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zoom RSS 空自家具入札 地方調達の問題点

<<   作成日時 : 2010/03/06 22:36   >>

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空自家具入札、防衛省に官製談合適用 公取委、改善要求へ 
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20100305ATDG0402G04032010.html


 航空自衛隊が発注したオフィス家具の入札を巡るメーカー各社の談合疑惑で、公正取引委員会は4日、発注計画を担当する空自第1補給処(千葉県木更津市)現役隊員の談合への関与を認定し、防衛省に対して官製談合防止法に基づき改善措置要求をする方針を固めた。要求が出されれば7例目で、中央省庁では国土交通省に次いで2省目となる。
 
 この種の地方調達の談合や特定業者経由の発注は日常茶飯事です。

天下りがいる基地周辺の企業による利権漁りは非常に大きな問題です。天下りした隊員たちが現場にいる現役の隊員と組んで悪さをするケースは極めて多い。
 
 例えばどこかのメーカーや商社の扱っている商品を「天下り企業」を経由して納品しろと、陰日向に圧力をかけたりします。これが防衛産業大手の子会社だったりすることもあるわけです。

 その会社が何をするかといえば何もしないわけです。単にその会社の口座を通すだけで、何割かのマージンが落ちるシステムになっています。

 この種の企業には大抵特に技術に強いわけでもなく、マーケティングや情報収集に炊けているわけでもなく、単に天下りと現役隊員の関係性に頼って仕事を取ってきているところも少なくありません。それが防衛産業大手の子会社だったりもします。

 本来アスクルやヨドバシカメラあたりで調達すれば安いものが随分と高い値段で、しかも不要なものまで調達されています。

 取引は、価格が商社やメーカーの出し値にマージンが乗せられ、価格が高くなる場合と、出値は同じでメーカーや商社の利益が削られる場合があります。前者の場合我々納税者が割りを喰います。
 後者の場合はメーカーや商社が割りを喰います。

 また本来高性能や低価格の商品がが排除され、オーバープライスや低性能(あるいはその両方)の装備が調達されたりもしています。そんなものを使わせられる現場の隊員たちこそいい迷惑です。


  このような体質が、調達コストを上げたり、不透明な商取引でやる気のある新規参入を阻んだりしています。また、不透明な取引や駆け引きを嫌って防衛省や自衛隊とは付き合わないという企業もあります。


 山田洋行のスキャンダル以来、中央調達ではこのようなベタな取引は減っていますが、部隊では未だはびこっています。
 利益が裏金の資金源になっていたりするから、どうせ摘発されないし、バレてもたいした罰を受けないしと現場はタカをくくっています。

 防衛省内にまったく独立した監査組織を立ち上げる、公正取引委員会の防衛省担当者を10倍ぐらいに増やすべきです。
 
 何しろ防衛省は我が国最大級の公務員組織なのですから。
 
 そのような増員を行っても「利益」は十二分にあるはずです。

 また罰則は懲戒解雇の他に、背任横領は勿論刑事事件として立件し、合わせて罰則を強化すべきです。

 それからそもそも、定年まで勤める人間を削減すべきです。
 定年まで勤めて、50代で退官するからろくな勤め先が、無く利権にしがみつくような構図ができあがっています。ですから、30代、40代の内に何割か数値目標を決めて、転職を促すべきです。
 例えば魅力的な割り増し退職金を支払う、留学をさせるとか、職業訓練を受けさせる、自営や起業のための資金を一部出すとか、色々インセンティブを与えるべきです。

 またぼくは昔から地方公務員への採用を主張してきました。近年は地方自治体への再就職も随分増えているようですが、まだ少ない。
 例えば即要予備扱いで年に40日ほどの訓練日を課す代わりに、給料の2〜3割程度を防衛省が負担すれば防衛省にも自治体にもメリットがあるでしょう。

 定年まで勤めてつぶしの利かなくなった隊員の採取職先を捜し世話するのは極めて大きなコストがかかります。また満額の退職金やその他間接費用も極めて高くつきます。
 しかもその上天下り先に仕事をばらまいたり、談合や利権商売をやられるコストは相当なものです。

 ならば一人当たり1000万円ぐらいかけても30代や40代の間に転職してもらった方が安く上がります。

 先週発売の「朝雲」新聞によると、防衛省本省の書店では拙著、「防衛破綻」が売り上げ第一位とのことです。





防衛破綻―「ガラパゴス化」する自衛隊装備 (中公新書ラクレ)
中央公論新社
清谷 信一

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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
だって田母神のオッサンも談合を無益な争いを避けるいいシステムだと肯定しているわけだし。根はしぶといと思うよ。下っ端としては途中で関所を設けて甘い汁を吸う奴は許せないが社会のシステムなんですかね。

退職金も年金もあるわけだし定年まで勤めてつぶしの利かなくなった隊員の採取職じゃなくて再就職先を捜す必要があるのか疑問です。
能力に応じてそれなりの道を進んで行けばいいわけだし。
オラの酒税が
2010/03/07 18:33
 米軍並みにアップオアアウト制をやろうとしたら、援護も同じだけの努力が必要になります。米軍の場合、世界中のどこでも大学教育が受けられることは知られていますが、イラクの戦場で勤務しながらMBAが取れるほど充実している。現在の自衛隊援護協会なんか、比較になりません。
土門見人
2010/03/09 22:44
>自衛隊援護協会
ここは随契で防衛省から仕事をとっていますが、やっていることは民間企業でもできることばかりですね。むしろ、存在が害になっている
部分も多いようです。
キヨタニ
2010/03/10 10:13
>本来アスクルやヨドバシカメラあたりで調達すれば安いものが随分と高い値段で、しかも必要なものまで調達されています。
不要なものの誤りでは?
とおりすがりの素人
2010/03/10 12:21
ご指摘ありがとうございました。
不要の誤りです。訂正させていただきます。
キヨタニ
2010/03/10 13:56
最大の公務員組織は警察では?
気になった人
2010/03/11 22:05
日本には国家警察がありません。各都道府県警は各自治体に属している別な組織です。
キヨタニ
2010/03/11 22:42
>>本来アスクルやヨドバシカメラあたりで調達すれば安いものが・・・
「安さ」と「公正」どちらを要求しますか?
防衛省にやらせるとこの2つは決して両立しません。
「公正」を要求すると、それを証明するためにどんなにコストをかけてでも平気なのがこの組織の困ったところです。
手前の作業を増やすだけでも問題なのに、業者にまであんまりうるさいことを要求するから「防衛省様とのお取引は辞退させていただきます」なんてのが増えるんです。
私困ってます
2010/04/08 01:25
ふむ、引用としては余り正しくないかもしれませんが、”水清ければ魚住まず”という所ですか。
考えてみれば、情報伝達・収集の劇的なスピードアップに伴って、それまで一流の仕事をするプロだと思われていたライターが実は三流以下の手習いしか出来ないただの腐れ物書きである事が露呈したりしても、それまでの付き合い馴れ合いもたれ合いで仕事を確保したりしている事もザラですから、そう目くじらを立てすぎるのも良くないのかもしれません。
某軍事ライター
2010/04/08 09:03
>防衛省様とのお取引は辞退させていただきます

まじめな企業ほどそのような傾向があります。ぼくも多くの実例を知っています。

結果として天下りを受け入れて利権にぶら下がるような、企業だけが残る傾向にあります。

調達改革には外部の人間に任せ、監視をさせるしかないと思います。
キヨタニ
2010/04/08 10:49

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