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zoom RSS 防衛省のカースト制度、記者クラブ優遇は相変わらず 身分差別は親の敵でござる

<<   作成日時 : 2015/05/20 16:29   >>

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さて、防衛省、自衛隊では取材者の知識を深めるための研修などを時々やっております。

例えば以下の様なものです。
画像


これは第7師団に関するものです。
この種のものは研修自体を記事にするものではなく、記事を書くためのバックグランドとなる知見を蓄積するためのものです。

ところが、ぼくのようなFPIJ会員、フリーランスの軍事専門のジャーナリストは参加ができません。今回もダメ元で担当者に尋ねたのですがやはりダメでした。

なにゆえ防衛省は「防衛記者クラブ」という単なる民間の任意団体だけを優遇し、それ以外の人間や組織を差別するのでしょうか。

安倍政権の発表した現在の防衛大綱などでは対外情報の発信強化を謳っていますが、一体どこの惑星の話でしょうか。

また「防衛記者クラブ」の記者さんたちは極めて短い期間で担当を外れるのが普通です。対してフリーランスの専門のジャーナリストは長年専門的知識を深めています。むしろ「専門家」にこそこのような研修参加の機会を開くべきではないでしょうか。

いつも申し上げておりますが、文民統制のキモは人事と予算です。そしてその人事と予算が適切かどうかを判断するかに必要なものは情報開示です。
軍事機密はあるにしても、政治や有権者に対する可能な限りの情報開示をするのが民主国家の軍隊や国防省のつとめです。
ところが防衛省や自衛隊はその情報開示が極めて不十分であり、民主国家のレベルではありません。その原因のひとつが排他的な「民間任意団体」である記者クラブとの癒着です。

記者会見に参加してわかったのですが、大臣や幕僚長が困るような質問は殆ど出ません。まるで「プロレス」のような印象を受けております。こういうお互い持ちつ持たれつの。なれあい的なやりとりから、まともな情報が国民に届くのか、いつも不安になります。

防衛省は「記者クラブ」を優遇しますが、オスプレイ件でも得てして記者クラブ会員の記者が事実を調べもせず、欠陥機だと決めつて報道をしたりしています。果たして防衛省の「記者クラブ」優遇が日本の軍事ジャーナリリズムのレベルの向上に寄与しているのでしょうか。

また広報の姿勢自体にも問題があります。先にご案内した陸幕広報室長、松永康則1佐のように、取材拒否の根拠を尋ねると、何度連絡しても黙殺し、それを大臣会見で問われると「それは全く別な取材である。取材を申し込め」とか子供のような言い訳をします。それが「普通」だと思っております。

このような態度は普通の社会では通用しません。せめて問い合わせに対して「お答えできません」でも回答すれば一応回答したことになるでしょう(こちらが納得するかどうは別ですが)。
それもしないでひたすら回答を逃げまわるのは広報とか陸自のシニアオフィサー以前、社会人として失格です。仮に「これは新しい取材だから申請をだせ」というのであれば、何故それをその時言わずに、男の腐ったように逃げ回っていたのでしょうか。

このような態度ではPR会社ではすぐクビでしょう。こういう態度のPR担当の会社に一度だけお目にかかったことがあります。それはかつてのJALでした。JALはその後破綻しましたが、ああやっぱりと思いました。危ない会社は広報もぞんざいだったりします。
防衛省や自衛隊は倒産しないからこのような態度が許されるのでしょうか。

なにか陸幕には昔の帝国陸軍のお偉い参謀様同様に、「地方人ごときが」と見下してでもおられるのでしょうか。これから内局の文民優位がなくなりますが、果たしてこのような広報意識の組織が民主国家にふさわしい、まともな情報開示が可能でしょうか。

因みにぼくは海外の軍隊からこのような扱いを受けたことがありません。
陸幕広報の対応に最も似ているのが、中国のノリンコ社の対応です。


陸幕広報室長、松永康則1佐の見識 「嫌な質問にはバックレていい」それは陸幕長のお墨付き
http://kiyotani.at.webry.info/201504/article_6.html



東京防衛航空宇宙時評で以下の記事を掲載しました。


キーマンに聞く 堀地徹防衛省装備政策課長(その1)
http://www.tokyo-dar.com/sfeature/1562/
キーマンに聞く 堀地徹防衛省装備政策課長(その2)
http://www.tokyo-dar.com/news/1566/
タレス、航空機搭載型AEWシステム「CERBERUS」を、MAST ASIAに出展
http://www.tokyo-dar.com/news/1556/
BMTグループ、MAST ASIAに高速揚陸艇の模型を出展
http://www.tokyo-dar.com/news/1547/
JMUディフェンス・システムズ、MAST ASIAで水陸両用車を発表
http://www.tokyo-dar.com/news/1542/
ECAグループ、MAST ASIAに無人機雷処理システムを出展
http://www.tokyo-dar.com/news/1550/


東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
防衛省装備調達に欠落している"大事なもの"
兵器調達の際に「時間」「総額」の概念がない
http://toyokeizai.net/articles/-/69177

防衛省「パワードスーツ」構想は濫費である
新たに開発する必要がない理由<上>
http://toyokeizai.net/articles/-/68330
「パワードスーツ」の前に防衛省がすべきこと
新たに開発する必要がない理由<下>
http://toyokeizai.net/articles/-/68341

投資8000億円!新戦車は陸自弱体化への道
粛々と進む10式戦車調達の問題点<上>
http://toyokeizai.net/articles/-/66868
文民統制の放棄!なぜ「空母」が生まれたか
護衛艦「いずも」は、護衛能力のない被護衛艦
http://toyokeizai.net/articles/-/64841
自衛官の「命の値段」は、米軍用犬以下なのか
実戦の備えがないため派兵どころではない
http://toyokeizai.net/articles/-/63496

strong>Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました
【お粗末な自衛隊の「衛生」装備】〜チュニジアでテロにあった女性医官は「特別」なのか?〜
http://japan-indepth.jp/?p=17323
【陸自ファーストエイド・キットが貧弱な件 1】〜陸幕広報は取材拒否〜
http://japan-indepth.jp/?p=17056
【陸自ファーストエイド・キットが貧弱な件 2】〜中谷防衛大臣の答弁に違和感〜
http://japan-indepth.jp/?p=17059


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コメント(15件)

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清谷様へ

似たような話で昨年地元に潜水艦が入港しました。部外者は中に入れない。まぁ潜水艦は秘密の塊だから仕方がないと割りきっていました。何と自衛官志望の高校生と自衛隊父兄会のオッサンとオバハンが中に入って見学していきました。頭にきて分隊士の2海尉に不公平だと抗議し、OBの元幹部でもいいよなぁ!部外でも入っているからよ! あの方は特別で艦長が許可してますからと理由にならない回答でした。腹の虫が収まらないので、横須賀の潜水艦隊司令官に抗議と理由を求める親展の手紙を提出しました。返信なし。潜水艦隊司令官へ電話したら、副官の1尉と禅問答、説明にもなっていません。副官に部外者が携帯で撮影し、インターネットで流出したら艦長のクビどころでは済みませんよ!大問題なりますよと忠告し、そうしたら余計なお世話ですと返されました。人件費、維持費、初期投資は血税です。株主でステークホルダーたる国民に説明する義務があります。学校でも保護者による評価があり、インターネットで公開されています。病院でも医療評価機構の評価結果もインターネットで公開されています。公的機関は情報公開がスタンダードです。アメリカの議会において将官クラスの軍人が報告・説明しています。
いかに自分の以前の職場が時代錯誤で旧態以前がやっとわかりました。
元キャプテン
2015/05/20 18:37
お友達の石破センセーにチクってください。
これは
2015/05/20 18:48
清谷様へ
続き

大手新聞社の軍事に素人記者よりも元自衛官それも元幹部級の軍事雑誌専門会社とかあったら大本営=市ヶ谷のお偉いさんはビビるでしょうね!ハッタリ利かないですから。ある意味、弾道ミサイルよりも怖いですよ。ペンは銃より強し!
後輩とかの人脈があるし、すぐ裏取れますからね!知識や経験で判断できますから。トリックの仲間幸恵ではありませんが、全てお見通しだ!※仲間幸恵の兄ちゃんも自衛官ですが・・ 清谷さんも退官した自衛官を弟子や社員として雇ったらどうでしょうか? まともな仕事をするようになり、質は上がります。軍隊は勝ってナンボの世界です。スポーツチームみたく応援団は要りません。応援団は弱体化し、邪魔な存在です。
元キャプテン
2015/05/20 18:49
さっそく堀地課長のインタビュー記事を拝見しましたが、まずはお手並み拝見、といったところでしょうか。いくら、やる気のある人が笛を吹いても誰も踊らないのでは意味がありませんものね。しかしまぁ、曲がりなりにも装備庁も発足することですし、今まで行えなかった(行おうとしなかった?)事も積極的に実施してもらいたいですね(装備の効率的な取得や導入に要する年月の明文化や防衛産業の集約化など)。
KU
2015/05/20 20:28
>陸幕広報の対応に最も似ているのが、中国のノリンコ社の対応です。

このご指摘ですが、尖閣等を巡る日中間の対立が激化する前、八十年代の反ソ統一戦線を組んでいた頃には、日本のメディアに人民解放軍の精鋭部隊の取材すら許されており、ようつべ上には、当時の貴重な動画がアップされています。

以下はruki maiya様が2014/08/31 にようつべ上に公開したVID 地球発19時 密着!中国陸軍 南京野戦部隊の動画で、また、これ以外にも、首都北京と天津の防空を担う空軍第38師団 殲6戦闘機の取材動画も在りましたから。
因みに、いち個人の私ですら、日中関係が今ほど険悪化していない90年代初頭と05年頃にノリンコ社に接触し、武器輸出カタログの入手に成功しています。

ですから、主様に取材拒否を行われたのは、不幸にも、険悪化した日中関係の余波を喰らったからではないでしょうか?

軍事と政治は切っても切り離せませんから。

また、88年から03年にかけ、世界各地の戦場で、命がけの取材を行った加藤健二郎氏は、フリーランスにも関わらず、97年より、防衛庁オピニオンリーダーに任命されています。
ですから、現行の記者クラブ優遇に問題は在りますが、主様が貴重な海外情報を発信していけば、加藤
健二郎氏と同様の道筋があるのではとも、思うのですが…。


チャイカ
2015/05/20 22:37
テーマとずれるお話します。小林よしのり ー新戦争論
集団的自衛権の問題点、アメリカの欺瞞を主体的に描いています。政治家先生や保守・右派の論客は戦争をパソコンのゲームと同じく捉えています。血を流す覚悟は露ほどもありませんから机上の空論、絵空事、支離滅裂になり左翼勢力となんら変わりません。 安倍首相の元部下であり、40年近く防衛政策を立案し、防衛長の運用局長や防衛研究所長をし、防衛事務次官候補だった柳澤恭二がかつての上司である安倍首相に あんた間違っているよ!と諫言しているのに耳を貸さない。安倍首相はその辺のオタクであるミリタリーオタクか口だけ大将のネット右翼と同じレベルの脳みそなのでしょう。集団的自衛権行使は中学生が高校の勉強をマスターしないで大学受験に挑むことと同じです。
元キャプテン
2015/05/20 22:45
またテーマと関係ないお話します。
いま永田町=国会で賑わしている安保法制を巡るバトルですが・・・
結論を先に言うと安倍総理は自衛隊の最高司令官の資質・器量・能力はありません。軍事的知識はゼロです。集団的自衛権を行使したら間違いなく屍の山を築くでしょう!岡田民主党党首との論争で後方地域は安全でリスクはない? 危険が及ぶと現地司令官の判断で撤退?他国の領空・領海・領土で戦闘行動をしない?
後方地域が安全なら自衛隊ではなく、民間企業でもいいでしょう。衛生や需品の部隊は小銃は要らないのかなぁ? 危なくなれば撤退、協同作戦できないよ!同盟国から絶交ですね!
どこで軍事行動するの?日本だったら個別的自衛権で現行の法律で十分。金融の知識なしに金融・財政の政策はできません。軍事の知識なしで安保法制は無理です。釈迦に説法ですが首相は行政の責任者であると同時に軍事の責任者です。軍事的センスのない政治家は総理には不適です。国会答弁を聞いてて中学生の生徒会総会より酷い。 諺で敵の大将=安倍 敵より怖い。海外で戦死者出たり、報復のテロがあったら内閣の不信任決議案かなぁ?安倍総理も軍オタと同じレベルですか?
元キャプテン
2015/05/21 00:25
『海外の軍隊からこのような扱いを受けたことがありません。』

ここが超重要ですね(笑)遅れてるのが広報だけじゃないといいですが。
マリンロイヤル
2015/05/21 12:03
日本人は二回目の「倒幕」をしないとダメでしょう。一回目で倒したのは江戸幕府でしたが、二回目で倒すのは陸幕です。
ひゃっはー
2015/05/21 13:56
清谷様へ

ウィキペディアで記者クラブの概要を閲覧しました。
ゼネコンの談合組織と同じく閉鎖的な体質で癒着の温床、大本営発表という情報操作に騙される、公式発表をホチキスするだけで分析能力は養わない。
そこでジャーナリストとはなんぞや?と振り返ると、批判・分析し正しい情報を発信することではないでしょうか?記者クラブの方々は全員とはいいませんが、タイプライターと変わらない仕事をしています。太平洋戦争を止めることができなかったのもジャーナリストにも責任の一旦はあるのではないでしょうか。映画 連合艦隊 山本 五十六でも描かれています。記者クラブがあるなら日本に大手の新聞社は1社だけあればいい。 清谷さんも大本営だけでなく、現役・退官した自衛官とネットワークを築けばいいのでは?改革心や志の高い隊員は清谷さんを崇拝すると思いますが・・ 頭の固い守旧勢力の上級幹部には恨まれますが・・
元キャプテン
2015/05/21 14:36
清谷様

防衛省・自衛隊の情報公開度は他の官公庁と比較してどの程度でしょうか? 防衛省・自衛隊の広報マンは他の官公庁の広報マンと比較して何か違いや特徴がありますか?
なぜそんな質問するかというと具体的な情報公開の尺度がわからないからです。他の官公庁・法人と比較するのがわかりやすいからです。 個人の考えを申しますが信頼と情報公開は表裏一体です。嘘をつく人間を信用するわけないですよ。マスコミは第4の権力で為政者と同化するのは職業倫理としてふさわしくない行為です。以前のブログで提灯記事は仕事をしている意味がない! 記者クラブの方は広報要員か広告代理店に転職したらどうでしょうか?
元キャプテン
2015/05/21 22:37
清谷様

これは防衛省の意向というより、記者クラブに所属する会員社が、仲間以外の参加を嫌がることが要因ではないかと思います。

例えば、記者クラブの幹事会社に、“フリーランスの記者も入れて欲しい”旨の要請をしたら、すぐに記者クラブの体質がわかりそうな気がします。そう言えば、清谷様は以前、記者クラブの某記者に脅されたことがあったと記憶しています。「自分たちは特別扱いされる、別格名存在である」という意識があるように思います。

別に防衛省を擁護するつもりはありませんが、お役所としては余計な波風は立てたくないというのが本音ではないかと思います。
ブリンデン
2015/05/21 23:04
さてさて、報道に携わる人たちと国防に携わる人たちは兎角自己を他社と違う特別な存在と錯覚する傾向があります。
特殊な存在ではあっても特別な存在ではないのですけどね〜
八王子の白豚
2015/05/22 22:52
清谷様へ
もう知ってらっしゃると思いますが、菅官房長官が「記者の扱いは平等に行うことは民主国家として当然だ」「(北京の日本)大使館を通じ平等に扱うべきだと中国側に強く求めている」と発言したそうです。
それ、防衛省や自閉隊にも言ってもらいたいものですな(笑)
ひゃっはー
2015/09/04 23:48
>記者の扱い

おかしいなあ。平等にあつかわれていないけどなあ。ここは北京かしら。
キヨタニ
2015/09/05 09:22

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