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zoom RSS 産経新聞野口裕之記者は自衛隊の弱体化を図る「支那」の手先か?その3

<<   作成日時 : 2016/11/04 10:07   >>

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産経新聞の野口裕之記者以下の記事に関する批判の続きです。

海外での新任務付与で「自衛官の命」を心配?する左系政治家よ、自衛官の胸に勲章がない不名誉をご存じか!
http://www.sankei.com/premium/news/161031/prm1610310003-n1.html

で、「軍人」の名誉の話になるわけです。

> ところが、「自衛官のリスク」を心配したはずの国会議員の内、追悼式の出席者はたった1人だ。衆参両院事務局によると、今国会の予算委員会で「自衛官のリスク」について民進、共産、社民各党所属の8議員がただしたが、出席したのは民進党参院議員だけ。式に参列した現職国会議員13人の内、野党議員はこの民進党参院議員を除き皆無だった。

> 殉職されて尚、サヨクの心ない言動に、自衛隊員は名誉を傷付けられている。
>名誉を傷つけて平然としておるのだから(傷つけている意識すらない?)、「武人の名誉」の何たるかも知らない。従って、現役自衛官を叙勲しない「国家的怠慢」を放置して恥じぬのだ。

この文章のつながりは木に竹を接ぐみたいなものです。
議員が式典に参加しない=殉職されて尚、サヨクの心ない言動+殉職されて尚、サヨクの心ない言動に、自衛隊員は名誉を傷付けらる

記者以前に日本人ととしてどうよという日本の能力でしょう。ベテラン記者の記事としてはいかがなものかと。本人に論理の矛盾がないと感じているならば相当重症ですぜ。物書き以前に。


> 通常、自衛官は退官し数年〜十数年が過ぎて初めて勲章が贈られる。しかも、制服組最高位・統合幕僚長や陸海空自衛隊トップ・各幕僚長は中央省庁の事務次官程度。東日本大震災で自衛隊を直接指揮した東北方面総監は局長級、陸将補(少将)は課長級という格の低さである。下士官・士(兵)に至っては退官後ですら叙勲されない。

>勲章は礼装(メスジャケット)に飾り、日常着用する軍服には勲章の略章を着ける。しかし、防衛省が定める《防衛功労章》は国家が下賜する勲章ではなく、防衛省が独自に制定した“メダル”でしかない。もう一つの《防衛記念章》の方は防衛功労章なる“メダル”に対する事実上の略章との位置付け。42種類も定めている割に、自衛隊内で「グリコのおまけ」と揶揄されるのは、こうした“重み”故だ。

> 日本では国家・国益のために貢献したとも思えない政治家や首長、官僚が恥ずることなく受章している。組織には「信賞」がある一方で「必罰」がある。国家の統治も同じで、法による「罰則」の一方で、栄典制度による「顕彰」があり成り立つ。現職自衛官には「必罰」だけで「信賞」が存在しない。武人が威張る国家は滅びる。だが、武人の名誉を称えぬ国家もまた、滅亡を免れない。


ぼくも現役自衛官に勲章を授与するべきだと思いますし、それは昔から何度も著作に書いてきました。上場企業の経営者など談合事件を起こしても貰えるのに、体を張って国を守っている自衛官が貰えないのはおかしな話です。
自衛官に勲章を、という点には同意します。
ですが、その後の文章がいただけません。

>防衛駐在官=武官ら多くの自衛官が、外国や在日大使館における公式パーティへの出席をいとう理由は、礼装に着ける勲章がないためでもある。時折、勲章を着けている自衛官を見かける。実は海外勤務・任務などの際、現地政府が授与した勲章だ。祖国が授与せぬ勲章を、外国が授与するとは奇っ怪至極ではないか。


ぼくも少なからず現役、経験者を問わず防衛駐在官の知己はおりますが、そんな話聞いたことがないです(笑
野口さんのこうあって欲しいという脳内合成ではありませんか。
なんでもかんでもサヨク攻撃に使えるなら無理くりでも使おうという総力戦(笑


もしかして野口さんは知らないもしれませんが、防衛駐在官は自衛官でも軍人でもありません。自衛官が外務省に出向し、外交官という身分で働いております。
つまり外交官です。本来であれば背広をきて勤務するのが然るべきの立場です。対して諸外国ではアタッシェは軍人の身分のままです。軍人ですから軍服着用があたりまえですよね。


つまり防衛駐在官が制服を着るのは文官である外交官が、軍人のコスプレをしているようなものです。勲章云々よりもこちらの方が恥ずかしくないですか?
軍人のコスプレして、式典やパーティに参加ですよ?
こっちのほうがよほど羞恥プレイと違いますか?

産経新聞的には問題ないのでしょうか。
まあ、こういう問題も産経新聞は報じて来なかったでしょう。
防衛駐在官が増えたことに関してもまもとな取材をして記事にしこたとこはないでしょう。
だからこういう胡乱な記事を書くんですよ。

そして「外交官」たる防衛駐在官の活動費も外務省から出るわけです。これがしょぼいわけですな。しかもスタッフもろくにない。だから新聞の切り抜きとか、アタッシェ仲間でつるんだ情報しか入手できないわけです。しかも情報は全部外務省経由。ろくな情報が公電で送れられてくるはずないでしょうが。
それにパーティなどは外国では夫人同伴が多いのですが、奥様の旅費や経費などは出ません。たとえば地方で式典があり、奥様を同伴しようと思えば自腹を切るしかない。それにパーティ行くには、女性は身支度にお金がかかります。美容院にいったり、和服を着付けたりなども必要でしょうが、これも自腹です。

つまり、パーティに出る機会が少ないのであれば、それは勲章のせいではありません。

ぼくは以前から防衛駐在官は外務省に出向ではなく、諸外国のように自衛官の身分で出すべきだし、防衛省で費用を負担すべきであり、諜報機関を持たない防衛省は、もっと予算もスタッフも増やすべきだと主張してきました。ですが、情報よりも「火の出る玩具」が大好きな防衛省は自ら費用の増大を望まないでしょう。望んでいるなら今頃、世界に類を見ない。奇異なシステムに異を唱えているでしょう。

ほんと新聞ならば取材して事実を報道すべきですが、取材もしないで脳内合成した珍奇な妄想を記事にするのはまずいのと違いますか?

それがこの組織の限界です。旧軍以来の情報軽視、真面目に戦争する気なんかサラサラない。そんな組織を「無敵皇軍」と大絶賛しているのですから、噴飯物です。

こういう人たちが記者クラブで防衛省の取材の機会を独占しているわけです。
ぼくからみれば犯罪行為です。


野口記者が攻撃すべきは「アカ」よりも安倍首相じゃないですかねえ。

勲章という名誉も与えず、お前ら死ねや、手足なくしてこいやと、戦闘を命じているご本人ですからね。

それほど名誉が必要ならば、まずは自衛官に受勲の制度を作ってから、駆けつけ警護を命ずるべきだったでしょう。

なんで野口記者は「安倍はアカだ」とこの調子で罵らないんでしょうかね?
総理のケツを舐めるのが愛国報道とでも思っていらしゃるのでしょうか。

それとも野口記者のいう「アカ」とは安倍首相と意をことにする人間の総称なんでしょうかね。いずれにしてもこんな程度の悪い商業利権右翼的な文章を新聞記事として掲載すべきではありません。

重ねて申し上げますが、愛国を金儲けのネタして、国家の安全を危うくすることが「愛国」や「憂国」ではありません。




産経新聞野口裕之記者は自衛隊の弱体化を図る「支那」の手先か?その1
http://kiyotani.at.webry.info/201611/article_1.html

産経新聞野口裕之記者は自衛隊の弱体化を図る「支那」の手先か?その2
http://kiyotani.at.webry.info/201611/article_2.html


Japan In Depth に以下の記事を寄稿しております。

自衛隊に駆けつけ警護できる戦闘能力はない その1 情報編
http://japan-indepth.jp/?p=31070

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コメント(13件)

内 容 ニックネーム/日時
お邪魔します。
 例の記者はおそらく清谷様のような「専門のジャーナリスト」は眼中に無いのではないかと思われます。軍事について知らず、知ろうともしない連中が右と左に分かれて、互いに自分の「イメージ」をぶつけ合っているだけなのでは。普通専門的な事に関しては専門家に見解を求めますが(無論専門家も神仏ではないので、常に正しいとは限りませんが)、軍事に関してはどちらもそうは思っておらず、「体系的な知識を身に付けた専門家」を「興味のあるところだけをつまみ食いした」マニアぐらいにしか見ていないのでは。
ブロガー(志望)
2016/11/05 00:02
人間知らないことやわからないことは大なり小なりありますよ。現在の塾講師の仕事で、成績の良い子供は質問しますし、先生これ、わかんない?教えて!
逆に成績の悪い子供は うん!わかった! つまり、成績の悪い子供は自己覚知できないか、わからないことがわからない。野口記者は後者の部類ですね。
あと同業者のある記者は私に防衛・軍事に関するセカンド・オピニオンの依頼が時々あります。その記者はわからないことは素直に教えを乞います。きちんと 関係者から取材していますし、白書や公開文書を分析しています。しかし、軍歴がない。仕方ないですよ、机上の勉強しかしていないですから。
元キャプテン
2016/11/05 15:23
>ウクライナ企業が戦車搭乗員用シースルーシステム「Circular Review System」を開発中

http://news.militaryblog.jp/web/Ukrainian-LimpidArmor-develops/Circular-Review-System.html

陸自も「火の出るオモチャ」を買うことばかり考えていないで、こうした新型の導入や開発に力を入れれば良いのに。せっかく、海外メーカーと共同開発する機会が生まれたのですから。
KU
2016/11/05 18:13
KU様

火の出る玩具を買いまくる云々・・
何を今さら、例えが悪いですが、経営が赤字なのに高級車を社用車として乗り回している、高級クラブへ豪遊、美術品を買って社長室に飾っている。そんなことなんです。
アホやパーが会社経営しているんですよ、私の古巣の職場は!
私が現役の頃、父は自衛隊父兄会の行事で、ある地方の駐屯地を見学し、駐屯地司令・連隊長室へまぁ赤絨毯・黒塗りの送迎車・副官の准尉、秘書=庶務のWAC、ドライバーの3曹、伝令=中年介護員の1士
民間企業では、ただの支店長・管理者にしか過ぎません。
うちの父は中小企業の常務・工場長で、個室なし、社用車なし、出張は自家用車使っていました。
勿論、社長さんも個室なし、社用車なし、秘書なし
うちの父は呆れて支店長でもうちの社長よりいい待遇だなぁ!連隊長やったら、やめられないなぁ!あれじゃ、お山の大将・裸の王さまだよな!と皮肉抜かしていました。
無駄を美徳する業界、精神論・浪花節がまかり通る業界です。ですから石破先生は自閉隊というサークルと揶揄しています。
元キャプテン
2016/11/05 19:29
勲章授与の話は確かに必要なんでしょうけど、防衛駐在官云々はしょうがないような気がしますがね。
だって自衛隊って軍隊じゃないんだし・・・
公務員が武装してミリタリーコスプレしている組織なんだから海外のパーティーではむしろ背広で行くべきでしょう。
そういった場で「軍服」を着て出るべきと考えるなら、せめて憲法を改廃して国として自衛隊=国軍であると定めてからにするべきでは?
八王子の白豚
2016/11/06 08:42
>公務員が武装してミリタリーコスプレしている組織なんだから海外のパーティーではむしろ背広で行くべきでしょう。

八王子の白豚様のご指摘なのですが、日本と同様、憲法で常備軍の廃止を謳ったコスタリカは如何でしょうか?

paramilipic 様の非武装国家コスタリカにおける警察の武装(http://togetter.com/li/824374?page=2)を見れば解りますが、その実態は麻薬組織との抗争や隣国との国境紛争に悩む重武装警察国家です。そして彼らの治安と保安、そして情報機関は重武装し、下手な正規軍やテロ、ゲリラ組織よりも、『極悪非道』で『残虐』(メキシコの麻薬カルテルを見れば解るかと)な麻薬組織の密輸用半没高速艇や自家製潜水艇を拿捕する等、極めて実践的です。

また、同国の国家治安情報部(DIS)直属の特殊部隊UEI(情報機関系準軍事部門、但し、国内での犯罪や麻薬組織との作戦にも従事しています)は米南方軍主催の多国間年次演習Fuerzas Comandoの各国特殊部隊による軍事オリンピックにも参加しています。その際、開催式には戦闘服で臨んでいますから、恐らく、懇親会等は制服姿で参加しているでしょう。ですから、なぜ日本の防衛駐在官が海外のパーティーで背広で出なくてはならないんですか。


チャイカ
2016/11/06 13:47
続きます。
後、先にも述べましたが、自衛官の叙勲等に問題が有る事は否定しません。しかし、勲章に関する考え方は様々で、白書院儀式典礼室の制度によると、イラン(イスラムでは、アッラーの前には、人々は平等ですから…)、ウルグアイ、コスタリカ、トルコなどは、勲章を出さない国です。

しかし、コスタリカの治安と保安、それに情報機関の隊員は、重武装し、下手な正規軍やテロ、ゲリラ組織よりも、『極悪非道』で『残虐』(メキシコの麻薬カルテルを見れば解るかと)な麻薬組織等を相手に粘り強く、頑強かつ勇敢に闘い抜いてもいますが。
チャイカ
2016/11/06 13:47
>韓国機動ヘリ 半年以内の初輸出を示唆=航空宇宙産業社長

http://m.yna.co.kr/mob2/jp/contents_jp.jsp?cid=AJP20161103003700882&site=0200000000&mobile

何だかんだ言っても新型機ですものね。川崎さんもBK117の新型を発表しましたが、既存の機体の改良型だし・・・
KU
2016/11/06 17:56
>日本が保有すべき銃器・兵器スレ!

http://blog.livedoor.jp/corez18c24-mili777/archives/46401367.html

やっぱり、住友の評判は悪いですねorz
KU
2016/11/07 06:41
>日本でテロが起きると死者が膨大になる理由

http://toyokeizai.net/articles/-/143629?display=b

照井さんの考え方は、清谷さんと通じるものがありますね。
KU
2016/11/07 06:55
再びお邪魔します。
 市民が自らの自由や権利を守るために自ら銃を持って立ち上がったのが近代市民・国民軍の起源だと聞いた事があります。右でも左でも日本人にとって軍事・国防は「所詮は他人事(穢れ事?)」で、軍人・自衛隊員はけなすにしろ持ち上げるにしろ「同胞などでは無く、自分達とは異質な存在(血と死と人の恨みに穢れた存在?)」なのではないかと思われます。
ブロガー(志望)
2016/11/07 23:45
ブロガー様へ

軍事は他人事である意見に同意します。 一般市民から見たら 宇宙のような世界でしょう。
まず経済的に考えてイージス艦や戦闘機を製造してもGDPに反映されません。 兵隊さんは公共サービスもせず、弾薬や燃料を消費するだけ。穀潰し軍団と罵られても反論できません。
教育や医療の場合は身近な問題で人生の中で必ず関わります。したがって苦情も含めて関心度が高い。例えば病院ランキングとか名医リスト 、大学ランキングと いう本は売れます。しかし精強部隊ランキングとか名将リストという本は買う人はいません。
私も塾の講師していますが社会科系特に歴史や現代社会に戦争や軍事の話題が出てきます。私が噛み砕いても 生徒は上の空。そんなもんなんです。
永田町の先生でもそうでしょう。
なぜか?退官した者が情報発信しない。教えない。隠蔽体質のブーメランです。 だから自衛隊OBは 政治家・ジャーナリスト・教員を目指すべきです。
元キャプテン
2016/11/09 10:43
チャイカさん、コスタリカの事情はコスタリカの事情であって我らが自衛隊の事情ではありません。
記事をお読みならキヨタニさんが防衛駐在官の立ち位置について言及しています。
外務省に出向しているんですよ?
防衛省の職員としてではありません。
であるなら外務省の職員として見るべきではありませんか?
そうなったら背広で出るのは当然でしょう。
軍人面してそういう場に出たいなら、防衛省が外務省に対して然るべき手続きを踏んだ上でそのようにするべきと私は考えます。
それもキヨタニさんが記事で書いていますのでそちらをご覧ください。
八王子の白豚
2016/11/10 01:01

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