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zoom RSS 自衛隊に「海兵隊」  と 陸自の水陸両用装甲車

<<   作成日時 : 2010/05/25 21:50   >>

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 石破氏「日本に海兵隊ないのはおかしい」
 http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20100523-633164.html

 石破氏がテレビの報道番組で、「将来的に日本のような島国に海兵隊がないのはおかしなことだと思っている」と述べたそうです。
 以前から石破氏は海兵隊のような水陸両用部隊の必要性を説いていたので、びっくりするような話ではありません。

 ぼくも同意見で拙著「専守防衛」でも素案を示しています。

 
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祥伝社
清谷 信一

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 普天間問題は本来、日米の軍事的分担や、自衛隊の組織の見直しなど、もっと川上から議論を行うべきでした。その中では何故我が国は海兵隊をもたないかということが議論になってもいいはずでした。そのような本質に迫る話が、政治だけでなくメディアでも戦わされなかったのは非常に不幸なことです。

 海兵隊をもたないということは、一旦島嶼などを占領されたら、それを奪回しませんといっているのに等しいわけです。つまり周辺諸国の冒険主義を招きかねません。つまり我が国の抑止力をとして問題ではないでしょうか。

 海外で海自の任務で海自の艦艇に同乗したり、停泊地で警備をするためにも海兵隊的な組織は有用です。
 

 いわゆる識者の議論を聞いていると海兵隊を持つのには攻撃的な部隊であるから、反対の声が多いわけです。それは海兵隊に帝国主義の尖兵という古典的なイメージもあるのでしょう。
 不思議なことにそのような主張をする人達が周辺諸国の海兵隊や海軍歩兵が我が国に取って脅威であると非難していることを聞いたことがありません。
 

 現在大規模な上陸作戦を行えるような海兵隊を持っている国は米国しかないし、多くの国では海兵隊は水陸両用銭も可能な即応部隊的な性格が強くなっています。
 
 海兵隊というと我が国では米海兵隊を想定した発言が多いわけですが、あれは異常に巨大な組織で、多くに国の海兵隊とは異なります。米海兵隊=海兵隊というイメージで我が国に海兵隊が必要か、否かという議論をするのはいささか不毛であります。


 当然自衛隊のあり方も再検討が必要です。
 島嶼防衛が重要だ、予算が足りないといいつつ、財政難の昨今、不要不急の新戦車を調達し、ているのは優先順
位と予算分配に関して当事者能力が欠如しているとしかいいようがありません。

 実は防衛省では米海兵隊のFEVあるいはAAV7のような、水陸両用装甲車の開発を計画しているそうです。陸自では水陸両用戦の能力を拡大する、その一環だそうです。

 海兵隊もないのに、つまり運用もまったく未知数なのに、そのような専用装甲車を開発してどうしようというのでしょうか。

 そもそも必要とされる数だってせいぜい30〜40輛程度でしょう。

 例によって中途半端な開発費をかけて、まともなものができるかも極めて怪しいと思います。

 経験もないし、開発に金はかけられないし、調達数も少ないのですから、英軍のバイキングやピラーニャIIIあたりからコンペで選べば宜しいかと思います。


 そんなものに大金かけて開発する必要があるのでしょうか。そんな金があるなら、既存の装甲車やヘリを調達すべきです。

 予算の整合性をまったく考えていない。殆ど準禁治産者です。
 いまだに装備調達においては、調達性がまったく無視されております。しかも陸幕は開発費は技本の予算だから陸の装備調達費には入っていないと、という考えが未だに支配的です。ですから無駄遣いに大らかなわけです。

 こんなマスターベーション的な装備を開発・調達するならば、保育園をつっくったり、ドクターヘリでも買ったりするほうが何倍もマシです。
 コスト意識に欠ける技本と陸幕の浪費癖が治るまで、開発や調達予算を半分ぐらいに減らしらた方がいいのではないでしょうか。


 例えば、首都防衛の要である第一師団第32普通科連隊にしても、昨年度まで装甲車が無く、今年度より一個中隊にやっと軽装甲機動車が配備されました。 因みに軽装甲機動車はNBC装備がないので、化学あるいはバイオテロ、バイオハザードなどの状況下においては役に立ちません。


 首都防備のこのような状態を陸幕や統幕はどのように考えているのでしょうか。関東より西部の部隊など更に悲惨な状態にあります。
 

 また陸自では中央即応集団や北海道の部隊ですら、暗視装置やタクティカルライト、光学照準器、個人無線機など個人装備の収得も大幅に遅れているわけですが、これらの装備の調達費をどから捻出するのでしょうか。
 PKO用の装備もお粗末なままです。

 中央即応集団でも外地に行く隊員達を中心に個人で装備を調達している有様です。

 
 まずは水陸両用部隊が、何故必要なのか、必要ならばどのような任務や作戦のシナリオを想定しているか、どの程度の規模にして、どの程度の能力を持たせるのか。

 そのような議論を防衛省の中だけではなく、政治の場でも行う必要があります。そして、具体的、そのためにどれだけの装備が必要なのか、あるいはどれだけの予算をするのか、その捻出するために何を諦めるのかを決定するべきです。

 海兵隊の創設と陸自の近代化のためには大幅な人員削減が不可欠です。UAVにしろ、衛星通信にしろ、ISR関連にしろ、昔は無かった装備や部隊が多く必要とされていますが、現状の予算規模では無理です。
 そろそろ現実に目を向けるべきだと思いますが、市ヶ谷や永田町にはそうは思わない人達が多いらしいです。

 

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コメント(11件)

内 容 ニックネーム/日時
第1師団っていつのまにか中央即応集団(CRF)に編入されたのかしら? ここ(http://www.mod.go.jp/gsdf/crf/pa/)を見ると違う気がします。また、戦略機動単位のCRFを首都防衛の要っていうのは、個人的には違和感あります。

軽装甲機動車ってNBC環境下で乗車戦闘する車両ではナイです。だからそのような任務なら事前にNBC個人装備を着用して乗車するので、車両にNBC装置は不要かと。それに、たしかキヨタニさんは同車両は5.56ミリ小銃弾に対する対弾性も無いとおっしゃていましたが、そのようなソフトスキンに無駄な装備を施すより、他の有用な装備の購入費用に回しましょう。
。。。
2010/05/26 03:21
中国が質的な差を狭めてきてるのに、人員を減らせっていうのは、いい加減に止めてはどうですか?
五年後十年後には現状でも不足すると思いますよ。
最低でも陸自には敵上陸部隊を排除できる能力は無いと困ります。
戦争へのハードルを下げる行為と認識した方が宜しいかと。
がんかた
2010/05/26 04:55
武器の種類やその性能レベルの問題は軍備費が解決する話だ。選ぶ商品に迷うことがないほどに、たくさん販売してる。今の憲法下では、自衛力の増強しかできない。自国の軍隊が自国を護ることの姿なくして主権国家ではないので、軍事同盟の見直しと、自動更新のストップをして、自衛力の増強の国民的意志統一はいつかしなければならない。国民的平和主義からの脱却である。
アメリカに日本が、辺野古ではなめられたことの事態を世界の軍事専門家の嘲笑に会っている。経済戦略的にもドルから元の傘下に入ることも含めて考えようとしない、リーダーと国民の幼稚さたるや。。戦後の米国型民主主義の教育は破産した。アメリカのカモに経済でされて、今なを一海兵隊で国家リーダーが悩むほどの資質に問題がある。アメリカの衰微はもう大昔からだ。ファントム級以上の自国戦略ジェット機の開発をスタートすべきだ。自国は自国の政治的信用を国民から得て、政治の最高形態としての軍事を、自ら推し進めることが、国家のありようだ。国家の総合戦略の筋が軍事配備を決定する。科学的戦争論においては、その逆ではないとなる。
さとし君
2010/05/26 05:38
獲らぬ狸の皮算は後にして、先ずは奪われた政権を奪回してから「石破防衛大臣に」頑張ってもらいましょう。
政権奪回
2010/05/26 05:53
>第1師団っていつのまにか中央即応集団(CRF)に編入されたのかしら?

ご指摘のとおり誤りです。訂正します。

キヨタニ
2010/05/26 12:47
あったら良いけど、どうにもならない事の一つですよねこれも。
そもそも今ある戦力を削減してまで海兵隊を保有するのは論外ですし。
まあそれは兎も角としてここは一つ、清谷さんが詳しい英海兵隊”だけ”についての記事でも書いてくれませんかね?
はっきり言ってモデルケースの一つとしてとても興味深い。
ああ、日本との比較論はいらんですよ。折角の英海兵隊に対する新たな知見をそんな邪魔な物で削がれたくはありませんので。
あーにゃ
2010/05/26 22:06
はじめまして、こんにちわ。そもそも山だらけの島国日本に陸軍って必要なんですかね。なんぼ陸でガンバっとっても制空権、制海権なかったら陸自は餓死するだけでしょう。人民解放軍の日本上陸を許した時点で負けなんですから。陸自は大幅に削減縮小すべきです。陸自に残すのは対空部隊、対テロ部隊、災害対策部隊で戦車隊や砲兵隊等の重装備は全廃するべきです。陸自の重装備なんて防衛省幹部の天下り対策にすぎないと思います。削減した人員予算で空自、海自、海保や警察を増強すればいいのです。海自に陸自の一部を海兵隊として移管することに大賛成です。さらに前記の各部隊を除外した残余の陸自を国家武装警察隊に再編成して国内の大規模騒擾対策、既存警察の補助に用いたいです。丸誌などで戦車隊が疾走する光景は山だらけの島国日本にとって皮肉以外の何物でもないですね。
ニホンカイ
2010/05/29 11:45
尖閣諸島上陸を考えていた人民解放軍が日本本土上陸に切り替えそうな話ですね。
ROM男
2010/05/29 16:40
 清谷先生、機会がありましたら以前コンバットマガジンで掲載されていた米海兵隊の歴史の
ようなイギリス海兵隊の歴史、編成、装備に
ついてまとめた本を書いていただけないでしょうか?
 イギリス海兵隊だけを取り扱った本は洋書で
しか手に入らないので。
TK
2010/05/30 07:51
軍事研究で、昨年の海兵隊に関する寄稿をしてます。それから「専守防衛」でも触れています。
ただ、現在の英海兵隊を紹介しており、歴史などにはあまり触れていません。
そのうち英海兵隊の取材をしようと思っています。
キヨタニ
2010/05/30 11:03
>水陸両用装甲車の開発を計画しているそうです。陸自では水陸両用戦の能力を拡大する、その一環だそうです。

それにしてもこれのどこが悪いんだろうね?
これからは現行の組織の規模を維持するのが精一杯、だからといって何もしない訳にもいかないというだけの事でしょうに。
あーにゃ
2010/06/05 22:42

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