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zoom RSS 来年2月からの駆けつけ警護ができない理由

<<   作成日時 : 2015/11/22 14:09   >>

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来年2月から派遣される陸自の南スーダン派遣部隊から駆けつけ警護が任務に加わる予定でした。これは中の人達もその予定でした。

駆けつけ警護、来春にも 南スーダンPKOに安保法適用
http://www.asahi.com/articles/ASH9R4CM7H9RUTFK002.html

ところが最近になって政府はその気はないと明言しました。


南スーダンPKO、「9次隊」に駆けつけ警護ない―中谷防衛相
http://www.zaikei.co.jp/article/20151114/278974.html


恐らく、衛生の体勢が整わず、駆けつけ警護をやらせて大損害を被った場合の責任が追求されるからでしょう。既に何度も申し上げておりますが、自衛隊の衛生は極めてプアな状態であり、それを改める真摯な努力がなされておりません。

そうであるからこそ防衛省の衛生のあり方の検討員会の座長である、佐々木先生も雑誌Willでそのことを書いたわけです。
中央官庁の審議会やら検討委員会の座長が、その役所を名指し、テーマについて政府批判まで行うのは前代未聞です。


このような「とても実戦ができる状態にない」という認識が自衛隊の内外で徐々に共用化されてきた。それが中谷大臣のこの発言になったのではないでしょうか。


陸自の衛生のあり方を変える教育を始めるのが平成29年度から。それが効果を発揮するとしても、前線の一般の衛生部隊に浸透するまで、5.6年はかかるでしょう。

中谷大臣は体勢がいつ整うのか、公言するべきです。

ですが、問題は佐々木先生が烈火のごとく怒っておられるように、防衛省、自衛隊の衛生にその当事者能力、意識が欠けております。いくら検討会が立派な提案や報告書を出しても「貴重なご意見ありがとうございました」で、終わりになって、ろくに改革に反映されないでしょう。


防衛省、自衛隊はまともな衛生改革ができない可能性があります。
防衛省内部で流通している「修身」なる雑誌で岩田陸幕長が衛生に関して寄稿しておりますが、これは完全に衛生部に騙されて、インチキを教わってそれを書いているように思えます。こんなものを実行したら戦死者、手足を失う隊員続出です。
悪しき官僚主義でトップまで騙しているわけです。ところが組織内ではそれを指摘してくれる人はおりません。この記事を読んで佐々木先生が烈火のごとく怒っていたという話も聞いております。


昨今自衛隊の衛生絡みでは、本サイトにタレコミがきはじめておりますが、ひどいものです。
違法行為、脱法行為も行われており、モラルハザードが起こっております。

ところが衛生学校は危機感がない。
先にお伝えした三宿駐屯地の体育館の落成式のコンサートにしても陸幕広報室からの最新の回答は、それ以前の回答との矛盾点や、怪しげな部分が多く、信用に足らないものです。
改革よりも組織防衛にご熱心なようです。
当然ながら今後、これらについて続報で追求していくつもりです。


東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
フランスは原発テロの悪夢にうなされている
自爆覚悟のテロは、防ぐのが難しい
http://toyokeizai.net/articles/-/93096
高額な早期警戒機が日本では「欠陥機」だった
周波数帯をまともに使えない大矛盾
http://toyokeizai.net/articles/-/88753

strong>Japan In Depth に以下の記事を寄稿しました。
【仏同時テロ:中東独裁国家への歴史的介入が原因】〜難民急増の深層 その1〜
http://japan-indepth.jp/?p=23079
【仏同時テロ:無自覚な“文明的暴力”を批判せよ】〜難民急増の深層 その2〜
http://japan-indepth.jp/?p=23082
【わざわざ旧式兵器を新たに調達する陸自】〜国内企業のライセンス生産守る為?〜
http://japan-indepth.jp/?p=22467

朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました。
イスラム国がトヨタのランドクルーザーを使う理由
http://webronza.asahi.com/politics/articles/2015110200004.html
陸自が導入した輸送防護車は使えない
机上の空論では済まない邦人救出の現場
http://webronza.asahi.com/politics/articles/2015100200004.html







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コメント(12件)

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清谷様

再三のご指摘で衛生部隊の上層部に当事者意識が欠落していることは理解できたのですが、なぜ、危機感が弱いのでしょうか。

差し障りのない範囲で、危機感が弱い理由をご説明いただけると幸いです。

ところで10月、オーストリアの建国記念日行事で連邦軍の装備が市内で展示されたのですが、装甲救急車をはじめ、医療関係の装備が充実していたのに驚きました。まぁ、それが普通の国の軍隊なのでしょうが‥
ブリンデン
2015/11/22 14:48
清谷様へ

1 悪しき官僚主義 特殊作戦群を創設した荒谷さんやサイバー・セキュリティの専門家の伊藤さん・名和さんは官僚化した組織にうんざり・失望して制服を脱いだと思います。まぁ、異を唱える、変わったことをやろうとすると排除するのが官僚組織ですからね。カルト宗教と変わりません。
2 戦える体勢か?
治療だけでなく、暗視装置や無線機の充足率は欧米の軍隊と比較しても低いでしょう。夜間戦闘では友軍相撃は免れないでしょう。
3 以前、私が安保法制を中学生が高校受験もしないで大学受験に挑むとか田舎の弱小運動部が地方予選も戦わないで全国大会に出場するものだと揶揄しました。経験者は自衛隊の能力を承知済みです。反対するOBが登場するわけです。柳澤さんや筒井さんなど それぞれ政策の視点や現場の視点から発言しています。現防衛大臣も若い頃、 小隊長やレンジャー教官を経験しています。中谷先生も馬鹿でなくて幸いでした。
元キャプテン
2015/11/22 17:20
〉なぜ、危機感が弱いのでしょうか。

当事者意識の欠如、利権でしょう。止血帯の特殊仕様を利権では、と指摘したら最近の入札では汎用品に代わっていたようです。
キヨタニ
2015/11/23 00:08
天下りの利権構造なんて、百害あって一利なしでしょう。
制服組の高官の人達は、維持や調達の手順うんぬんって事をほとんど知らないらしいですし。
故障しても部品が無くて、修理不能になる事を、
たんなる現場の手抜きだと一方的に怒る人が少なくないらしいです。
部品は、ポケットから出すみたいにすぐ出てくるのが当然だと思っているのがゴロゴロいる。
だからしまいには、故障して部品を取りに行く事も手抜きだと言い始めたり。
そんなのが大佐や将軍になっているんですから、
装備がまともになるはずなんてありません。
理不尽に文句を言われる現場の人達は、ウンザリしてるでしょうね。
張子の虎にウンザリ
2015/11/23 13:10
プリデン様へ

なぜ、危機感が欠如しているのか?
清谷先生に付け加え、OBの立場で回答します。
民間に再就職して感じたことは顧客・圧力団体・結果責任・説明責任の有無です。それが根底にあると思います。故にプロ意識も欠如します。
石波茂先生の著書ー国防において試合のない運動部、お客様のいない商店、自閉隊と揶揄しています。大学のサークルや共産主義国家の商店と同じです。
組織文化も動脈硬化・唯我独尊・支離滅裂・旧態依然でKYを越え、JY=時代を読めない組織です。 現役の頃、異職種の方に自己紹介で、ガラパゴス諸島から参りました○○です。と自虐ネタを披露しましてうけました。 石波先生の国防、海自OBのKYな海上自衛隊を読んだら、この種の問題の本質が理解できるのではないでしょうか。
元キャプテン
2015/11/23 13:22
衛生面での問題もあるのでしょうが、単純に政治家も防衛省も自衛隊もブルって怖くなったんじゃないんですかね?
八王子の白豚
2015/11/23 15:38
お邪魔します。
 かつて「味方航空機の援護無く艦隊を出すのは自殺行為と言っていた連中が戦艦大和を沖縄に突っ込ませた」のですから、将来「衛生等の準備も無く自衛隊を送り込む」事態があっても驚くに値しないと思います。命令する人間が「どういった"空気"を感じているか」によるでしょうから。
安部総理:法人税減税をやれ
麻生蔵相:財源は?
安部総理:財源なんか関係無い、兎に角やれ
ですし(当然名立たる大企業が驚く程払っていない実態など無視)。今公明党が「何が何でも軽減税率をやれ」と言っています。
 日本人は「事実や論理」など見ません。見るのは「心情と(目先)人間関係"だけ"」で、「誰らが折れさえすれば事は丸く収まる」という考えです。ですから「いい加減折れろよ」「そっちこそ折れろよ」の応酬にしかなりません。
ブロガー(志望)
2015/11/23 17:59
続きです。

「折れた方に100%押し付けられるか割り引かれるか」は「心情や"空気"」次第なので、妥協も容易でなく、そのため無駄に時間を費やし選択肢や可能性が無為に潰れていきます。そうして「どうしようも無くなってから「誰か」が折れる・犠牲を強いられる」で終わるのが「日本的解決法」ではないかと思われます(他にも「いじめられた子供が自殺し、学校や教育委員会が頭を下げる」事でのいじめ問題終了等)。今回の件も結局は「現場の自衛官が折れる・犠牲を強いられる」形になるのでしょうし、「その方向に持って行こう」としているのも知れません。
ブロガー(志望)
2015/11/23 18:00
清谷様へ

衛生科の当事者意識や危機感の欠如について 自分なりに考察してみました。
官僚主義の体質は当たらず遠からずで表面的なものだと思います。根元として 組織内の地位・発言力が低く、提案・意見がことごとく却下され自衛隊の医療職の士気を喪失させているのではないかと 自分勝手に仮説を立てました。彼ら=医療サイドも馬鹿ではありません。問題点や現状を認識しているはずです。
昨年、元医官の中村医師はブログのコメントに先輩や同期でCGS指揮幕僚課程 に入校して衛生科の発言力を高め、制度に反映するとありました。私が現役の頃、自衛隊の医官・看護官を軍人=自衛官ではないと見下していた上級幹部も少なからず存在していました。
以上2点から、戦闘職種、作戦部門、主要装備品を重視、衛生を含む兵站軽視の体質が旧軍のDNAを相続しているのではないでしょうか? 故に衛生の関係者の士気が上がらないのではないかと個人的には思います。
清谷先生の御意見を賜りたいと思います。
元キャプテン
2015/11/23 19:51
張り子の虎にうんざり様へ

私も過去、後方ー調達の現場監督をしていた経験がありますので貴方の主張に大筋で同意します。 防衛産業の営業マンからよくこんな愚痴・苦情言われていました。元高級幹部は口だけで使えねぇ!実績・実力ないくせに現役と同じように威張る。後輩の私が謝っています。理不尽な話ですが・・ 全てではございません。悪しからず。 少し現役の後輩の為に働いてもらいたいですよ!先輩として!威張るよりも!
天下りも必要悪ですが、問題はその人物の経験・能力です。例えば開発実験団長とか補給処長経験者だったら部隊や会社の利益になるでしょう。開発や調達の経験ない人間が戦力にはなりません。釈迦に説法ですが企業は利益集団です。開発や調達のノウハウのない人間を雇用するのは利益にはなりません。お荷物な存在です。
でも悲しいことに 正論が通じないのが世の中なんでしょう! まぁ公共事業と本質は変わりませんけど。以上 与太話は終わります。
元キャプテン
2015/11/23 23:17
清谷様へ

中谷防衛大臣は本心として集団的自衛権ー安保法制には不同意ではないでしょうか?
なぜ、こんなことを想像するかと
中谷先生は防大から2尉まで10年間自衛隊員です。幹部レンジャーや20連のレンジャー教官を経験してまがりにも軍歴はあります。故に30年前の在籍とは言え、自衛隊の能力を見極めたり、集団的自衛権を公使したらどうなるか想像できるのではないでしょうか?仮に駆けつけ警護を行い、死傷者が出るとしましょう。 国会は紛糾し、内閣総辞職というリスクが予想されます。
そうしたら中谷大臣は安保法制は本意ではないと本音を漏らすかもしれません。麻生太郎先生も総務大臣の時、郵政民営化は本意ではないと失言した例もあります。自民党の先生方にも安保法制に不本意・疑問を持っている方もある程度存在するのではないでしょうか?私個人の意見として法的に瑕疵はあるし、自衛隊の現状の能力・態勢にかいりがあるし軍事的合理性は乏しいと思います。法律や政策は現実をもっと見極めるべきではないでしょうか?このことは現役隊員もそう思っています。
元キャプテン
2015/11/29 00:52
「駆けつけ警護」って「駆けつけ三杯」みたいでイヤ。
こんなネーミングしたの誰?
Netright
2016/01/08 21:49

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