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zoom RSS 陸自に医療ヘリの導入を

<<   作成日時 : 2010/08/17 00:05   >>

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 自衛隊では将官・将校は戦闘で死傷しないことになっているらしいです。
 医官など一部の例外を除いて予備自衛官は3尉以下、殆どが下士官兵です。

 なんだか古い勧善懲悪的なロボットアニメの見過ぎではないでしょうか。

 この手のアニメでは主人公達は死なないし、怪我をしても次の週の回には大抵完治しています。


 ギャグアニメなどでは主人公の乗っているクルマや飛行機が壊れてもキャラクター達はピンピンしています。
 自衛隊のエライ人たちは「スカイキッドブラック魔王」とか「タイムボカン」シリーズの見過ぎなのかもしれません。

 ところが、実際の戦争や戦闘では死傷者がでます。


  看護陸曹は諸外国の衛生兵)と異なり、医官の命がないと注射も投薬も出来ません。
 医師法に縛られているからです。このような現状が放置されているのは、つまるところ、実際に戦闘をするつもりがない、あり得ないと思っているからでしょう。あるい起こって欲しくないと思っているからでしょう。
 
 ですから前にも書いたように、陸自では途上国ですら普通に装備されている装甲救急車すらまったくありません。

 当然医療部隊の予算も少ないわけです。

 ひつこいようですが、実際に戦闘になれば死傷者がでるのは当然です。実戦を想定した医療装備を調達すべきです。

 その一つとして医療部隊専用のヘリを導入すべきです。

 医療設備の揃ったヘリで後送し、迅速に設備の整った後方の病院に移送すればかなりの負傷者の命が救えます。また失う手足や視力なども最小限に抑えられます。
 仏軍はそれをアルジェリアで学び、米軍はベトナムで学びました。

 ヘリは貴重で実戦部隊でも足りていない。医療用のヘリなど必要ない、必要な時には汎用ヘリに医療装備を積めばいいではないか、という声も自衛隊内部にもあります。
 
 そら、米軍の8〜9倍の値段でUH−60を調達したりしていれば、ヘリが足らないのは道理です。

 医官たちはタダでさえ数の少ないヘリは、有事には我々の所には回ってこないといいます。

 例えば実戦の経験がない自衛隊がゲリラ・コマンドウと戦った場合など、思わぬ損害を受けたり、同士討ちをしたりして多くの死傷者を出す可能性も否定できません。そのようなシナリオで何が起こるかをもっとリアルに考えるべきです。

 有事に備えるためにも即応性の高い、医療用ヘリが必要です。

 仮に3〜4トンクラスのドクターヘリと同程度のものであれば、概ね一機5〜7億円程度で調達が可能です。毎年3機づつ調達するにしてもOH−1一機の調達費よりも安い(開発費を含めたOH−1の調達単価は約60億円ですから、これと比べれば1/3です)。
 
 例えば各方面隊に3機づつ配備し、平時はローテーションで各1機をドクターヘリとして使用してはどうでしょうか。無論要請があればローテーションの担当以外のヘリも出す。その代わりに運用費の一部は自治体に持ってもらう。そうすれば維持費も安く抑えられます。

 医官やクルーは常に「実戦」を経験できます。また自治体は自前のドクターヘリをもつよりも安くクルー込みでドクターヘリを運用できます。防衛省としても民生協力のを通じての自衛隊のイメージ向上に役立ちます。

 大規模災害においてはこれらの機体を集中的に被災地に投入すれば、かなりの被災者の命を救えると思います。

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コメント(13件)

内 容 ニックネーム/日時
予備自衛官の階級構成と幹部の死傷者の発生とどういった関係が有るのでしょうか?
私は有事には予備自衛官は駐屯地警備等の後方勤務に付くと思いますが、キヨタニ先生は前方任務に就くことを考えておられるように見えます
しかし、年5日の召集訓練のみの指揮官に率いられる部隊がかわいそうな気もします。
防衛招集がかかってから訓練をするつもりでしょうか?
また、召集が解除されれば去っていく人間に多大な期待をするのは酷だと思います。

>ドクターヘリ
あればうれしいは解りますが正直戦場において比較的脆弱な兵種であるヘリは使いどころが難しいように思います
敵の対空火器の脅威が無い場所からさらに後方の施設が整った場所までの搬送でしたら色々条件付けして区分しなければいけませんが
現状の枠内で運用すると考えるとそれほど大きな効果は望めないように思います
ゆう
2010/08/17 00:52
そういえば、2ヶ月ほど前に出た「パンツァー」のトピックスで、陸自の普通科部隊の自動車化率100%達成、なんて記事が出ておりました。それ以外の職種はどうなっているのでしょうね。最も、陸自内で一番、頭数が多いのが普通科でありますから、必然的に車両台数も必要なわけですが。それと以前から清谷先生が指摘されている救急ヘリと装甲救急車。いずれも正面重視の偏った装備調達の弊害でありますが。ここは一つ、手っ取り早く海外から・・・・となると、また一悶着ありそうですね>< 第一、やれ車両運送法が、とか何とかと法律の壁がありすぎます。
かつかつ
2010/08/17 06:37
救急ヘリちょうだい!→事業仕分け対象に・・・→民主党某議員『わざわざ別に分ける必要はあるんですか?』→調達中止

清谷氏に質問です。
10式戦車を調達せず74式戦車の改良で良しとする主張をなされているようですが、改良プランと推定予算を説明してください。なるべく記事等は読むようにしていますが、具体案がないようなので。見逃したかもしれないですが。
ぐすたふ
2010/08/17 06:52
>普通科部隊の自動車化率100%達成

まったくどこの途上国と話かと。
普通科は昔から自前の車輛を持つのにあまり熱心でなかったと言う話を元幕僚長から聞いたことがあります。

この次は装甲化ですけど、まああれです。
単に装甲化すればいいというものでもないのですが、経費節減と人員削減のために軽装甲機動車をAPCに使用しているようでは先が思いやられます。
キヨタニ
2010/08/17 08:21
私は陸自にドクターヘリがあればそれにこした事はないし、大いに活躍してくれると思います。

確か米国は日本に対して陸自のCH-47部隊と医療支援部隊のアフガン派遣を要請していますが、戦場においてこの手のレスキューヘリが多大な需要があるという事でしょう。
松本信二
2010/08/17 09:30
先日発売のパンツァーでしたか。陸自の車両調達の問題点として法律面の問題等を指摘した記事がありました。日頃から清谷先生が指摘なさっておられる事が、そのまま載っていた気もしますが。個人的には、海外から輸入するなら、BAEシステムズのCV-90とかフィンランドのAMVがとも思うのですが、今月発売の軍事研究で英国がFRESとしてアスコッドを採用したとありましたね。何でもCV-90はここ何年かは受注がないとか。それも勘案しての採用だそうですが。仮に同車を我が国で導入しようとしたら、真っ先にどこが反対するのでしょうか?メーカー?技本?それとも陸幕?普通の市場なら国産だろうが、輸入品だろうが差別されなく買われていくのに、兵器となると途端にあれこれと余計なモノが付いてくるのはなぜなのでしょうね。やはり、「国の威信」が掛かっているからでしょうか?
かつかつ
2010/08/17 11:33
清谷さんのブログを初めて拝見させていただきました。

救急ヘリはあって損することはないと思いますがね。防衛省は正面装備に金をかけすぎです。兵士の命をなんだと思っているのですかね?

救急へりは平時は小松の救難隊みたいに活躍できるので、決して無駄ではないです。
とめ吉
2010/08/17 12:04
OH-1のユニットコストは約25億くらいでは?60億の根拠がわかりません。ドクターヘリを地方に置き一部経費負担させるのですか?今でも運用予算が無くてヒーコラ言っているのにですか?沖縄や東京はどうするのですか、端まで届きませんが。有事の際はあらかた出払うのでしょうから地方のドクターヘリは0になりますよ。航空救難団を拡充させたらどうでしょうか。
ぐすたふ
2010/08/17 14:58
>>清谷様
平成22年度概算要求におけるOH-1の調達価格は4機で78億円になります.ですので1機あたり20億円です.どのような経緯でそのような数字を採用されたのかは存じませんが大事な数字です.この辺の数字をおろそかにされますと面倒な事になるかと思われます.釈迦に説法ではございますが,前回のUH-1の件でも同様の理由で指摘させて戴きました.
気まぐれ定期読者
2010/08/17 23:27
>OH-1
開発費(追加含む)
初度費を調達機数で割るとこの数字になります。
キヨタニ
2010/08/18 09:52
初度費ってなんだろね?
うむむ…
2010/08/18 14:56
>うぅむ
初度費とは製造設備などを整備するお金です。
((開発費+初度費)÷38機+38機の調達費)÷38機=60億円ですか。調達費を比較する上であまり参考にならないのでは?ドクターヘリ側は開発費とか入っていない単価なのではないですか?その比較法だとA-400Mは300億円位ですかね。機数は多いけどお金使ってますからの。XC-2は160〜200億円くらいですか。こっちは機数が少なく開発費が安いですからね。あと『ひつこいようですが』とは何処かの方言でしょうか?
ぐすたふ
2010/08/18 15:42
連投失礼
すみません『うぅむ』ではなく『うむむ・・・』でした。しかし何故清谷氏は国産純偵察ヘリとドクターヘリに用いるような民間機を比較するのだろうか?純粋なドクターヘリじゃチャフ・フレアとか付いていないから前線で用いるのは厳しい。あったらあったで完全なデットウェイトですからね。乗員や整備員、整備用治具、運用設備ほかを揃える方がヘリ調達費用より遥かに高いんですけどね。
ぐすたふ
2010/08/18 16:15

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