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zoom RSS 変節漢、藤原正彦教授の品格なき二重基準

<<   作成日時 : 2014/10/28 16:17   >>

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 大ベストセラー「国家の品格」(新潮新書 2005年初版)で有名な御茶の水女子大学教授、藤原正彦氏は週刊新潮でエッセイを連載しております。
 今週の回(今書店に並んでいる号:2014年10月30日号 *明日10月29日(水)まで売られています。)は、時節柄ノーベル賞のお話でした。

 藤原正彦教授は今回のノーベル賞受賞者、中村修二氏がかつての古巣の日亜化学工業を相手に200億円の支払いを求める裁判を起こした際に、奉公人が飼い主の手を噛む如きとばかりに、朝日新聞紙上を始め、あちこちのメディアで人格攻撃を含んだこき下ろしをしておりました。

 今回もさぞや筆を極めて中村修ニ氏を罵倒しているのかと思って読んでみましたら、そんな「藤原節」は全く無く、日本の美しい風土がノーベル賞を取るような人材を産んだのだとか書き連ねておりました。

 「飼い主の手を噛んだ」中村修二氏も日本の風土が生んだんですけどねえ。

 いつの間に中村修ニ氏に対する評価を変えたんでしょうかね?
 こういうのを君子豹変というのでしょうか?


 日亜化学工業が中村修ニ氏の貢献に対しては、すでに支払った金一封の2万円で十分報いたと主張し、日亜化学工業側がさらに特許の帰属をめぐって中村修二氏が損害賠償金を日亜化学工業に支払うことを裁判を起こし、これに対して中村修ニ氏が反訴をするという形をとって受けて立って第一審が始まったという経緯があります。いわば自衛の戦いです。
 最終的には6億円の和解金で決着し、これを藤原正彦教授もさすがに認めておりました。


 ですが藤原正彦教授は奉公人たるサラリーマンは滅私奉公が当然というスタンスです。著作では武士道をやたらと持ち上げておりますが、ご自分が武士階級=支配階級であるのだという特権意識を隠そうともしていません。
 中村は卑しい商工人であるので、会社に文句を言うなという考えなのでしょう。
 
 まさかと思いますが、「ノーベル賞」という白人の旦那方がくださる賞を中村修二氏が受賞したので、中村修ニ氏に対する評価を変えたんでしょうかね。
 そういうのを世間では日和見とか、機会主義者とかいいます。美しい風土で育った我々日本人の感覚では「品格」が無い人、とみなされます。

 中村修ニ氏は毀誉褒貶があるものの、一流大学を出たわけでもなく、大企業に勤めたわけでもなく、努力と自己研鑽によってノーベル賞を取るような仕事をしました。その点は賞賛されてしかるべきです。またアメリカのような極端な個人主義はぼくも排するべきだとは思いますが、会社の売上に大きく貢献した人間に対して金一封で済ませようとするのは「品格」がないと思います。


 対して藤原正彦教授は数学の専門家として、どのような業績があるのでしょうか。あまり論文など書かれていないようにお見受けしますが。 
 しかも文壇デビューはご尊父で大作家の新田次郎の「親の七光り」による新潮社とのコネ(新田次郎氏の新潮社に対する口利き=新潮社は新田次郎氏の小説を出版していた。)です。

 藤原教授は働かなくともお父様の印税が未だに転がり込んできます。
 しかも国立大教授という地位で強姦事件でも起こさない限り、退職までの雇用と収入は保証されております。

 こういう境遇の、テメエは安全なところで飽食している人間が、徒手空拳で仕事を始め、偉業をなしとげた中村修ニ氏を罵倒するのは極めて品性に悖るとぼくは考えます。


 藤原正彦教授は資本主義を否定しています。金儲けは汚いといわんばかりの主張を行っております。ところが「国家の品格」は大ベストセラーとなり多額の印税が転がり込んできました。
 先述のように藤原正彦教授はお父様の著作権、遺産を相続し、リスクがない国家公務員として人並み以上の収入がおありになる方です。
 当然ながら物書きは余技であるはずです。

 あれほど品格だ、金儲けは汚いとおっしゃっていたのですから、「国家の品格」の印税は当然どこかに寄付でもされるのかと思っていたら、全部ポケットに入れられたようです。

 しかも「国家の品格」は日本ペンクラブでの氏の講演を第三者が書き起こしたもの。オリジナルの二次使用であり、筆も動かさなかったわけです。これが「額に汗水たらし」て得たお金でしょうか。

 印税を受け取るのは普通の行為です。

 ですが、藤原正彦教授は資本主義を否定しております。
 額に汗水たらさない儲けは品格がないと仰っていた方です。そんな人が初版以降の増刷分の印税を「汗水たらさず」「濡れ手に粟」でポッポに入れちゃったわけです。ご本人も「この本は初版を刷って終わりだな、と思っていた」と述懐しておられました。

 ぼくら職業作家は印税制が悪だとは思いません。念のため。印税をもらうのは当然の権利だと思っています。ポッとでの新人でも本が売れれば、大きな収入を得られます。この業界年功序列で収入が上がるわけでも、大学教授のように一生収入が保証されているわけでもありません。

 繰り返しますが、藤原正彦教授はそういうシステムを否定している人間です。
 主張と行動が相反しております。
 これを世間では二重基準と呼んでおります。

 ご主張の対象に、ご自分は入っていないのでしょうか。


 対して脳トレのゲーム・ソフトで大ヒットを飛ばした川島隆太東北大学教授は、本来ならば約24億円の印税を受け取ることができたのですが、それを受け取らず、東北大学に寄贈しました。
 「私の家族はみな私に腹を立てているが、お金が欲しければ自分で稼ぐようにと言っている。」「うんざりするかも知れないが、私の趣味は仕事だ。」
これが川島教授の弁です。


 銀の匙を咥えて生まれ、偉そうに上から目線で天下国家を語りつつ、自分は金儲けに邁進する輩と、どちらに「品格」があるのでしょうか。

 学者は学校から世間に出たことがないので社会性が無く、世間の常識に疎い傾向がありますが、藤原正彦氏はその好例です。

 偉そうにご高説を垂れたいのであれば、まず大学を辞して、親の遺産をすべて寄付し、物書きとして筆一本で稼いでからにして欲しいものです。


【2005年01月11日 朝日新聞 紙面】
青色LED訴訟、和解 計8億4000万円 中村修二氏と日亜化学
(朝日新聞デジタル) 2014年10月6日
http://digital.asahi.com/articles/SDI201410066927.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_SDI201410066927




【国家の品格】藤原正彦教授は現実主義者か、共産主義者か@ 清谷信一公式ブログ
2006/02/14
http://kiyotani.at.webry.info/200602/article_15.html


【国家の品格】藤原正彦教授は現実主義者か、共産主義者か A 清谷信一公式ブログ
2006/02/15
http://kiyotani.at.webry.info/200602/article_16.html


【国家の品格】藤原正彦教授は現実主義者か、共産主義者かB 清谷信一公式ブログ
2006/02/16
http://kiyotani.at.webry.info/200602/article_17.html


【国家の品格】藤原正彦教授は現実主義者か、共産主義者か C 清谷信一公式ブログ
2006/02/17
http://kiyotani.at.webry.info/200602/article_18.html


【国家の品格】藤原正彦教授は現実主義者か、共産主義者か D 清谷信一公式ブログ
2006/02/18
http://kiyotani.at.webry.info/200602/article_19.html


【国家の貧格】川島隆太教授の品格 藤原正彦教授の品格  清谷信一公式ブログ
2008/02/07
http://kiyotani.at.webry.info/200802/article_7.html


藤原正彦教授、こういう手合いが蔓延する社会がお望みですか。  清谷信一公式ブログ
2006/07/04
http://kiyotani.at.webry.info/200607/article_2.html


【月刊サイゾー連動企画】藤原正彦 坊やの品格  清谷信一公式ブログ
2006/05/20
http://kiyotani.at.webry.info/200605/article_19.html


【ライブドア上場廃止】ミソも糞も一緒くたな非難、ってどうよ? その2 識者の品格 
清谷信一公式ブログ
2006/04/17
http://kiyotani.at.webry.info/200604/article_19.html




Japan in Depth に以下の記事を寄稿しました。
【防衛駐在官の質の向上を図れ】〜外務省出向システムでは機密情報が防衛省や内閣府に届かない?〜
2014/10/12
http://japan-indepth.jp/?s=%E6%B8%85%E8%B0%B7%E4%BF%A1%E4%B8%80


東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。

【NEW】オスプレイ選定の不透明、対抗馬は商用機?
防衛省は「複数候補から選んでいる」と強弁
2014年10月26日
http://toyokeizai.net/articles/-/51614

御嶽山への自衛隊派遣、口を挟むとサヨク?必要なのは事実に基づく冷静な議論
2014年10月05日
http://toyokeizai.net/articles/-/49744


戦傷者は「想定外」という、自衛隊の平和ボケ
「国内では銃創や火傷は負わない」との前提
2014年09月17日
http://toyokeizai.net/articles/-/47994


結論ありき」で高額な兵器を調達する怪
防衛省概算要求に隠された問題<前編>
http://toyokeizai.net/preview/dd9c698dc49dbfafe1fdddad129294461604ead0




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2014/11/15 18:45
公安と読売新聞を使って前川元次官を落とし入れようとした菅官房長官のいやらしさ。
まるで戦前の日本みたいですね。 政権に不利な発言をする元高官の「出会い系バーに頻繁に通っていた」という「弱み」を探って、番犬「読売新聞」にリークして、あたかも犯罪を犯した極悪人化のような印象操作。 政権、秘密警察、メディアが一体化しての陰謀の様相です。 ...続きを見る
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2017/06/01 20:14

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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
あまり関連が無いのかもしれませんが、一つ気になっていることが有ります。
国内メディアと海外メディアでは、ネット上での記事の保存について、相違があると思います。国内は記事が1ヶ月程度で消えていたりもしますが、海外はずっと残っています。
清谷様は、これらメディアの報道姿勢についてどのように思われますでしょうか?
よろしくお願いします。
T
2014/10/28 21:36
藤原某はどうでもいいけど、中村氏って今はアメリカ国籍を取得してアメリカに住んでいてアメリカで研究をしてるんじゃなかったですか?

日本のマスコミが日本人の快挙として取り上げてるけど、あの人はもうアメリカ人なんだからあんまり日本日本言うのはいかがなものかと。

伝え聞く中村氏の性格と日本を出た経緯から考えると今回の日本の大騒ぎには内心「ケッ!」と唾でも吐きたいのではないでしょうか?
ましてそれに便乗して一稼ぎしようという輩には「くたばりやがれ!」ぐらい考えているのではないかと。

まあ、3博士のおかげでLEDができて照明器具は格段に性能向上したので、賞賛を惜しむものではないですけど、この騒ぎが何か見てて白けるものを感じました。
八王子の白豚
2014/10/29 02:02
こういうセンセイが、田沼意次は悪人で、松平定信は名君だ、ということを教科書に書くんでしょうね。あほらし。
ひゃっはー
2014/10/29 07:26
この御方の価値観、信条等がわかりません。
一体、世間に何を訴えたいのか?
自分の周囲でも支離滅裂、気まぐれな方いました。まぁ発言と行動が反対ですので、信頼されず孤立していましたけど・・ 知識を自慢し、お前、そんなものも知らないのか?と人を見下す。言っていることに整合性がない。持論とハッタリだけ! そっくりですよ!藤原教授と!大言荘語の面は!
決しておべんちゃらではありませんが清谷さんの主張に毎回共感しています。一貫性のある主張や誰にも媚ない性格です。悪い表現だと反骨精神旺盛です。ジャーナリストは反骨精神がないとだめなんですか?自分も天の邪鬼な性格ですので、テレパシーを感じます。
元キャプテン
2014/10/29 10:23
>ネット上での記事の保存
確かに不便ですね。恐らく将来何か商用化したいときに備えてのことでは。
キヨタニ
2014/10/29 12:56
この大センセイのことはほっといて、清谷様が記事の中で取り上げた会社の株を買ってみました。
ひゃっはー
2014/10/29 15:10
お邪魔します。
 お言葉ですが別に変節漢でも二重基準でも無いと自分は思います。かつて中村氏をこき下ろしたのは「共同体(会社)に楯ついた」からであり、今そうしていないのは「共同体(日本)に名誉をもたらした」からだと思います。要するに「共同体(ムラ)への貢献または忠誠」が評価基準なわけで。「得る物(利益や名誉等)は個人ではなく共同体(ムラ)のものとし、それから個々に分配する。分配は能力や実績よりも共同体内の序列が優先される事もしばしば」が今の日本の実態なのではないかと思います。スポーツ団体でも選手ではなく役員がふんぞり返っている場合もあるようですし。
ブロガー(志望)
2014/10/29 22:34
白人様>自分>武士道=共産主義>その他大勢の日本人

このセンセイの基準
ひゃっはー
2014/11/03 12:19
藤原正彦氏についてはよくわかりませんが、中村氏に関しては事実誤認があるようなので、余計なことかもしれませんが、一筆。
わずか2万円で手打ちという報道が一人歩きしておりますが、日亜化学は彼を役員並待遇し、破格の給料を支払っております。アメリカの会社と比較すると少ないですが、日本の上場企業と比較しても遜色ないと思います。あまり知られておりませんが、彼の会社への貢献は、自分の発明した方法で量産できていると吹聴したことです。これによって敵会社の製品開発が遅れた結果、日亜は企業的に成功しました。彼の方法で青く光るのも事実ですが、それでは製品化はできないそうです。中村氏の部下が、中村氏の中止命令に背きコツコツと研究した成果が後日実ったものです。地元ではよく知られている事実です。日亜化学側は何もいいませんが、阿南市民の心境も複雑なものがあります。彼の現在の奥方も元阿南市民ですから、発言すると色々差しさわりが出来てきます。あまり、大手マスコミの情報ばかりを信用すると、真実を見失うこともあります。
通りすがり
2015/02/05 10:50
根拠のない決めつけが多い意見ですね
藤原さんと直接対決してほしいと思います
さくら
2017/03/17 02:41

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