次期大綱でF-35は導入できるか。
2011年度から2015年度にわたる次期中期防でFXが12機が調達されることになっています。
で、空自はお気に入りのF-35の導入を目論んでいます。ですが、米空軍のF-35導入は2015年にずれ込む予定です。しかもそれすらも更に遅れる可能性があります。
生産に関しては当然パートナー各国、既に発注を表明している国々が優先されます。となれば、我が国が次期中期防期間中に発注を決めても、次の次の中期防にずれ込みます。
恐らくデリバリーは早くても2020年度以降でしょう。初期作戦能力の獲得は2023年以降、本格的な戦力化は2030年以降になるでしょう。
その間にF-4EJはリタイアしています。
その間戦闘機260機体制は当然保持できません。F-35が揃うまで中国様は脅威は一時的に消えて無くなってしまうのでしょうか。それは随分と都合がいい話です。
それともF-35導入のためならば、敢えて延命措置でも施すのでしょうか。
常識的に考えれば、次期中期防期間中にF-35を調達するのは無理です。
F-35を導入するのであればむしろ、FXの次の機種として検討すべきです。
個人的には空自が想定している通常型のA型ではなく、VTOLのB型の採用を検討すべきだと考えます。
F-35B型(BAEシステムズ)
B型であれば海自のヘリ空母での運用も可能であり、また滑走路の不備な離島での運用も可能です。そのためには22DDHなどに改良を加える必要はあるでしょうが。
B型はA型などに比べれば、能力的な限界がありますが、運用の柔軟性が高まるし、島嶼防衛に際しての抑止力も期待でます。
何しろ中国にしてみれば通常の戦闘機と違うので対策をあれこれ講じないとなりません。非常に剣呑でしょう。
そのB型ですが、英国が調達を艦載型のC型に変えたために、調達数が大幅に削減されます。開発費の捻出も問題だが、米海兵隊用のB型も調達が危ぶまれています。となればプロジェクト自体が立ち消えます。
とするならば多目的空母でB型の運用を前提にしていたイタリアも困ることになるます。
ここで我が国が開発と調達に名乗りを挙げれば、関係各位に恩を売れます。交渉次第ですが、かなりいい条件を引き出せるのではないでしょうか。
共同開発に関してはミサイル防衛同様に「特例」とすれば問題ありません。内閣法制局長がウンといえばそれでOKです。
で、FXはスーパーホーネットかユーロファイターでライセンス生産し、F-35のプロジェクトに参加するならば、防衛省と空自が毀損した戦闘機生産関連企業の信用を取り戻す一助ともなります。
また難易度の高い機体を開発に参加することによって技術力の向上も期待できます。
無論これは単なる思いつきレベルのお話ですから、取得および運用コスト、自衛隊の統合運用、空自や海自の将来のあり方、産業振興など様々な角度から検討が必要です。
WEBRONZAに「中国の「ステルス戦闘機」に過剰反応する必要はない 」を寄稿しております。
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2011011400023.html
今月号の「航空情報」および「エアワールド」にも寄稿しております。
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で、空自はお気に入りのF-35の導入を目論んでいます。ですが、米空軍のF-35導入は2015年にずれ込む予定です。しかもそれすらも更に遅れる可能性があります。
生産に関しては当然パートナー各国、既に発注を表明している国々が優先されます。となれば、我が国が次期中期防期間中に発注を決めても、次の次の中期防にずれ込みます。
恐らくデリバリーは早くても2020年度以降でしょう。初期作戦能力の獲得は2023年以降、本格的な戦力化は2030年以降になるでしょう。
その間にF-4EJはリタイアしています。
その間戦闘機260機体制は当然保持できません。F-35が揃うまで中国様は脅威は一時的に消えて無くなってしまうのでしょうか。それは随分と都合がいい話です。
それともF-35導入のためならば、敢えて延命措置でも施すのでしょうか。
常識的に考えれば、次期中期防期間中にF-35を調達するのは無理です。
F-35を導入するのであればむしろ、FXの次の機種として検討すべきです。
個人的には空自が想定している通常型のA型ではなく、VTOLのB型の採用を検討すべきだと考えます。
F-35B型(BAEシステムズ)
B型であれば海自のヘリ空母での運用も可能であり、また滑走路の不備な離島での運用も可能です。そのためには22DDHなどに改良を加える必要はあるでしょうが。
B型はA型などに比べれば、能力的な限界がありますが、運用の柔軟性が高まるし、島嶼防衛に際しての抑止力も期待でます。
何しろ中国にしてみれば通常の戦闘機と違うので対策をあれこれ講じないとなりません。非常に剣呑でしょう。
そのB型ですが、英国が調達を艦載型のC型に変えたために、調達数が大幅に削減されます。開発費の捻出も問題だが、米海兵隊用のB型も調達が危ぶまれています。となればプロジェクト自体が立ち消えます。
とするならば多目的空母でB型の運用を前提にしていたイタリアも困ることになるます。
ここで我が国が開発と調達に名乗りを挙げれば、関係各位に恩を売れます。交渉次第ですが、かなりいい条件を引き出せるのではないでしょうか。
共同開発に関してはミサイル防衛同様に「特例」とすれば問題ありません。内閣法制局長がウンといえばそれでOKです。
で、FXはスーパーホーネットかユーロファイターでライセンス生産し、F-35のプロジェクトに参加するならば、防衛省と空自が毀損した戦闘機生産関連企業の信用を取り戻す一助ともなります。
また難易度の高い機体を開発に参加することによって技術力の向上も期待できます。
無論これは単なる思いつきレベルのお話ですから、取得および運用コスト、自衛隊の統合運用、空自や海自の将来のあり方、産業振興など様々な角度から検討が必要です。
WEBRONZAに「中国の「ステルス戦闘機」に過剰反応する必要はない 」を寄稿しております。
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2011011400023.html
今月号の「航空情報」および「エアワールド」にも寄稿しております。
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この記事へのコメント
なるほど(ミサイルじゃあない方のw)ATMになれと
>交渉次第ですが、かなりいい条件を引き出せるのではないでしょう
本気でそんなことを考えているなら清谷氏は頭がおかしいとしか言いようがありませんな
清谷氏が仰る「恐らくデリバリーは早くても2020年度以降でしょう」と言うことならそれからF-35を導入しても宜しいんじゃないかと。
2020年以降なら国産機ってのも有りかなあ。
純減と言うと国士様からお怒りを受けるかもしれませんが、周辺装備(ミサイルとか爆弾とか)を充実させるべき。そうそう無人偵察機・攻撃機も導入すればなお宜しい。
ステルス機のF22も最新AESAには無用の長物。
空自はプレデター無人機の導入で
F4の代替を行えば財務コスト削減で理に適う。
現状F15とF2のアップグレードを行い、
損傷や事故の充足はF16を買えば良い。
F15SEやF/A18も不要。
そもそも今後正規空軍のドックファイトなんぞ
金輪際起きないから
FXだのステルス機なんぞ不要。
無人機で十分。
ソースは?
http://www.aviationweek.com/aw/generic/story_generic.jsp?channel=awst&id=news/awst/2011/01/17/AW_01_17_2011_p20-281824.xml
あと今更開発に加わるって何をさせるつもりなんですか
モスボールしているF14~15~16~18が
大量になるから、こいつへのポン付け
無地化キットを開発すれば事足りるでしょう。
態々ユーロヤイターだのグリペンだの
考えることも無いし。
中古機の無人機化改造はメリット多いと思いますよ。
耐用年数が過ぎていようが人間が乗らないんだから事故になろうが撃墜されようが墜落しても関係ないし(洋上限定で使えば宜しい)
壊れたらエンジン外してそのまま海に捨てれば良いんだし。
金の無い日本には一番でしょうな。
態々ステルスなんか買う必要性なぞ
全く無いし国産機開発も無理だからどーだっていいし。
米軍セコハン無人機利用が一番良いですな。
まあこんな意見は航空オタクは気に入らないだろうけどねwww
あくまで支援機じゃないの?
個人的にはF-2の改良で良いと思うんだけど。
やっぱリ復活は無理なんだろうか?
それより空対艦・空対空ミサイルの射程・
精度の改良、対電子戦に資金つぎ込んだ方良いんじゃないかと?
支援戦闘機という区分はもうありません。
既にポンコツ(失礼)の
F-4に更に改良を加えて後何年使えるのですか?
それよりかは新しい機体を調達した方がよろしいかと思います。
で、今は何の飛行機がいいかとガヤガヤ騒いでいるのです。
その騒いでいるなかで既存機の改良でお茶を濁そうという意見は今回初めて拝見させていただきました。
アメリカに依存せずに、防衛が成り立つとも思えないので、アメリカの言う機種を買うのが基本なのも仕方ありません。
少々自前の防空網に穴が空いても、アメリカに頼る以外に無いのだから、特に本質的な問題ではないでしょう。
この調子では、日本が機種選定するより、中国がステルス機を開発する方が早いなんて言われるでしょうからね。
しかも完成品輸入で高い買い物して機体はブラックボックスだらけで 修理するのに製造元へ送り返すか出張して来てもらって修理するなんて稼働率ガタ減り
お茶の茶博士が仰るのは解ります 戦闘機は隊員の命国民の命を守る防波堤ですから けれど現実問題として調達資金に余裕が無いんです ならば手持ちの駒(現有戦力)で最善を尽くし コストパフォーマンスの優れた機体を導入すべきと考えますが 皆様如何でしょうか
日本には要らないような。難題も多いですし。
F-15E系列の空対空型があれば良いとは思うんですが。
空自はF-15系列に慣れてますから導入もすんなり出来そうです。
でもF-Xの候補には・・・。
ステルスは急ぎ過ぎ。
F-4を更に改良なんて思ってないよ~
ごたごた続きのF-35に大金をつぎ込む必要が
あるのか疑問におもってるだけでつ。
個人的にはF-15の後継機なら最新鋭機の選択をせつに希望するのですが、
F-4の後継機にF-35よりはF-2のアップデートの方がいいかと思ってるだけでして、
個人的には外洋に面してる日本は対艦番町優先したした機種を希望してまして、
ステレスよりは射程の長いミサイル開発に
国内資金投入を望むものであります。
話を前に戻して、
そんなの呼びでないよ~なら
すみませんでつ。<(_ _)>
仮にF-15Jの初期型もFXで更新するというのであれば、話は違うのですが、キヨタニ様は、この点はどのようにお考えでしょうか。
空自は生産基盤を全く考えずにFX調達を進めてきたとしか思えません。
失礼しました。
やっぱりF-2が間違いだったのですよ。
あれはF-16系を日本の技術で改造した派生機。
ベース機をF-15にしておけば単価に見合った性能になったでしょうに。
と思ったらF-15が事故ったら全戦闘機飛行停止!?
80年前の中国は弱々しけど、単発歩銃を持って三ヶ月で中国を消滅しようとした狂人がいましたね。
エンジンをニッ機買うならF-16買えるわ(笑)
F-35共同開発の仲間を見てみよ。
英国は垂直戦闘機の元祖だからどうしでも英国の技術いるから。
他の共同開発国々ははっきり言ったら設計図を丸ごと差し上げても米の協力なければ勝手に作れない国ばかりだ(笑)
今、中国のステルス機ができたら気持妬けてる奴は“米国の技術を盗んだ”、“ユーゴスラビアで撃墜されたF-117の残骸で逆研究でステルス機を作った”って。 馬鹿馬鹿し。
破片ぐらいもらって J-20できるなら最高(笑)
50年間も毎年米軍の倍値段で米国兵器を買い続けて米国に払った金額は天文数字だけど、領土問題は一つも解決出来ない。防衛省はまた数千億円で戦闘機を買うって。 いくら?兵器を買ったら北方領土を取り戻すのか。
防衛省を民営化して少しずつでもいいから北方領土を取り戻してや(笑)