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zoom RSS 連続射撃という困難。

<<   作成日時 : 2017/12/08 11:29   >>

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火砲が発明されて以来、発射速度の向上は常に運用側の希望だったことでしょう。
その一つの答えが連射が可能な自動化です。ですが、それを実現するためには冶金や材料工学、また機械工学上の進歩が必要でした。逆に申せば、火砲の発達のためにこれの技術が進歩したということもあります。

ですから、昔は砲身や銃身を複数並べて発射速度の改善を狙いました。銃器に関して言えば、その技術jの発達によって手動式のガトリングガンが発明され、ついで発射の反動を利用した機関銃が発明されました。

そしてこれは、理論が分かっているわけでは駄目で極めて経験工学の高い水準が必要であるわけです。

拳銃でいえば、80年代まで自動拳銃の信頼性は回転式拳銃にはかなわないと認知されていました。それが覆ってきたのがグロック17が登場してからです。この頃のになるとNCA工作機の登場によって、銃器のみならず、弾薬や素材の品質向上が高くなったからです。

故に米国の警察官の拳銃も回転式から自動式に変わってきました。

既に自動拳銃や機銃の機構は第二次大戦で既に完成の域に達しています。ですが、それが確実に作動することに達するまで時間が掛かったと言うことです。

別な例では住友重機がFNの機銃をライセンス国産してもオリジナルと同じレベルの品質ができないことが挙げらます。もっとも住友重機の品質向上がアレなのは、売り上げが少なくて設備投資ができないので、最新の工作機械を導入したり、生産管理が導入できないのかもしれません。
であれば今後もそれが改善する見込みは殆どないでしょう。
人間が少ないので有事の際の増産も殆ど不可能でしょう。
つまり事業として全く未来がない。

果たしてそれで国産を維持する必要があるのでしょうか。
国産自体を目的化して米国の10倍も高い値段を出して型落ちの機銃を細々と生産し、他の予算を喰っているような余裕が自衛隊にあるのでしょうか。
しかも空自に至っては、CSARでは全く射程が不足している、MINIMIを救難ヘリに搭載していますが、これも平和ボケです。他国が機銃を積んでいるから積んでいるだけなのでしょう。何のために機銃を積むのか、また実効性があるのか全く検証していない。当事者意識と能力が欠如しているとしか思えません。

兵器の調達にはその発達の歴史を踏まえて、将来を予測する必要がああります。
パリの陸軍博物館を久しぶりに見学してそういうことを思いました。

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浜の真砂はつきるとも、世に広殺しの手練手管の探求は尽きまじ、という気がします。


■市ヶ谷の噂■
空自のE−2Dはわざわざネットワーク機能の一部を外して自らモンキーモデル化し、これが理由で仕様がかわって値段が跳ね上げて調達するという間抜けさ、という噂。


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コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
>29年度補正予算案に防衛費1900億円を計上へ ミサイル防衛能力を強化

http://www.sankei.com/smp/politics/news/171208/plt1712080005-s1.html

あれだけ清谷さんに追及されたというのに、またもや補正で懲りずに正面装備を爆買いしまくりorz。これで「まだ防衛費が足りない!」とか真顔で言っちゃうアレな人がいるんですよね...。おまけにホークアイも、わざわざ大金を掛けてまで機能を落とすとか、アホすぎる...。



>防衛相、巡航ミサイル導入正式表明「専守防衛に反せず」

http://www.asahi.com/sp/articles/ASKD83GJFKD8UTFK007.html

3種類とも導入するんですね。
KU
2017/12/08 12:57
戦闘能力向上させるより
銃剣道と駆け足に人員と時間と金を投入する不思議な軍隊ですから
人員不足だの予算不足とか言いつつも幹部のポスト維持のためだけに新編部隊創設する軍隊ですから
装備品の不具合なんか気にしません。
元土木
2017/12/08 22:17
反知性主義とモラルハザードが蔓延する嘆かわしい状況です。
これが許されるのも単一民族の意識の共通性から、合理的な議論でなく空気や雰囲気で物事が決まる体質のせいでしょう。
むしろアメリカのような多民族国家の方が馴れ合いが排除され合理的な議論で物事を決められるメリットがあると思います。
先の大戦で日本が負けたのも合理的な思考の欠如。それを抜け出すことは永久に不可能に思えます。
労働者
2017/12/08 22:40
>日鋼室蘭が航空事業に正式参入、新明和工業が協力【室蘭】

http://www.hokkaido-nl.jp/article/4114


>「省庁横断型」新組織創設へ

http://www.fnn-news.com/sp/news/headlines/articles/CONN00378759.html

どこが仕切るかでゴタゴタしそうですが。
KU
2017/12/09 08:29
まあ、かのレオナルド・ダ・ヴィンチも機関銃の原型を考えていたそうですし、自動火器の開発史ってのは概ね欧州の工業化の歴史と言っても良いのかも知れません。
日本でも戦国末期から江戸時代初期にかけては火縄銃でいかにして発射数を稼ぐかを工夫していました。
銃身を回転させる火縄銃や早合、織田信長の三段撃ち(これは嘘っぱちの可能性が高いですが)や雑賀集の烏渡しなどは色々なアプローチを試みた証拠です。
戦乱の世が終わってこれらの研究も下火になった事がその後も戦争を続けた欧州との差を生んだようにも思えます。(平和なのは悪い事じゃないんですがね)
戦前の銃砲開発もキヨタニさんが仰る経験工学の考え方で最後まで世界に追いつけなかったそうです。で、機関銃を安定して稼働させるためにわざわざ小銃と違う規格の弾薬を採用したりとかを兵站が貧弱なのを自覚してるはずの軍隊がやらかしてたそうです。
自衛隊が64式小銃で専用の弾薬を使わないとフルオート射撃できないようにしちゃってるのもその影響ですね。
さてさて、E-2Dはなんでわざわざそんな馬鹿な事をしたのか謎と言うほかありませんが、省内・隊内の胡乱なイデオロギーでもあるんでしょうかね?
八王子の白豚
2017/12/09 16:34
なるほど。そう考えると、設計へのCADへの導入、というのも工業製品のクォリティを考察する時にはひとつの指標になるかもしれないですね。
NC工作機械の発達というと、要するにトランジスタとか集積回路の発達が平行して進んだ結果のように思われます。

あと、そういう部分のなぜって現物を見ないと解らない部分も多そうで、そういう意味でもとりあえず見本市に行って見てさわってみる、というのも大事なのかもしれませんね。
ふきのとう
2017/12/09 19:47
パリの博物館って写真撮影してもいんですか?
ひゃっはー
2017/12/16 21:14
営利目的以外はokです。
キヨタニ
2017/12/16 22:02
お邪魔します。
 兵器開発の流れには一貫したものもあれば、例えば大戦前の双発戦闘機ブームのように一過性で終わったものもあります。おそらく「パワー重視→エンジン一個では足りない→なら二個で」という流れだったのでしょう。結局は「一個で充分なパワーが出せる強力なエンジン」になり、さらに「エンジンを機体に沿わせて配置できるジェット機」ではプロペラ機程には単発と双発で機動性に差は出なくなりました。また大戦中は航空機が急激に発展した結果として水上機がオワコン化しましたが、戦闘機が「これ以上速くなろうとしても熱の壁、機動性を増そうにもパイロットが耐えられない」でVTOL機のF36Bが追いつきました。つまり「与えられた環境で釣り合いが保たれる」わけで、その奥にあるものが何かを見極める必要があると思われます。
ブロガー志望
2017/12/21 23:36

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