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zoom RSS 自衛隊はオスプレイの空中給油をやるのかね?

<<   作成日時 : 2017/01/06 14:03   >>

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さて、最近空中給油訓練中の米海兵隊のMV-22が墜落しました。さて自衛隊はオスプレイで空中給油をやるんでしょうかね?


ご存知のようにこの中期防で防衛省は17機のオスプレイを導入する予定ですが、その運用構想は明らかにされていません。中谷防衛大臣(当時)は記者会見でぼくの質問に答えて「何機入れるかわかりません、買ってから考えます」とこたえました。

つまり、防衛省はオスプレイでどの程度の部隊を編成するのか、つまりどの程度の部隊規模もわからずに、その運用構想もわからないまま、何千億円もかかるオスプレイの導入をきめたということです。
その御蔭で、既存のヘリ部隊が圧迫を受けております。かつては500機は会った陸自のヘリ部隊は350機、あるいはそれ以下に減らされるでしょう。AH-64D調達の無様な失敗もあり、AH-1Sはこっそり、ひっそり用途廃止が進んで、攻撃ヘリ部隊はなし崩しに壊滅するでしょう。
しかも既存のAH-64Dの機数では、部隊の稼働機は数機にすぎず、単なる予讃の無駄遣いになっています。

別に攻撃ヘリを全廃してオスプレイというならば、それはそれで一つの見識です。ですが、陸自航空隊のポートフォリオ、稼働率、部隊構成の青写真もなく「オスプレイちゅう、鉄の鳥ば買うだ」と大枚叩くのは土人の所業です。


「オスプレイちゅう、鉄の鳥を買えば、我が国は安全だべ」という土人みたいな発想です。軍事の当局の発言じゃありません。他の民主国家だったら大問題です。ところが政府に大変優しい防衛記者クラブの皆さん方は、オスプレイ反対の会社も含めて後追いの取材もしていないようです。不思議ですよね。
それとも記者クラブの諸君には「予算」とか「政策」という概念がないんでしょうかね?


防衛省に構想運用はあるのだ、それを隠しているだけなのだ、と主張する、当局の走狗みたいな国士様がおられますが、バカも休み休み言って欲しいものです。
いやしくも民主国家においては、政府は税金で調達する防衛装備は議会と納税者に説明する義務があります。それをしないならば、自衛隊は黙ってミサイル原潜や空母も買っていいことになります。

民主国家と文民統制の基本ぐらいは抑えて欲しいものです。

そんな必要は無い自衛隊を無条件で信用しろと仰るならば、そういう人たちは中国とか北朝鮮とかジンバブエに移住でもすればいいのです。民主主義よりも共産主義や独裁主義の国との親和性の方が宜しいかと思われます。


さて、防衛省は調達が決まったオスプレイで空中給油をするのか、しないのか明確にしていません。

仮にするならば、空自のC-130の空中給油機型を増やす必要があるでしょう。
あるいはC-2の給油型を開発する必要がありますが、そんな話はありません。

KC-767は空自の戦闘機で手一杯、しかもオスプレイとは給油方式が違うので使えません。C-130の給油型はこれまた空自の救難ヘリしか想定していません。数もありません。
陸自のオスプレイに空中給油を行うならば、少なくとももう数機の空中給油機が必要です。

本来オスプレイを調達するのであれば、空自の空中給油機もセットで検討すべきだし、それであれば既存のC-130Hの給油型を増やす計画もあってしかるべきです。


空中給油による航続距離延長を行わないのであれば、オスプレイの価値を毀損するでしょう。費用対効果はわるくなります。

もしかすると、空中給油をする前提ならば、だったらUH-60やらCH-47に空中給油機能を付加した方が、ベターじゃない?という突っ込みがはいって、オスプレイ導入という恐らくは「政治目的」が達成できなくなるからかもしれません。

多分防衛省は既存のヘリに空中給油を行った場合と、オスプレイ導入して空中給油した場合との比較すらしていないんじゃないでしょうか。


また空自が陸自のオスプレイに給油をしないならば、同盟国である米軍のオスプレイにも給油はできません。
相互運用と共同作戦上デメリットになるのではないでしょうか。

自衛隊が自分のオスプレイに対する空中給油を行う手段を導入しなくても、同盟国たる米国の空中給油機による空中給油は検討すべきだし、訓練すべきでしょう。

それすらもしないのでしょうか。であれば政府とは別サイドのオスプレイ土人の方々は、「そら、鉄の鳥の給油は危険だべ」と非難するするでしょうねえ。


本来政府は単にオスプレイは安全と、木で鼻をくくったような「大本営発表」を繰り返すのではなく、ヘリとも固定機とも違うオスプレイの運用、それ故に起こりうる人的ミスの可能性なども、事細かく調べて、できる限りの情報開示をすべきでした。
ところがそれをやってこなかった。というよりも出来にないでしょう。政治的に導入が決定しているので、アリバイつくりのために、形ばかりの調査しかしていないんですからまったくもって当事者意識が欠けています。


ところで、オバマ氏は「オスプレイかってくれたら、全面的に守ってあげるよ」という約束してくれたんですかね。そういうコミットメントもないまま、多額の費用を投じて、自衛隊弱体化させるのが「戦後レジームからの脱却」というやつなんですかねえ。


防衛記者クラブ会員諸君はぜひとも、こういうことを大臣会見なり、幕僚長会見なり、次官会見なりで質問して欲しいものです。それとも「沖縄県民の感情をどう思われますか」とか、情緒を聞くのが記者クラブのお仕事なのでしょうか。「鉄の鳥はあぶねえだ、根拠?神様のお告げだで」と具体的検証もしないで、危ない、危ないと煽るのでは新聞土人です。インテリの記者さんのやることじゃないと思いますが。
どうしても情緒だけで記事を書きたいならば、新聞記事ではなく、詩人に転向しては如何でしょうか。

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コメント(13件)

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清谷様

お忙しい中での執筆かと思いますが、予讃=予算だと思います。

しかし、運用構想が決まらないまま、押しつけられた感じですね。
ブリンデン
2017/01/06 14:26
当然ご存知だと思いますがKC-767もプローブアンドドローグ方式の給油プローブを買っきてフライングブームの先っちょに付ければ給油可能です。もっとも仰るように機数が少ないので意味ないでしょうが。米国の事情は知りませんが、自衛隊向けオスプレイに空中給油する意味はあるでしょうかね?長時間上空に留まる事も無いでしょうし。もう一点気になるのはオスプレイには自衛のための武装が一切ありません。ドアガンも付けられないはず。海兵隊仕様にはIDWSを付けた機体もありますが自衛隊はどうするつもりなのでしょうね?
やれやれ
2017/01/06 19:06
>予讃
ご指摘ありがとうございます。訂正いたしました。
キヨタニ
2017/01/06 19:29
オスプレイ購入の影響は、JR北海道の経営状態に酷似しているような気がします。札幌駅前のJRタワーや北海道新幹線の初期投資・ランニングコストで経営が圧迫、ローカル線廃止とか保守費用が捻出できず、脱線事故とか。
禁治産者の集団なのでしょうか?
小学生並みの経済知識なのでしょうか? 予算を大幅に削った方が為になるでしょう。真剣に考えざるを得ませんから。
元キャプテン
2017/01/06 21:29
ま、この話は自衛隊側の要求によるものではなく官邸サイドからの押しで決まったそうですから、「オスプレイを買う事」が最優先で「オスプレイをどう使うか」なんぞ考えちゃあいなかったんでしょう。
こんな事ではかつての海軍が戦艦大和を建造した事を嘲笑う事は出来ませんね。
それよりも消滅の危機にある戦闘ヘリ部隊をどうするつもりなんでしょうね?
オスプレイなんて身の丈に合わないオモチャを買う事に邁進するカネとヒトがあるならそっちの手当を何とかしろよと言いたいところです。
お隣の韓国ですらアパッチ・ガーディアン導入するそうじゃないですか。
戦闘ヘリを何とかしないなら何か代替案でもあるんですかね?
八王子の白豚
2017/01/06 22:53
攻撃ヘリは追加調達しない。マトモに使えるUAVも調達しない。でも戦車モドキと、ヘリより速く飛べるだけが取り柄のオスプレイは大金かけて調達すると。優先順位を間違えているとしか・・・今さらですけどorz でもまぁ、米軍のオスプレイ運用に批判的な社に至るまで、こと陸自がオスプレイを導入することに関しては、いっさいダンマリというのも不思議ですよね。でも米軍や自衛隊機がトラブルを起こすと「危険が危ない!」と叫ぶと。
KU
2017/01/07 22:32
>安全の徹底求める一方で、情報提供求めず・・・稲田大臣

http://news.tv-asahi.co.jp/sphone/news_politics/articles/000091636.html

「情報提供を求めないと言うが、何か不都合でもあるのか?」とか、突っ込む社は無いのでしょうかね?単に、大臣の発言を右から左に流すだけで給料が貰えるとは何とも羨ましい。



>第1空挺団の「降下訓練始め」一般公開に、初めて米陸軍の特殊部隊「グリーンベレー」が参加

http://news.militaryblog.jp/web/Green-Berets-to-participate-in-exercises/with-JGSDF-1st-Airborne-Brigade.html

去年の観閲式にストライカー(装輪装甲車(改)なんか開発を取り止めて、これを買えば良いのに。もちろん装甲救急車も含めて)やオスプレイが参加しましたが、今度はグリーンベレーですか・・・。日米一体化を世間により強く印象付けたいのでしょうか?

KU
2017/01/08 06:19
官邸サイドからオスプレイを押し付けられたとはよく聞く話ですが、
仮にそうだとして見返りは何だったのでしょう?陸自に対する見返りは。
「陸自の人員予算を空自海自に付け替えるのを勘弁してやる」とかいう身も蓋も無い理由だったりして。
きらきら星
2017/01/08 11:37
記事中で空中給油機がないとオスプレイの価値を毀損するとありますが、日本においてオスプレイの空中給油が必要な場面とはどのようなものを想定しているのでしょうか?
素人
2017/01/08 22:17
釈迦に説法かも知れませんが、自衛隊と米軍の間には諸密約があり、その1つが指揮権密約と呼ばれるもので、有事には自衛隊の指揮権は米軍に属することになっている由。

すなわち、米国が購入しろというものは目的も不明で購入されるという論理になります。

この法的構造は
「日本はなぜ「戦争ができる国」になったのか」矢部宏司
に詳しく解説されております
萠黄
2017/01/09 09:01
空中給油は離島作戦で必要です。特にペイロードを確保するためには必要です。また、運用や作戦上での柔軟性を高めるためにも必要です。
近々、この件に関してはどこかで記事を書きます。
キヨタニ
2017/01/09 12:30
今年、新しくできる戦闘偵察大隊も陸幕の防衛部長の話によれば、何をさせるのか、どのように運用するのかが決まっていないらしいですよ。民間の会社でこんなことをやってたら、倒産します。
ひゃっはー
2017/02/14 12:56
すみません。上記の話は防衛部長ではなく、とある将官の話なんだそうです。訂正しておきます。
しかしまあ、よくもこんなデタラメなことがまかり通るもんだとあきれてしまいます。
ひゃっはー
2017/02/14 16:14

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