C―2の重量超過問題と空自の隠蔽体質について
C2輸送機が重量超過 設計より数トン
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011030902000041.html
ぼくも12月、このブログでC―2の重量超過に関して述べています。
次期輸送機C-Xと戦闘機用偵ポッドの二重基準
http://kiyotani.at.webry.info/201012/article_14.html
さて、新型機の開発において重量超過というのは珍しい話ではありません。そのことをもってC-2が欠陥機であるとうつもりは毛頭ありません。
問題は空自の隠蔽体質です。
昨年末に機体を受領する前から重量超過はわかっていたはずです。空幕および空幕広報室は遅くとも機体受領後にはどの程度の重量超過があるのか納税者に開示するべきでした。
別につい先週にわかったわけじゃないでしょう。
以前からC-2の重量超過はかなり深刻だという話をあちこちで聞いていました。
恐らくは当初、重量超過はもっと深刻だった。それを何とか公表できるレベルまで減らしたのでメディアにリークした、という所ではないでしょうか。必要な情報を開示しない空自は、そのように疑われても仕方ないでしょう。
このような「ばれなければいい、ごまかし通せば勝ち」的な隠蔽体質が、官製談合を生んだりする土壌になっています。
その官製談合の後始末にしても、本来2年で交代するはずの空幕長の任期を意図的に伸ばして、「辞任」したフリをして責任を取ったフリをしました。恐らく反省なんかしていないでしょう。
空自官製談合、外薗航空幕僚長辞任のは納税者を謀る猿芝居
http://kiyotani.at.webry.info/201012/article_10.html
最近空幕に限らないのですが、防衛省の広報はペーパーで回答せずに、電話(特に携帯)にかけてきて「回答」することが増えています。これは証拠を残さないためでしょう。役所は文書になってなければその内容は「存在しない」ことになっているからです。携帯電話は録音されないとでもおもっているのでしょうか。
しかも約束や前言を反故ににすることが珍しくありません。これは民主国家の「軍隊」の広報のあり方として問題です。文民統制上も問題があります。
彼らは自分たちに音声による回答がネットでアップされた時のことを考えたことがあるのでしょうか(まあ、ぼくもオ昔ならともかく最近はオトナになったのでそんなことはしませんが。多分)。
情報公開がないところでの議論は不毛です。
情報開示は文民統制の基礎です。
さて欧州で開発されている輸送機A400Mは重量超過だが、C-2は少ない開発予算で受領超過もない優等生だ、という「愛国的」なリテラシーの欠如した意見がネット上で多く見られました。
ネガティブな情報を開示する側と、開示しない、あるいは隠蔽した側を同列に論じても意味がないことです。「大本営発表」を鵜呑みにするような、自衛隊のいうことは常に正しい、権威信仰あるいは思いこみは有害でしかありません。彼らはまさに空自の情報操作に踊らされてたわけです。
またC-2の開発費にしてもいつもXP-1と一緒の金額しか提示されていません。本来それぞれに案分した開発費の数字があるはずです。空幕はこれも公開していません。
無論防衛省・自衛隊には開示できない機密事項は多数あります。それをすべて開示しろとはいいません。
ですが、他の先進国、あるいは民主国家が開示しているレベルの情報は開示すべきです。繰り返しますが、事実という土台がなければまともな議論が成立しません。それは健全な世論の形成と文民統制に必要不可欠です。
また、政治家がこのような問題に関心を持っていないことも大いなる問題です。
何しろヘリ空母を「駆逐艦でござい」といわれて、メクラ判を押すような人達に軍人を統制できるのでしょうか。非常に不安になります。
この記事へのコメント
『強度不足発覚前の設計重量』を現在、超しているのは間違いないです。試作機が当初要求された性能を発揮出来ないのも否定しません。しかしながら試作ではない強度不足を考慮した製造三機目の性能が要求性能を下回れば非難されても仕方ないでしょうが、現在の段階であーだこーだ言うのはどうかと思います。
消費税が15%以上になっても、必ずみんなで今まで通り国産を推進しましょう。
文民統制
という言葉を好んで使用する人間に、現実を合理的に考察できる者が皆無だということです。
文民統制
とういう言葉をないがしろにして、軍部を盲信
する人間に、現実を合理的に考察できる者が皆無だということです。
そして前の戦争でボロ負けしました。
文民統制て、戦後の造語なんだけど。
戦後に出来たモノを盲信して戦争に負けたって…
事実認識に突っ込みドコロが満載ですなあ(笑)
戦後に出来たモノを盲信して戦争に負けたって…
↓
戦後に出来たモノを議論に持ち出して、それを蔑ろにしたから戦争に負けたって…
歴史を少し勉強しては如何でしょうか。
それとは別に議会制を軍部が無視し、無知で好戦的な新聞が煽った情報を鵜呑みした大衆が戦争を支持した。あなたはそのような事態をお望みですか?
その発言は、そのままお返しします。
それとは別に、のそれとは?
何を以て軍が議会制を無視したと定義してるの?
論点が定かでなく、結論に至るプロセスも短絡的で不明瞭なので答えようがない。
日中戦争の際、年末になれば予算が無くなり追撃とか攻勢が出来なくなったとかゆう記述を読んだ事があります。太平洋戦争ではそんな話は聞いた事がありませんが戦時中でも内閣総辞職やら首相や閣僚が交代してますので議会を蔑ろにした訳じゃないとも思います。
ところで戦前は軍事を統制するのは政府であるのは現在と変わりませんが首相や閣僚に軍人が就いていたという大きな違いがあります。そんな中で文民統制?意味不明な気がしませんか?
で、清谷先生はどうすべきだと思うのですか?
文民統制という言葉を使用する者は合理的考察が出来ないという説について、理論的かつ合理的な根拠を示して下さい。
まさか経験則ではありませんよね?
よく読みましょうよ。「好んで使用」と書いてますよ。
事実認識が異なる相手に、何を理論的かつ合理的に説明するのか、教えて頂きたい。
翻って日本の場合日米同盟の前にその試練を
受けてこなかった経過がある。
政治家に国家(国旗の扱いさえ)も国益の概念さえも疑問が起きる日本に機能する軍事の文民統制など笑える話だと(日本の文民統制は=軍事行動の放棄)w。
自衛隊を否定する政治家に国益を追求する
文民統制は国民としては笑い話に過ぎない。
ま、日本国国益を否定する輩になら好都合
なんだろうけど・・・。
ええ、ですから好んで使用する者は、どうして合理的考察が出来ないという説について、理論的かつ合理的な根拠を示して下さい。
まさか経験則ではありませんよね?
文民統制を好んで使用し、かつ合理的考察を
行えている者を教えてくれませんか?
一人でもいれば市民氏の主張は適切ではない
事だけはわかりますので。
市民氏が居ないとするならばinterneet氏は居る例を示せば良いと思います。
私はこの説に何も主張しておりません。根拠を聞いたまでです。
市民氏に自説の理論的根拠を提示していただければ良いだけのことです。
確実に言えると本人が主張された以上、その証明の責務は主張した側にあります。
念のため付け加えますが、私が提示を求めているのは、この説の理論的な根拠であって、個別の人物の提示ではありません。病気に例えると発病の原因を知りたいのであり、患者の個人名ではありません。
確実に言えるのですから、簡単ですよね。
無知な私としては、本気で知りたいのです。
…無知な私としては、本気で知りたいんです。
もう何と言うか(笑)
会社でも大学でも、人に教えを乞うまでには、まずは自分で最大限に調べる事がルールであり常識なんですがね…
そもそも、interneet氏は日本での「文民統制」の意味を理解していないように思います。
文民統制の言葉の端緒、本来の定義、日本での訳者、日本での既成定義を知ってますか?
知らなければ、会話に必要な言語が欠如してることになります。
会話が成り立たない相手に説明するのは、超能力でもないと無理です。
超能力の利用は、簡単じゃないですよね?
まずあなたが知識を得て一から勉強する必要性がありますし、残念ながらこのコメント欄で何万字も費やして講義をする義理も意義も全く感じません。
(留学をお薦めします。米国防省事務官に軍人経験者が相当数いることなど、文民統制を巡る認識の違いに驚くと思います)
ちなみに、全く例えになってませんが、病気の原因は「人によりけり」ですよ。
インテリ風吹かせてしったような嘘を言う人間がなにいってもね。
単に他人に嫌味をいうと自分が偉くなったような勘違いしている奴ってネットに多いね。
仰る通りです。
自らの無知又は気に食わない事実を前に、
「インテリ風ふかせてしったような嘘を言う」
等と駄々を捏ねる子供のように意味不明な中傷を展開する輩がいます。
ネットには恥知らずがいますよね(笑)
まあC/Pの構造設計のマズさに関しては数年前からM内でも公然といわれてたし反省が必要なことだけど
あなたは自説の根拠を提示すれば良いだけです。
>文民統制の言葉の端緒、本来の定義、日本での訳者、日本での既成定義を知ってますか?
質問で返すとか、上から目線で講釈たれるなら説明してみたら。
>まずあなたが知識を得て一から勉強する必要性がありますし、残念ながらこのコメント欄で何万字も費やして講義をする義理も意義も全く感じません。
ようは自分はあたまが悪くて説明出来ませんというわけだ。恥をかくのは死ぬより嫌だだが、
他人は見下したい、エラいフリをしたいという願望は人一倍強い。
本当に頭のいい人間なら難しいことを簡単に
説明できるはず。
まあ、マジで説明すると自分の頭の悪さが
露呈するからできなんでしょう。
有名人を揶揄することでガラスのような肥大した自意識を満足させるのが唯一の生きる糧。
他人から見れば鼻くそ同然なんだけどね。
合理的な思索とは、不思議なものですね。
清谷氏に質問。貴方の言う「必要な情報」の定義とは何でしょうか?
このプロジェクトでは様々な工業製品と同様に、今回のような(というか数年前から言われていた)重量超過以外にも様々な問題点が出ているはずです。清谷氏はそれについてもいちいち公表すべきとお考えでしょうか?もしそうでない場合、重量超過を特別視する理由はどこにあるのでしょうか?一体化胴体などの対策が進んでいる以上は少なくとも「対応可能な問題」ということであるため、ことさら問題視する必要がなぜあるのかよくわかりません。
XC-2の場合、A400Mのように開発費が高騰したということも無く、納入後のスケジュールが遅れているということもありません。川重からの納入が遅れたことについては理由も含めてアナウンスが行われていますから、情報公開が不足しているのはどのような基準に基づいているのか教えていただければ幸いです。
自衛隊が個人の携帯に電話して装備品の説明する事なんてあり得るんですか?
そーゆーのは禁止されてますが…
初心者の手品
試作1号機の段階で完璧な機体が出来た軍用機なんて存在するんでしょうか?
2chのスレでの話では、強度不足で補強をして少し重くなったけど、対策後は多少軽くなるとのこと。
ただ補強した際の前後のバランスが悪いので、前部にバラストを置いたため現時点では全体として重くなったという話でした。2号機は対策品が間に合わず。3機目から改善された機体が出てくると思いますので、その時点で話をすべきことなのではないでしょうか?なにを試作1号機から隠蔽しているだの文句を言うのか理解できません。
今やるべきことは機体そのものを作り上げることもありますが、一方で飛行データも取る必要はあります。これは重量増加したとて関係なく進められる作業です。それを今は遅れを取り戻すため淡々とやっているだけのことかと。
C-2も、その程度の超過なら、合格でないか?
量産までの叩き台です。
重量オーバーをあまり大袈裟に言わない方が良いのでは?
清谷氏は「空自の隠蔽体質」を殊更に言ってる様だが
ここは難産の末、大きく健康に育ったC2を観てみたいと皆で思っています。多分、氏も同様では?
それから、「空自の隠蔽体質」ウンヌンは的外れな気がします。清谷氏の様なジャーナリストから見ると「飯の食い上げ」にしか見えないのでは?
元川崎重工の技術者だったりしてw