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zoom RSS あまりに胡乱な産経新聞アベノミクス提灯記事 官製M&Aの先駆けとしてワタミ&ジョイフルを合併を提案

<<   作成日時 : 2015/10/18 21:32   >>

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官製M&Aの先駆けとしてワタミ&ジョイフルを合併してはいかが?
2015.10.13 産経新聞
http://www.sankei.com/economy/news/151013/ecn1510130002-n1.html

 こういう記事を読むと、産経の経済記事を読む気が全くなくなります。

>創業者や創業家が自民党の国会議員を務めている外食企業が“官製M&A”に踏み切ると、日本全体のM&Aに弾みがつくと思うのだが…

>政府が経営者の決断を後押しするような、先行事例が必要になる。ちょうど格好の企業を発見。勝手ながらその企業の統合を提案したい。

>創業者や創業家が自民党の国会議員を務めている上場の外食企業が存在。渡辺美樹参院議員が創業した居酒屋チェーンを中心とした「ワタミ」と、穴見陽一衆院議員が元社長で、今は代表権を持つ取締役相談役を務めるファミリーレストランチェーンを展開する「ジョイフル」だ。

>両議員とも、外食産業の大物経営者としても評価されている。政権の考えを先行し、両社が経営統合するとなれば、安倍首相がことあるごとに国内で経営統合が進んでいる事例として示すM&Aの象徴にもなりえる。

>ワタミ−ジョイフルの統合プランは、あくまで記者の勝手な提案だ。だが、実現すれば、成長を期待できるモデルになるのではないだろうか。(平尾孝)


 元経営者や経営者が与党政治家になった企業が率先してM&Aとか事業統合すれば、それを見習って民間のM&Aが進むですって?
 どこからこういう理屈がでるのか不思議です。偉い与党のセンセイが規範を示せば、下々が従うのだ、とでもいうのでしょうか。


 ワタミの経営が傾いたのは、ブラック企業だったことが知れ渡ったからでしょう。
 その体質は渡邉美樹議員が経営者の時代の経営方針やらやり方に起因したものでしょう。その体質をそのままで他社と事業統合しても、経営が回復するわけないでしょう。

 そういう問題経営者を自民党が議員として抱えていることは大きな思いますがねえ。渡邉氏のやり方を、自民党が是としてるわけですから。で、それほど渡邉氏が優秀ならば、議員を辞めて経営者に戻るべきでしょう。

 あるいは渡邉氏を経産大臣にでもして「一億総ブラック企業化政策」とかやったらどうでしょうかね?

 徹底的に人件費を削って、労働者を使い捨てすれば、短期的には企業の利益が増えて、「収益率の低い日本企業の欠点」がさぞや解消することでしょう。
 実際ワタミはそれで成長したわけですしね。
 
 どうもこの記事ってアレ首相の「アベノミクス第2ステージが」批判されており、それに対する援護射撃のようです。

>これまでアベノミクスは企業業績の回復、賃上げによって、消費を拡大させる好循環を進めてきた実績がある。賃上げは「官制春闘」ともいわれたが、結果として成果を挙げつつある。

 それどこの国の話ですか。上がったのは株価だけ。消費は冷え込んでいます。輸出も増えていない。データを見れば明らかです。
 アベノミクスがうまくいっていれば、別に現状維持していればいいわけで、第二ステージとか言い出さなくていいでしょうに。

 そもそもアベノミクスとやらがうまくいっていれば産経の記者がこんなトンチンカンなアイディアを開陳する必要がないでしょう。逆にこんなにアレな記事を書いてまでもヨイショしないといけないのが、アベノミクスの現状ということでしょう。

 現場の経営者として言わせてもらえば、流通、小売は大変ですよ。だから牛丼屋さんたちも一転して値下げに転じたわけでしょう。

 インフレで景気がよくなって、消費者がもっとものを買うようになる、というアベノミックスの主張が正しいならば、消費者は値段が上がったら先を争ってものを買っているはずですよ。
 ところが円安によるコスト上昇すら、満足に消費者に転嫁できていないのが現状です。
 ユニクロだって円安で割安感がなくなって苦戦しています。

 実際には消費者は物価が上がって消費を締めています。

>日本では同じ業種の企業が欧米に比べ多すぎると指摘される。よく自動車業界で、米国ではビッグスリーに収れんしているのに対し、日本では乗用車だけで8社あることが引き合いに出されるが、流通や食品などでは、もっと規模の小さい企業がひしめき合っているのが現状だ。
>そして国内市場で、シェア確保のために価格競争などに明け暮れることで、再投資が進まず、欧米との収益力格差が広がるという悪循環につながっている。そこで同業同士のM&Aが進むことが、収益力を向上させ、民間活力を引き上げるというシナリオが想定されている。


 だったらもっとM&Aが必要な業界があるでしょう。
 新聞業界ですよ、ダンナ。
 全国紙も多すぎだし、地方紙も入れれば乱立もいいところです。どうせ記者クラブ制で書いている内容は大同小異ですから統合した方がよろしいでしょう。

 産経は政府寄りのスタンスが売り物であるならば、同じように自民党に影響があるナベツネ氏の読売が、産経新聞やら毎日新聞を買えばよろしいじゃなですか。
 同じ飲食業といってもワタミとジョイフルでは形態が全く違います。対して読売と産経なら同じ業態ですよ。

 でもそう言うと、「多様な報道が必要」とか、「新聞は例外」とか言い訳するんでしょうけども。
 何しろ新聞社は消費税でも新聞は特別扱いしてくれと主張しているぐらいですからねえ。

>外食産業ではファミレスや牛丼チェーンでビールや酎ハイなどのアルコールを提供する「チョイ飲み」が広がりをみせるなど、業態の多様化も加速している。違ったノウハウを持つ企業が統合することは、将来を見越したものとなる。

 記事の中では同じ業界で多すぎるから統合しろといったり、違うノウハウを持つ物同士が統合すればいいとか、主張がぶれております。殆ど思いつき、酒場の与太話のレベルです。

 「ちょい飲み」なんて大したノウハウがいるものですか。富士そばや吉野家だったちょい飲みやっていますが、どこか居酒屋を買収したり、合併して始めたわけじゃありません。
 経営もビジネスもやったことがない人たちは気楽です。こういう素人の思いつきを新聞記事として出すことにデスクは何の疑問も持たなかったんでしょうかね?


>介護事業を売却したワタミにとっては、外食産業の競争力強化は喫緊の課題でもある。それだけでなく、ワタミ−ジョイフル連合ができれば、他の外食チェーンが加わる基盤になり、さらに大きな外食連合に育つ可能性もありそうだ。


 結論を読むと、自民党議員である渡邉氏が創業したワタミが苦境であるのは自民党のイメージ悪化につながるのでなんとかしたい、というような意識が透けてみるのですが。気のせいでしょうかね。

 そんなことを書くのは新聞ではなくて、自民党の広報誌の仕事でしょう。いえ広報誌ですらここまでアレな記事は常識が邪魔して書かないでしょう。

 政党の広報するだけの新聞なら必要ないでしょう。であれば、やはり産経新聞は読売新聞に吸収された方がよろしいのではないでしょうか。
 まあ、その場合産経側からは「不要な人材」が大量に解雇されるでしょうけどね。それが記者が主張する「経営の効率化」というやつです。


 
朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました。
陸自が導入した輸送防護車は使えない
机上の空論では済まない邦人救出の現場
http://webronza.asahi.com/politics/articles/2015100200004.html


東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
陸自「攻撃ヘリ部隊」は、自滅の危機にある
オスプレイ大量調達の前に見直すべきこと
http://toyokeizai.net/articles/-/84832
エアバスは、なぜ日本政府に激怒しているのか
不透明すぎる日本の防衛調達の問題点
http://toyokeizai.net/articles/-/84639

東京防衛航空宇宙時評で軍事見本市、DSEIのレポートを掲載しています。
 http://www.tokyo-dar.com/

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
さてさて、妄想を記事にしてしまう記者とゴーサインを出してしまうデスク、産経新聞も困ったものですね〜
仮に妄想どおりにワタミとジョイフルが合併したとして、対等合併なのか前者が後者を吸収かその逆かで出来上がる企業体も変わってくるでしょうし、ワタミが主導するなら外食産業最大のブラック企業が誕生するわけで・・・
産経新聞は「そんなの関係ねぇ!」とでも思ってるんでしょうか?ジョイフルの社員にしてみたらたまったもんじゃないでしょうに。
八王子の白豚
2015/10/18 22:28
お邪魔します。

>あくまで記者の勝手な提案だ。

 この一言に尽きるのではないでしょうか。主旨としては「一見荒唐無稽に思えるものでも、荒唐無稽と切り捨てずに検証してみれば」という事なのでしょうが、世間には「新聞に書いてあるから、新聞記者が言っているから正しい(に違いない)」と思い込む人もいる事を思えば、あまり適切とも思えません。様々な提言等がなされていますので、そういったものを(偏らず)取り上げれば良いと思いますし、何より「現場」の人達から聞くべきではないかと思うのですが(清谷様も経営に於いては「現場の人間」の1人)。

 それから「軽減税率」ですが、米は焚かないと、小麦は焼いてパンにしないと食べられません。また消費者の元にまで届けないと食べられません。そういった燃料費には「軽減税率」は適用されないようです。となれば食料品を扱う人達にしわ寄せがいくのではないかと思われます。新聞は「新聞に適用されるか否か」にしか興味が無いのかも知れませんが。
ブロガー(志望)
2015/10/19 22:27
SankeiBizの記事です。

>富士重、無人ヘリの市販検討 防衛省向けから用途拡大、市場見極め

http://news.yahoo.co.jp/pickup/6178028

売るとすれば、こちらの機体でしょうか?⬇

http://www.tokyo-dar.com/news/1606/

流石にFFOSのシステム一式を、そのまま売るということは無いですよね。

KU
2015/10/20 12:40

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