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zoom RSS 佐藤正久さん、UH−1はC-130Hに積めるはずですが

<<   作成日時 : 2015/05/11 15:28   >>

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【ネパール内陸山岳地震にオスプレイの有用性、普天間基地のオスプレイ派遣】
http://blogos.com/article/111468/
佐藤正久参議院議員はブログで以下のように述べております。

>Cー130はCー2と違いUHー1を搭載することはできない。Cー2の早期開発と実運用が待たれる。

UH-1は空自のC-130Hで輸送できるはずですが。
以前のパキスタンでの災害救助でもそのようにして輸送したはずです。ただサイズが微妙なので積み込みにはかなりの職人芸が必要だったと派遣された陸自の隊員に聞いたことが有ります。

>標高が高く、気圧が薄くかつ気象が変化しやすい山岳地帯を越えてネパールに移動しなければならず、日本の国際緊急援助隊登録のUH−1タイプではかなり厳しい。
その点、航続距離が長く、固定翼と回転翼の両方の機能を有するオスプレイは、滑走路がなくともある程度の空き地があれば着陸可能なので、艦船輸送やネパール国際空港の混雑の影響も受けにくい。


なにか安倍政権のオスプレイ導入の正当化としか思えない主張です。
UH-1が高地での運用能力が低いのは、単発でエンジン出力が低いからです。開発される後継となるUH−Xでは双発機となります。標高の高い地域での能力もかなり改善されるはずです。UH-1が高地で使い勝手が悪いからオスプレイが必要だと仰るのであれば、専門家としての見識を疑われるかと思います

またオスプレイが長駆できるといっても、長距離をオスプレイで運ぶよりも空港に大型輸送機で物資を運んで、そこからヘリで輸送するほうがはるかに効率的です。また狭い空き地で云々ならば中型ヘリでも同じです。

佐藤氏はC-17の有用性と空自の採用を仰るならばC-2の開発はキャンセルすべきだったでしょう。
空自が輸送機にさける予算は決まっております。調達単価があまり変わらず、輸送量は半分にも満たず、不整地で運用もできず、外国でのパーツの入手や整備に難があるC-2は調達の無駄です。開発費を加えればC-2の調達単価はC-17調達よりも高くなることは確実です。

>贅沢な選択肢かもしれないが 、国内の離島対処にはオスプレイとC−1、離島以外の国内対応にはC−130とC−2、国外対応にはC−2、C−17 、KC −767を主体とする運用構想も望まれる。災害を含め事態発生時迅速な部隊展開や物資輸送は作戦運用の肝であり、輸送力の確保は統合機動防衛力の鍵でもある。

率直に申し上げて過剰に贅沢な選択肢で、現実性が皆無です。

有事の輸送やPKO、災害派遣を考えるならば、不整地運用能力がなく、中途半端なC-2は無用の長物です。むしろC-130Hの後継となるC-130J,あるいはより小型のC-27Jクラスの機体とC-17を組み合わせれば宜しいでしょう。
空自が輸送機調達で公表しているのはC-2の調達だけで、輸送機全体のポートフォリオは発表しておりません。これは極めて無責任です。

すでに何度も申し上げておりますが、オスプレイなんぞという金食い虫は調達せずに、その予算でC-130Hの空中給油型への改造機を増やす、CH-47やUH-60などに被中給油機能を付加する、C-27Jあたりを調達する方がよほど現実的でした。

加えて申せば、特殊部隊用の固定翼及び、回転翼機の航空部隊が自衛隊には存在しません。仮にオスプレイを導入するのであればUH-1、UH-60、C-130あたりの代わりに4機程度の米空軍型オスプレイを導入し、本土に配備するのであれば沖縄世論に対する政治的効果も含めてリーズナブルだったでしょう。
単にヘリより多少早いヘリの亜種を調達するために多額の予算を使い、既存装備の運用や稼働率を下げてしまうのは愚の骨頂です。

そこらの兵器フェチならまだしも、政治家であるならば予算という観点から装備の調達は語って頂きたいと思います。

そういえば、普段国産やライセス国産じゃいないと稼働率が確保できないと称する防衛装備「尊王攘夷派」の愛国者の方々は何故オスプレイのライセス国産を主張なさらないのでしょうか。すべてお上のやることは間違いないというのでしょうか。まことに持って不思議です。


東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
防衛省装備調達に欠落している"大事なもの"
兵器調達の際に「時間」「総額」の概念がない
http://toyokeizai.net/articles/-/69177

防衛省「パワードスーツ」構想は濫費である
新たに開発する必要がない理由<上>
http://toyokeizai.net/articles/-/68330
「パワードスーツ」の前に防衛省がすべきこと
新たに開発する必要がない理由<下>
http://toyokeizai.net/articles/-/68341

投資8000億円!新戦車は陸自弱体化への道
粛々と進む10式戦車調達の問題点<上>
http://toyokeizai.net/articles/-/66868
文民統制の放棄!なぜ「空母」が生まれたか
護衛艦「いずも」は、護衛能力のない被護衛艦
http://toyokeizai.net/articles/-/64841
自衛官の「命の値段」は、米軍用犬以下なのか
実戦の備えがないため派兵どころではない
http://toyokeizai.net/articles/-/63496

strong>Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました
【お粗末な自衛隊の「衛生」装備】〜チュニジアでテロにあった女性医官は「特別」なのか?〜
http://japan-indepth.jp/?p=17323
【陸自ファーストエイド・キットが貧弱な件 1】〜陸幕広報は取材拒否〜
http://japan-indepth.jp/?p=17056
【陸自ファーストエイド・キットが貧弱な件 2】〜中谷防衛大臣の答弁に違和感〜
http://japan-indepth.jp/?p=17059


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コメント(19件)

内 容 ニックネーム/日時
清谷さんって以前にはオスプレイの導入を強く奨めてませんでしたっけ?
今現在反対するのは何か理由があるんですか?
MVじゃなくてCVじゃなきゃダメって事ですかね?
地形追随レーダー位しか差はなかった気がしますが
銀むつ
2015/05/11 17:15
>銀むつさん

この記事全部読んでいますか?
キヨタニ
2015/05/11 17:19
佐藤先生は化学職種で専門はNBCで、航空機の運用や技術は素人だと思いますが・・・
現役時代の経歴を見ると化学科部隊の指揮官の経歴はありません。普通科の小・中・連隊長、幕・総監部が主体でした。
佐藤先生は防大やCGSをトップクラスで卒業した頭脳明晰ですので、清谷さんが指摘又は主張することは思い付くはずです。やはり、防衛産業の利権ではないでしょうか?NBC偵察車の開発・調達も佐藤先生の圧力や関与があったのではないかと考えられます。将官を目の前に退官し、政治家に転身したのは国防のためではなく、利権のためではないでしょうか?
野党の民主党、維新の党にも自衛官出身の議員がいると防衛政策の議論が少しはまともになり、佐藤先生も迂闊なことは言えないし、抑止力になるのではないでしょうか?野党こそ軍事の専門家が必要でしょう。
退役将校
2015/05/11 18:54
C130HにUH-1を搭載できますが、日本を発ってから現地で活動開始するまで最低8日はかかるそうで。現地で主翼の組立て作業を行いテスト飛行を経なくては、運用できないわけで。
日本からC130の給油機型を一緒に飛ばして、航続距離の短いUH-1に空中給油しながら行くとしても、相当なコストがかかるのでは?
オスプレイとの比較ですが、清谷さまはこのようなことをも考えておられるのでしょうか?

http://blogs.yahoo.co.jp/hitomarutk/34906008.html
arisawa
2015/05/11 22:47
C2キャンセルでオスプレイ購入のカネを捻り出すしかないでしょうね。こうなったら陸海空でオスプレイを分け合って、各自が何かをキャンセルしたらどうだろう。
マリンロイヤル
2015/05/12 08:26
>arisawaさん

何が仰りたいのか全く分かりません。
話の論点はUH-1がC-130Hで輸送か可能か、否かということです。

それにUH-1には給油装置はついていおりません。ぼくの書いた内容と、ご自分の頭の中のキヨタニさんの発言を混同なさっておられるのではないでしょうか。
キヨタニ
2015/05/12 11:18
いや、まさかあのヒゲの隊長閣下が、あのパキスタン派遣時に、空自のC-130に陸自のUH-1Hが搭載されて運ばれた事をご存知ないとは・・・・当時は軍研など、あちこちで積載時の写真を見ましたが、かなり縦横ともにギリギリでしたものね。これでは、いくら性能が優れていようと60JAを持ち込むだなんてムリな話だわ、と思いましたから。その後、何年か経った頃でしたかね、横田だったかと思いますが米軍のC-17に陸自のチヌークを搭載する試験が行われたのは。あちらさんは、かなり本気で売り込もうとしたのでしょうね、きっと(>_<)。でも、空自は袖にして、ひたすらC-2の開発・配備に邁進することになりますが。第3の道(繋ぎとして他の輸送機を購入ないしリースするなど)は考慮せずC-17を買うか、さもなければ国産開発するか、みたいな両極端な発想しかできないのでしょうか、空自という所は。それと、国産ないしライセンス生産しないと稼働率ガー、って、某航空雑誌のことですかね(^^)。そんな事を言ったら、100%輸入機に頼っているエアラインなんざ、一年中、機材の遣り繰りに四苦八苦しなきゃなりませんよね。だけど、実際には、そんな事態は発生していないわけで。その程度の発想も出来ない(意図的かどうかは知りませんが)専門誌とか人物って・・・・。
KU
2015/05/12 19:37
お邪魔します。
 オズプレイや大型のヘリを開けた場所ではなく、ネパールのような山岳地帯の凹地とかで使うと土煙が舞い上がって危険とか、大型ヘリのローターの気流で民家の屋根が吹き飛んだらしいとかいうのを読みました。もしそうであればオズプレイはネパール(山岳地帯)での使用には不向きという事になります。比較的小型のヘリや、情報収集や物資の輸送に限られますが最近話題になったドローンとかの方が向いているように思われます。何か「米の増産のために計画された干拓が、コメ余りになったら防災とかに目的を変えて続行」というのに似ているような気がします。
ブロガー(志望)
2015/05/12 23:06
オスプレイは自分で飛んで行けるから移動する分には手間がかからないですが、
事前に情報収集して現地当局と調整してからでないと出発出来ませんし、それには何日か期間を要します。
今回の海兵隊ネパール派遣も先遣隊が先に入って下調整した何日か後にオスプレイが現地入りしているし、
C17で運んだUH1Yもオスプレイとほぼ同時期に運用開始してます。
災害派遣の場合、国内は言うに及ばず海外であっても機種による派遣時期の差というのはそこまで変わらないと思います。
きらきら星
2015/05/13 08:19
ブロガー(志望)へ
それは諫早湾のことですよね。
池上彰氏も余りのデタラメぶりに怒っていました。
ひゃっはー
2015/05/13 19:58
ま、どうせC‐2を配備したところであちこちから問題が噴き出してUH-1が積めないとかになるんでしょうよ。
役に立つ可能性だけはあるC−2と他の輸送機、納税者に対して説得力があるお買い物はどちらなんでしょうね?
八王子の白豚
2015/05/15 00:48
キヨさんはプロ筋の批判も浴びてると。

それでも意見を言い続けるのは、ざいやとしても貴重と評価せざるをえないかと、
asd
2015/05/15 20:45
>陸上総隊司令部、朝霞駐屯地に新設へ 離島攻撃に対応

http://www.asahi.com/sp/articles/ASH5H5VT7H5HUTFK00W.html

船頭ばかり増やして、迅速に物事に対応できると本気で思っているとしたら、何とも御目出度いですね、朝日新聞は。
KU
2015/05/15 23:23
八王子の白豚様
船頭多くて舟山登る。我が日本軍は船頭多くて舟沈む。
我が日本軍はジジィと高給取りが多く、ある意味、少子高齢化の魁ですよ! 45歳で隠居モード、退職金の計算をし、若い20代の隊員に 年寄りに優しくしてねぇ!ジジィを働かせる気か!と言われたことがあります。陸士・3曹時代は曹長や1曹の生活介護、幹部時代は将官や1・2佐の知的介護、中年介護が仕事でした。 話題急転して朝霞の研究本部は1・2佐の溜まり場で、年収は1千万円前後、人件費は小規模駐屯地を超えています。会社の部長クラスのオッサンがポストの空きを待っている市場調査室みたいなところですね。それだけポストがタブついている証拠です。業界用語では高級老人ホームと揶揄しています。研究本部の人件費で1コ普通科連隊充足100% の兵士を確保できます。 老兵消え去るのみという諺ありますが、我が日本軍は老兵しがみつく!
元キャプテン
2015/05/16 12:43
>元キャプテン

あなたは高級老人ホームに入れなかったんだね
男の嫉妬は醜いなぁ
元キャプテソ
2015/05/16 16:03
別に高級老人ホームに入居したいとは思いませんが・・・
男の嫉妬とはどういう意味でしょうか?
元キャプテン
2015/05/16 22:41
問題の肝は、年齢構成、役職のバランス、人事制度です。おわかりですか?男の嫉妬とはゲスの勘繰りです。民間企業に例えましょう。あるファースト・フード店で若いアルバイトは人手不足、本社の管理職は余剰、これで経営は成り立つわけありません。軍隊も会社の経営と同じく年齢層や役職がピラミッドにならないとおかしいのではないでしょうか? それは清谷さんや財務省が昔から主張しています。組織運営や事業はヒト・モノ・カネの配分や取捨選択です。軍隊も同じです。故に経営学や経済学を勉強する必要があると主張しています。
元キャプテン
2015/05/17 09:00
しかし佐藤センセイのお話、輸送機をオスプレイ込みで4種類も運用しろ、ですか・・・・
そんな贅沢が出来るのって米軍ぐらいだと思うんですけどね〜
C130だけで大体賄える思われるので特殊部隊用にオスプレイを数機買えばいいだけではないかと。
足が短いC1、中途半端なC2は不要に思いますけどね。
八王子の白豚
2015/05/17 11:09
再びお邪魔します。

 「どの程度達成できたか、またはできなかったか」が明確でない目標が無いと合理性を追求できません。当然後から目的やゴールを変えてしまってはそれだけ合理性は低下します。「防災」が目的であれば、他にもっと(費用対効果含む)有効な手段があったかもしれません。

 オズプレイはヘリとしては本物のヘリに劣り、固定翼機としては本物のそれに劣るある意味”ニッチ”な存在です(攻防で戦車に勝る水陸両用車は無く、CTOL機に勝るVTOL機は無い?)。海上には降りられません。艦の周辺で使う対潜ヘリ等と違い、(揚陸)艦と敵とを離さねばなりません。また特殊部隊の投入ではアウェイに深く入り込みます。ですからこういった用途であればオズプレイは有用でしょうが、ヘリや固定翼機からその任務を奪う程では無いと自分は思います(本物のそれに劣るというデメリットが顕在化?)。
ブロガー(志望)
2015/05/17 13:18

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