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zoom RSS アベノミクスの大成果:2015年上半期のアパレル小売の倒産数が大幅増、2000年以降最多のペース

<<   作成日時 : 2015/09/13 15:02   >>

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2015年上半期のアパレル小売の倒産数が大幅増、2000年以降最多のペース
2015年8月12日 ファッションスナップ
http://www.fashionsnap.com/news/2015-08-12/bankruptcy/

>アパレル小売業の倒産件数は、前年同期比19.5%増の104件となり2000年以降最多のペースで増加している。

>小売・卸別で見ると、小売業は7月までに104件が倒産。卸売業の倒産数は、前年同期比8.
9%減となる72件に留まった。負債総額は、卸売業で前年同期比 49.4%増の約183億円とな
り、前年同期に比べ1.5倍に増加。小売業は10.7%減の約134億円となった。

>総務省が発表する家計調査報告によると、「被服及び履物」への支出は4〜5月はプラス
に転じたものの、6月はマイナス13.3%と再び2ケタの減少に転落。為替相場も1ドル=120円
台での推移が続いているため、帝国データバンクはアパレル企業のコストを押し上げるな
か、価格転嫁がしづらい状況が続いていると分析しており、今後も体力のない中小アパレ
ルの倒産が続く可能性があると予想している。


 いやあ、実にご立派なアベノミクスの成果です。

円安誘導でトヨタとか一部の企業に濡れ手に粟の補助金をくれてやった影で、アパレル業界では一体何人の経営者と従業員が安倍政権に職を奪われたことやら。 
で、トヨタは1年だけ下請けに値下げを要求せず、また値下げ要求を始めています。従業員の賃金も1%程度あげただけです。トヨタだけが利益の総取り、内部留保を貯めこんでいます。これでトリクダウンとやらが期待できるはずもなし。当然個人消費の喚起にはつながりません。

 アベノミクス、リフレ派は値上すれば消費者は先を争ってものを買うようになるという、カルトな主張は現在のところ効果が確認されておりません。むしろ消費を減らしているでしょう。それは統計の数字からも明らかです。誰も来年食べるリンゴやサンマが値上がりするから、今年の内に来年分まで食べようなんて人はいません。


 GDPの6割の個人消費を支える小売、サービス業界は中小企業が多く、円安でコストが上がり、大変です。日本の服飾の約96パーセントは輸入品です。これで給料が増えるわけがありません。前にも書きましたが、安倍政権のいうとおり、物価が上がって消費が延びるのならば、アパレル業界はコストを完全に消費者に転嫁でき、売上も増えて今頃左うちわです。
 一部輸出大手が潤ったからといって、ほとんどの個人消費関連の企業には影響はありません。

 ユナイテッド・アローズのようなハイエンド、アッパーミドル相手の商売も大幅に値上げをしたら大幅減益、赤字になりました。 自社顧客の天辺の層は減らないものの、中間層以下の顧客が値上げでついてこれなくなったからです。
 セレクトショップの雄ですらこれですから、消費のBOP(ボトム・オブ・ピラミッド、最底辺層)の消費はもっと縮んて当たり前です。

 年末に向けて、より多くのアパレル企業が倒産するのではないでしょうか。
 
 アベノミクスの化けの皮が剥がれそうになれば、安倍政権はまたぞろ、年度末の補正予算でバラマキの大盤振る舞いをして、国の借金を増やす可能性大です。
 それで景気がよくなれば誰も苦労はしないのですが。


東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
陸自の「機動戦闘車」調達は予算のムダ遣いだ
陸自機甲科の失業対策が主目的?
http://toyokeizai.net/articles/-/82806

Japan In Depth に以下の記事を寄稿しました。〜
【防衛省、機銃の調達はMINIMIのみ】〜小銃用弾倉による空砲射撃で“弾詰まり”
http://japan-indepth.jp/?p=21427





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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
私のよく利用していた、価格据え置きの輸入業者も廃業しました。
おかげで無駄遣いせずに済みますが。
近所のスーパーは狂牛病騒ぎ以来、頑なにオーストラリア産ばかりを扱っていましたが、
急激にアメリカ産の取り扱いが増えてきました。
少しでも安い原材料を求めて、背に腹は代えられなくなったのでしよう。
わずかな値上げでも、ケタが一つ変わると消費者は躊躇するでしょうから。
来年には、棚からオーストラリア産が消えているかもしれませんね。
張子の虎にウンザリ
2015/09/13 16:31
安倍首相とその取り巻きは日本をアメリカのような1割未満の富裕層しか勝ち組がいない社会に変えたいんですかね?
アメリカは豊かではあっても決して幸せな社会では無いように思いますが・・・
八王子の白豚
2015/09/15 02:03
同じ小売業でも、家電やドラッグストアは空前の利益を得ているところもあります。百貨店なんかも久々に調子良いですね。ホテルも好景気です。
そう、いわゆるインバウンド、円安で中国人観光客激増の恩恵を受ける産業です。
アパレル産業は、この波に乗れなかった。当然で、ブランドやデザインなどの付加価値では欧米に太刀打ち出来ず、製造も既に中国で作ったものを日本で売るだけの空洞化しきった産業だからです。中国人にとっても、メイドインチャイナの服を日本で買う意味は有りません。
これは大事な事で、アパレル産業は、これまでアジア諸国に先行し強大な経済力を築いた日本と、そこから流出してくる労働集約産業でキャッチアップしてこようとするアジアと言う構図を利用して、この20年、発達してきたわけです。今、この構図が崩れ、世界経済の中心となりつつある東南アジア・中印と、その消費力にぶら下がる日本と言う構図へ移行しつつある。
しかし、中印も東南アジアも、まだ日本の内需を代替する役割を果たすには時間が必要ですし、東南アジアやインドの発展が遅ければ、中国への依存度を飛躍的に高める事になる。
つまり、アパレルの倒産はアベノミクスの弊害に留まらず、そのパラドックスを象徴しているのです。中国との対抗軸を立てながら、同時に中国との関係を供給先から内需の代替先と言う、より依存度を高める方向へシフトするという矛盾です。
X
2015/09/15 02:55
お邪魔します。
 日本の政治の目的は「中長期的に国にとって良い事をする事」なんかではなく、「仲間内の和を保ち、目先の摩擦を回避する事」です。そのためには「(あくまで政治家や官僚にとっての)でかい声に応える」が必要と考えているのではないかと思われます。
 今欧州に大量の人間がなだれ込んでいますが、これには「富の再分配」の側面もあると思われます。「水族館のイルカの調達方法」同様、近い将来世界で「難民・移民を受け入れろ」がでかい声になり、「入れないという選択は取れない」事態になるかも知れないという事を考えておかねばならないのではないかと思います。尚その時には「安い金でこき使う」事はできないかも知れません。
ブロガー(志望)
2015/09/15 23:14

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