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zoom RSS DMMニュース[チュニジアテロで露呈した自衛官の“朝日新聞嫌い”]の信用性を疑う

<<   作成日時 : 2015/04/06 13:21   >>

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 以下の記事には疑問を感じる箇所が多々あります。


チュニジアテロで露呈した自衛官の“朝日新聞嫌い”
http://dmm-news.com/article/936342/
DMMニュース 2015.04.05 07:50

>3月18日に起きたチュニジアのテロ事件で負傷をした、自衛隊中央病院所属の35歳の女性医官(3等陸佐)が事件後、報道各社に発表した自身の手記で「(朝日新聞記者が)取材をさせて下さい。あなたに断る権利はない」と書いたことが自衛隊内でも話題になっている。

 まあ、これが一般人ならそうでしょうけども、無断で渡航した陸自の将校ですからねえ。

>陸・海・空と制服の色を問わず、自衛隊批判や不祥事のすっぱ抜きが記事になれば、自衛 官たちはその記事内容は同じでも、朝日なら「攻撃態勢」に入り、産経なら「真摯な批判と受け止める」のは常識だという。

 これは人によるでしょう。これが本当であれば自衛隊はリテラシーのなんバカの集まりということになるでしょう。どこの媒体が書こうが、正しい記事は正しいし正しくない記事は正しくないわけで、そんなことが分からないほど蒙昧なのでしょうか。
 特定のメディアを盲目的に支持するならばリテラシーはゼロですね。聖教新聞や赤旗を全部信じる「宗教の信者」と同じです。少なくともそういう人はぼくの友人、知り合いにはおりませんが。

 そもそも産経新聞が自衛隊に都合が悪い「真摯な批判」なんてしてるんでしょうかね?

>そうした自衛隊内の空気感を反映してか、この3佐もその手記で「フジテレビの方にも取材を申し込まれました。お断りしようと思いましたが、今の自分の気持ちを伝え、今後の取材をお断りするかわりにこの文章を書いています」(原文ママ)と、産経新聞と縁の深いフジテレビには気遣いを見せている。

 これが事実ならば陸幕広報室、特に責任者である松永健則広報室長の責任は大でしょう。特定の媒体だけを特別扱いしているわけですから。それを世間では癒着と呼びます。
 芸能プロの広報ならともかく、公的機関の広報がそれじゃまずでしょう。

 コメント欄にありましたが、一部の軍オタがぼくの取材を陸幕広報室が拒否して当然と主張しておりますが、都合の悪い取材を全部受けなくって、産経新聞とかMAMORとかの取材だけを受けるようになったら自衛隊は監視が無くなって自壊していくでしょうね。
 お上は常に正しいというのは、それは現代人としてのまともなリテラシーが欠如しているということです。まあそういう人たちが熱心にネットに書き込んでもまともな人達は読まないでしょうし。大した問題じゃないとは思います。


 この記事で特に問題は以下の部分です。

>しかし、自衛隊の広報活動に携わった経験もある幹部自衛官(3等空佐)によると、「マスコミ対応では朝日がもっとも優遇されていた」と防衛省・自衛隊の広報対応の実情を明かす。

>「大勢の取材陣が押し寄せた際、その控え室の使用は朝日なら幹部室、稀に読売もここに 入れていました。基本的には朝日以外の社は、下士官と同等の接遇です。週刊誌だと士、  つまり兵隊の扱い。数段、軽くみる。著名な経済誌であっても雑誌なら“兵隊扱い”です」

>「朝日の記者さんに下手な対応をすると何を書かれるやわからない。だから少しでも好印象を持って頂くための策」(前出の3等空佐)。


 本当にこの人物が存在するかどうかが怪しいコメントです。
 まず内局の記者会会見室の横の待機部屋は大臣やら幕僚長などのお付の人たちが待機する場所です。また会見室の後ろはすぐに記者クラブになっており、ここにはソファーなどがあります。
 また各幕広報室には応接室兼会議室のようなスペースがありますが、これは記者向けのレクチャーにも使用されます。ですが幹部用控室とか曹用控室などは存在しません。
 発言した人物はA棟内の内局、各幕広報室にはいったことがないのでしょう。

 しかもコメントにあるほど朝日が露骨に優遇されているわけではありません。記者クラブの中で比較的に優遇されているのは朝日、読売、産経、NHKです。特にNHKはテレビで全国津々浦々まで放送されますから粗末に扱えません。

 空幕広報室では朝日は疎まれております。
 それはその昔、佐藤守元空将が広報室長だった時、彼らが私費で記者向けに用意していたビールを朝日の田岡俊次記者(当時)が何の挨拶もせずに当然のようにガバガバ飲むので、注意をしたら取っ組み合いの喧嘩となって、週刊誌ネタになりました。
 佐藤氏はその後「佐藤は男だ」ということで株を上げて出世、田岡氏はほとぼりが覚めるまで外国の安全保障関連の研究所に出向になって、本格的に軍事専門になった、という話があります(多少尾ひれが付いている可能性はありますが)。

 それが禍根となって未だに空幕広報室は朝日に対して冷淡だということです。件の人物が空自の幹部であり、広報に携わった人間ならば当然知っている話です。空自幹部といってもかならずしも広報室勤務ではなく、内局の広報、あるいは空自の部隊や学校などの広報も仕事もありますが、いずれにしてもこの話を知っているはずです。


 率直に申し上げて件の人物が空自の幹部で、広報に携わった経験ある人物とは思えません。単に面白おかしく虚偽を記者に話したのか、その存在自体が「架空」の可能性があります。

 後者の場合であれば記者としての良心に欠けると思います。確かに週刊誌などではコメント式を多用する記事が好まれます。臨場感があるからでしょう。ですが総都合よくコメントが取れないのが現実です。

 実際にコメントを取るためには普段から関係を深め、コネクションを増やしておく必要があります。これには時間も費用も手間もかかります。
 相手の立場もあるので、そのものズバリのコメントを掲載できないこともあります。ソースを示せば誰もが納得するような話はいくらでもありますが、その人物の立場を危うくするので実名を出せないことも多々有ります。
 そういう人でも真摯にお付き合いをすれば、10式の存在に否定的なぼくにも色々と話しをしてくださるわけです。自分でいうのも何ですが、ぼくは腰が低いですよ(喧嘩売られれば別ですけどね)。ですから馬鹿なNHKのスズキ徹也記者のように御しやすいと勘違いして喧嘩を売ってくるバカが耐えないわけですけども。
 またお話したいただいた内容を全部書くと、喋った人間が特定されることも多いですから、コメント含めて得た情報の開示にも非常に慎重になります。

 それでいつも苦労しているのですが、こういう安易な「コメント」を多用するような記事がでれば読者、特に内情に詳しい人間はその真偽を疑うでしょう。メディアはいつもでっち上げを行う、と。それはメディア全体の信用の失墜にもなりかねません。

 そんなことよりも、記者クラブという、排他的な組織が情報を独占し、当局と癒着していることの方が問題でしょうや。

 >基本的には朝日以外の社は、下士官と同等の接遇です。週刊誌だと士、つまり兵隊の扱い。数段、軽くみる。著名な経済誌であっても雑誌なら“兵隊扱い”です

 
兵隊扱い?随分と穏当ですねえ。事実上不可触賤民扱いですよ。ぼくらフリーランスからみれば記者クラブは皆「貴族階級」です。

 ぼくが記者会見に出てるのは外国のメディアの代表として外務省のパスをとって、FPIJに加盟しているからです。普通のフリーランスの記者、雑誌などの記者は会見にすら出られません。ですから情報を得るためにぼくらはヘレン・ケラー的な努力を要しているわけです。

 で、防衛省内では記者クラブと防衛省、自衛隊幹部との交流会みたなものや、レクチャーがありますが、ぼくら記者クラブ非会員は参加もできません。
 記者クラブが独占しております。

 例えば4月1日には防衛省のA棟の外で記者クラブと中谷大臣の花見が催されましたが、ぼくは参加ができませんでした。別に大臣と花見したいとは思いませんが、クローズの関係は得てして癒着を産みます。

 そのように「懇親」なさっているならば、よりデープな記事を書いて欲しいのですが、単なる馴れ合い、癒着になっておりませんか?むしろ情が邪魔して、あるいは当局のご機嫌を損ねるような質問をしたり、記事を書けなくなるんじゃないでしょうか。

 記者クラブ会員の新聞やテレビが企業や役所の談合を非難していますが、目くそ鼻くそを嘲笑うです。

 この件を朝日叩きで矮小化するよりも、記者クラブのことを問題にしてはどうでしょうか。

 



Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました
【陸自ファーストエイド・キットが貧弱な件 1】〜陸幕広報は取材拒否〜
http://japan-indepth.jp/?p=17056
【陸自ファーストエイド・キットが貧弱な件 2】〜中谷防衛大臣の答弁に違和感〜
http://japan-indepth.jp/?p=17059

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。

文民統制の放棄!なぜ「空母」が生まれたか
護衛艦「いずも」は、護衛能力のない被護衛艦
http://toyokeizai.net/articles/-/64841
自衛官の「命の値段」は、米軍用犬以下なのか
実戦の備えがないため派兵どころではない
http://toyokeizai.net/articles/-/63496


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コメント(8件)

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清谷様へ

質問
陸幕広報室長松永1陸佐以下広報スタッフの対応は、民間企業の広報と比べて広報マンとしての資質が劣り、民間企業ではクビか解任されるのでしょうか?清谷さんは若い頃、広告代理店で働いていた経験があるので余計、自衛隊の対応に違和感を抱いているのではないでしょうか?
情報提供
昨年、地元で海自の潜水艦が寄港しました。艦艇広報ですが。内部は非公開が原則。潜水艦は秘密の塊ですから。なんと、自衛隊の父兄会や自衛官志願の高校生を内部に案内していました。傍にいたオッサンは怒り、海自の当直士官である2尉に食って掛かりおい、特定の部外者が何で潜水艦に招き入れ、俺が中に入れないんだ!不公平だろうが!納得いく説明しろ!と胸ぐらを掴んでいました。家族だろうが志願者だろうが部外者です。現役隊員でも入れません。支離滅裂な話です。また、対応した海曹の態度が横柄で、OBとして釘を指し、当直士官に組織の看板背負ってんだから、愛想良くしろ、税金で人件費と維持費賄ってんだから、株主=納税者に行政サービスしろよ!と苦言を呈したら、逆ギレされました。不愉快になり、横須賀の潜水艦隊司令官宛に上記の件を含む苦情の手紙を出したら、いまだに返信はありません。唯我独尊の海上自衛隊です。こういう組織はいずれ崩壊するでしょう。
元キャプテン
2015/04/06 15:16
民間では責任者から主要スタッフまで二年で交代するような奇習はありません。
これでは慣れた頃には「素人さん」が着任されます。広報のプロを養成すべきです。少なからず、広報室長は任期の間、できるだけ仕事をせずに、大過なく過ごすとを目標にしているように思えます。
キヨタニ
2015/04/06 15:55
清谷様へ

御教示に感謝申し上げます。やはり、お役所仕事の保身・事流れ主義と同じですね。情報公開や説明責任という意識が他の業界よりも低いのですね。以前、ある駐屯地の記念日に遊びに行った時、某空自分屯地司令・元ファントムパイロットの2空佐が自衛隊には説明責任は求められないという妄言を掛けられたことがあります。情報公開と説明責任は信頼構築の上で初歩です。現在、働いている職場も上記のことを重視しています。信頼関係がないと仕事が成立しませんから。
元キャプテン
2015/04/06 17:55
清谷様へ
続き

クレイマーが多い市町村役場、学校、病院、デパートで働いている方が防衛省・自衛隊の対応に苦笑しているのではないでしょうか。クレームの機会を作らない、与えない、起こさない努力はしていない。オウムや全日本柔道連盟と同じカルトと五十歩百歩です。自閉隊だからか。愚問でした。 以前、提案した元自衛官を弟子入りし、軍事ジャーナリストを養成することは? 防衛省・自衛隊の広報にとっては、恐怖の畏怖で中国や北朝鮮よりも脅威になります。急所を突き、ハッタリは通用しません。現役時代、感じていた問題提起をします。しかし、政策・制度・調達・開発・人事教育の面で質を向上させる期待があります。本音を言わさせていただくと自分も清谷さんの弟子入りしたいのですが、家庭の事情で困難です。 チンピラまがいのクレーマーより元同業者のジャーナリストの方が怖いでしょう。これこそ、広報の質を向上させるのではないでしょうか?
元キャプテン
2015/04/06 18:36
自分が陸幕広報室長いや陸幕長になったつもりで清谷さんとの対応についてシュミレーションしました。
清谷さんと個室で忌憚のない会話をします。自衛隊の問題点を洗い出し、対策について助言をいただきます。解決するしないは政治の問題です。問題点を課題として自己覚知する。それが改善の第一歩です。高校時代、部活の顧問の先生が試合終了後、反省会を開き なぜ負けたのか?どういう練習をすればいいのか?自分の弱点や課題を分析させていました。旧日本軍の精神論は微塵にもありません。自衛隊は高校の部活以下なのでしょうか?
このザマだと戦争どころか試合にも勝てません。だから石破先生は試合のない運動部と揶揄するのでしょう。しかし、自衛官や防衛事務官の経験がない清谷さんが問題意識や危機感を抱くことは本来、異常なことではないでしょうか?自分も経験者として情けないと思っています。軍事のプロたる将官や1佐の方々が一介のフリー・ジャーナリストに馬鹿にされて、恥ずかしいと思わないのですかね?
転職してみて、自衛官のプロ意識の低さを感じました。兵士ではなく、迷彩服を着た武装公務員なのでしょう!公務員化した軍隊が強くなるわけないでしょう。
元キャプテン
2015/04/06 20:18
> これが事実ならば陸幕広報室、特に責任者である松永健則広報室長の責任は大でしょう。特定の媒体だけを特別扱いしているわけですから。それを世間では癒着と呼びます。
> 芸能プロの広報ならともかく、公的機関の広報がそれじゃまずでしょう。

つまり公的機関の関係者は、あらゆる媒体の記者に対して平等に取材を受けるべきだ、というのが清谷さんのご意見ですね。
あれ?清谷さんは記者クラブに反対していると思っていたのですが、違いましたか?
私も記者クラブには反対で、取材力のない記者や、捏造や曲解を繰り返すような報道倫理に欠ける記者は、淘汰されてしかるべきだと思うんです。
大事なのは提灯記事を書くのでもバイアスかかった捏造曲解でもなく、公正で論理的な視点と倫理観でしょうからね。
パンチ砂糖
2015/04/07 03:06
まあ、こういう話はどこの業界でもあることでしょう。
自衛隊だけが悪いわけじゃないですよ。
とはいえ取材する側される側双方の程度が些か低く感じる話ですね・・・
国民に愛される自衛隊である必要は無いですが、頼られる自衛隊であってもらうためにはこういったことの対応もしっかりやってもらわないといけませんね。
八王子の白豚
2015/04/07 23:10
清谷様へ

自分の住んでいる県にKENというローカルな雑誌が存在していました。社長・編集長は地元の新聞記者だった方です。清谷さんと似たような性格で執念深く、反骨精神旺盛な方です。役所、警察、学校、議員の不祥事等を暴き、ウィキリークスみたいなものでした。このような存在は抑止力になり、不祥事が激減し、サービスや情報公開の質が飛躍的に向上しました。
清谷さんは、上記の方と同じようなことをしようとしており、リスペクトしています。
持論として軍隊には応援団は要りません。無能な味方は敵より害を及ぼします。むしろ、問題点を追求することがジャーナリストの仕事です。そのことで戦力の向上が図れるのではないでしょうか? 問題点や弱点を無視・現実逃避して戦争どころか試合にも勝てません。学校の部活以下になります。
元同業者でも敵より害をもたらすクズや生活保護不正受給者同然の怠け者は存在します。そういう輩をクビ・リストラできないのが自衛隊の最大の問題点ですが・・・
まぁ、存在することに意義がある田んぼの案山子ですが。
元キャプテン
2015/04/09 17:21

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