日仏エリートの違い
日仏は中央集権という面ではよく似ているところがあります。
フランスの政界・官界・財界は国立行政学院(ENA)などを頂点とするグランゼコールと称する学校の出身者で占められています。つまり、エリートは殆どグランゼコール出身者です。日産のムッシュ・ゴーンもそのひとりです。
で、グランゼコールに入るのは富裕層の子弟で、労働者階級の人間は殆ど入れません。
彼らが政・官・産のトップ層を回遊しているわけです。学校出たての若造がいきなり部長待遇だったりしますから、現場感覚はゼロです。ある意味、現代の貴族と言えます。
【緯度経度】パリ・山口昌子 エリートが駄目な国は駄目
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090131/erp0901310837001-n1.htm
この記事ではその問題点を指摘してます。
確かにフランスのエリートは卓越した構想力をもっていたりしますが、現場レベルではそれが上手く機能しないことが多々あります。つまりプランがアイディア倒れになることが多々あります。現場の労働者はやる気ないし。
ですが、オレがこの国を支えているんだという強烈な国家意識、エリート意識をもった人もいます。
中には「お前本当にグランゼコール出身っていうのは騙りじゃないか」と思うような人もいますが、全般的に日本のエリートよりも教養があり、優秀な気がします。特に独創性の部分では。
ただ、エリート層が完全に世襲化・利権化しているので、それがフランスの停滞の原因ではないかと思います。
また富裕層と労働者階級の対立を深刻にしています。今回のようなゼネストが起こるのもそのせいでしょう。
フランスの場合中産階級と、中流階級(中間層)の拡大と彼らの政・官・産界トップへの進出を促すような政策が必要に思われます。
対して我が国では戦前から貧乏百姓の小倅でも士官学校や帝大に入ることができました。「末は博士か大臣か」あるいは将軍か、というわけで機会平等な社会ではあります。
現在にしても東大に入学するのは富裕層が多いといっても、フランスほど極端じゃありません。何しろ「ドラゴン桜」なんてマンガがでるくらいですから。そもそも富裕層の「富裕」度が大きく異なります。
日本式エリートの悪いところはペーパーテスト至上主義できたことです。
確かにペーパーテストは口頭試問などに比べて客観性は高いのですが、予期せぬことや自分の意見が反映されないところがあります。つまり、ペーパーテストに過剰適応した人間は個性が乏しく、臨機応変に事態に対応できず、独創性に欠けるといえます。つまり前例踏襲型になりやすいわけです。しかも大学卒業のあとも大学の成績がついて回ります。
航空行政を初めとする各種政策をみてもその弊害が如実に現れていると思います。
その上に、米国に留学して「洗脳」されて帰ってきたのが特にエリートとして出世街道を上って行きます。ミスター円とか言われた某とか。
我が国の場合、もっと強烈な個性をもったエリートを育成すべきではないでしょうか。
こういう日仏の違いも拙著、「ル・オタクフランスおたく物語」を読むとよくわかります。
仏、雇用維持求めゼネスト 公共交通機関に影響 産経新聞 2009.1.29 17:39
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090129/erp0901291739007-n1.htm
リセット、日米同盟なる特集で、「アメリカの軍事技術では、日本をもう守れない」という論考を寄稿しております。
フランスの政界・官界・財界は国立行政学院(ENA)などを頂点とするグランゼコールと称する学校の出身者で占められています。つまり、エリートは殆どグランゼコール出身者です。日産のムッシュ・ゴーンもそのひとりです。
で、グランゼコールに入るのは富裕層の子弟で、労働者階級の人間は殆ど入れません。
彼らが政・官・産のトップ層を回遊しているわけです。学校出たての若造がいきなり部長待遇だったりしますから、現場感覚はゼロです。ある意味、現代の貴族と言えます。
【緯度経度】パリ・山口昌子 エリートが駄目な国は駄目
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090131/erp0901310837001-n1.htm
この記事ではその問題点を指摘してます。
確かにフランスのエリートは卓越した構想力をもっていたりしますが、現場レベルではそれが上手く機能しないことが多々あります。つまりプランがアイディア倒れになることが多々あります。現場の労働者はやる気ないし。
ですが、オレがこの国を支えているんだという強烈な国家意識、エリート意識をもった人もいます。
中には「お前本当にグランゼコール出身っていうのは騙りじゃないか」と思うような人もいますが、全般的に日本のエリートよりも教養があり、優秀な気がします。特に独創性の部分では。
ただ、エリート層が完全に世襲化・利権化しているので、それがフランスの停滞の原因ではないかと思います。
また富裕層と労働者階級の対立を深刻にしています。今回のようなゼネストが起こるのもそのせいでしょう。
フランスの場合中産階級と、中流階級(中間層)の拡大と彼らの政・官・産界トップへの進出を促すような政策が必要に思われます。
対して我が国では戦前から貧乏百姓の小倅でも士官学校や帝大に入ることができました。「末は博士か大臣か」あるいは将軍か、というわけで機会平等な社会ではあります。
現在にしても東大に入学するのは富裕層が多いといっても、フランスほど極端じゃありません。何しろ「ドラゴン桜」なんてマンガがでるくらいですから。そもそも富裕層の「富裕」度が大きく異なります。
日本式エリートの悪いところはペーパーテスト至上主義できたことです。
確かにペーパーテストは口頭試問などに比べて客観性は高いのですが、予期せぬことや自分の意見が反映されないところがあります。つまり、ペーパーテストに過剰適応した人間は個性が乏しく、臨機応変に事態に対応できず、独創性に欠けるといえます。つまり前例踏襲型になりやすいわけです。しかも大学卒業のあとも大学の成績がついて回ります。
航空行政を初めとする各種政策をみてもその弊害が如実に現れていると思います。
その上に、米国に留学して「洗脳」されて帰ってきたのが特にエリートとして出世街道を上って行きます。ミスター円とか言われた某とか。
我が国の場合、もっと強烈な個性をもったエリートを育成すべきではないでしょうか。
こういう日仏の違いも拙著、「ル・オタクフランスおたく物語」を読むとよくわかります。
仏、雇用維持求めゼネスト 公共交通機関に影響 産経新聞 2009.1.29 17:39
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090129/erp0901291739007-n1.htm
リセット、日米同盟なる特集で、「アメリカの軍事技術では、日本をもう守れない」という論考を寄稿しております。
この記事へのコメント
義務もはたして税金も払ってて(外国籍は別だが)自分たちの生活の権利を主張するのは当然だろ?そういうことを主張するとそんなやつはジンバブエや韓国に行けはねえだろ?
これは正社員は別で非正規雇用は事実上無権利労働者に近いわけです、
日本の労働人口のうち3人に1人が非正規雇用で若年層に至っては2人に1人が非正規雇用(事実上無権利労働者に近い現状)
いくら失業率が先進国より少ないとはいってもセーフティネットがないからそれを論じろよ。
格差が別に悪くないから。格差が開いて日本の内需構造に中流が下流に下がって、彼らが消費しなくなって内需景気を冷え込ましていることに問題が出てくるということを言ってたりしてるから。
たしかにセーフティネットをつくりすぎるとそういう人たちが出てきますわな。日本だって生活保護もらいながら外車に乗っていた人もいるわけだし。そういうひずみはいつの時代も出てくる。
ただし富の配分が中流以下の階級から富裕層にいきすぎてるんで、小泉・竹中改革以前の時代に富の配分を戻して、政府紙幣発行して、国債を回収して国のバランスシートを回復させること。これしかないだろ。それからタブーになってるが、少子対策には外国人労働者いれてくるしかもう道はないだろうに(最初からダメありきで議論がないことが問題)
これが外国人労働者がだめなら公務員や国会議員など大量にリストラして、国家財政や地方財政のバランスシートを連結させて数字に出して公にするしか道はないでしょ。
少子化が、政策で何とか出来ると考える方がおかしい。
少子化対策は、政治家の利権でしかない。
あのドイツですらやってる。何も外国人労働者をすぐに入れろという話をしてるわけじゃない。さまざまな失敗例があって議論はしとくべきだといってる。
議論もダメなら最初から入れなくていいというのはこれから先の日本社会における深刻な問題に対する逃げに口実にすぎん先に進まんだろ?
それとも将来世代にツケを回すのか?
そういう日本の人口携帯や将来の高齢者に対する負担がいやといっても、必ず直面する問題として重しがかかってくる。
それをスルーしていたら最悪の事態になると思うがね。
いまから貯金なり投資なりをして、老後のための財産を形成しやすいようにしておくだけで充分。
少ない若者で、大勢の高齢者を養うことは不可能なのだから、高齢者自身に自分の面倒を見させるようにしておけば済む話。
世界の8割以上の地域では年金制度なんて無いわけですが、うまくやっています。
年金制度が無いから、自分の老後のために子供を作り、育てるわけです。
将来世代のことを考えるなら、余計な財政赤字を残さないようにするのも重要。子孫に借金を残すのは、破壊された自然環境を残すのと同じです。
http://obiekt.seesaa.net/category/6108607-1.html
移民国家で多くの国が苦しんでいる状況になったという過去を見る限り、短縮的な結論には反対だ。
移民受け入れというのも選択肢からは排除すべきではないが、移民受け入れの問題点に対するカウンタープランとしての自国の少子化は政府による多産奨励という観点も重要。