【ライブドア上場廃止】ミソも糞も一緒くたな非難、ってどうよ? その2 識者の品格

 ホリエモン批判では、「額に汗して働かないのはケシカラン」と、いう批判が多くありました。ですがこれは的を射た批判ではありません。少なくともホリエモンは知恵を絞り、リスクを負っていたわけですから。

 この手の批判の最右翼は「国家の品格」藤原正彦教授でしょう。が、「額に汗して稼いでない」のはむしろ藤原氏の方です。

 彼のお父上は作家の新田次郎氏です。氏は新田次郎氏の著作権を相続しているはずです。ならば、新田氏死後も藤原氏は寝ていても新田氏の印税が転がり込んでくるわけです。
これは「額に汗」したわけではないでしょう。

 しかも氏は国立大学の教授として生涯安定した収入が保証されています。そのうえ、余技であるエッセイも収入を得ているわけです。
 で、たまさかそれがベストセラーになったわけですが、今や「国家の品格」の増刷はお金を刷っているようなものです。

 同じように本を出しても初版が売れ残る場合もあるし、藤原氏のように200万部に迫る大ヒットとなる場合もあります。
 つまり本の販売数は藤原氏の忌み嫌う「市場原理」で決定され、氏はその恩恵を十分に受けている立場にあるわけです。

 しかも、増刷に関して藤原氏は額に汗するどころが指一本も動かしてはおりません。
 額に汗して働いているのは印刷所や製本所、運送会社、取り次ぎ、書店の人たちです。

 ぼくは物書きが印税を得ること、それが望外の大ヒットとなって莫大な印税を得ることは正当な報酬だと思っております。
 より多くの読者に自著を読んでいただき、自分も収入が増えるのですから、文句のあろうはずがありません。

 また売れる本=必ずしも良書とはいいませんが、プロの物書きは「良書は売れないものだ」とか「自分の本が売れないのは読者の程度が低いからだ」などと開き直ってはいけないと思っています。
 ですから、藤原氏の本が売れて何十億円稼ごうと非難するつもりはありません。

 まあ、物書きでも「私は根っからの共産主義者だから初版以後の印税は慈善事業か共産党にでも寄付します」という奇特な人もいるでしょうが。

 藤原氏の主張によるならば、氏の稼いだ「国家の品格」の印税の大部分は正に「額に汗をしない」不労所得なはずです。

 まして氏は大学教授として世間の相場よりも高い収入を得ている身分です。公務員ですから会社がいきなり潰れたり、リストラもされたりするとなどというリスクからも無縁なわけです。
 
 しかも物書きとしては新田次郎の息子ということで親の七光りもあったことでしょう。つまり英国人のいうところの「銀のスプーンをくわえて生まれてきた」人間なわけです。
 そのうえアルバイトで億単位の「濡れ手に粟」の荒稼ぎ(あたしゃ個人的には濡れ手に粟なんぞ思ってもおりませんが)をなさっているわけです。

 ご自分の「額に汗しない」不労所得は是とし、コネもカネもない若造が起業しリスクを負って稼いだカネを「あぶく銭」と断じて、「あぶく銭」を稼ぐのはけしからん、とのたまうのはフェアな態度ではない、品性に欠ける、「惻隠の情」に欠ける、売れない物書きはそう思うわけです。

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この記事へのコメント

とおりすがり
2006年04月17日 18:57
また匿名で申し訳ないです。いい加減ハンドル考えます・・・orz

新田次郎についてコメントなさるなら、
「流れる星は生きている」の藤原ていの
息子でもあることも記述したらいかがでしょうか?
正直新田次郎の小説よりこの本のほうが売れてるかも(笑)

ほんと、国家の品格って、くだらない本ですよね。
昔読んだ、「若き数学者たちのアメリカ」だったと思いますが、
エッセイは非常に面白かった記憶があるので、
本屋で見かけて、藤原正彦の本なら読んでみようと思って
買って読んでみましたが、大失望でした。(続きますすいません;)
とおりすがり
2006年04月17日 18:58
正直いって、あんな状態の本を出してしまう編集者もどうかしていると思います。
講演のテキスト起こしをして、それをそのまま出版しただけ・・・
といったレベルの代物ですからね。
新書ブームに乗って、くだらない本もたくさんでてるんですね。

ツッコミどころが多すぎて、ご本人も恥ずかしい思いを
なさってるのではないでしょうか?(笑)

本気だったとしても、満州引き揚げの際のPTSDが年を取ってひどくなって、
錯乱してるくらいに思われたらいかがでしょうか?
あのレベルの本に本気で腹を立てるのも馬鹿げています。
2006年04月17日 22:13
ぼくは基本的に彼の言っていることは概ね賛成なんです。ですが、彼の文を読んでいると無性いにいらついてくる訳です。
原理原則のところで止めておけばいいものを、その論理で現実の社会を論じるからおかしくなる。浮世離れしているから滑稽な論理展開になる。まるでマリー=アントワネットです。
道草
2006年04月17日 23:28
この手の老人や筑紫氏などが「格差の拡大」を問題視している光景を最近よく見ますが、あまり本質をついていないように思います。最大の格差は「世代間格差」だと思っています。年金や国債に見られる将来への付回しです。彼らはこの点について(年金給付減額など)全く触れず、フリーターなどを攻撃しております。本当に彼らの思う品格があれば、「年金を減額してでも若者を救ってやれ」というものだと思います。期待はしておりませんが。本当にこんな訳知り顔の親父共はむかつくな・・・
2006年04月17日 23:44
あの本の元になったのは、日本ペンクラブの会合での講演です。
2006年04月18日 00:05
>世代間格差
仰るとおりで、高度成長期の喰いにげ組と、それ以降の世代でしょう。社会のシステム自体が変わってしまったのにそれを論じない。
 しかも筑紫とか食い逃げ組に限って偉そうにトンチンカンなことを言う。まあ、テレビなんて社員と製作会社は完全な階級社会ですから。
 そういうテレビが格差社会といってもねえ。
現役保険営業マン
2006年04月18日 00:36
その時その時の時流に乗って、主張をコロコロ変える風見鶏に品格という高尚なものは初めからないのでは?
今回のホリエモンバブル崩壊を批判できる「識者(風見鶏)」はほとんどいないと思います。
2006年04月18日 15:52
故清水幾太郎氏のように何度も転向したひともいますなあ・・・
団塊の親父
2006年04月19日 10:34
キヨタニさんのすぐわかる国防学買いましたが
年度末、年度初のこの時期は我々自営業者にとっては忙しい時期、なかなか読めません。
でも、本は待っててくれます良いですね。
ところで、キヨタニさん本売れてますか?
なんか、ひがんでるように感じました。笑い
失礼しました。早く読んで知人にもセールスしておきます。ところで、ホリエモンさんは、この事件がなければ、選挙違反で送検されていたそうです。随分お金ばらまいたと、尾道の知人が言っていました。ホリエモンさんの事、子供達とよく話しますが、私は子供達にこういっています『ホリエモンは、必ず復活する、しなくちゃいけない、何故なら若者達の希望の星だったから偽物で終わっちゃいけない』ちょっと古いかな、罪を憎んで、人を憎まず、保護司をしている立場としては、この事を信じてやらなければ、とても空しくなるからね
2006年04月20日 00:22
おかげさまで新著の売れ行きはまあまあだそうです。といってもまだ重版しておりませんが・・

ホリエモンの手法で問題なのは彼が法を犯した転でしょう。それと気にくわないというのを
一緒にして叩くのは品性がありません。
かつて「戦争を知らない子供達」では「若すぎると許されないなら、髪の毛が長いと許されないなら」という歌詞がありました。批判している人たちもかつては若いからとか髪の毛が長いとか大人から「的はずれ」の批判をされていたはずなんですが。
団塊の親父
2006年04月20日 07:11
そうですね。
すべてとは言いませんが、今若い人達の範と成るべき大人(特に男性)が、綺麗な理想論を言うだけで、自ら行動して見せていないと常に感じています。もしかすると私自身もその様な風潮に毒されているかもしれませんが、少なくともそうならないよう、言うだけでなく、行動も起こしているつもりです。品性…良い言葉です。
因みに、平等という言葉好きではありません。
男女平等…ありえません。その代わり公平という言葉が好きです。努力した人にはそれなりに、報われる世の中に成って欲しいと行動しています。
(^-^)風顛老人爺
2006年04月20日 20:43
拝啓、藤原正彦の本は痛快でした。 しかし、私は堀江もんは汗をかいていたと思っています。 流行り廃りで本が売れてしまい、自分の感覚や見識で判断しないですから。 うーむ。 草々
2006年04月21日 12:23
平等より公平、いい響きですよね。
人間平等にはできていないわけですから、タテマエとして平等を唱えると論理の整合性がなくなります。
運動会のかけっこで順位を付けないとかね。あれはかけっこの早い子供に自信を与える機会を奪っているわけで、実際は平等じゃありませんよね。

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