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zoom RSS 【中谷大臣会見】防衛省は医師法違反を恒常的におこなっているのか? 

<<   作成日時 : 2015/10/31 17:57   >>

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昨日以下の様なブログを書きました。これに対して読者から指摘がありました。
 
 防衛省の衛生の実態と中谷大臣の認識
http://kiyotani.at.webry.info/201510/article_11.html

>薬剤官が配置されており、風邪などの軽度の疾患、また慢性疾患に対する医薬品の処方を行っております。

日本国法令上、医薬品の処方をするのは医師でなければできません。
米国であれば、薬剤師が内科医のように処方することもできますが、日本は全て医師です。
また、薬剤官すら配置されておらず、看護師が医師の役職に就いている駐屯地医務室もあるそうです。
更に常駐の医師がおらず、違法営業状態の駐屯地医務室もあるそうです。

大臣の発言が事実であれば、防衛省は恒常的に医師法違反をしていることになります。あるいはコンビニなどでうっている売薬だけを出しているのでしょうか。それはそれで問題だと思います。

また大臣は以下のように述べております。

>自衛隊病院または方面隊等の衛生部隊であり、必ずしも全国の駐屯地医務室に配置しているわけではありません。この理由は、自衛隊医官に求められるものは事態対処時における後送病院、後方の病院において、負傷者に対する高度の医療を提供する必要があるために、普段より技能の維持・向上を図る必要があるためであります。


ですが、師団や旅団の医官の充足率は現在では2割を切っております。ということは師団旅団レベルで医官が全くいない部隊があるということでしょう。これで戦争ができますか。

しかも世界の軍隊の趨勢は「前方治療の重視」であって、軍医は前線により近いところで応急治療を行なうことが求められています。このため米軍のように「前方外科手術チーム」が前線に近い処に派遣されるケースが出てきています。また負傷者の9割が連隊などの負傷者集合地点までて死亡しており、前線での確かで高度な処置が必要というのが他国の軍隊の認識です。

ところが自衛隊の看護要員は准看護師と同じで、自分の判断で投薬や、注射もできず、他国の衛生兵よりもできることが限られております。
その上で、部隊の医官が2割以下です。これで実際に戦争が起きたらどうでしょうか。

しかも後方重視といいつつ、自衛隊中央病院ですら、救急病院としては失格レベルです。
ヘリで中央病院に患者が送られても、きちんとした手当ができないので、麻布病院など近隣の病院に送ることになります。これが「後方重視」の実態です。


平和ボケもいいところではないでしょうか。


strong>東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
高額な早期警戒機が日本では「欠陥機」だった
周波数帯をまともに使えない大矛盾
http://toyokeizai.net/articles/-/88753

Japan In Depth に以下の記事を寄稿しました。
【わざわざ旧式兵器を新たに調達する陸自】〜国内企業のライセンス生産守る為?〜
http://japan-indepth.jp/?p=22467

朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました。
陸自が導入した輸送防護車は使えない
机上の空論では済まない邦人救出の現場
http://webronza.asahi.com/politics/articles/2015100200004.html







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コメント(9件)

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清谷様へ

医官の充足率の低さについて
駐屯地の医務室=診療所において医官は他の駐屯地の医務室の診療と掛け持ちが実態です。それも研修が終わったばかりの20代の医官です。 不在間は嘱託医、駐屯地近傍の開業医の先生が出張で診療に来ます。まぁ、開業医の先生は患者獲得の目的ですが・・ つまり、第一線部隊には医師は存在しないといっても言い過ぎではありません。
医官の早期退職について
症例の少なさによるスキルの低下に不安を感じているのではないでしょうか? 隊員は20代〜50代で年齢層は偏っていますし、一般市民より体力が勝るのでそんなに病気はしません。故に風邪、水虫、靭帯断裂、骨折が大半ではないでしょうか?つまり、ヤブでも治療はできます。市中病院は年齢層、疾患が幅広く、症例が多く、自衛隊病院や医務室とは比較になりません。必然的に技量は低下するのではないでしょうか?
元キャプテン
2015/10/31 19:45
医者不足は日本全体の問題でもあるので、地域医療を考えると、医官が民間へ移る事も仕方ないのかもしれません。
今後も日本の高齢化により、医者の需要は益々高まりますし。
離職者は増える一方になるでしょう。
問題の解決には、防衛医大を拡充して、医官の養成を倍増させるしかないと思います。
施設の建設を含めて、かなりの予算を使う事になりますが、日本の将来を考えると、けっして無駄にはなりません。
自衛隊の医療の問題のいくつかは、国の法的な問題でもあるので、総理が本気にならない限り絶対に解決しないでしょう。
張子の虎にウンザリ
2015/11/01 10:39
お邪魔します。
 やはり医療軍なり医療部隊が有効ではないかと思います。国内の医療が乏しい地域や途上国への医療援助で経験を積ませては。上記のような活動であれば(紛争地帯等で無ければ)民間の医師を招いて教えを請う事も可能でしょう。それで民間の医師が行けない前線や紛争地帯へ行くというのは。
 今の日本の医療も医療現場の人達に負担をかける事で成り立っているように思えます。英国やスウェーデンのように「なかなか診てもらえず、金のある人は隣国へ行く」や米国のように「治療方針は患者でなく保険会社が決め、医師は保険会社の顔色を伺う」よりは患者にとって好ましいと思いますが、医療現場の人達がどこまで負担に耐えられるかは不明です。近い将来「富裕層以外は医療軍等に診てもらう」ようになるかも知れません。
ブロガー(志望)
2015/11/01 21:01
今日の産経に書いてあったのですが、福岡の三好不動産という所が入居して創業する人の敷金を最大80%割り引くサービスを始めたんだそうです。まあ、変な奴が入居して来なかったらいいのですが。
ひゃっはー
2015/11/01 21:32
清谷様

自衛隊ではありませんが、東京でも医師不足が深刻になっているという報道がありました。

ところで、海外の軍隊では医官の充足率はどの程度なのでしょうか。また、充足率を上げるために、どのような施策をとっているのでしょうか。

ご存じでしたら、ご教授願えると幸いです。
ブリンデン
2015/11/02 14:09
機会があったら知れべてみます。
キヨタニ
2015/11/02 16:00
清谷様へ

イスラエル軍の医療態勢について、人口が500万〜600万北海道と同じ人口です。その中から一定の割合で若年層が動員・徴兵されます。しかし数は大国と違い制限を受けます。人民解放軍みたく人海戦術は不可能です。 装備品において装甲を厚くして生存率を高めたり、応急治療においても迅速な処置が戦線復帰を早めたり後遺症のリスクを抑えたりするのではないでしょうか?また医療態勢の充実は除隊後の社会保障の支出=医療費・障害年金等を抑制したり、労働力を確保するのに不可欠ではないでしょうか?
我が日本は少子化で若年人口や労働人口が減るのは不可避であることは論を待ちません。隊員の死亡・高度障害は社会保障の支出を増大させ財政の負担になります。
イスラエル軍の医療について知っている範囲で御教示ください。
元キャプテン
2015/11/02 22:32
まぁ、当面やるべき事は自衛隊病院での救急患者搬送受け入れでしょうね。
医師不足が叫ばれてる今、税金で維持されてる自衛隊病院がそれを拒むのは許されないことです。
戦場における負傷の応急治療とは違うでしょうけど、元キャプテンさんがコメントしていたように抜歯の処置すら満足に出来ない医官がぞろぞろいるのでは話になりません。
まずはスキルアップしてもらわないと大臣が言っている事すら満足に出来ないと思います。
それにはまず数をこなして経験値を貯める事でしょう(RPGって結構現実的なんですね・・・)。
八王子の白豚
2015/11/03 11:10
イスラエルは調べると面白いと思いますが、ちょっとハードルが高いですね。本来衛生学校とか調査すべきところだと思います。
キヨタニ
2015/11/03 21:58

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