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zoom RSS 歪んだ不動産投資でも、GDPが上がればハッピーか。

<<   作成日時 : 2017/05/06 14:52   >>

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不動産融資がバブル期超え 超低金利政策のゆがみ拡大
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201705/CK2017050102000120.html

> 昨年の銀行の不動産向け新規融資が前年比15・2%増の十二兆二千億円となり、バブ
ル期の十兆四千億円を超えて過去最高になった。アパートなど貸家経営に乗り出す個人へ
の「アパートローン」の急増が主因だ。背景には、預金にほとんど金利がつかず将来への
不安が高まる中、超低金利で気軽に大金を借りて不動産に投資するサラリーマンが増加し
たことがある。一方、銀行が厳しい審査なしにお金を貸し込んでいるケースもあり、超低
金利政策のゆがみが広がっている。

>「銀行と不動産業者が組み、無理な融資をしている」。全国住宅ローン救済・任意売却
支援協会(埼玉県所沢市)の佐々木延彦代表理事はこう説明する。協会への一六年の相談
件数は、前年と比べ六割増えた。

>アパートの空室率が東京、神奈川、千
葉などで三割を大きく超えている。愛知県も三割近い。人口減もあって空室が増え続け、
価格がさらに下がる可能性も。「今のプチバブルがはじければ、アパート建設に投資をし
たオーナーの人生設計が狂う」(不動産アナリスト)との不安も高まる。


日本の金融機関の与信能力の低さには定評があります。
つまりは金貸しとしての能力の低さです。

自分で判断してカネを貸せないわけです。
で、上場企業は起債して資金を調達する。
本来中企業から零細を相手の商売に身をいれるしかないのですが、そのノウハウがない。
そして日銀主導の超低金利です。
超低金利で危ない貸し先を増やすと、倒産して利益があっという間に吹き飛びます。

収益は傘下のサラ金使って返済能力の怪しい、情弱な借り手にカネを貸す、そしてこのような相続を心配している層に、アパート経営を持ちかけます。この手の人たちはアパート経営を「経営」と考えずに節税の手段ぐらいにしか思っていない人が多い。事業の経験もなく、採算性もろくに考えずに金貸しの言うことを聞いてしまいます。

ただでさえ、全国的に空き家が増えています。
ボコボコアパート建てても、埋まるわけがない。
しかも人手不足で建設費も高騰しています。
収益は益々悪化しているでしょう。

まともな経営者ならばこんな時にアパート経営などしないでしょう。
無論例外はあるでしょうが。


現在のところ、このアパートラッシュは安倍首相の誇るアベノミクスの「内需の拡大」に貢献はしているでしょう。ですから政府は傍観しているわけです。
ですが近い将来破綻する家主はゴロゴロでて、賃貸レートは下がり、また万歳する大家も増えるでしょう。

賃貸住宅のさらなる供給は大事です。現在は持ち家に偏りすぎています。
ですが、政府がやるべきことは、良質な広い賃貸物件の拡大です。それと既存賃貸物件のリノベーションです。

今は離婚も増え、老齢者だけの世帯も増えています。若い時代に郊外に買った家で一生を過ごすというモデルは崩れています。
また生涯、同じ会社に勤め、重いローンを返せるという補償もありません。

賃貸ならばライフスタイルと家族構成の変更あわせて引っ越しも容易です。
リーズナブルで広い家に住めれば趣味にも有利ですし、大きな家具も買えます。

重いローンに苦しんでいる人間に消費を謳歌する余裕はありません。
また家を売ろうしても売れずに「負動産」となっているケースも増えています。

例えばの話、3〜5LDKの賃貸住宅に対する課税を低くするとか、控除をもうけるとか優遇をすべきです。


賃貸がいまいち人気が無いのが、歳をとってから貸してくれないということがあります。

また賃貸を巡るトラブルが多いことも問題です。賃貸を巡る法が不備であり、裁判を起こしても時間とコストがかかり、判決がでてもトイレットペーパーにしかならない現実があります。

ですが、今後は人口も減るので借りて市場になって、借りやすくなるでしょう。
ですが同時に、老齢者が亡くなったりした場合に対する行政の迅速な対応や、賃貸に関する法律と行政の不備を是正していく必要があります。

また欧米のように第三者が中古住宅のレベルを客観的に査定するシステムの導入も必要でしょう。
そうすれば、中古住宅を賃貸物件として利用する率も増えるでしょう。

それから不動産業界の近代化が必要です。殆ど詐欺師レベルの悪質な不動産屋が堂々と商売をしています。
悪質な商売している業者は厳しく罰して、懲役も含めて法整備とその執行の厳格化をすべきです。

住宅をあたかも耐久消費財のように使いぶつして、また国民の多くが住宅ローンを背負い込むのは健全では無いと思います。不要な住宅コストが減れば、その分国民の経済的な余裕も生まれて、消費も拡大するのではないでしょうか。






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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
結局安直に課税しやすい個人から税金を搾り取る事しか考えてない財務省がバカだから景気が良くならないんですよね。
歳入が足りないなら歳出をどう抑えるかをもっと知恵を絞って考えればいいでしょうに。
オリンピックだ何だとはしゃいでいる場合じゃないでしょ?
八王子の白豚
2017/05/07 09:37
お邪魔します。
 賃貸の場合、「家賃が払えなくなったら追い出される(引退後年金や貯金でどこまで払い続けられるか他)」リスクがありますので、それに対するセーフティネットを用意する必要があります。また欧州の人間は「一ヶ月以上のバカンスの間滞在するのは他所にバカンスに行った赤の他人の家」と聞いた事がありますが(その延長が民泊かも)、日本人は「他人の手垢が付く」事を好まないので、家の内装だけでも容易に交換できるようにした方が良いのかなとも思います。最後に家を「最小限のプライバシーの確保」と割り切り、「季節物や使用頻度の低い物はトランクルーム、パーティーはカラオケボックス」とかにする事も必要かも知れません。
ブロガー(志望)
2017/05/07 21:51
サブプライムローンを笑えないような気もしますねぇ、文言みてると。サブプライムは自分の住む家ですが、名義は自分で他人に貸す家、と考えれば構造も大して違わない、という考えもなりたちそうです。

>現在は持ち家に偏りすぎています。
確かに、漠然と共有されたイメージとして、人生すごろくの一段階(あるいは、人生の成長過程…就職→結婚→マイホーム)というような部分はありますね。かれこれ四半世紀くらい(原作者が亡くなっても)続く野原一家のイメージとかもそういう部分が反映されてる気がします。そういう平均的なスタイルが強く理想とされて、そこからの疎外はネガティブなイメージで捉えられるという…。そういう同調圧力にもにたものはあったようにも思いますね。

個人向け国債にしろ、「銀行預金以外にも資産を運用してくれ」というのは解りますが、現代の複雑化、高度化した金融システムで、市井で汗水流し働きつつ副業投資したりするような層が海千山千の機関投資家や、それより上の超富裕層と張り合って利益を出していけるかというと、そもそもそういう無差別級のグランドでは逆に討ち死に、あるいは大怪我で引退…という人の方が増えそうな気もしますね。
ふきのとう
2017/05/08 22:22

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