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zoom RSS 海自哨戒機、P-1の調達数

<<   作成日時 : 2010/11/23 11:01   >>

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防衛省は16日、潜水艦や不審船を上空から監視する海上自衛隊の新型哨戒機P1を、今後5年間で約10機調達する方針を固めた。政府が12月に決める「中期防衛力整備計画」(中期防)に盛り込む。現役のP3C哨戒機は今後5年間で約20機の退役が見込まれているが、同省は退役を10機程度にとどめて耐用年数を延ばす。

防衛省は今後5年間で、約20機のP3Cの引退を見込んでいたが、国の財政難から同数のP1を購入するのは困難と判断。数年間の延命措置を施すことで、退役させるP3Cの数を購入するP1と同数にとどめる「苦肉の策」(幹部)をとることにした。

<防衛省>哨戒機P1、10機調達へ 対中警戒強化
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101117-00000006-mai-pol


 既に来年度の概算要求でも海自はP−3Cの延命を要求しています。
 海自はP−1を65機+補機7機の合計72機を調達するつもりですが、財務当局が許さないでしょう。これまで関係者を取材した感触では恐らく調達数の合計は60機を割り込むでしょう。

 仮に60機として、5年で10機のペースが続くならば調達完了に30年かかる計算になります。防衛省の発表しているLCCの試算によると、P-1の運用期間は20年とされていますから、40機が揃ったところで、初めの機体が用途廃止になるわけです。
 海自のオリジナルプランの機数であれば調達完了に40年近く掛かります。


平成22年度ライフサイクルコスト管理年次報告書
http://www.epco.mod.go.jp/about/pdf/22lifecyclecost_houkokusyo.pdf

 現在MD警戒用に赤外線探知システム、エアボスが実用化に向けて開発が進められています。これを搭載する機体は胴体下部に固定型レーダーも搭載する予定です。
 仮に海自がこれを運用するとなると、P-1はキャパがないため、搭載できないのでP-1の派生型を開発するか、別なプラットフォームを使用することになります。無人機という選択もあるでしょう。となればP-1に回せる予算は益々減ります。また三菱がプラットフォームにMRJを提案することも充分あり得るでしょう。

 P-1の運用費はかなりかかりますから、これまた予算を圧迫する要因になります。
 調達及び維持コストが割高な国産エンジンを4発搭載したことが、今後ボディブローの様に効いてくるでしょう。
 

 充分な予算がなければ既存のP-3Cに本格的な近代化を施して使用する必要も出てくるでしょう。となれば二種類の哨戒機を延々と運用せざるを得ません。つまり、訓練・整備に二系列が必要です。これもコストがかかります。


 せっかく新鋭機を調達しても整備費用が捻出できず、地上で遊ぶという状況もあり得ます。
 海自は全体の予算で何を優先するかを明確にすべきです。また燃料費の削減などに取り組んで、整備や調達予算に回すような努力も必要です。

 

WEBRONZAに以下の記事を寄稿しております。
領土保全と海保の限界―海上保安庁は国交省の外局でいいのか
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2010111500011.html

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コメント(31件)

内 容 ニックネーム/日時
P-3Cに限らず、自衛隊の装備品は冷戦期の1980年代に大量に購入されたものが多く、それらが耐用年数を迎えようとしています。ここで、きちんと装備の更新を行わないと、10年後の防衛体制が非常に不安なことになりそうです。日中関係もよろしくないですし、今日は韓国と北朝鮮の間で砲撃戦が行われたようですし、アジア情勢は極めて不透明です。今こそ、防衛費を増額するなりして、きちんと装備を整えるべきです。景気対策で何十兆円もばらまく中の、ごく一部でも防衛費にまわしてくれればよいのですから。
ぼっち
2010/11/23 17:46
哨戒機60機でも凄い規模だけどね。
K
2010/11/23 21:54
さっさとP-1を100機購入し、
周辺諸国の潜水艦がまともに活動できないようにしてやったらええんですよ。

防衛費を増やし、P-1哨戒機100機体制で日本に悪さをできないようにしてやるべきでしょう。
日本の国会議員は軍事オンチの馬鹿だ
2010/11/23 22:34
いっそのこと、3,000トン以上の護衛艦をバッサリ減らせば良い(やはり4個護衛隊群32隻あれば十分かと)と思うんですけどね。で、不足分はスウェーデンやフィンランド等が保有する300トン前後のミサイル艇(SSM+40~57ミリクラスの主砲+対空防御用にRAMでも)を建造し充当すべきかと。何なら、米海軍よろしく護衛艦にS-10掃討具+サイドスキャンソナーをパッケージ化して必要に応じて積み込めるようにするといった、「運用上の柔軟性」も必要でしょうね(ついでに言うなら、搭載艇は支援艦艇を除きRHIBに統一して欲しいですね)。ま、「伝統墨守」が信条の海自がどこまで踏み込めるか分かりませんけども、変わるべき所は変わってもらわないと、一納税者として困ります。
カッコ
2010/11/23 22:37
あと、最近ですと何やらアメリカさんからグローバルホーク(購入するとなれば、最新型のRQ-4B ブロック40でしょうか)を買うという記事があちこちの航空雑誌に掲載されていますよね。エアボスのシステムの総重量がどのくらいかは知りませんけれども、グローバルホークに搭載出来るサイズなのでしょうか?それに導入するとなると、海自と空自どちらが運用するのでしょうね。たしかドイツが4機導入したユーロホークは空軍がシギント任務に投入するのでしたか。脅威対象が異なるとはいえ、いっそのこと、統幕の指揮下に海空合同の偵察部隊でも編成し、それぞれの各種偵察機(RF-4/OP-3)や電子戦機(EC-1/YS-11EB/UP-3D/EP-33)を統合運用した方が良いとも感じるのですが。
カッコ
2010/11/23 22:52
海自は、伝統墨守とよく言われますが、本当にそうなんでしょうか
少なくとも作戦に関しては、かなり変わってるんじゃないでしょうか。
米軍と近いだけに、影響を受けているように感じるのですが。
ただ、少ない予算の中で、より効率的な防衛をするためには、思い切ったことをしないといけないでしょう。
これは、陸空自も、同様だと思います
74式
2010/11/24 00:01
記事の前半はいいんですが、後半がぐだぐだですな。
特にひどいのがこの下り。

> 無人機という選択もあるでしょう。(中略)
> 三菱がプラットフォームにMRJを提案

P-1ではキャパがない、という前提で話を進めると、まず「MRJで提案」ってのはあり得ないと思うのですが?
そりゃ提案するのは自由ですが、P-1でキャパが足りない物が、より小型のMRJにつとまるはずがありません。通るはずがないです。

また、日本では法律上、無人機の運用に強い制限があると聞きます(だから日本では無人機のテストを硫黄島でやっている)。このような状態で無人機のプラットホームってあり得ないと思いますね。P-1改造機の方がなんぼか現実味があります。

ちょっと思いつきで物書きすぎてませんか?

それに下手に燃料代を削ると、それこそ飛べない機体がワンサカ出てきますが、「飛ばさなくても良いから機体を買え」という主張でしょうか?
ちょっと耳を疑うんですが。
Null_Devices
2010/11/24 00:44
陸を削って海空を充実させるしかないでしょうね。海さえ押さえておけば、陸はオマケ程度で充分ですから。
海軍国ですからね
2010/11/24 04:02
 やはり、国産機でオンリーワンの装備
は、コストが高いのがネックですね。
Jウイングの軍事ニュースでも、英軍の
ニムロッドの調達削減とありました。
なんかP−1の末路を暗示しているよう
な気がします。
名無しk
2010/11/24 14:11
海さえ押さえれば…。
日本の海岸線がどれだけ長いか考えて来い。
何隻いると思ってるんでしょうか。
そして、陸削った予算で何隻造れると考えていらっしゃるのでしょうか。
一回社会に揉まれてから考えて来て下さい。
あなたのようなパーチクリンは・・。
カラヤ
2010/11/24 22:03
海岸線が長くて困っているならこ
そ、沖合で監視したほうが効率い
いですよ。あと飛行機の話でしょ
?何隻って‥
人の話をきちんと聴きましょうね
海軍国ですからね
2010/11/25 11:10
>Null_Devicesさん
そんなこと言っても、
これならの時代は無人機が主流です。
悪法はさっさと改正すればいいだけ。
先生がいままで言ってきたような
機体を買わなきゃ防衛は成立しない。
コスト無視なんて続けていたら、
有事に使えない軍隊になってしまう。
先生の提言を要約したようで僭越ですが、
先生の意見は大体そんな感じだと思います。
近代化とコスト削減くらい、
これからの世界の軍隊で必
要なことはないと思います。

軍曹
2010/11/25 15:07
>海軍国ですからねさん
>沖合で監視したほうが効率い
いですよ沖合いになればなるほど監視する面積も増えますし
そもそも空中からの監視で100%監視できると本気でお考えですか?
また飛行機にしろ船にしろ陸を削って得られるものは限られます(それががどうやって戦力足りえるかを考えてください)
カラヤ氏ではないが
2010/11/25 17:46
う〜ん、思慮が浅いんだろうね…。
海から攻められる時ってどういう状況を考えられているのでしょうか?
大艦隊で攻めて来る感じなのでしょうね。
民間船や漁船を装って、例え10人ずつでも上陸を目指されたら、防ぎきれると思います?
非上陸後の対応をするのは人であり、その時に必要なのは数なのだよ。
少ないんだよ、その兵隊の数すらも。
一回社会に揉まれてから考えていらっしゃい。
カラヤ
2010/11/25 22:09
> 例え10人ずつでも上陸を目指されたら

 そんな点滴投入で何をするのですか?

 まずは陸なんて10万いればどうにかなるだろ。社会がこれだけ不景気で財政も厳しいのに「少ないんだよ、その兵隊の数すらも。」なんてよく言えるね。

 大砲よりバターだよ。一回社会に出てみなさいな、不景気が身にしみるから。
派遣切り
2010/11/26 08:34
>カラヤさん
侵攻のイメージと言うのはその人が持つ相手の意志の見積りが影響していると思います。
相手が何を目標として上陸するのか?という点で食い違っているのではないでしょうか?
カラヤさんが考えているのは小規模単位の上陸によるゲリラなどの擾乱活動だと思います。
もし、大戦時のような敵国を地図から消すような侵攻であれば多数の大型船舶での上陸が不可欠です。
そこで両者の意見が食い違うのではないでしょうか。
ゆう
2010/11/26 09:25
>燃料費の削減
これってIEPを採用してって事でしょうか?
それとも航海時間を削減?
斜め上
2010/11/26 09:41
>派遣切りさん
結局のところリスク管理と優先順位です。
軽軍備であることのリスクがその予算を別分野に振り向けることで得られるメリットより小さければ正しいことです。
そうでは無いのに軍備を軽視すれば大戦時のヨーロッパのようになります。
今の不景気と占領下での国民生活のどっちがマシでしょうか。

軍備には過誤はあっても意図があります。
なぜそうなるかを考えてみれば新しい職場にもありつけるのではないでしょうか?
ゆう
2010/11/26 09:43
74式は近代改修して延命しろと?
言ってる事が、本末転倒では?
で?
2010/11/26 20:08
>充分な予算がなければ(中略)訓練・整備に二系列が必要です。これもコストがかかります。

清谷氏にお聞きしたいのですがこれって何を導入しようと(今回のP-1に限らず戦車やF-Xも)と同じことになると思うんですが
まさかP-3Cを今後も使い続けろということですか?
ケンケン
2010/11/26 21:19
>派遣切りさん

>> 例え10人ずつでも上陸を目指されたら

> そんな点滴投入で何をするのですか?

> まずは陸なんて10万いればどうにかなるだろ。

96年に韓国で起きた江陵浸透事件では、たった26人の工作員の掃討の為に、49日間の期間を要し、延べ150万人の兵士の投入を余儀なくされています。
参考までに。
abc
2010/11/27 14:24
96年に韓国の事を引く合いに出し、陸自がもっといるって言う人いるけど、そんな可能性あるの??
原発などの警備をすればよいのじゃないの??
来る時と逃げる時は、海を通るのだから、
海空自がいるじゃん

あと、中国も北朝鮮も、陸上兵力が多くても困る
海空兵力が、多い方が、困るんじゃないか
にこ
2010/11/27 21:04
原発「だけ」?
たとえば空港や港湾、駅や高速道路等
防護すべき対象はいくらでもあります
そもそもこういう場合攻める側は上記のような重要対象から
それこそ囮で誰かの個人住宅まで好きに選べるのに対し
守る側はそのすべてを常時警備しなければならない
(ということは24時間体制で警備せねばならず最低3チームは必要になる)以上どうしても数が必要になる
そういう話です

ところで清谷氏にお聞きしたいのですが
僕のパソコンから「また」アクセスできなくなっているのですがなぜですか?
まさか26日の21:19の書き込みが理由なのですか?私は質問をしただけなのですがそれが悪いのですか?
ならばこのブログの存在意義は何なんです?
11/26 21:19の人
2010/11/28 00:00
>11/26 21:19の人
あなたは以前からケンケンというハンドルネームでコメントしていませんでしたか?

キヨタニ
2010/11/28 00:56
はい、それでは書き込めないので今回臨時に
このHNを使わせていただきました
11/26 21:19の人
2010/11/28 06:38
>にこさん

>来る時と逃げる時は、海を通るのだから、
>海空自がいるじゃん

日本国内に潜伏しているスリーパーが本国の指示で破壊活動を行う可能性も考慮するべきではないかと思います。
この場合、海空自衛隊は全く役に立ちません。
また、工作員が拳銃以上の武器を所持している場合、警察力では有効に対処できず、どうしても陸自の力が必要になってきます。

ゲリラが厄介なのは、敵がごく少数の戦力でも、我が地上戦力を大規模かつ分散させて誘引し、拘置させてしまう事にあります。

壁を高くすれば、中の家屋は防備を引き下げてもよい。という考え方は危険です。

壁を高くしても乗り越える方法はありますし、壁を越えず、無害を装って玄関から堂々と入ってくる敵もいるのですから。
abc
2010/11/28 11:31
過去の言動を鑑みればぼくはあなたを歓迎しません。そういうことです。
キヨタニ
2010/11/28 11:32
陸海空、それぞれ、無くなってもいいものは一つも無い。
でも、今の対中関係をみると、海空自が優先されるのは仕方ない。
そんな中で、防衛大綱などを見てると、陸自が必死で、生き残りをかけている気がする
そういった意味では、災害派遣を本来任務化したのも、陸自のためなのでわ
にこ
2010/11/28 14:41
海空が重要なのはその通りですけど、既に陸が海空のために削られ続け、本土防衛に最低限必要な規模を割っているといわれる現状では、これ以上陸を削るのは難しいんじゃないでしょうか。
abc
2010/11/28 16:41
中国と韓国に海底資源を狙われている日本は、尖閣諸島と沖ノ鳥島をしっかり守っていかなければいけないと思う。ただし、借金大国日本を占領しても何のメリットも無いので、陸自削減しても大丈夫だと思う。
百姓
2010/12/05 16:34
う〜みゅ(ー.ー;)低速での飛行が要求される耐潜哨戒機にターボファンエンジンとは…もっとも改装するにしても適当なペラ機は今更無いかんね。ちうごくはロシアモノのボロをコピーして改装してP3Cより高性能ちてイバリッ<(`∀´)>こいとるみたいやけどベースはロッキードエレクトラと同世代なんやから、んな訳ないやろ。国産のC1ベース出超不安。
好きもの
2013/04/18 11:38

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