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zoom RSS 自分の願望で国民と国家で実験を続ける日銀の黒田総裁

<<   作成日時 : 2017/06/17 20:29   >>

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黒田日銀総裁「デフレマインドの転換に時間がかかっている」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS16H2Q_W7A610C1000000/

> 日銀の黒田東彦総裁は16日の記者会見で、経済が底堅いのに物価上昇が鈍いことについて「デフレマインドの転換に時間がかかっている」と述べた。

>5月26日に発表された4月の全国消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除く総合指数で4カ月連続前年比プラスだったが、プラスの品目数は年明け以降、横ばいのままだ。

>ただ、黒田総裁はパートの賃金上昇がしっかりしていることなどを挙げ、販売価格やサービス価格の上昇につながっていくとの考えを示した。


この人は2年で物価を2パーセント上げる、インフレになればみんなじゃんじゃん消費を増やす、そう仰ったわけですが、その後やれ原油価格が下がったとか色々と言い訳をして、目標を達成できずに今に至っているわけです。

それでも成功するまでやると言い続けています。まるで戦時の大本営参謀みたいな感じです。原爆が落ちても本土決戦をやりそうな雰囲気です。
ご本人が自滅するのは勝手ですが、国民と国家を巻き込まないで欲しいです。


日本経済の現実をみれば物価が上がる可能性は殆どありません。インフレとは貨幣よりもものの価値が上がることです。ですから多くの人が貨幣を現物に変えたがる、それが循環を生むわけです。

ですが我が国で経済のパイはそうは大きくならない。少子化でまず人口が減りますから。10年後、20年後一人あたりのGDPを上げることができても、そうそうGDPの総額は大きくなりません。

高度成長期においてインフレの原動力は土地でした。みんな競って土地を買い、土地さえもっていればサラリーマンも資産が形成できました。土地はもっとも安心な投資だったわけです。

ところが現在はそもそも少子化で、土地の需要が減っています。不動産を買えば儲かるどころが、値段が下落して売るにも売れない「負動産」と化して、延々と固定資産税を払い続けるという悪夢が現実化しています。

そして何より土地は必ず上がる、土地を買わないといけないという「土地神話」「土地本位制」という、魔法というか催眠術が溶けてしまいました。バブルまで企業でも不動産を持っていないと銀行が土地をもっていないと、カネをかしてくれないので、不要でも土地を買っていました。そして簿価で評価される土地の含み益で、カネを借りて投資することも可能でした。ですから、ファッションメーカーが、ラブホテルを所有したりしていました。
つまり、土地の需要が供給よりも常に過剰でした。ですから土地の値段があるという循環が起こっておりました。

ところが昨今では企業も無理矢理、土地を抱え込むなんてことはしなくなりました。
やっているのは相当頭の悪い会社です。価値があるのは東京の一等地だけでしょう。

そして何度も申しておりますが、GDPの6割の個人消費は冷え込んでいます。多少賃金が上がっても、それ以上の社会保障費の負担が増えており、実質な手取りはあがりません。

安倍政権が景気よく税金と借金で土地と株を買って、市場をつり上げていますが、こういう官製相場はいつかは破綻します。

そして膨らんだ国の借金だけが残ります。財政出動でカネをばらまいても景気が良くならなかったことは、多くの国民が実感して覚えております。だってそれで今まで社会保障費の国民負担は増え続けているわけですから。

当然ながら、普通の国民は、将来にさらなる社会保障費の負担増と税金の増大、それに反比例して年金が減額されると考えます。老後は国に頼れない、と。

そうであれば、お金は浪費せずに貯蓄に回すでしょう。無論、不正規雇用でそんな余裕も無い人が増えています。年金生活者も消費を控えて、できるだけ貯蓄に回すでしょう。

つまり国民の消費は活発化したり、人口増によって個人消費のパイが増えるわけがない。当然ながら将来の市場拡大を見越しての設備投資なんぞしません。

黒田総裁やインフレになれば、みんな争ってカネを使うようになるといっていましたが、実質手取りがインフレで減って将来の不安があるのにジャンジャンカネを使うのは頭か経済観念がおかしいか、経済観念が無い人だけでしょう。戦争直後の狂乱インフレの時代ならば別でしょうが。


当然ながら需要が増えてインフレになるという要素は極めて少ないわけです。無理矢理にインフレにすれば、当然国民は贅沢品を買わないようになります。食用油や醤油など基礎的な食品が値上がりすれば、主婦は財布のひもを締めるのは当然です。既にその傾向は出ています。

この状態でインフレが定着するわけがない。仮にインフレが定着すればスタフグレーションが起こって、国民は窮乏します。前から申し上げているように、インフレを起こすのは実は簡単です。海自の護衛艦で、上海や釜山あたりを艦砲射撃すれば宜しい。日本が経済封鎖され、石油や食品あらゆる消費財が手に入りにくくなり、カネよりもモノの価値が急激に上がります。安倍政権や黒田日銀の思っている経済状況が実現できますが、果たして国民が豊かになるでしょうか。



こんなことは商売している人間ならば誰でも思いつくことでしょう。
ところが日本経済新聞を始め、多くのメディアや「経済の専門家」は、つい最近までアベノミクスや日銀の政策の根本的な問題を指摘してきませんでした。

繰り返しますが、安倍政権と黒田総裁の日本経済に対する認識は半世紀前のものです。

今後安倍政権が倒れて誰が政権についても、その後始末には多大な労力を使うことになるでしょう。


アベノミクスのウソ検証 保守政治家らが勉強会
http://blogos.com/article/229115/

「安倍1強」生かせず アベノミクス5年、骨太方針決定
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS07H48_Y7A600C1EA4000/

税収、7年ぶり前年割れ=アベノミクスにほころび−16年度
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017060901378&g=eco






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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
黒田総裁は、日銀だけでインフレ目標達成なんて無理なんだ、という事を政府にキチンと説明すべきです。金融だけアクセル踏んで、財政と税はブレーキを思いっきり踏んでいる、2対1でブレーキが勝っている状態です。
マリンロイヤル
2017/06/18 07:15
お邪魔します。
 経済全体のパイが思う程大きくならない、それどころか小さくなりかねない状況の中でも、自分の分は減らしたくない、あわよくば増やしたいと思っている連中によって、「他の人間から収奪する仕組み」が作られようとしている中、黒田総裁の役割は収奪される側の人間の目を逸らさせる「陽動」なのかも知れません。
ブロガー(志望)
2017/06/21 21:36
6月29日ロイター伝は、
日銀の原田泰審議委員が同日、都内での講演でヒトラーが「正しい財政・金融政策をしてしまったことで、かえって世界が悪くなった」

と述べたとして、「日本銀行がヒトラーの経済政策を賞賛」と批判的に伝えた。

国家社会主義労働者党が政権を取った1933年のドイツは、米国発の大恐慌の悪影響を受け、大不況とデフレに襲われて国民は苦しんでおり。

そこへ巨額の財政政策を実施してアウトバーンを整備し、失業者を雇い、彼らに住宅を作らせフォルクス・ワーゲンを買わせて、ドイツを大不況から回復させて好景気に導いたのは周知の歴史。

当時のドイツ中央銀行が、ハイパーインフレの鎮静化と同時にデフレ解消という、だれもなしえなかった偉業を達成したのは事実である。

これは、全く経済政策としての成功であり、その後のヒトラーの悪行とは直接の関係はなく。

市中に資金が循環し、ひいては国庫にもリターンをもたらすヒトラー政権下の輝かしい成功を、この国でも実現して見せよ、日本銀行よ。
yakozen888
2017/06/30 19:32

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