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zoom RSS 【平成29年度防衛予算概算要求】なんでこんなに小火器高くなっているの?

<<   作成日時 : 2016/10/11 11:43   >>

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さて、8月末に来年度の防衛予算の概算要求が出てから既に2ヶ月以上経ちました。
中身を細かくみると気になる点があります。特に調達単価。

まずMINIMIの金額です。以前MINIMIは100丁単位のときで単価は約200万円でした。
ですが、本年度は30丁で1億円で、調達単価は333万円です。値上がりは量産効果が出なかったとい言うわけが通じるのかもしれません。1.5倍以上といのはちょいと苦しいとは思いますが。ですが、来年度は48丁で2億円、調達単価は416万円です。
調達数は1.6倍に増えているのに、調達単価は1.25倍に増えています。
不思議ですねえ。これがジンバブエみたいなインフレ国家なら分かるんですが、我が国は日銀が躍起になっても物価は年に2パーセントのインフレにすらなっておりません。

市ヶ谷界隈で聞いた話ですが、これは住重がMINIMIの不具合を直すのにかかったコストをそのまま上乗せしたからだということです。
それが本当であれば、とんでもない話です。陸幕は本年度の調達では不具合を知りながら調達したことになります。しかも本来住重が負担すべきコストを税金で支払うことになります。

この話が違うというのであれば、なんで調達数が増えて、調達単価が上がるのでしょうか。たかだか分隊支援火器400万円以上払うなんでどこのお大尽でしょうか。全戦闘職種にPKO用と同じファーストエイドキットを配ると、13億円もかかるので、できませんと公言している貧乏軍隊のやることじゃないでしょう。

まるで、健康保険を払うカネがないといいながら、エルメスのバーキン買う準禁治産者手前OLみたいなものです。いえ、バーキンならまだいいんです。売ればそれだけ金になります。自衛隊がやっているのはユニクロの9千円のコートに3万円も払うようなことです。

もしかすると上増しして払わないと住重の機銃ビジネスが立ち行かなくなるからかもしれません。来年度概算要求でも74式機銃、12.7ミリ機銃ともに要求されておりません。用途廃止になった74式あたりから引剥したからいらないというのでしょうが、それが続くならば住重は特機部門のビジネスを維持するだけのカネは稼げないでしょう。
早く撤退するのが、防衛当局、納税者、住重の他の部門と同社の株主のためでしょう。
MINIMI数十丁つくるだけで仕事がまわりますか?
高齢者を胃瘻や人工呼吸装置をつけて無理やり生かしているようなものです。
同社に機銃製造のまともな技術がないことは明白でしょう。
長年市場価格の何倍ものカネを払って、調達してきた結果です。そのようなビジネスを、税金を使って延命することが国益なんでしょうかね?

住重は以前は独自開発の軽量の7.62ミリ機銃を陸自に提案しておりましたが、諦めたようです。先に行われた、フジ合同調査会同では、FNのMINIMIの7.62ミリ型を提案していました。
つまり同社には自主開発の能力が無かったということです。
MINIMIですら400万円超えですから、7.62ミリMINIMIならば調達単価は600万円を超えるんじゃないでしょうか。
7.62ミリ機銃に600万円超えるカネを払うバカ金銭感覚の麻痺した軍隊は自衛隊以外ににはないでしょうが、それで良いんでしょうかね?


かつて岩田全陸幕長(当時)は74式も12.7ミリも機種更新も含めて検討していると仰っていました。後継機種の仕事が住重にいくでしょうか。日本製鋼所あたりが頑張って取るのではないでしょうか。

MINIMIだけが必要ならばFNから直接買えばいいでしょう。
数分の一の値段で、まともな製品が調達できます。なんの問題があるのでしょうか。

無理な仕事を続けるのは反社会的な行為ですらあるといえるでしょう。小火器の国内生産を維持したいのであれば、価格・性能ともに一定水準を満たす必要があり、そのためには各社の事業統合なども必要でしょう。
単に現状維持のためにクズのような銃器を他国の何倍、10倍以上の税金を投じて買う必要がどこにあるのでしょうか。
有事に国内生産基盤が必要だというのであれば、ナンセンスです。増産なんぞ簡単にできません。現状ならばまともな外国産を例えば、5分の1の値段でかって、同額の予備の銃やパーツを買って備蓄しておくほうがよほどマシでしょう。
自衛隊用の輸入が高いのは一部、極めて少ない量を毎年ちょぼちょぼ買うことと、一部の業者との癒着があるからでしょう。一部の業者は書類を偽造していたりするのですが、何故か自衛隊の調達部門の人たちは見て見ぬふりをしています不思議ですね。

実は今回89式小銃も高いです。単価は39.1万円、対人狙撃が333万円です。これらもボッタクリプライスです。

そして10式戦車も12・7億円でお高くなっております。かつて10式は7億円になるんだあ、と絶叫していたリテラシーの低い戦車フェチの方々の予言は随分とあてにならないようです。

そして軽装甲機動車もこれまた概ね3千万円だったのが5千万円です。諸外国で同規模あるいは、ランクルベー
スのもうチョット大きな装甲車でも概ね1千万円前後が相場ですから、5倍です。なんでこうなるのでしょうか。

暴利値段にしたほうが、GDPにの増加に役立つからOKなんでしょうかね?

ぜひとも国会で追求して欲しいものです。


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コメント(16件)

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直輸入にしちゃうといろいろ困る方々が、あちこちにいらっしゃるのでしょうね。にしても陸自もFNが好きなんですね(>_<)。次期小銃もSCAR-Hソックリだしw SS-77とか、他にも候補があるでしょうに。


>造船工業会会長 「競争力維持へ事業見直し避けられず」

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161011/k10010725821000.html?utm_int=news_contents_news-genre-new_004

防衛産業も、こうした動きが出てくれば良いですけど。
KU
2016/10/11 19:51
こういう単純な問題は、つっこみ易いと思いますがね。レンホーさんが「外国産じやダメなんですか」とか「実際に何発撃って問題はなかったんですか」と国会で追及して欲しいです。NHK同様、この手の質問は次元が低いんですかね。
野党は何してんの
2016/10/11 19:55
清谷様

OBとして一言、だって経済の知識は中学生以下ですから。 個人レベルの話を引用すれば、年収400〜500万円の隊員でやれパチンコだ!やれキャバクラだ!やれ車だ!と破産するバカ散見されます。自我なし。自立心なし。 防大でも経済学・経営学教えていないんでしょうし、隊員でも財務諸表とか決算書とか読める方は皆無。損益分岐点何それ?の世界でしょう。
部隊でも悪徳商法とかマルチ商法の勧誘の電話きていますよ。だって隊員は経済の知識のないボンクラですから、鴨がネギしょっているようなものですから。
打開策として公認会計士や税理士の資格を持つ方を年収1000万、佐官として採用し、防衛装備庁や会計隊長として勤務。 幹部を半年〜1年間 民間企業に出向させ、コスト意識を持たせる。
防大に経済経営学科創設
私は退官して、経済の知識も含み、教養のなさに身に染みました。やはり自閉隊だった。
やはり自衛隊は鴨でボンクラだった!
元キャプテン
2016/10/11 20:04
>南スーダン訪問 新任務付与へ適切な一歩だ

http://spi.yomiuri.co.jp/servlet/view?PAGE_ID=00018935&NEWS_ID=rBggcOx4c-o&GROUP_ID=00000080

陸自の戦場医療体制の貧弱さには無関心なのに、何とも勇ましい記事ですね。これで万一、自衛隊員に戦死傷者が出たら、この社説を書いた編集委員はどう反応するのでしょうね?「崇高な任務に当たった結果なのだから、むしろ名誉の戦死(傷)と言うべきだ」とか語っちゃうのでしょうか?
KU
2016/10/12 07:12
>国際航空宇宙展 防衛省が15か国の国防当局関係者を招待

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161012/k10010726851000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_032

「国内の中小企業とも一緒に仕事をやれれば」・・・・大手は当てにならないということでしょうか?
KU
2016/10/12 18:01
北朝鮮が核攻撃力を備えた段階で、自衛隊は何を考えているのでしょうかね。
今最も必要なのは、防空壕と核シェルターだと思いますが、違うでしょうか。
国民保護法制では、国土が攻撃されたとき、「自治体は住民を安全な場所に避難させる」と決められていますが、「安全な場所」を未だに用意していない絵に描いた平和ボケです。
自衛隊にしたって、防空壕も核シェルターも持っていないのでしょうから、軍隊ごっこです。救護キットと同じところに原因のある病理現象です。
こんにちは
2016/10/12 23:25
お邪魔します。
 価格がニーズでもコストでもなく、「人間関係」で決まっているのではないかと思われます。「お国のために必要だし、『平和の敵』とか言われて蔑まれているから手を貸すのは自分達ぐらいだし(ビジネスとしてやっている海外メーカは眼中に無い)、かといって自分達も霞を食って生きているわけでもないし」で、最近は最後の「霞を…」の比率が高まっているのでは。出発点が「人間関係」だから「費用対効果の検証」とかは入っていないので、結局「安物買いの銭失い」の結果に陥っているのではないかと思われます。
ブロガー(志望)
2016/10/12 23:35
やれやれ、住金にも陸バカにも本当に困ったものですね。
ブローニングのM2と言えば銃の世界では最早伝説級の名機関銃ですが、これのライセンス生産すらロクにできないなんて恥ずかしい話です・・・
技術が無いのか単価を下げるために材料を粗悪なものに変えたのか分かりませんが、どちらにせよ「モノづくり」を売りにしている国の製造業者のやることではありませんね。
MINIMIだってライセンス生産するのであればライセンス元のFNに対して恥ずかしくない製品を自衛隊に納入する義務があるでしょうに・・・
陸幕だって納入された欠陥機銃で隊員が死傷したら洒落にならないでしょう?
村田銃から始まる国産小火器の歴史は、南部麒次郎辺りから予定通りに動くようにするために性能を意図的に落とす事を恒常的に行う悪癖があったそうですが、64式小銃とか62式機関銃といった戦後最初世代の小火器もその影響が残っているようですね。
まあ、こんな話をしたところで売る側買う側の意識の低さが問題の根源なんでしょうから、やっぱり国会でどこかが徹底的に突っ込まないと改まることが無いのかも知れませんね〜
八王子の白豚
2016/10/13 00:45
今晩は、チャイカです。
確かに八王子の白豚様の御指摘通り、ブローニングのM2やFN MINIMIのライセンス生産で問題が生じたのは事実です。

しかし、だからと言って、日本が自動銃のライセンス生産すら、まともにできないわけではないでしょう。何故なら、60年代以降、民間向け自動散弾銃、それも、設計の難しいガスオートの分野で、SKBやKFC(川口屋林銃砲店=製造は、日本製鋼所の宇都宮製作所が前身のシンガー日鋼)、日本猟銃精機=後にフジ精機に名称変更し、豊和工業の傘下となります。この3社(他にも、民間向けガンメーカーは複数ありましたが)は、まずまずな製品を生み出し、内外問わず、積極的に販売していました。

主様や此処の他投稿者からすれば、たかが猟銃と侮るかも知れませんが、規格化された実包等を使用する正規軍や民兵、警察等の司法機関と異なり、民間向けのガスオートは、ユーザーが軽装弾から重装弾まで、幅広い装弾を使う為、回転不良を起こす場合も多く、設計は難しいです。しかし、旧Gun誌のターク タカノ氏によると、米に猟銃として輸出されたKFCのガスオートの内部構造が優れていたため、輸入元が外装をコンバットショットガンに改装し、日本側に生産を持ちかけたと言う。とは言え、諸般の事情から、実現しませんでしたが…。

チャイカ
2016/10/13 22:37
続きます。
ですから、この分野では、日本もそれなりの足跡と言うか、功績を残してはいました。しかし、時代の変遷で、今は総合ガンメーカーのミロクと豊和工業(傘下のフジ精機は解散)工房として、三進小銃器製作所だけとなっています。

寂しいのですが…。
チャイカ
2016/10/13 22:45
自衛隊が検査基準を変えず、住金が検査をクリアしてるなら、基幹部品を輸入してると思いますね。国産とは言えない状態になってるでしょう。使う側からすれば、その方がありがたいですがね(笑)
マリンロイヤル
2016/10/14 10:05
マリンロイヤル様

私も現役の頃、調達・補給の仕事しました。確かにボッタリクリ・殿様商売の体質もありましたし、不具合を指摘しても居直り、いいわけする会社も存在しました。そういう営業努力しない会社は自然淘汰したらいい。 あと自衛隊側もボンクラ、だから騙される。防衛産業に関しては共産主義の計画経済です。清谷さんが主張している通り、競争力です。コストダウンや品質を高める努力している会社にはインセンティブを与えるべきです。先輩=マリンロイヤルさんはどう思いますか?
元キャプテン
2016/10/15 18:46
今後は業者の選別統合再編は不可避でしょう。輸出解禁はその一環ですね。銃器に関しては国内の規制緩和はどうでしょう。海外の射撃場に日本人がツアー組んで撃ちに行くなんてバカげてますよ。日本国内で射撃も所有も出来るようにしたらいい。海自の隊員も銃器を撃つ機会が少ないので、海外の寄港地で撃ちに行くバカが居ます。
マリンロイヤル
2016/10/18 19:39
マリンロイヤル様へ、チャイカです。
今の日本でも、規制は厳しいものの、民間人による猟銃等の所持や射撃、そして、狩猟も可能です。

また、ミリオタにも余り知られていませんが、敗戦後、占領軍の武装解除他で、民間人による短銃の所持や射撃こそ出来なくなりました。しかし、独逸と異なり、占領中も猟銃等の所持について、新規所持は許されなくなったものの、占領軍将兵や傀儡資本家のレジャーの為、彼等の案内を行う勢子などには、そのまま許されてはいました。そして、主権回復後、政府は短銃については、占領中と同じ態度を取ったものの、猟銃等の規制は寛容で、暫くの間、登録制に近い物でした。事実、国内でも、ライフルやクレー射撃、狩猟は高価(安い国産の22口径ライフル銃や散弾銃1丁ですら、大卒の1ヵ月分くらいの月給はしたし、その他の備品を揃えるとそれ以上は…)なスポーツでしたが、今より、遙かに盛んでしたから。また、円安他の関係もあり、60〜80年代までの間、民間向けの猟銃等に関して、世界有数の製銃国で、国内にも、大手のSKBやKFC、NIKKO、ミロクといった以外にも、民間向けガンメーカーはいくつもありました。

しかし、猟銃等の所持について、時代の変遷で、段階的に医師の診断書の提出や講習会の受講他が必要となり、規制が進みました。現に猟銃所持者が、許可申請時、是らに異議を述べた処、警察側から、「あんたたちの先輩が滅茶苦茶を行ったからだ」と延べられたという。また、民間向けガンメーカーも円高の進行等により、今は総合ガンメーカーのミロクと豊和工業(傘下のフジ精機は解散)工房として、三進小銃器製作所だけとなっています。


チャイカ
2016/10/19 06:29
続きます。
しかし、今、政府は2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、エアライフル、エアピストルの種目で低年齢からの選手強化を目指す為、銃刀法の競技用空気銃を扱える年齢の下限を14歳から10歳に引き下げたりしています。また、狩猟者が少なくなり、有害鳥獣被害が増大している関係から、講習会の受講等の運用について、変化し始めています。

ですから、今は過度期では?
それから、地域によるのですが、厳しい処でも、現役や即応、予備自衛官補だと、警察での猟銃等講習会受講申し込み時、普通の民間人より、対応は寛容だと聞いていますが。

とは言え、民間人がこの道に歩むには、覚悟と決意等が必要で、まだまだ大変なのですが…。
チャイカ
2016/10/19 06:30
マリンロイヤル様

先輩のコメントに感謝いたします。先程のコメントの中に寄港先で金払ってまで射撃する海自隊員もいるということに驚きです。裏を返せば それだけ訓練用弾薬の割り当ても少ないとも解釈できます。私も現役時代、射撃競技会の錬成訓練には頭悩ましました。 射撃場の割当て・弾薬の割当ては制限され、代替手段として レーザポイントでの射撃予習、メンタルトレーニング、弾痕解析、弾道計算とか
モンゴル軍は射撃ビジネスを展開し、兵士が先生となり、小銃・機関銃・ロケット砲の撃ち方を教えてくれます。授業料は軍の運営費として。軍隊も金を稼ぐ頭も必要です。
元キャプテン
2016/10/20 17:13

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