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zoom RSS 「人余り」は解消しないし、いよいよ賃金は上昇局面になることもない。

<<   作成日時 : 2017/04/10 20:29   >>

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「人余り」が解消、いよいよ賃金は上昇局面へ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170410-00166657-toyo-bus_all

ぼくは原則的にこういう株屋の予想屋さんの言説は読みません。場外競馬の予想屋のおっちゃんの予想よりも信用できないと思っております。
基本彼らは実体経済を知らないし、興味も無いでしょう。あるのは上場企業の株が激しく上下してくれる環境になって欲しいという願望だけです。

上場していない企業は存在しないと思っているでしょう。大企業の調査にしても大抵IR担当者と会うだけ。足を使って工場にも行かないし、下請けや消費者の調査なんかしない。
ですが、数の上でも雇用でも圧倒的に多いのは、中小零細企業、特に10名以下の零細企業です。
彼らはまったく見向きもしないでしょうが、大企業だって、零細な下請けが存在するから成立しているし、従業員とその家族は消費者でもあります。


ですが、メディアでは「経済の専門家」として彼や学者らの意見を重用します。学歴が高くて、マーケットに詳しい、ということになっているからです。いくら予想を外してもメディアは彼らを使います。

大抵米国留学組が多いから、洗脳されて、アメリカの経済を大礼賛します。短期の利益を極大化しR&Dや人件費を危険な暗い削り、投資に必要な内部留保も吐き出させて、すべてを株主と経営者が収奪する。これが正しいビジネスだと信じています。

だから世論がミスリードされます。それに不信感を持った米国の大衆が「反逆」を起こしたのが、トランプ大統領という選択でしょう。


>デフレとともに日本経済最大の問題である労働市場での「人余り状況」が、ほぼ20年ぶりに解消されつつあることは、日本経済の正常化が続いている象徴である。

> 失業率がその後も低下し続けていることを踏まえれば、この筆者の認識は妥当だったといえるだろう。また、多くの民間エコノミストや経済学者は、3.5%程度の失業率は完全雇用状況であり、それゆえ金融緩和など総需要刺激政策の弊害が大きい、など意見していた。ただ、彼らの多くは、完全雇用の失業率の水準の判断を大きく間違えていたのだろう。

原因は好景気で人手不足が解消したのではなく、就労人口が減ったからです。
それは消費の市場も減っているということです。それで収益があがるのでしょうか。


>また、2016年度の上場企業の倒産が1990年度以来のゼロとなった。

上場企業以外は企業では無いと(笑

中小零細では倒産、会社整理、広い意味での廃業は増えています。最近では建設関連の人件費高騰による廃業が特に増えています。

この人は大企業しか見ていないから知らないのかもしれませんが、倒産にはきちんとした法的手続きが必要であり、それには経済的なコストがかかります。ですから「夜逃げ」したようなケースは倒産に入りません。また以前と違って、足下が明るい内に商売をたたむ企業も増えています。

更に申せば政府が景気対策の一環として、金融機関に対して潰れそうなゾンビ企業にもカネを貸すように強要しておりますから、このつっかえ棒がなくなれば倒産、会社整理は激増するでしょう。


>2015年度までは消費増税による所得減のショックが長引いたことに加え、中国など新興国経済の停滞で日本経済は不安定化した。ただ、2016年度は増税ショックが和らぎ、そして米国・中国経済の持ち直しが日本経済を支えた。


輸出はGDPの15パーセントに過ぎず、円安になってもドルベースでの輸出は対して増えていません。円ベースで勘定したら利益が増えただけです。1ドル80円だったのが、120円になったら利益は確かに何もしなくとも1.5倍です。
そら、儲かるでしょう。でも下請けにはおこぼれは殆どない。

反面その円安で輸入消費財、エネルギーなどの原価が高騰し、また併せて社会保障費の負担増がGDPの6割を占める個人消費を冷やしています。


>失業率の低下が示す労働市場で需給の改善と同時に、財・サービス市場を含めた経済全体の需給が引き締まったが、そうした経済状況が日本企業の経営安定化や倒産減少につながっている。


上記のことから、このような著者の主張は完全に誤りです。
アベノミクスで雇用が増えたわけではありません。


>日本銀行の金融緩和強化を主軸とする総需要刺激政策が日本経済の正常化・復活に必要であり、これを強化・継続することがアベノミクス成功の必要条件と考えて一貫して論じてきた。この間、消費増税という政策判断ミスで日本経済はゼロ成長にいったん失速したが、日本銀行の強力な金融緩和の後押しで「供給>需要」という不況は改善、そして強固なデフレ圧力は和らぎ続けた。

これまた政府の大本営発表そのまま鵜呑みです。

金融緩和をしても大して需要は増えていません。多くの企業は設備投資に不熱心です。人口減少、老齢化で市場は小さくなり、しかも将来の増税と社会保障の負担増は目に見ているので消費は増えません。


資金需要があるのは貸す先がない金融機関が地主を騙して立てさせているアパートぐらいのものでしょう。ですが日本中で空き家が増えて、しかもアパートも過当競争ですから、それも不良債権化しますから、将来経済の足を引っ張るのは明白です。

それとGDPを支えているのは、政府セクターによる「無駄使い」です。
公共事業やら姑息にも補正予算をジャブジャブ使って、本予算は小さく見せて大盤振る舞いしております。
これらの資金はすべて国の借金ですから、乗数効果の低い公共投資で将来の借金を増やしています。
これが大震災の直後などであれば、政府セクターによる投資は一定の景気の下支えになったでしょうが、それが終わってもジャブジャブ税金ばらまいて、財政の不健全化を進めているわけです。

あとは不動産と株式市場にジャブジャブ公金をつぎ込んで株価対策をしているわけです、これは筆者の歓迎するところでしょう。実体経済がどうなろうと、株価が上がれば株屋は儲かります。ですが普通の国民には何のメリットもありません。市場の投資家の7割は外国人、残りにしても機関投資家と当局ばかりです。

要は、単なる自分の業界への利益誘導のための世論操作です。



>失業率の低下余地が十分存在するなど余剰経済資源がある中で、金融緩和による総需要押し上げ効果はある。つまり、金融緩和や財政政策で総需要が増えるので、新規雇用が生まれる。そして、「供給>需要」の状態を解消する過程で、政府・日本銀行が目標とする2%インフレ安定に向かう。以上の見方を筆者は変えることはなかったが、これはベーシックな経済理論が導くメカニズムにすぎない。


黒田総裁が物価を2パーセントにあげるといって、幾星霜(笑
成功するまで国民の借金を増やし続けて、壮大な実験をするつもりでようが、迷惑千万です。
少し前も原油が下がったからとか、言い訳していましたが、実体経済は完全な状態の実験室内の環境ではないわけです。ですが別に大震災が起こった訳では無い。指標として当然頭に入れておくべきものでしょう。自分が想定してなかった状況になったからといって責任転嫁するのは無責任というものです。

それに最近食品などの値上がりが相次いでいますが、サラリーはそれほど増えていません。
特に社会保障の負担増を加味すれば実質所得は減り続けています。これで果たして消費が増えるでしょうか。


リフレ派のひとたちは、インフレになって物価がどんどん上がれば、消費者はどんどんものを買うといっておりました。ですが、そのようことは起こっておりません。そんなことをするやつはよほど経済観念が無い連中、例えば株屋の予想屋とか日銀の偉い人たち、あるいは禁治産者ぐらいです。

>安倍政権が経済の常識を理解し経済政策運営を続けてきたことが、依然として高い支持率を支える最大の要因だと、投資家目線で筆者は認識している。


これこそが筆者の本音でしょう。実体経済が破壊されようが、国民が苦しもうが、企業の配当が増えて、株価が上がる、そして乱高低すればそれが株屋さんにとっては利益になります。

>今後賃金上昇が始まることは、黒田日銀総裁が目指す「2%インフレの実現」が近づくことを意味する。

「物価上がる上がる詐欺」ですよ。
今年の春闘見ても、大企業でも大してベアは上がっておりません。
中小零細ならば尚更です。仮に円安などで消費財が高騰しても、サラリーは同じ比率では上がらないでしょう。
ますます財布のひもを締めるでしょう。

金融政策で景気がよくなるならば、我々商売人は苦労しません。

人々が欲しがるような、新製品が開発され、また今まで出産後、パートぐらいしかできなかった主婦がビジネスに復帰するなどして、世帯あたりのインカムが大幅に増えないと経済はよくならないでしょう。
人件費が高騰した場合、商売として成立しなくなるビジネスも増えて、倒産も増えるでしょう。
ゆがんだ政策がビジネス界に悪い影響しか与えません。

また企業の利益も人件費に喰われるでしょう。経済のパイが大きくなることよっての、物価や賃金の上昇といういい意味でのインフレが起これば話は別ですが、筆者はインフレさえおこれば景気がよくなると主張しているようにしか見えません。
まるで政府や日銀の代弁しているようで、独自の分析をしているとは全く思えません。


朝日新聞のウェッブサイト、dot に以下の記事を寄稿しました。


新学習指導要領に異議あり 中学生、自衛官にとって“有害”でしかない銃剣道

https://dot.asahi.com/wa/2017041100033.html

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
投資の世界では世間の常識は通用しませんから、彼らの分析が世間で通用するわけがありません。
現に半島有事が近いという憶測で、細谷火工や石川製作所が大きく買われていますが、彼らはこの両社の製品がどのように有事で使用されるのかはおろか、現在の受注額や下手をすると製品すら知らないでしょう。
知っていれば、この両社を買うわけありませんからね。

政府には目に見えてわかりやすい、日経平均などではなく、実態経済を見て政治をしてほしいものです。
一消費者
2017/04/10 21:51
お邪魔します。
 TVで「後からの客が払った金を先に入った客に払うといったやり方で、金融危機が起こるまでは『結果の出せる男』としてウォール街の名士として通っていた男がいた」というのを見ました。思えば資本主義「それ自体」がそんなものかも知れません。今は得ていない人達を「将来はお前等も得られるんだぞ」と言い続ける事で手なずけてきた手前、「お前等には失うものはあっても、得られるものなんか無い」とは口が裂けても言えないのかも。
ブロガー(志望)
2017/04/12 22:59
スレ違いで申し訳ありません。

>空自C- 2輸送機、難産のワケ 約2年遅れた配備開始、これが航空開発の「通過儀礼」?

http://news.livedoor.com/lite/article_detail/12938898/




>自衛隊は国籍不明のテロリストより弱い⁉

http://news.livedoor.com/lite/article_detail/12938499/
KU
2017/04/15 18:26
C-2は大石氏も指摘されているようにスペックは詐欺のようです。
最大ペイロードは実は燃料をミニマムで搭載した状態で、空中で給油する状態でのものらしいです。

こういう詐欺まがいのことをやっている連中が売っている飛行機を買う顧客はいないでしょう。
キヨタニ
2017/04/15 19:50
>>C- 2

まさか、燃料ミニマムな状態での数字を平然と掲げているとは...。よくまぁ、財務省が予算を付けましたね。国産開発自体は良いのでしょうけど、結果が酷すぎる。


>体感!グレートネイチャー

巨大テーブルクロスと奇跡の花園〜南アフリカケープ半島

http://www4.nhk.or.jp/greatnature/x/2017-04-15/10/17824/2551082/

昨日の内にお知らせできれば良かったのですが。南アって、花の宝庫なんですね。うちの母親も極楽鳥花(ストレリチア)を知っていました。
KU
2017/04/16 07:32
黒田節が失敗してブラジル化すれば、装備品の開発も地に足のついたモノしか出来なくなり、まともになるかもしれませんね。
輸送機開発はしなくなるかもしれませんが。

国産万歳な方々は、日本製は素材レベルはともかく、製品としてハイエンドなところで必ずしも高評価を受けているとは言い難い実態を直視してみるべきだと思います。
根拠のない賞賛は、役所とメーカーを甘やかして、機能性の乏しい製品を税金で押し付けられる現場と国民に被害が返ってくるのを鑑みてほしいです。
知り合いの自営館
2017/04/16 10:26
そもそも株価を経済の動向の指標にしている時点で株屋が偉そうにするわけですよね。
八王子の白豚
2017/04/16 21:06
>新学習指導要領に異議あり 中学生、自衛官にとって“有害”でしかない銃剣道

また、現場を知らない妄言ですね。

現場では、教員の「指導者」が確保できません。

柔道や剣道を教えるために、体育教員は、「有段者」の資格を取らなければなりません。これは必須です。

柔剣道?どうやって授業で「教える」のですか?

机上の空論=現場では無視なのです。
菅原晃
2017/04/30 21:53

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