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zoom RSS 日本はロシアの代わりに仏揚陸艦を購入せよ、は空理空論・我田引水

<<   作成日時 : 2014/08/05 10:11   >>

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 さて、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 ぼくは先週金曜日から風邪を引き、時差ボケで眠れないこともあって結構悪化しておりました。皆さんも夏風邪には十分ご注意のほど。
 

プーチン大統領を懲らしめる1つの手段は、世界の武器市場へのアクセスを絶つことだ。ロシアは米国に次ぐ世界第2位の武器輸出国であり、今年になって56億ドル相当の軍装備品を売却している。欧米資本はロシア海軍の増強を阻止するためにも売り手に最大限の圧力をかけるべきだろう。

 過去数年間の無数の報道によれば、ロシア政府がミストラルを極東に配備する可能性があるとされている。こうした海軍増強の表向きの狙いは、架空の日本の脅威からロシアの施政下にある千島列島を守ること。だが本当の目的は中国が海軍・空軍の近代化を継続していることを踏まえて、北東アジア航路におけるロシアの海軍力を維持することにある。


【オピニオン】日本はロシアの代わりに仏揚陸艦を購入せよ
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304180804580064852762860746

 これは欧米の利益に日本が奉仕せよという話です。

 ウクライナの政権に関して言えば、前政権も現政権もヤクザや、詐欺師、悪徳政治家、極右のゴロツキの集団であるのは変わりません。
 欧米がウクライナ現政権を支持するのは自分たちに都合の「いいゴロツキ」だからです。かつて米国が中南米のゴロツキ独裁者やらサダム・フセインを応援と同じ論理です。

 先のファンボローの航空ショーでは実はロシアのメーカーの重役たちが軒並み、参加できなかった。これは英国がビザを出さなかったからです。
 こういう嫌がらせは大人げないにも程があります。次回からファンボローにロシアの出展がなくなるかもしれません。そうなればただでさえ地盤沈下しているファンボロー航空ショーにとって由々しき事態となります。


 そんな欧米の身勝手を日本がお説ごもっともと追従する必要はありません。
 同じ事言っている連中がイスラエルの軍事行動は正当化しているのも


 ですが、アプローチの方法ではこのミストラル二隻を日本が買うことも可能です。

 日本がミストラル2隻を購入すれば、島々が脅威にさらされたときに援護の兵員やヘリコプターを輸送できるようになる。昨年一番艦が進水した2隻のいずも型ヘリコプター搭載護衛艦を補完することにもなるだろう。ミストラルを追加配備することで、東シナ海で領有権が争われている尖閣諸島を守り、北方海域での強い存在感を維持する能力を得られる。ロシアと中国が軍事力を増強しているなか、日本の軍事的信頼性を維持する能力が強化されることだろう。

 この部分は「ロシアと中国が軍事力を増強しているなか、日本の軍事的信頼性を維持する能力が強化されることだろう」を除いて正しい。
 ロシア太平洋艦隊なんぞボロボロです。この先10年単位の時間をかけてもかつての威容を取り戻すことは不可能でしょう。

 防衛省最大の問題は時間という概念がないことです。次の海自の護衛艦が設計され、戦力化されるには長い時間がかかります。多少不満はあっても2隻のミストラルは魅力があります。何よりも時間が買えます。オスプレイだのAAV7だの役立たずの玩具を買うカネがあればミストラルを買うべきです。
 併せて高速揚陸艇のLCATなども調達すれば宜しい。ついでにミルの中型ヘリを調達するのもいいでしょう。オスプレイ1機の予算で5〜8機程度は買えるでしょう。


 ロシアに対するアプローチとしては、中国の脅威が高まっているからおたくのミストラル2隻を売って欲しい、おたく様はまた2隻発注すれば宜しいでしょう、と持ちかければ角が立ちません。で、フランスに追加発注を確実に履行することを日本政府が保証する。
 これならばロシアのメンツも立ち、欧米のメンツも立ちます。

 実はロシア国内でもミストラルの発注には反対の勢力はあります。
 ロシアがミストラルの導入を決定したのは自国の軍事産業のあまりのダメさが原因のひとつとなっています。ミストラルやその他の外国製装備を導入することで自国のメーカー達に危機感をもたせようとしたわけです。国内のメーカーやつるんでいる政治家は面白くありません。

 ミストラルという「ロシアから装備の導入」の実績は今後のロシアと日本の防衛部門の可能性に含みをもたせられるでしょう。
 
 ミストラルを運用して、結果がよければライセンス生産してもいいでしょう。ミストラルはフランスでは商船部分はコストの安いポーランドで製造しています。同じように商船部分は今治造船のフィリピン造船所でつくって、その後の仕上げを三菱重あたりにやらせればかなりコストは下がります。
 これをフィリピンやベトナムなどに供与してもいいでしょう。

新しい防衛航空宇宙専門サイトを始めました。
「東京防衛航空宇宙時評・Tokyo Defence & Aerospace Review」

http://www.tokyo-dar.com/

strong>NEXT MEDIA "Japan In-Depth"[ジャパン・インデプス]に以下の記事を寄稿しております。
NEW<海上自衛隊のシーレーン防衛はフィクション>日本には戦時に守る対象となる自国の商船隊が存在しない
http://japan-indepth.jp/?p=6994

<バーバリーと三陽商会>ファッション業界「ライセンスビジネス」の怪
http://japan-indepth.jp/?p=6198
<防衛産業も営利企業>政府は防衛産業の持続可能な利益確保の必要性を国民に説明すべき。
http://japan-indepth.jp/?p=5052

<武器禁輸緩和>安倍政権は「防衛装備生産基盤の危機回避」という本意を国民に説明せよ
http://japan-indepth.jp/?p=5014

<200億円の海自P-1哨戒機>性能も怪しい高コスト機の開発ではなく現有機の近代化を
http://japan-indepth.jp/?p=4818

朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました
NEW国連加盟は憲法違反である
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014061900005.html?iref=webronza

国益のために国内ヘリ産業を潰すべきだ
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014051200007.html?iref=webronza

ロシアとウクライナが簡単に刀を抜けない理由
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014041500002.html

知られざる日本発のクールジャパン的ヒット商品「エア・ソフト・ガン」はなぜ市場を失いつつあるのか?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014032400011.html



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http://d.hatena.ne.jp/masousizuka/mobile?guid=on&date=20140624


この記事だと、日本円に換算して1機あたり約30億円ですか・・・・。オスプレイ1機分の予算で2〜3機くらい買えるのでしょうかね。仮にそうなれば、自衛隊向けの改修を施したとしても、十分、お釣りがくるような。どうせロングボウを追加購入する気がないなら、中国への牽制も兼ねて大人買いしちゃえば良いのに。
KU
2014/08/05 23:01
まあついでと考えると悪くもないですね、日本は先進国なのに造船でもなんとか食っていけてるから技術自体はそれなりだろうけど、最終的に国産にするにせよお手本はあったほうがいいですし。
中国包囲網とか言うならロシアとちょっとは仲良くしても悪くはない。
Trident
2014/08/06 21:27
揚陸艦ウンヌンは与太話にしても、ロシアが北海道を攻撃しても、NATOは自動参戦条項があるが日米安保には無い、オバマは何もしないでしょう。欧米と対ロシアで同一歩調をとる義理は無い。
マリンロイヤル
2014/08/07 09:40
大石さんのブログへも書かせていただきましたが、今日発売の軍研9月号の「顔」欄に、三菱重工防衛・宇宙ドメイン営業総括部特殊車両営業部長の岡崎隆氏が出ておられます。インタビューの最後にて機動戦闘車のファミリー化の話や73式装甲車の後継車種を提案するという話とともに、「AAVの欠点である水上航行速度や珊瑚礁を乗り越える能力に制約もありそうです」と発言されています。これは、水陸両用車を自主開発する意思表示とも受け取れるのですが、三菱はどこまで本気なのでしょうか?
KU
2014/08/09 22:05
お邪魔します。

 たかだか揚陸艦二隻では欧州に何の支援にもならないと思います。問題は欧州がロシアの天然ガスに依存し過ぎた事、またその状況でロシアの「外堀」であるウクライナに手を出したという事ではないかと思います。『未来世紀ジパング』で専らロシアに輸出してきたウクライナ東部の列車の車輪工場が、イタリア製の機械を入れてEUへの輸出を目指すといった事が報道されていましたが、欧米は「時間をかけてウクライナのロシア依存度を下げる」べきではなかったかと(短期的にはロシアも得をするように見える形で)。

 またウクライナが微妙なバランスで成り立っているというかまとめる事「自体」が難しい国ではないかと思います。だから思いきった経済振興策も腐敗(ゴロツキ共)一掃もできなかったのでしょう。政府側にも親ロシア側にもゴロツキがいるため収集がつかなくなってきているので、うっかり手を出せない状態になっています。またマレーシア航空機撃墜事件が起きた今(航空機も無いのに長距離対空ミサイルを持っても問題を起こすだけ?)、「漁夫の利を得る」ような事も難しいのではと思います。ですから日本は「かつて領土保全と引き換えに核兵器を出させたにも関わらず、後出しじゃんけんでそれを反故にした事は許されない」という原則的な立場を貫くべきだと思います。また「欧米がウクライナやイスラエルやイラクに目を奪われている時を狙って中国が仕掛ける」事にこそ警戒すべきではないでしょうか。
ブロガー(志望)
2014/08/10 11:15
防衛省では重工とロッキード・マーチンを組ませて次世代の水陸両用装甲車を開発させよう、という構想もあるそうです。
キヨタニ
2014/08/10 11:52
>>重工とロッキード・マーチンを組ませて

早速、ご返答いただき有り難うございます。LMというと、米海兵隊にパトリアAMVベースの「ハボック」を提案(正式採用されたのでしょうか?)していますが、いっそのこと、同車を採用しても良さそうな気がしますが(何でしたら、陸自が構想中の機動師団や旅団向けにまとめ買いしても。陸幕が嫌がるなら、せめて水陸機動団向けに)。何せ、実績もあるし完成度も高いし、全幅は2.8mだし、道交法上も問題なさそうに思えますが(全幅のデータは「図説アメリカ海兵隊のすべて」より)。
KU
2014/08/10 12:28

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