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zoom RSS 信頼性の低い陸自の無人偵察機が訓練中に行方不明

<<   作成日時 : 2016/06/24 15:08   >>

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陸自の無人偵察機が訓練中に行方不明 福井、美浜沖
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016062190231838.html

>陸上自衛隊中部方面総監部(兵庫県伊丹市)は21日、ヘリコプター型の無人偵察機1機が福井県美浜町沖で飛行訓練中に行方不明になったと発表した。

>陸自は無人機を遠隔地の画像を収集するために使っているが「機密保持のため」として、大きさや重さなど詳細を明らかにしていない。陸自から事前に海岸の使用申請を受けた福井県によると、全長3メートル程度とみられる。



 
 その信頼性の低い無人機を洋上で使うなんぞは無謀です。おそらくは陸上で運用すると墜落したら危ないという危惧があったのでしょうが、あまりにお粗末です。

 件の機体はFFOSだと思われます。何度も書いておりますが、FFOSも、その後の発展型のFFRSも信頼性が低いわけです。
 このため、先の東日本大震災でも使用されませんでした。このことについては防衛省も国会答弁で認めております。その時、FFRSはまだ採用されて1年だからと言い訳しておりましたが、先の熊本も震災でも使用された様子がありません。防衛省のHPでは大規模災害の偵察に必要で開発は大成功だと自画自賛しておりましたが。


「機密保持のため」として、大きさや重さなど詳細を明らかにしていない」なんで馬鹿丸出しですよ。こんなものを「軍機」扱いするような国はないでしょう。北朝鮮はしりませんが、中国のUAVだって基礎的な仕様や能力はカタログに書いております。

 世間知らずもいいところです。
ところが中の人達にはその自覚がありません。

 この程度の人達が潜水艦を売り込むなんて土台無理な話です。
 英語が通じても話が通じません。

 外国の事情をろく調べもしないのと、事なかれ主義でくだらないことまで秘密にしています。
 外国からナイーブ=バカで世間知らずだと思われます。事実その通りなのですが。

 これでは民主国家の軍隊として落第です。
 自衛隊って先進国の軍隊よりも旧軍とか独裁国の軍隊にメンタリティが似ています。
 アパルトヘイト時代の南ア国防軍だってもっとオープンでしたよ。


 そもそもFFOSは砲兵観測用として採用されましたが、それ用としては航続距離も搭載ペイロード、通信能力も低く、その上運用するための地上設備は大名行列で、コストも人員もかかりすぎです。とても軍用の砲兵観測用UAVには向きません。
 しかも高すぎで、調達もごくわずか。軍用UAVとして失格。事実上の失敗作です。FFRSにしても大同小異です。FFOSの失敗を院名するために、更なるカネを使って改良したわけですが、実用に耐えるわけでも、コストが安いわけでもありません。ところが開発しちゃったんで配備しちゃった。

例によって「我が国独自の環境と運用を鑑みて」狭い場所でも運用できるヘリ型にしたのでしょうが、極めて安直です。砲兵観測用には固定翼機の方が向いています。固定翼機といっても南アのバウチャーのように、フックを使って強制的に着陸させるので大して広さは必要ありません。むしろFFOSの大名行列の方が広いスペースがいるんじゃないでしょうか。

世界的にみて砲兵観測用にヘリ型UAVをつかっている国はないでしょう。固定翼機の方が、滞空時間が長く、速度も早いわけです。 
FFOSなんぞ、せいぜい120迫の観測に使える程度です。それにしては大げさで、コストが高すぎます。

ヘリ型UAVを砲兵観測に使うならば、もっと大型にすべきだったでしょう。
回転翼を使うならば既存のOH-1に監視装置を搭載した方がよほどコストも安かったのではないでしょうか。 


ほぼ同等の機体としてはオーストリアのシーベル社のカムコプターが存在しますが、こちらほうがよほどコストも低く、地上局も小さい。信頼性も高い、だから海軍用も含めて採用国が増えています。これも双日エアロスペースが自衛隊に売り込んでいたはずですが、こちら買っていたほうが良かったでしょう。少なくともサンプル購入するべきだったと思います。

技本も陸幕装備部もまともなリサーチもしないで、単なる思い込みで開発をした。しかも主契約は富士重。実機メーカーがUAV開発に向いてないというのはよく知られているんですが。むしろヒロボーやヤマハにやらせればよかった。

ところが天下りが期待できる富士重にやらせた。しかもシステムはNECとか日立とかぶつ切りでばらまいた。はじめに利権ありきで、まともな砲併用のUAVを開発する気はなかった。その気があっても能力が完全に欠如していました。結果を見る限り、開発者は全くの無能だったとしかいいようがありません。

どうせ無人機開発は遅れているのだから、とりあえず評価用にあれこれ外国製をトライアルしてみるとか、試験的に採用してみればいいもの、そういうカネはケチるわけです。
世界の現実を見ていない。まるでAVや官能小説よんで、それを教科書に3Dの女の子を口説こうとするようなものです。

結果実用性が低く、運用にあっていないクズのような失敗作を大金かけて開発し、開発が失敗でもそれを認めないので部隊にこれまた多額の税金を使って配備するわけです。FFOSやFFRSでは数百億円の税金が無駄使いされ、陸自のUAV運用能力は未だにほとんどありません。
日立が開発した手投げ式のマイクロUAVも性能が安定せず、すぐに落ちるそうです。
日立にUAVもなんぞ開発できる能力がないのはわかっていても発注するんですよね、防衛省は。

これは技本、各幕僚監部の当事者意識&当事者能力の欠如にほかなりません。
このような無能と利権の確保のための無駄使いが国会でほとんど議論されないのは大変に残念です。

すぐにでもFFOSやFFRSは全廃し、その失敗の分析と反省を行うべきです。
どうせ、できないでしょうが。

くだらない軍人のメンツを保つために今日も税金が浪費されていきます。

こんなムダなカネがあるならば、その分待機児童対策とか奨学金などに使うほうがよほど有用です。
こういう話をすると「お花畑な左翼」とか言われそうですが、まったく役に立たない兵器を根拠もないのに役に立つと信じて防衛費で消費するほうがよほど平和ボケの「お花畑」です。



ユーロサトリ2016のの記事は東京防衛航空宇宙時評で。
http://www.tokyo-dar.com/

an style=font-size:larger>Japan In Depth に以下の記事を寄稿しました。
陸自装備の兵器調達センスは80年遅れ その1
http://japan-indepth.jp/?p=27766
陸自装備の兵器調達センスは80年遅れ その2
http://japan-indepth.jp/?p=27771
陸自装備の兵器調達センスは80年遅れ その3
http://japan-indepth.jp/?p=27775

オスプレイを政治利用する新聞の不見識 その1
http://japan-indepth.jp/?p=27338
オスプレイを政治利用する新聞の不見識 その2
http://japan-indepth.jp/?p=27346
オスプレイを政治利用する新聞の不見識 その3
http://japan-indepth.jp/?p=27351
陸自の兵器開発は半世紀遅れ その1
http://japan-indepth.jp/?p=27107
陸自の兵器開発は半世紀遅れ その2
http://japan-indepth.jp/?p=27114

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
東芝、国から迫られた「賠償金12億円」の顛末
防衛事業をやり続ける必要があるのか
http://toyokeizai.net/articles/-/111619
  















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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
このキヨタニさんのブログ読んでいますか。秘書の方でもいいですから、たまにはコメントくださいな。
中谷防衛大臣様
2016/06/24 19:34
「なんで海外で国際貢献活動をやってる軽装甲機動車には銃手の防盾が全周に付いていて、国内のには付いてないんですか」「それは海外で展開している外国軍の車両には付いているから、陸自もそれにならったのだろう」「ではそもそも、外国軍の車両にはどうして付いているんでしょうか」「それはおそらく上から撃たれる可能性があるからだろう」「では陸自が海外で活動する時には上から撃たれる可能性があるが、国内でドンパチする時には上から撃たれる可能性はないということですか」「・・・」

つまり「自衛官は海外ではケガをするが、国内ではケガをしない(ゆえに救急キットは国内用と国外用がある)」というのと同じ理屈なんですわ。要するに陸自は海外でしかヤル気がないということです。だったら陸自は「サンダーバード部隊」だけを残して、あとは全廃しても構わんでしょう。もちろんFFOSもいりません。戦車も大砲も迫撃砲も必要ありません。だって国内ではヤル気がないんですから。
ひゃっはー
2016/06/24 22:35
ちなみに、海外のUAVの墜落数 稼働率しってます? 比較してみては?

しかも、UAVだろうと 落ちることを許容できない、 性能も割り切れない 買ったあとは補用品の予算もつけない 日本人気質満載? の各幕じゃ、海外品なんてつかいこなせず倉庫のゴミになるだけですよ。。。
ゆう
2016/06/24 23:08
〉 買ったあとは補用品の予算もつけない 日本人気質満載?

じゃあ、F-35も、AAV7もオスプレイもE-2Dも役立たずと。

2016/06/25 00:58
>35も、AAV7もオスプレイもE-2Dも役立たずと。

民間の航空機でも MROで 持続的に かつ、より使える物にしていくのが普通でしょ。
ゆう
2016/06/25 06:51
>じゃあ、F-35も、AAV7もオスプレイもE-2Dも役立たずと。

その通り。
MH-53やE-2Cの稼働率を調べれば判る話。
Juggler
2016/06/25 12:07
私もひゃっはーさんと大筋同じ考えです。だって旧原子力安全保安院や旧社会保険庁と同じく無能で張り子の虎の集団でしょう!
そんな役立たずの組織に毎年5兆円注ぎ込んでも金をドブに捨てるものです。 第7艦隊買収したり、PMCに指定管理者になった方がコストパフォーマンスが良いのは明らかです。
働かね自衛隊のオッサンや無気力の隊員が失業したらどうするんだ!とツッコミが想定されますが、 国家予算でクズ養う方が問題で、浪花節なんか要らないですよ。大企業でリストラされたり、中小企業の倒産しても再就職している方もいますよ、何甘いこと抜かすんだと反論しますが。
自衛隊賛美のオツムの弱いオタクからは、辞めた腹いせだとか言われますが、 あなたがステークホルダーの立場だったら浪費許せますか? この体たらくで戦争勝てますか?と言い返しますが。戦争どころか試合にも勝てません。オツムの弱いオタクは願望・ノスタルジーで生きていますからね。
元キャプテン
2016/06/25 15:20
お邪魔します。
 近代軍の原点は「武装した市民」「自らの自由と権利を守るために戦う市民」です。今の状況では徴兵制にさほどのメリットはなくても、軍がふがいなかったり、戦う必要があれば市民自身が戦う覚悟はあるというのが前提です。しかし日本は「徴兵制は憲法が禁じる苦役にあたる」という認識の国です。ですから自衛隊がいかにふがいなくても「だったら俺が戦う」という人間など出てこないし、自衛隊の側も「どうせ取って代わられる事など無い」と高を括っているのでしょう。

 日本人には未だ「自分達の自由や権利を守るためには戦わねばならない場合もある」事を受け入れられず、「『そこを何とか』と言えば『仕方ないなあ』で通る」とでも思っているのでしょう。だから軍事を「好き嫌い関係なく必要不可欠」と思わず、軍事についてあれこれ言えば「ミリオタきもい」「お前は戦争=破壊と殺戮が好きか」になるのです(自衛隊ヨイショはその裏返しかつ他人事の視点)。だからUAVも潜水艦他も防衛ムラの中で「『そこを何とか』『仕方ないなあ』」で処理されているのでは。
ブロガー(志望)
2016/06/26 10:57
>防衛費は「人殺す予算」共産・藤野氏

http://www.jiji.com/jc/article?k=2016062600059&g=pol

使い途は全くというほどチェックもしなけりゃ気にもしないのに、こういう時には全力で叩くんですね。しかも自分は間違っていないから謝罪も撤回もしないと。国会議員云々の前に、社会人としてどうなのでしょうね。
KU
2016/06/26 19:20
ま、巷間伝え聞くように東日本大震災の時もロクに飛べなかった冗談みたいな低性能UAVですからね、このニュースを聞いても驚きませんでした。
むしろあんなのまだ飛ばしてたんだ、くらいに思った程です。
国民の危機たる大災害の時ですら飛ばせないようなゴミクズ装備を平気で運用できる陸幕の神経を疑いますよ。
とりあえず海外メーカーの製品を研究購入して比較検討しなかったんでしょうか?
していて開発できたのがあれならメーカー・陸幕共に国費を投じてクズ装備を開発した背信行為です。
AAV7とかオスプレイは言われるがままにそのまま購入するクセに、そのまま買った方が良いものを無理矢理国産しようとするのは凡そまともな論理で動いてない組織特有の現象です。
八王子の白豚
2016/06/26 20:56
FFOSやFFRSは全く使いものにならないというより、
使って失敗する事にビビッって使わないというのが実態なんじゃないかと。
結局細かい地上偵察は、なんでもかんでも偵察隊の目視頼りになっているんでしょう。
演習だと偵察隊員がほとんど死なないからいいんでしょうが、
今のような使い方では実戦ならあっという間に全滅しちゃいますよ。
自衛隊は地上偵察を人間の目視に頼りすぎ。
敵の領域で人的損害出したら、人命救助で大パニックでしょうに。
UAVは人的な負担と損害を減らすためにあるのに、
今の状態では暇つぶし用のラジコンでしかない。
民生用の撮影できるドローンを採用して偵察隊に持たせれば、結構役に立つと思うんですが。
安価で秘密にしなくていい物とのハイ&ローミックスで調達すれば、
もっと気軽にUAVを偵察に使えるようになっていけるんじゃないかと。
新しい手段を使えるようにする為に必要な事の半分は、
使用経験の蓄積にあるはずです。
張り子の虎にウンザリ
2016/06/26 23:21
>>共産・藤野氏

<共産・藤野氏>「人を殺す予算」と発言、取り消す

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160626-00000041-mai-pol

流石に志位さんにも注意されたら、逃げようがないですか。せっかく批判するならするで、どうしてこんなに防衛予算が増えたのか、オスプレイやグローバルホークやAAVなど、本当に必要なのかどうかといった点を追及してくれれば良かったのに。
KU
2016/06/26 23:23
八王子の白豚様

UAVやドローンを偵察手段として活用するのはアリです。ヒューマン・インテリジェンスは古今東西なくなりません。また、米軍でも特殊部隊を敵地に潜入します。偵察手段には衛星、航空※ドローン含む、電子・電波、潜伏斥候、威力偵察があります。それぞれ一長一短があり、どれを選択するか組み合わせるかは指揮官の力量に掛かってきます。
医療で言えば、CTや内視鏡みたいなものです。それでも最後は医師は触診・視診はします。あくまで手段にしか過ぎません。
日本人の悪い習性で目的と手段を履き違える方が散見されます。身近な例を挙げると、パソコンが得意な方は仕事ができると錯覚しているパターン多くないですか?パソコンはあくまでもツールにしかすぎません。パソコン自体は仕事しませんからね。
本題に戻り、UAVやドローンの利点は人命のロスを軽減できる。地形や気象をある程度克服できる。映像情報なので客観的に解析できる。欠点は電子戦つまりジャミングに脆弱、隠密偵察には不向き、継続性が目視による偵察と比べて劣る。
潜伏斥候やUAVの偵察であっとも評価・分析は人間がします。
元キャプテン
2016/07/01 01:39
元キャプテンさん、仰ることは私のコメントじゃなくて張り子の虎にウンザリさんのコメントですよ。

でも民生品のドローンでいいからちゃんと動く道具で偵察をすべきでしょうね。
その上で本格的なUAVを導入すべきでしょう。
ただ、UAVをどう使うのかを三自衛隊でしっかり決まっているんでしょうかね?
米帝様が持っているから我らも使う、みたいなノリでグローバルホーク導入しちゃった経緯を見ると甚だ怪しいものですが・・・
八王子の白豚
2016/07/09 07:36

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