電の広報はこういうスタンスでした。そのような企業がどうなったか今更言うまでもないでしょう。
実際全ての媒体や記事が自社に好意的でありません。例えば経営戦略も賛否両論があるでしょうし、赤字でも出せば経営の在り方も叩かれます。それが許せないというのであれば、あまりにナイーブです。
現場の人達は取材に気軽に応じてくれるのに、この同社の広報の態度は非常に残念です。
上場企業、とくに税金から支出される防衛省の仕事をしている企業には社会や納税者に対する説明責任、社会的責任があります。防衛装備の最終的な顧客は我々納税者です。同社の広報にはそのような認識が極め希薄なようです。
防衛省のゴキゲンさえとっていればいい、というのは防衛産業によくある体質といえばそれまでですが。
ぼくは広報部長の名前を尋ねたのですが、教えてくれませんでした。
部長の名前も出せないような対応をしたという自覚はあるようです。
因みに以前テレ朝のニュース番組で久米宏氏、が軍艦を戦艦、戦艦と連呼していたので軍艦=戦艦ではありません。訂正してはいかがですかとお話したことがあります。その時同社は全く聞く耳を持ちませんでした。
外部からの指摘で訂正しては沽券に関わると思っていたのでしょう。
で、軍艦=戦艦という認識はテレビ朝日の認識である、広報部長の名前を出して公開して宜しゅうございますか、と尋ねたら、とたんに態度が変わりました。現在は軍艦=戦艦という表現を取っていないはずです。
担当者が氏名をだされて責任とるとなると、態度が変わるとといのは企業広報では非常に無様です。
まあ、この会社ではこういう部長さんが、出世するんでしょうね。
こういうことを書くと今後、同社から圧力で軍事誌や航空誌にぼくの原稿が掲載されなくなる可能性もあるでしょう。今回の態度をからするとそういう事態は全くないとはいえないでしょう。
まあ、ぼくの場合他に食い扶持もあるので、別にいいんですが。
WEBRONZA+に以下の記事を寄稿しています。
有料ですが、一部は無料で閲覧できます。
火力戦闘車の開発は必要か(1)――重すぎる重量(2012/05/08)
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2012050700004.html
火力戦闘車の開発は必要か(2)――優先すべき島嶼防衛
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2012050900013.html
火力戦闘車の開発は必要か(3)――費用対効果と優先順位
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2012051500010.html
火力戦闘車の開発は必要か(最終回)――自衛隊の弱体化?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2012051600007.html
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この記事へのコメント
製品の紹介記事を載せる際、基本的に「提灯持ち記事」以外は一切ノーでしたね。
万が一、相手のご機嫌を損ねると出入り禁止。商売になりませんので、注意していたことを思い出します。
もう少し自覚を持たれたら如何ですか。
「食い扶持は自分で稼がないと言いたい事が言えなくなると」・・・
批判的なことを書くと判っている人に協力するのは広報担当としては自己の職務を否定する行為ですから、当然至極の話。
ましてどんな内容になるのかも現時点では判らないわけですし。
その後に出したTV局の例は正当な批判を受け止める度量があるかどうかの話ですから、これは最初の話とは別問題です。一緒に議論して良い話では無いと思いますよ?
情報を提供しても事実誤認を避けられない相手と判断されたのかもしれませんね。
きちんとした取材した記事を重ねていけば、信頼が得られると思います。
川重のHPで見ることができるイメージ図とは別のものもリリースされているのでしょうか。
もしあるのなら見てみたいです。
だといいのですが。一般に日本の防衛産業は
防衛省を気にして取材に対して非協力的です。
そもそも防衛産業をやっていること自体に触れて欲しくない企業も多数あります。そんなに嫌ならやめればいいのに、と思うのですが。
ぼくが取材する幾つかの企業や技本もぼくが
非難的な記事を書くと知っていても情報を提供
してくれます。技本の海外視察に関して、実名を挙げてかなり厳しいことを書いてきましたが、その後結果防衛省・自衛隊の海外視察費は
増えているそうです。
>批判的なことを書くと判っている人に協力するのは広報担当としては自己の職務を否定する行為ですから、当然至極の話。
その考えはPR担当者としては失格です。自社に厳しいことを書く相手ほど正しい情報を伝えるのがプロのPR担当者です。
それから批判と、悪口は違いますよ。
例えばソニーの業績が落ち、リストラを発表しましたがその記者会見で「我社の業績とリストラに関して否定的な記事を書く予定の記者はでていってください」といったらどうなるでしょうか。
また会社がそのような考え方のところは広告で釣って、提灯記事を書かせるようになります。そのような記事しかメディアに載らなくなると、何をやってもいいのだと、いう雰囲気が蔓延し、組織的な腐敗が起こります。
>川重のHPで見ることができるイメージ図とは別のものもリリースされているのでしょうか。
同じものです。配布さたリリース用CGも同じものです。つまり川重の広報部の態度は既に出回ったリリース用素材でも、自社に否定的なないようであれば使用を拒否するというのでしょう。記事を検閲させろというのかもしれませんね。
となると私の以前のコメントの意図はちょいと方向が違うので撤回しますね。どうも記事の文章をいくつかすっ飛ばして読んでたみたいです。すみません。
私が言いたかったのは、「自組織に批判的な立場の人間に便宜を図る広報は居ない」っつーことです。例えば、自衛隊に批判的な映画に自衛隊が協力しないような物。
でも、プレスリリースなどで公開済みの情報について提供先を選ぶのは、確かに広報としてほめられた態度ではないですね。
>自分たちに批判的な記事に対しても対応するのがプロの広報です。
えーっと、、、きよたにさんの周りにプロと呼べる人は何人くらいいますか?企業では、プロらしい企業っていくつくらいありますか?私は家電関連でしたが、大手で1社くらいですねー、日本では。
世界でもプロは少ないみたいですけど、日本は遊び半分の意識しかないように見えます。
>ぼくは広報部長の名前を尋ねたのですが、教えてくれませんでした。
部長の名前も出せないような対応をしたという自覚はあるようです。
>で、軍艦=戦艦という認識はテレビ朝日の認識である、広報部長の名前を出して公開して宜しゅうございますか、と尋ねたら、とたんに態度が変わりました。
キヨタニ節炸裂!!気持ちいいですねぇ!!