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zoom RSS 防衛省と民主党 概算要求と大綱と中期防と・・・

<<   作成日時 : 2010/08/14 11:05   >>

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 さて、今月末には防衛省の概算要求がでることになっています(多分)。

 昨年秋に政権の座に就いた民主党は本年度の予算は精査する時間も充分にありませんでした。これは致し方ないでしょう。
 来年度予算は今回は民主党政権下で初めての独自色がだせる予算、のはずでした。

 ところが、ぼくが取材する限り防衛省には政府および民主党が「こういうコンセプトで予算を組め」という指示が全くないようです。民主党内で防衛予算に関する議論もまったくないようです。

 民主党は政権を取って何がやりたかったのでしょうか。

 政権を取るのが戦略目的で、その目的を達したのでやることが無いのでしょうか。


 先の参議院選挙の後は党内は敗戦ショックで茫然自失状態らしいです。しかも9月14日の代表選挙で又首相が替わる可能性もあります。ですから様子見で殆どまともな動きがないようです。

 党利党略よりも国家運営が優先されるべきと、思うのはぼくだけでしょうか。

 現在の内閣は鳩山時代からの「居抜き」ですから首相が続投になっても大幅な内閣改造となるでしょうし、党人事などもあるでしょう。
 
 となれば新体制が動き出すのは10月半ばぐらいになります。
 で、年末までには政府案をだわけですから、従来通り、代わり映えのない概算要求を「民主党色を出した予算」に組み替える時間は約1ヶ月ほどしかありません。
 これでは殆ど抜本的な見直しや、民主党色(というものがあればですが)を出すのは不可能でしょう。

 つまり、来年度予算は本年度同様、自民党の与党時代と大差のない予算が組まれることでしょう。

 
 大綱・中期防の策定のタイミングも問題です。
 本来概算要求に先立って防衛大綱と次期中期防を策定すべきです。ところがこれらが策定されるのは概算要求がでた後です。順番が逆です。
 戦略的目標が不明なまま戦術的な作戦を策定するようなものです。

 もし「画期的」な大綱が出た場合、概算要求を大きく修正する必要がでてきます。
 現在の防衛大綱のあり方には批判も多いです。買い物リストたる別表至上、空疎な作文とか。
 買い物リストにしても陸自に関しては主要装備は戦車と火砲(しかも火砲は野砲とMLRSが一緒になっています)しか記載されていません。
  
  しかも今年は今に至っても防衛白書すら出ていません。


 順序からいえば本来大綱、中期防の策定は4月ぐらい、遅くとも5月までに済ませておくべきでした。そうでなけば政府の意向を反映した予算案は組めません。

 概算要求を揉むための時間を捻出するのであれば、代表戦は選挙の直後、遅くても国会が終わった今頃に設定すべきでした。そうしていれば遅くとも9月半ばぐらいには新体制が整っていたはずでした。

 まあ、民主党のセンセイ方は夏休みが欲しかったのでしょう。
 そのバカンスのツケは国民に回ってくるわけです。

 夏休みや地元の顔つなぎよりも国会議員として重視することがあるかと思うのですが、そのようには思わないようです。算編成は官僚任せでもほったらかして、地元に揉み手でくるような人間が次の選挙で選ばれるでしょうか。

 
 来年度の予算には民主党色を出せる余地は極めて少ない、ということになります。子供手当とか、農業の所得保障とか、高速道路の無料化とか金をばらまく以外の政策らしい政策を提示して欲しいものです。

  

 いつまでも野党気分では困ります。もっともそうだからこそ先の選挙で大敗したのでしょうが。




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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
キヨタニ先生、トマホークの導入は今回の大綱と中期防では難しいですかね?
長島昭久政務官がトマホーク導入を以前から主張していたと記憶してるんですが。
松本信二
2010/08/14 11:19
個人的にはトマホークは憲法違反だと思う
通りすがり
2010/08/14 11:36
>通りすがり氏

失礼ですがあなたに聞いていませんし、憲法上持てないとされているのは攻撃型空母とIRBMです。
松本信二
2010/08/14 14:07
トマホークは憲法違反ではない。

日本国憲法に、トマホークの保有を禁じる条文は無い。
名無し
2010/08/14 18:34
 このまま今の民主党政権が続くようでは、我が国はほんとにやばいです。
 ただ多くの国民は「愚民化」してしまっています。ネクタイをしめたサラリーマンが電車の中で週刊マガジンやジャンプを読む時代なんです。出演者だけが楽しんでいるようなテレビ番組が視聴率をとれる時代なんです。
 多くの国民は反日的左翼的なメディアのおかげですっかり我が国の伝統、歴史、政治に関心をなくし「バカ」になっいています。そういうバカ国民の票を民主党も自民党もうまくすいあげているだけでしょう。世の中倫理やモラル、公の精神をなくしたバカばかりです。
あなきん
2010/08/14 19:47
基本的に憲法が禁じている兵器はありません。攻撃型空母などは国会答弁での政府見解です。本当は攻撃型空母など存在しません。米国のような空母という意味でつくられた「国会用語」です。
要は憲法解釈の問題ですから内閣法制局長がOKすれば核兵器でも基本OKということになります。

またなにもって「巡航ミサイル」というかの定義も問題になります。
巡航ミサイルの保有は政府の見解を変えればいいだけの話です。
キヨタニ
2010/08/14 19:52
ハープーンも「巡航ミサイル」だという方もいますしね。

トマホークは島嶼防衛にも有効だと思うんですけどね。リベラルな議員が多い民主党政権では期待薄ですかね。
松本信二
2010/08/14 20:30
>先の参議院選挙の後は党内では敗戦ショックで茫然自失らしいです。しかも9月14日の代表選挙でまた首相が替わる可能性もあります。
>現在の内閣は鳩山時代からの「居抜き」ですから首相が続投になっても大幅な内閣改造となるでしょうし、党人事などもあるでしょう。

自民党時代は政調会の防衛部会で防衛政策の議論が行われていました。「党政府の二元化」による責任所在の曖昧だの「族議員」による利権だの批判はありましたが、防衛閣僚が替わろうが党内である程度の一貫した防衛政策を構築するシステムとして機能した側面はありました。
今の民主党は(急に復活した)党の政調会も十分に機能はしていないし、基本的に防衛の政務三役会議と一部大物政治家(首相・官房長官など大物閣僚・幹事長)が絡むシステムになっていることから、防衛政策に精通する議員が中心となって政党として一貫した防衛政策に携われるシステムとしては不十分になっています。

>代表選挙は選挙の直後、遅くとも国会が終わった今頃に設定すべきでした。
これは私も同感。菅首相が参院選で敗れたため、代表選が終わらない限り民主党政権基盤が確立されない政治空白の状態が続いている。
あまりにも代表選を早期に指定すると反菅の対抗馬封じの恐れとか党員選挙の準備期間もあるから日数が必要というのは理解できないわけではない。だが、せめて8月下旬くらいまでには代表選を終えて、政権基盤を早期に整えるべきだったろう。代表選が9月中旬と参院選から2ヶ月もターンを設けるようでは余りにも遅すぎる。
へろ
2010/08/14 23:01
 実際民主党内では防衛問題を話し合うような機会が平場も含めてほとんど無いようです。
 政調会にしても、どうせ9月になったら総入れ替えと思っているので殆ど議論がおこらない。

 事実上選挙後から10月半ばぐらいまで非常に長い政治的な空白が続くことの問題を民主党が理解していない。まあメディアも同じですけど。

こんなことをしていると来年には野党に逆戻りする可能性すらあると思うのですが。
キヨタニ
2010/08/14 23:23
民主党の部門会議には制服組は呼ばれないんですか?

自民党は国防部会に制服組が何人も来ていますよね。
松本信二
2010/08/14 23:46
前から思っていたのですが、民主党は、選挙だけに専念して、実際の国政は他の政党に一任した方が良いのではないのでしょうか?
シロ
2010/08/16 00:11
>自民党は国防部会に制服組が何人も来ていますよね
 確かに各幕の防衛部から来てますが、ただ来て座ってるだけ(議員から意見を問われることもなく)。
暑い!
2010/08/16 09:20
永田町界隈を取材すると、本当にこの国の国防は大丈夫だろうかと思うことは非常に多いですね。
キヨタニ
2010/08/16 10:19
キヨタニ先生が比較的まともなことを言ってる。
一体どうしたんですか?
夏風邪でもひかれたのではないかと心配です。
吃驚!
2010/08/16 21:57

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