「会社は放送の公共性を守れ」とTBS労組が声明

  TBS労組は「TBSは放送の公共性を守れ」19日、との声明を出しました。
 その中で「楽天は経営統合の提案書で『TBSとともにグローバル市場を勝ち抜くことを希求する』と言っているが、報道機関たる民放局が『希求』しなくてはいけないものは、社会の信頼であり市場を勝ち抜くことではないはずだ」と、述べているそうです。

 TV局が「報道機関」?悪い冗談です。
他のテレビ(そしてラジオ)局も変わりませんが、TBSの番組の何割が「報道番組」なんでしょうか? 恐らくワイドショーまで「報道番組」に入れても放送時間の半分にも満たないでしょう。後はドラマ、クイズ番組、トークショー、バラエティ、アニメ等々の娯楽番組。

 しかも今のテレビの娯楽番組で多いのがトークショー。その理由は制作コストが安いからです。タレントさえ集めればよいのですから(物書きやら文化人と称する人間のギャラは更に低く抑えられています)。番組作りが楽なんです。当然制作会社の社員の質も下がってきています。
 ドラマの用にロケも必要ないし、スタッフの人数も少なく抑えられます。タレントの拘束時間も短い。本丸の報道番組まで丸投げしている局もあります。
 やらせの横行などいまさら指摘するまでもないでしょう。

 しかも番組の制作は制作会社に丸投げ。その上、CM料金と社員の給料は上がっても制作費も経費も上がりません。しかもごっそり中抜きされてます。
 しかもドラマの場合、かなりの額を看板スター俳優に支払うので、実質的な制作費は非常に少ない。故に脚本家は作家に転向してしまいます。
 これはアニメでも同じです。アニメの場合、アニメーターはイラストレーターに転向します。

 放送局のやりたい放題が出来るのも放送業が許認可制であり、新規参入を阻んでいるからです。つまり、かつての金融業や今に至る農協と同じ「護送船団方式」の業界でぬくぬくと暮らしていられるからです。
 更に言うならば新聞とともに記者クラブなる報道談合組織を作り、雑誌やフリーランスの人間を排除して当局と癒着している「報道機関」の報道が信用に値するでしょうか。

 社会性を利益よりも上に置くなら報道番組の視聴率で一喜一憂するのは解せません。高い視聴率=高いCM料という極めて明確な資本主義の構図ではありませんか。

 肝心の報道番組もTBSの場合、テレビ朝日と並んで偏向報道が世間で指摘されています。その典型例が筑紫哲也氏がキャスターを務める「筑紫哲也NEW23」でしょう。
 「TBSの本社って北京にあるの、平壌、あるいはソウルにあるの?」
というぐらいの偏向ぶりは、ここを読んでいる皆さんはご承知でしょう(同様の偏向は「3年B組金八先生」などのドラマに見られます)。

 本音のところ同社の労働組合が求めているのは「社会の信頼」ではなくて「(保護された新規参入も本当の競争もない緩い)市場を勝ち抜」き、法外な賃金水準を維持するとこでしょう。

 三文文士のひがみ、ととられてもかまいませんが、テレビ局が就職先として人気があるのはその華やかさだけではなく、仕事に比べて割高な賃金という実利のためでしょう。
 政治家や広告主の企業の経営者、有名人、有力タレントの師弟がこぞってテレビ局に入っているのはそのためでしょう。

 TBSの場合、現在は衆議院議員の小渕優子センセイがその好例でしょう。彼女は故小渕恵三総理のご令嬢です。またテレビ朝日はでは「サンデー・プロジェクト」や「朝まで生テレビ」の田原総一朗氏のご令嬢もテレビ朝日に入社しています。

 これら「報道機関たる放送局」の報道姿勢に影響を与える思われる人物の血縁者を多数入社させていることからも「報道の公共性」などという寝言は視聴者の琴線に触れないでしょう。

 そのうち、放送業界も銀行や証券といった金融業界のような末路を迎えるでしょう。

 というのも、現在キー局は莫大な投資をして地上波放送のデジタル化を進めています。近い将来デジタルテレビ受像器を購入しないと地上波が見られなくなります。
 ところが現在すでにブロードバンドの普及で、ネットで動画配信が進んでおります。テレビも見られるPCの普及も進んでいます。
 となると地上波放送デジタルより遙かに安価にテレビ放送が可能となるでしょう。

 買収に乗り出した三木谷氏の思惑も欲しいのはコンテンツだけで社員ではないでしょう。

 ですが今の内に楽天に買われた方が、ネットとの融合が進むので、そのぶん他局より生き残れる確率が高いかもしれませんよ、組合員の皆さん。

 もっともぼくは三木谷氏のような人物の下で働くのはお断りですが。

 (毎日新聞) - 10月20日0時21分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051020-00000007-mai-soci

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