アグスタウエストランド、日本支社開設
昨日早朝パリ経由でヨルダンから帰国、その後一旦着替えてからイタリア大使館で開かれたアグスタウエストランド社日本支社開設の記者会見、続いて英国大使館で行われた記念のレセプションにもでてきました。ああしんどい。
記者会見では同社のCEO(最高経営責任者)であるジュゼッペ・オルシ及び、親会社であるフィンメカニカのCOO(最高執行責任者)が出席しました。
同社の日本支社設置の狙いは日本市場、特に防衛省、海保、警察など官需を主に狙っているようです。特にMCH101(AW101)11機(+南極観測用3機)の海自への売り込みの成功、同じく警察への売り込み、その後AW139を3機(更に二機が追加発注)納入するなど実績を上げております。
またAW109POWER、AW139が18機警察で運用されています。
日本市場では自衛隊以外ではユーロコプターが圧倒的に強く、約5割ほどのシェアを占めていますが、これを追撃しようということらしいです。アメリカ勢にとっては結構剣呑な状態になってきたといえるでしょう。
日本のメーカーもこれまで防衛省需要に寄りかかって民間市場の開拓を怠ってきていましたが、今後益々国内市場のへの参入が難しくなるでしょう。レセプションでは重工関係者や商社の方に話を伺ったのですが、将来の業界再編成は必至という声が多かったです。
記者会見での感触では特にアグスタ・ウエストランドが狙っているのが自衛隊需要です。海自のTH-X(次期回転翼練習機)でAW109を15機、陸自向け訓練用でAW119/AW109を40機、陸自のUH―XでAW139/149を120機といった具合です。
特にUH―Xはビッグプロジェクトですから力こぶが入っているようです。MCH101のパートナーである川崎重工は既にUH―Xに関してはOH-1をベースにした新型機の開発を進める意向を示しています。UH―Xは調達数が多いですから、恐らくは外国製が採用されたとしても国内でのライセンス生産になるでしょう。
アグスタ・ウエストランド日本支社長のアンドリュー・シモンズ氏は川崎と調整がつかないのであれば、別な国内企業と組む可能性があると示唆しました。
もっとも販売代理店は商社ですから、AW139/149が選定された後で川重と組む、という可能性もあるし、開発コストその他の事情で川重がOH-1改良型の開発を断念し、アグスタ案に乗るという可能性もあるでしょう(今のところ川重はやる気満々です更には調達コストの削減のため全機輸入という可能性も昨今の情勢ではあり得るかも知れません。
いずれにしても商戦が激化しそうです。更に来年には親会社であるフィンメカニカ社も日本支社を開設する予定です。恐らくは今後の「武器輸出三原則等」の緩和と日本との共同開発の可能性を見越しての進出でしょう。また同社はユーロファイターのパートナーでもあります。
それからレセプションで川重航空宇宙カンパニーの堀川英嗣執行役員に、PXは低空では4発のエンジンの内、2発を停止して2発のみで飛行するという俗説がホントかどうか尋ねてみました。氏は即座に電話でPXの主設計者に連絡をとってくれました。結論としては低空では2発で飛ぶというのはガセでした。
レシプロ機ならばプロペラを停止させてそのような運用も可能ではあるが、ジェットの場合、エンジンを止めてもファンが回ってしまって抵抗が増えるし、再起動も問題である、よって低空でも4発で飛ぶ、ということでした。
)
AW149
イタリア海軍のAW101
写真提供アグスタ・ウェストランド
記者会見では同社のCEO(最高経営責任者)であるジュゼッペ・オルシ及び、親会社であるフィンメカニカのCOO(最高執行責任者)が出席しました。
同社の日本支社設置の狙いは日本市場、特に防衛省、海保、警察など官需を主に狙っているようです。特にMCH101(AW101)11機(+南極観測用3機)の海自への売り込みの成功、同じく警察への売り込み、その後AW139を3機(更に二機が追加発注)納入するなど実績を上げております。
またAW109POWER、AW139が18機警察で運用されています。
日本市場では自衛隊以外ではユーロコプターが圧倒的に強く、約5割ほどのシェアを占めていますが、これを追撃しようということらしいです。アメリカ勢にとっては結構剣呑な状態になってきたといえるでしょう。
日本のメーカーもこれまで防衛省需要に寄りかかって民間市場の開拓を怠ってきていましたが、今後益々国内市場のへの参入が難しくなるでしょう。レセプションでは重工関係者や商社の方に話を伺ったのですが、将来の業界再編成は必至という声が多かったです。
記者会見での感触では特にアグスタ・ウエストランドが狙っているのが自衛隊需要です。海自のTH-X(次期回転翼練習機)でAW109を15機、陸自向け訓練用でAW119/AW109を40機、陸自のUH―XでAW139/149を120機といった具合です。
特にUH―Xはビッグプロジェクトですから力こぶが入っているようです。MCH101のパートナーである川崎重工は既にUH―Xに関してはOH-1をベースにした新型機の開発を進める意向を示しています。UH―Xは調達数が多いですから、恐らくは外国製が採用されたとしても国内でのライセンス生産になるでしょう。
アグスタ・ウエストランド日本支社長のアンドリュー・シモンズ氏は川崎と調整がつかないのであれば、別な国内企業と組む可能性があると示唆しました。
もっとも販売代理店は商社ですから、AW139/149が選定された後で川重と組む、という可能性もあるし、開発コストその他の事情で川重がOH-1改良型の開発を断念し、アグスタ案に乗るという可能性もあるでしょう(今のところ川重はやる気満々です更には調達コストの削減のため全機輸入という可能性も昨今の情勢ではあり得るかも知れません。
いずれにしても商戦が激化しそうです。更に来年には親会社であるフィンメカニカ社も日本支社を開設する予定です。恐らくは今後の「武器輸出三原則等」の緩和と日本との共同開発の可能性を見越しての進出でしょう。また同社はユーロファイターのパートナーでもあります。
それからレセプションで川重航空宇宙カンパニーの堀川英嗣執行役員に、PXは低空では4発のエンジンの内、2発を停止して2発のみで飛行するという俗説がホントかどうか尋ねてみました。氏は即座に電話でPXの主設計者に連絡をとってくれました。結論としては低空では2発で飛ぶというのはガセでした。
レシプロ機ならばプロペラを停止させてそのような運用も可能ではあるが、ジェットの場合、エンジンを止めてもファンが回ってしまって抵抗が増えるし、再起動も問題である、よって低空でも4発で飛ぶ、ということでした。
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AW149
イタリア海軍のAW101
写真提供アグスタ・ウェストランド
この記事へのコメント
UH―Xについてですが、これはOH-1の攻撃型が有力視されているAH-XとOH-1との共有性を考えて、OH-1の改良型が選ばれるのではないでしょうか。
PXに関する情報につきましては非常に参考になりました。ためになります。
勝手な話ですが、出来る事なら防衛産業が次期F-Xについて具体的にどの機種が望ましいと思っているのか取材して頂けたらと思います。
現場サイドがどの機種を欲しがっているかという話は真意はともかくよく聞きますが、防衛産業の側がどの機種がF-Xに望ましいと考えているのかについてはあまり触れられていません。
是非、そこの所を取材して頂ければと思います。
(玩具無人機)なる使い捨て機の開発が
ベストだと思いますよ! すでに、アキバで、その飛行制御概念も、飛行シミュレーションも趣味的電脳児レベルで完成し、コストパフォーマンスに優れた上記の飛行制御デバイス技術分野には、国も、各国空軍も、手も足も出ない状況だと判断す。 それほどに、趣味側の技術進歩は早い。 各国軍需大企業が遅れすぎて、いる状況と判断す。無人機と有人機が戦ったら、絶対に有人機に勝ち目は無いと、民間技術者側は洞察す。
>将来の業界再編成は必至という声が多かったです。
業界関係者の言う将来とは、何十年も先の事でしょう。
海上保安庁が導入した新型ヘリコプター3機について、仕様書にあった装備品や性能が欠けていたのに引き渡しを受け、代金を全額支払っていたことがわかった。会計検査院は「欠落を知りながらの全額支払いは不適切」とし、約1億5千万円は支払う必要がなかったと指摘した。
海保などによると、イタリアのアグスタ・ウエストランド社製の「AW139型」で計48億円。06年度に国内商社を介して契約を結び、今年3月31日に引き渡された。代金の大半は前払いだが、約3億7千万円は4月に支払った。
ところが、契約時の仕様書にあった自動操縦装置の機能が3機とも備わっていなかった。停止や旋回などの動作を自動的に行う高度なシステムで「救助の成功率が上がる」と海保が最も希望していた性能の一つだった。また、翼を折り畳んで載せる台が3機とも欠落。2機は夜間に遭難者を捜索できる赤外線装置の機能の一部が働かなかった。
海保は「現在、未装備品などの代金について返金を求めている」としている。