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zoom RSS 徴兵制は永遠に必要ないのか

<<   作成日時 : 2015/07/13 10:52   >>

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各国と比較すれば一目瞭然 「徴兵制」をめぐる議論はデタラメだらけだ
高橋 洋一
現代ビジネス 2015年06月29日(月)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43944?page=2

>徴兵制は、近代においては不必要になっている。兵器技術の進歩から、専門性に欠ける兵士は必要でない。はっきり言えば、素人は現代戦では足手まといなのだ。自民党の佐藤正久元防衛政務官(元陸上自衛隊イラク先遣隊)も、現代戦では、高性能の兵器やシステムを使いこなすことが求められ、それに要する期間は10年程度が必要と喝破している。


 高橋洋一氏のこの主張には歴史的認識と考察が欠けています。

 現代の軍隊、特に先進国、中心国では確かにそうです。徴兵制よりも、志願制が有利です。また志願兵のほうが徴兵よりも士気も高い。現在の、特に先進国の軍隊では徴兵の必要性は極めて薄い。ただ、途上国では軍隊は教育機関であり、また失業対策のために必要という側面もあります。我が国でもそうでした。

 さて、では現在の状態が未来永劫続くのでしょうか。もしかすると将来兵器は高度になっても、操作は容易で素人で十分に扱えるなるような可能性もあります。また戦闘職種はすべてロボット化され、後方での任務だけが人間が必要になるかも知れません。

 例えば戦車にしても当初は歩兵の直協用だったものが、機甲戦闘用となり、それが最近ではまた歩兵直協が主たる任務になっています。
 またサイバー戦では普通の軍人よりも民間人のハッカーのほうがよほど高い「戦力」となります。

 要は未来は必ずしも現代の延長にはない、ということです。
 将来徴兵制が必要になる可能性は低いにしても皆無ではありません。


 安倍首相も「徴兵は憲法違反だ」と仰っておりますが。それは色いろな面で歪です。まずご案内のように未来はわからないということ。それがわかっていない。
 また徴兵制は憲法が禁じる「苦役」だとしていること。国を守ることを人権侵害の苦役と断定して宜しいのでしょうか。憲法には徴兵制は禁止とは書いておりませんけどね。
 これは保守党の政治家、まして総理大臣してどうでしょうか。

 また世界では徴兵制の国、米国のように現在は志願兵制だけど徴兵制に戻すことが可能な国は多数あります。徴兵が苦役であり、非人道的ならば同盟国たるアメリカを含め多くの国を「非人道的」と間接的ではありますが、非難することになります。
 その非人道的な軍隊と一緒に作戦行動を行おうことを政府は目論んでおります。

 未来永劫に徴兵制は必要ないのか、また徴兵は非人道的な「苦役」であるのか。高橋氏や安倍首相は本当に長期的な視野にたって発言しているのでしょうか。



 物事を見るときは現在だけではなく、過去と未来を見る必要があります。それは歴史を学ぶということです。歴史を学ぶことで、過去を学び、また将来を想像する想像力が付きます。


 高橋氏と安倍首相に共通しているのは現在しか見ていない、ということです。
 こういう見識の人たちが持ち上げているアベノミクスに対しても同じことが言えるのではないでしょうか。




strong>Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました
【自衛隊は空中給油機活用を見直せ】〜その高い費用対効果〜
http://japan-indepth.jp/?p=19634
【少女漫画男性主人公に異変アリ】〜ガチムチ、オタク、キモメンらがモッテモテ!〜
http://japan-indepth.jp/?p=18452
【お粗末な自衛隊の「衛生」装備】〜チュニジアでテロにあった女性医官は「特別」なのか?〜
http://japan-indepth.jp/?p=17323
【陸自ファーストエイド・キットが貧弱な件 1】〜陸幕広報は取材拒否〜
http://japan-indepth.jp/?p=17056
【陸自ファーストエイド・キットが貧弱な件 2】〜中谷防衛大臣の答弁に違和感〜
http://japan-indepth.jp/?p=17059

span style=font-size:larger>東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
自衛官を国際貢献で犬死にさせていいのか
海外派遣の前に考えるべきこと(下)

http://toyokeizai.net/articles/-/73521
<自衛隊員の命は、ここまで軽視されている
海外派遣の前に考えるべきこと(上)

http://toyokeizai.net/articles/-/73492
川崎重工は「世界のヘリメーカー」になれるか
http://toyokeizai.net/articles/-/73114
「国際軍事見本市」が、日本の国防力を高める
日本での初開催イベントの意義は大きい
http://toyokeizai.net/articles/-/71866
防衛省の装備調達は、これから大きく変わる
キーマンの防衛省装備政策課長に聞く<上>
http://toyokeizai.net/articles/-/70516
日本の防衛産業は鎖国から開国へシフトする
キーマンの防衛省装備政策課長に聞く<下>
http://toyokeizai.net/articles/-/70529
防衛省装備調達に欠落している"大事なもの"
兵器調達の際に「時間」「総額」の概念がない
http://toyokeizai.net/articles/-/69177


WEBRONZAに以下の記事を寄稿しました。
オーサさんに聞く「マンガ」の魅力と不思議(上)
初めて読んだ高橋留美子先生の『らんま1/2』に自分で色を付けました
http://webronza.asahi.com/politics/articles/2015060400004.html
北欧女子オーサさんに聞く「マンガ」の魅力(下)
「日本語がお上手ですね」と毎回聞かれると……
http://webronza.asahi.com/politics/articles/2015060400005.html






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コメント(11件)

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清谷様

徴兵制は素人だらけの集団?志願制はプロフェッショナルな集団?本質を理解していません。イスラエル軍は素人の集団になります。我が日本軍ー自衛隊はプロフェッショナル集団になります。果たしてそうなのか?
任期制ー自衛官候補生は曹昇任が10〜15人中1人の割合で、 6、7年で勧奨退職します。非任期制ー一般曹候補生は陸曹昇任10人中6〜7名昇任試験に合格しないと7、8年で勧奨退職させられます。 大半は10年未満の在籍です。論理が矛盾します。
少子化の人材確保の青写真ができているのでしょうか? 現在の人事制度では少子化に対応できるとは思いません。 将来、定員の削減や部隊の統廃合は不可避です。財政規模も縮小されると思います。
入隊年齢の限界を26、27歳に拘らず、35歳に引き上げることです。兵士は若くなければならないという固定観念は捨てた方がいいのではないでしょうか。30代でも訓練についていける体力は十分にあります。また、人材の流動や他業種からの人材確保は組織の活性化に繋がります。 自閉・閉鎖的な組織体質を変えることもできるのではないでしょうか?
中古車販売のアップルも採用の大半は異業種からの転職です。 クリエィティブで既存の概念にとらわれないので急成長しました。その会社に転職した元部下も職場環境に満足しています。
元キャプテン
2015/07/13 18:34
私は、20年間苦役をしたことになります。じゃ〜私はドMの変態になりますよね!ブラック企業の社畜の方々は苦役を強いられている現実を知らないのでしょうか。徴兵制の韓国やイスラエルの兵士は奴隷なのでしょうか?
元キャプテン
2015/07/13 22:26
お邪魔します。
 『丸』の「結果的には全くの仇花で終わった変形レシプロ機閃電(及び先尾翼機震電)」に関する記事で、「歴史は予め定められた道筋を歩む様なものではない」「人は未来の正解を知らない、今の我々も化石・原子力・再生エネルギーの中で立ち尽くしている。」といった事が書かれていたのを思い出しました。

>安倍首相も「徴兵は憲法違反だ」と仰っておりますが。

 日本人の発言の多くは「その時その場の空気を則したもの」でしかありません。確か「河野談話を見直す」とか言っていましたが、明治の産業遺跡の世界遺産登録で新たに「強制」を認めてしまいました。従軍慰安婦が○日が火を付けたものである事を思えば、河野洋平は「誤った消火を行った」とも言えます。となれば安部首相は・・・。
ブロガー(志望)
2015/07/13 23:32
今の自民党見ていると、調子乗った政治家が軍事的理由とは関係なしで持ち出すかもしれませんね。若者を鍛え直す話は昔からあるし、名目上失業率改善とか狙う話もでてくるかもと
今は憲法上できないとかいっても、風向き変われば解釈を変更したとかねえ
人馬笛
2015/07/14 15:51
元々日本人はルール作りが下手な民族ですので(不文律は大好きなんですが)、聖徳太子の17条憲法から始まって日本国憲法に至るまで、ルールを作ってはちゃんと運用できずに失敗しています。
先を見る能力を持った人はいた、またはいるのでしょうが、弾力的なルールを作れないから固いルールを無理矢理運用して最後に破綻しちゃうんじゃないかと。
八王子の白豚
2015/07/14 22:45
「遠い未来にも徴兵制が要らないかどうか?」の問いは
どんな未来か?次第で答が変わりますから
「要るかもしれない」になります。
ですから「無い!」が間違いなのは明白で意味がありません。

例えば将兵は人工知能ロボでまかなえば名誉、使命、義務なんて意味無いです。
要は平時の戦争抑止力になるか有事の勝利獲得ができれば良いです。
そのロボット軍を設計、製造、運用する人間の身分はどちらでも良い。
イラクやアフガン、シリアなどでは民間軍事会社の従業員が民間人身分のままで
アメリカ軍の作戦に従事していると報じられています。
従来「国営」だったの戦争はどちら側も既に「民営化」してます。
もう徴兵制は無意味、徴税制さえあれば良いです。
一方で貧困化が進めば、日本の弥生時代から戦国時代のように
兵器の水準は弓矢、投石まで落ちていくでしょう。
そんな状況では徴税制は維持できず徴兵制になるでしょう。
極西
2015/07/16 20:04
私も兵役は苦役では無いし、必要になれば徴兵制も採用すべきと思っています。しかし何時もの事ですが、貴方は上っ面だけしか見ないんですね。
総理が徴兵制は必要無いというのは、現状では正しい見解でしょ、わざわざ野党の為にする議論に乗る必要は有りません。
?
2015/07/17 05:19
?さん

徴兵制の賛成反対を問わず、何かカン違いしてるとしか思えないのは、今日決めたらすぐ出来る、みたいに考えてるフシがある事です。徴兵制なんて、今年決めても機能するのは10〜15年先ですよ。総理の発言も、反対派もそういう事を踏まえて言ってるんでしょうか。徴兵制は、現状だけ見て決められるものではありません。
マリンロイヤル
2015/07/17 20:51
イラクでも「軍隊に行けば大学まで行かせてくれるる」アメに釣られた社会の底辺で組織されたアメリカの州兵が敵の待ち伏せに攻撃に会い「大学どころか戦場に生かされた」と泣いていましたな。日本でも昔から軍隊は農家の次男三男が行くところと相場決まっていました。
EUの共産党は金持ち貧乏人に関係なく平等に兵役の義務に就かすべきだそうですね。正論ですよ。
共産党
2015/07/17 21:00
再びお邪魔します。
 あるサイトで「相続で、1人を除いて法定とは違う相続に同意しているが、1人だけ法定の相続分を要求した場合、(民)法は法定の相続分を要求した者の味方」といった事を読んだ事があります。ですから「仲間内の和」を至上とする日本人にとって、「和に従わない根拠を与え得る」法など、"邪魔物"でしか無いのではと思います。「少数者の保護」も法の役割ですが、「少数者など折れれば良い」とでも考えているのでしょう。また「仲間内の和に比べれば法など取るに足らない」ですから「法"ごとき"で仲間内の和を乱すな(=俺達にとって嫌な事はするな)」になるのでしょう。だから教条的・原理主義的な運用にならざるを得ない場合もあるのかなと思ったりもします。
ブロガー(志望)
2015/07/19 18:45
続きです。
 イスラエルの軍事学者クレフェルトが「戦争の主流がゲリラやテロリスト他による低強度紛争となり、通常の戦力はあまり有効でなくなる(鶏相手の牛刀?、コストに見合わなくなる?)」といった事を書いているそうです。徴兵制が「軍事が高度専門化する中でそれに対応し切れなくなった」のであれば、低強度紛争が主流になる事によって再び日の目を見る可能性があるのではと思います。ゲリラやテロリストの多くは高額・高性能な装備も高度な訓練も無いでしょうから、対抗するにはそれらよりも「(能力はそこそこでも)頭数」「連中の標的となる一般市民の能力向上」でしょうから。
ブロガー(志望)
2015/07/19 19:33

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