筑波大学中川八洋教授、異議あり その④
上編の序論の最後の部分で中川氏は「”百年剣を磨く”ということばが示すように『精強なる軍隊をつくる』ことが、平時の本旨である。軍事的脅威に対し確実に排除するのが有事の軍隊である。PKOや災害出動あるいは国内テロの雑務をもって、軍の員数や戦力をもって算定するとは本末転倒も甚だしい」
と述べている。
軍隊の存在意義というのは国家の暴力装置として存在し、平時はその存在によって、戦時においては実力によって脅威を排除するためのものである。
だが、その具体的な任務は、その国、時代によっても変化する。未来永遠に「冷戦体制的軍隊」が軍隊のあるべきすがたではあるまい。
PKOの本来業務への格上げの法案は今国会では見送られたが、来期の国会で法案が提出され、国会を通過するだろう。PKOなどによって国際社会の安定化に寄与するのが国益であれば、それを本来業務に格上げするに何をためらう必要があろうか。
また、そのような「実戦を経験する」ことにより、自軍の問題点、兵員練度、装備などの問題点をみいだす機会を得ることができる。また医官は実際の銃創など国内では殆どふれられない『症例に』ふれることができる。
実際ボスニア、コソボ、あるいはアフガンなどで列国はそのような「人体実験」や新型装備をテストする機会を最大限に利用している。例えばドイツや英国はコソボやボスニアで地雷の脅威が大きいことを実感し、戦車装甲車輌の耐地雷装備を改良している。またアフガンにおいて列国は特殊部隊に先端歩兵装備などを「テスト」させている。
今回の陸自のイラク派遣において、250億円を投じて装備の改良がなされた。そのうち一部はイラクの環境に適合させるためのものだったが、その他は「戦える装備に改良」するためのコストであった。つまりいままでの国内用の「戦争を前提としない装備では通用しないことが明白」になったわけである。
それでも帰国後、多数の装備に不備があったという報告がなされており、これらは装備の改良、開発に刺激をあたえるだろう。海外派遣は単に国際社会にプレぜンスを示すという表向きの理由だけではなく、海外派遣には実利的なメリットがあることを意識すべきである。
災害出動に関しては、戦後我が国では民間防衛という概念がなく、自衛隊にその多を頼ってきたというのは事実である。だが、国民およびその財産の保護に国軍を使っていけないという理由はない。特に平時においては。有事法10法が成立した現在、各自治体において、独自の民間防衛体制の構築が進んでいる。氏がまた後にこの件にふれているで、この件はまた後で述べる。
氏は自衛隊のいうところのゲリラ・コマンドウなどを「国内テロ」と呼び、大綱や白書でのべられている「脅威対象」を矮小化している。
「国内テロ」に軍を投入している国もある。英国は戦後長らく、IRAとの戦いに明け暮れ、北アイルランドにはSASなど特殊部隊を含む軍部隊が駐留し、治安の維持にあたっていた。氏の主張によると英国が対IRA戦に軍を投入してきたのは間違っていた、と言うことになる。
敵特殊部隊 や、工作員などによる社会インフラの破壊、即ち、鉄道、原発、空港、通信網網などの破壊、要人の暗殺、自衛隊および在日米軍の施設、艦船などに対する同様の攻撃、更にはいままでふれてこなかった「島嶼防衛」に対して積極的にコミットしていくことを表明している 90年代以降、特殊部隊の重要性が世界的に認識されており、特殊部隊を増強する国は多い。また氏が最大の脅威としているロシアはソ連時代から伝統的に特殊部隊に力をいれてきたことはよく知られている。
冷戦当時、すわ開戦となった場合、開戦劈頭にソ連は特殊部隊と空挺隊を投入してくると予想されたが、にもかかわらず、自衛隊はこれらに対してなんら有効な対抗手段を構築してこなかった。このことこそ批判されるべきである。
我が国は狭く、縦深性に欠ける。また国土の多くが森林地帯であり、人口の七割、工業地帯の殆どが僅か三割の平野に集中しており、破壊工作に極めて脆弱である。攻撃側にしてみれば機甲師団を上陸させるより、特殊部隊を投入するほうが、費用対効果の面でも軍事的合理性の面でも有利である。
筆者は以前から特殊部隊の編成、本格的な狙撃兵の導入の必要性を強く述べてきた。またこれだけ山岳地が多いにも関わらず、山岳部隊がないこと、レンジャー訓練課程はあるものの、レンジャー課程修了者を集めたレンジャー部隊は存在せず、レンジャー課程修了者を継続的に訓練しないことは、ナンセンスで人的資源の無駄遣いとも指摘してきた。
また三千を越える島嶼は我が国の領土であり、これらに兵力を投射する能力を欠如しているのは軍隊としての欠陥であるとも、これまたしつこいほど指摘してきた。
数年前、西部方面隊では島嶼防衛専門の連隊が設立され、これにはレンジャー部隊がふくまれている。また昨年、陸自では特殊作戦群が編成された。また第一空挺団も千五百名から千八百名に増強装備も強化されている。
海自も既に臨検用部隊を編成している。 更に空自は次期中期防から既存のC-130を空中給油機に改造するプログラムを開始する。これにより、ヘリコプターへの空中給油が可能となり、島嶼への兵力投射能力が高まる。また陸自は来月からはサイバー攻撃、テロに対抗するため市ヶ谷にサイバー戦部隊が創設する。氏はない故これらの新たな部隊の評価を行わないのか。戦車と核ミサイルだけが「戦力」ではあるまい。
現在の大綱や中期防がベストとは言えないが、これらの改革を実行してきた小泉内閣による防衛庁、自衛隊はその歴史上極めて画期的であると評さざるを得ない。すくなくともこれまで筆者が提案してきた改革を過去これだけ実現した政権は無かった。
評価すべきところはすべきである。くさすだけが学者やジャーナリストの仕事ではない。
ロシア陸軍は現在も七個旅団、海軍は三個旅団の特殊部隊を保有している。さらにかつてKGBの隷下にあった連邦国境警備隊、内務省部隊にも特殊部隊が存在する。
氏はこれらの特殊部隊は「脅威」ではない、といいたいのだろうか。
と述べている。
軍隊の存在意義というのは国家の暴力装置として存在し、平時はその存在によって、戦時においては実力によって脅威を排除するためのものである。
だが、その具体的な任務は、その国、時代によっても変化する。未来永遠に「冷戦体制的軍隊」が軍隊のあるべきすがたではあるまい。
PKOの本来業務への格上げの法案は今国会では見送られたが、来期の国会で法案が提出され、国会を通過するだろう。PKOなどによって国際社会の安定化に寄与するのが国益であれば、それを本来業務に格上げするに何をためらう必要があろうか。
また、そのような「実戦を経験する」ことにより、自軍の問題点、兵員練度、装備などの問題点をみいだす機会を得ることができる。また医官は実際の銃創など国内では殆どふれられない『症例に』ふれることができる。
実際ボスニア、コソボ、あるいはアフガンなどで列国はそのような「人体実験」や新型装備をテストする機会を最大限に利用している。例えばドイツや英国はコソボやボスニアで地雷の脅威が大きいことを実感し、戦車装甲車輌の耐地雷装備を改良している。またアフガンにおいて列国は特殊部隊に先端歩兵装備などを「テスト」させている。
今回の陸自のイラク派遣において、250億円を投じて装備の改良がなされた。そのうち一部はイラクの環境に適合させるためのものだったが、その他は「戦える装備に改良」するためのコストであった。つまりいままでの国内用の「戦争を前提としない装備では通用しないことが明白」になったわけである。
それでも帰国後、多数の装備に不備があったという報告がなされており、これらは装備の改良、開発に刺激をあたえるだろう。海外派遣は単に国際社会にプレぜンスを示すという表向きの理由だけではなく、海外派遣には実利的なメリットがあることを意識すべきである。
災害出動に関しては、戦後我が国では民間防衛という概念がなく、自衛隊にその多を頼ってきたというのは事実である。だが、国民およびその財産の保護に国軍を使っていけないという理由はない。特に平時においては。有事法10法が成立した現在、各自治体において、独自の民間防衛体制の構築が進んでいる。氏がまた後にこの件にふれているで、この件はまた後で述べる。
氏は自衛隊のいうところのゲリラ・コマンドウなどを「国内テロ」と呼び、大綱や白書でのべられている「脅威対象」を矮小化している。
「国内テロ」に軍を投入している国もある。英国は戦後長らく、IRAとの戦いに明け暮れ、北アイルランドにはSASなど特殊部隊を含む軍部隊が駐留し、治安の維持にあたっていた。氏の主張によると英国が対IRA戦に軍を投入してきたのは間違っていた、と言うことになる。
敵特殊部隊 や、工作員などによる社会インフラの破壊、即ち、鉄道、原発、空港、通信網網などの破壊、要人の暗殺、自衛隊および在日米軍の施設、艦船などに対する同様の攻撃、更にはいままでふれてこなかった「島嶼防衛」に対して積極的にコミットしていくことを表明している 90年代以降、特殊部隊の重要性が世界的に認識されており、特殊部隊を増強する国は多い。また氏が最大の脅威としているロシアはソ連時代から伝統的に特殊部隊に力をいれてきたことはよく知られている。
冷戦当時、すわ開戦となった場合、開戦劈頭にソ連は特殊部隊と空挺隊を投入してくると予想されたが、にもかかわらず、自衛隊はこれらに対してなんら有効な対抗手段を構築してこなかった。このことこそ批判されるべきである。
我が国は狭く、縦深性に欠ける。また国土の多くが森林地帯であり、人口の七割、工業地帯の殆どが僅か三割の平野に集中しており、破壊工作に極めて脆弱である。攻撃側にしてみれば機甲師団を上陸させるより、特殊部隊を投入するほうが、費用対効果の面でも軍事的合理性の面でも有利である。
筆者は以前から特殊部隊の編成、本格的な狙撃兵の導入の必要性を強く述べてきた。またこれだけ山岳地が多いにも関わらず、山岳部隊がないこと、レンジャー訓練課程はあるものの、レンジャー課程修了者を集めたレンジャー部隊は存在せず、レンジャー課程修了者を継続的に訓練しないことは、ナンセンスで人的資源の無駄遣いとも指摘してきた。
また三千を越える島嶼は我が国の領土であり、これらに兵力を投射する能力を欠如しているのは軍隊としての欠陥であるとも、これまたしつこいほど指摘してきた。
数年前、西部方面隊では島嶼防衛専門の連隊が設立され、これにはレンジャー部隊がふくまれている。また昨年、陸自では特殊作戦群が編成された。また第一空挺団も千五百名から千八百名に増強装備も強化されている。
海自も既に臨検用部隊を編成している。 更に空自は次期中期防から既存のC-130を空中給油機に改造するプログラムを開始する。これにより、ヘリコプターへの空中給油が可能となり、島嶼への兵力投射能力が高まる。また陸自は来月からはサイバー攻撃、テロに対抗するため市ヶ谷にサイバー戦部隊が創設する。氏はない故これらの新たな部隊の評価を行わないのか。戦車と核ミサイルだけが「戦力」ではあるまい。
現在の大綱や中期防がベストとは言えないが、これらの改革を実行してきた小泉内閣による防衛庁、自衛隊はその歴史上極めて画期的であると評さざるを得ない。すくなくともこれまで筆者が提案してきた改革を過去これだけ実現した政権は無かった。
評価すべきところはすべきである。くさすだけが学者やジャーナリストの仕事ではない。
ロシア陸軍は現在も七個旅団、海軍は三個旅団の特殊部隊を保有している。さらにかつてKGBの隷下にあった連邦国境警備隊、内務省部隊にも特殊部隊が存在する。
氏はこれらの特殊部隊は「脅威」ではない、といいたいのだろうか。
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