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zoom RSS 2014年6月パリ日記その5 三菱の新型装甲車画像

<<   作成日時 : 2014/06/18 05:52   >>

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会場では試作車輛が走行したり、内部のストラクチャーを紹介するデモ・ビデオが公開されました。日本の防衛産業としてはかなり思い切った情報公開です。写真はOKだけど動画の撮影はNGとのことでした。
かなり車体前方が長いのは機動戦闘車のストラクチャーをかなり流用したからとのこと。
また全幅が3メートル近いのもそのためでしょう。確かに最近は横幅がこの程度の装甲車が増えましたが、国内で使用するのはどうでしょうか。英国でも横幅制限は2・6メートルだそうです。
実際国内で使用する前提ならば横幅は2.6〜2.7メートルで、増加装甲を付けて2.8メートル程度じゃないでしょうか。自衛隊車両に対する規制を緩和する必要はありますが、平時の移動の際にあまり横幅大きいと困ると思います。
以前コマツの設計者に聞いたのですが、2.5メートルと2.6メートルでも設計上は大きな差があり、随分と泣かされたそうです。

機動戦闘車も普通科と共同作戦を行うのはかなり剣呑ではないでしょうか。
何度も申し上げておりますが、ぼくは、機動戦闘車は新型8輪装甲車のファミリーとして計画すべきだったし、また主砲も105ミリではなく、76ミリなどもっとと小さな口径を採用すべきだったと考えております。76ないし90ミリ程度であれば射撃時の反動も小さく、より横幅も小さく、また6×6でも可能だったでしょう。何よりも調達・運用コストが低減できます。またであれば、C130などでも輸送が可能で空輸性が高くなります。

空輸といえばC-2の開発遅延が問題となってますが、ペイロードが26トンから更に下がる可能性もあります。その場合機動戦闘車を空輸する際にはモジュラー式の付加装甲などをとりはずさなければならなくなるでしょう。

こういう機体を震災復興のための補正予算で調達するのはあまりに非常識でした。
空幕の当時の担当者は良心が麻痺していたんじゃないでしょうか。
まあ、40億円の救難ヘリを23.7億円程度で調達できると吹聴しておいて、値段を下げるすべはありませんとうそぶくような組織ですから、納税者の立場にたって考えるなどできない風土があるのでしょう。
このまま輸送力に穴が空いても、C-2の完成を待つんでしょうね。


ファミリー化の派生型ではない、専用車体の機動戦闘車が大量に導入されれば、運用コストも極めて大きくなり、陸自の予算を圧迫することになるでしょう。

ユーロサトリ関連の情報はぼくが新しく始めた防衛航空宇宙専門サイト、「東京防衛航空宇宙時評・Tokyo Defence & Aerospace Review」で紹介します。

http://www.tokyo-dar.com/

 このサイトはプロ向けを意識した専門サイトで、現状かなり不完全な形の試験版なので、、もう少し整えてから公開しようと思ったのですが、せっかくユーロサトリに来ているので、拙速を尊ぶで、まずは公開することにしました。




strong>NEXT MEDIA "Japan In-Depth"[ジャパン・インデプス]に以下の記事を寄稿しております。

<バーバリーと三陽商会>ファッション業界「ライセンスビジネス」の怪
http://japan-indepth.jp/?p=6198
<防衛産業も営利企業>政府は防衛産業の持続可能な利益確保の必要性を国民に説明すべき
http://japan-indepth.jp/?p=5052

<武器禁輸緩和>安倍政権は「防衛装備生産基盤の危機回避」という本意を国民に説明せよ
http://japan-indepth.jp/?p=5014

<200億円の海自P-1哨戒機>性能も怪しい高コスト機の開発ではなく現有機の近代化を
http://japan-indepth.jp/?p=4818

朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました
国益のために国内ヘリ産業を潰すべきだ
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014051200007.html?iref=webronza

ロシアとウクライナが簡単に刀を抜けない理由
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014041500002.html

知られざる日本発のクールジャパン的ヒット商品「エア・ソフト・ガン」はなぜ市場を失いつつあるのか?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014032400011.html





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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
C2は、高高度高速の民間航空路を飛ぶ戦術輸送機というコンセプトがそもそもマチガイで(笑)空自の幹部が開発予算確保のために、無理やり創ったコンセプトが破綻してたんですよ。欧米でこういう輸送機が無いのは、大きいカーゴドアが必要な輸送機では高高度高速での強度確保が難しく、搭載量の大幅減で実用性が無いと判断されてるからでしょう。
マリンロイヤル
2014/06/18 06:57
清谷様

取材、お疲れさまです。今年は天候に恵まれているようですね。現地ではビデオが公開されているということは、既に試作車はできあがっており、ある程度、社内テストを行っているということなのでしょうか。

しかし、日本の防衛産業で防衛省側からの研究開発要請がないのに、独自に戦闘車両を開発したのは、異例ですね。
ブリンデン
2014/06/18 08:00
初めまして
清谷先生いつも先生のブログ拝見させて頂いております。
今日は1つ疑問がありまして質問させていただきたいと思います。
今回発表の新型装輪装甲車は26年度より開発の装輪装甲車(改)に採用されることを考えて開発したのでしょうか?
もしそうでないのならなぜ三菱が多額のお金をさいてまで製作するのか分かりません。
三菱がこの車両を制作した意図等先生がわかる範囲でお教え頂けると恐縮です。
たく
2014/06/18 09:35
陸自の次期装甲車は意識しているものです。が、仕様に合わせてこの試作車をモデファイされるでしょう。事実上機動戦闘車のファミリー化と捉えていいかもしれません。
キヨタニ
2014/06/18 15:03
スケールモデルと比べても、何となく間延びしている印象ですね。ところで、この車体には兵員用のスペースは設けてあるのでしょうか?
それにしても、機動戦闘車をベース(と言い切って宜しいのですかね)としているとはいえ、自己資金で開発を行うとは、三菱もだいぶ思いきった事をしましたね。本来なら、官側が技術面や資金面でバックアップするのでしょうが、今回の場合、官(というより技本)が介入せずにいることで、フローティング・シートやVハルなどを取り入れた試作車輌を製作出来たのかもしれない、と勝手に想像してみました(スケールモデルの車体上にあるRWSは、どこのメーカーの製品を想定しているのですかね)。

>>自走迫撃砲

随分、コンパクトに出来ていますね。このサイズだと高機動車へも改造なしに搭載できそうな気がしますが。ところで、砲身全体を覆っているのは冷却装置でしょうか?
KU
2014/06/18 20:55
ユーロサトリの生情報、非常におもしろく拝見しています。
ところで「事実上機動戦闘車のファミリー化」とのことですが、さすがに足回りは、簡略化されているんでしょうか?、機動戦闘車は砲の反動を吸収するために、かなり足回りに金かけて複雑なものにしていそうですが、APCにそこまでの必要はなさそうですが。
またレポートには油圧サスの前輪駆動とあります。これ「全輪駆動」の間違いですか?
(まさか本当に前輪駆動だとしたら、ちょっと驚きです)。
それとレポートには底部用のV字型増加装甲もあるとのことでしたが、もともとの最低地上高が大して高くなさそうなので、増加装甲付けると高さが足りなくなるような気がします。そのあたりが、仕様によってモディファイされるっていうところでしょうか?
PAN
2014/06/18 21:57
清谷先生お忙しい中お答えして頂きありがとうございました。
先生のお答えでやっと疑問が解けました。
先生本当にありがとうございました。
たく
2014/06/18 22:07
>前輪駆動
全輪駆動の誤りです。
足廻りはかなりMCVとは異なるようです。
キヨタニ
2014/06/19 01:36
マリンロイヤル氏
AMC-X計画の要求を知らないんですか?
間違ってるのはアナタですよ。
核融合
2014/06/19 02:25
核融合さん
どう間違ってるのか、ぜひご教示いただきたい。
マリンロイヤル
2014/06/19 13:18
キヨタニ様

お忙しい中、コメントありがとうございます。
いずれより詳しい(出せる範囲の)レポートを楽しみにしております。(軍研あたりへの寄稿でしょうか?)
新しいサイトにある他のネタも、興味深く読ませていただいております。
PAN
2014/06/19 18:48
気になったんですがRPG防御はスラットとネット併用のようですね、これはどちらも搭載可能という意味でしょうか(輸入品ベースなら車体からの間隔が異なるはずです)
ちきてり
2014/06/22 05:41

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