清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所 

アクセスカウンタ

zoom RSS 補助金で年収500万円保証して起業促す? 役人は起業を舐めているんじゃないですか?

<<   作成日時 : 2014/05/11 14:45   >>

ナイス ブログ気持玉 19 / トラックバック 0 / コメント 3

5月から起業家を募り、7月から資金を支給する。最大で2年間、起業家の生活を保証
する。開業率を飛躍的に向上させたフランスのサルコジ前政権を参考にした施策だが、企
業家精神と安定した生活の保証の両立が課題になるとみられる。


補助金で年収500万円保証 政府、起業促す
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGC02010_S4A500C1MM8000/?dg=1

 率直に申し上げて馬鹿なんじゃないですかね。こんなことを考える奴は。
 始めからお上に頼るようでは事業を軌道に載せるのは難しいでしょう。
 企業舎弟やらヤクザに制度を悪用されることも予想されます。

 起業の経験者として言われてもらえば、ナンセンスの一言です。この記事で紹介されたその他の案も浮世離れしています。
 このような案を作った人達は起業といえば上場を目指す、という幻想があるのではないでしょうか。
 ラーメン屋でも洋服屋でも始めて、店一軒で喰っていこうというのも起業なんですけどね。偉い人達にはそんな視点は無いようです。

 マクドナルドのオーナーはマクドナルド兄弟はレイ・クロックに会社を売ったのですが、それが今のマクドナルドです。マクドナルド兄弟は会社を売る条件として自分たちの1号店だけを手元に残したました。彼らは会計士や弁護士に囲まれて、数字をいじるような商売はしたくなかったからだと言われております。
 カネのためだけに商売をやっている人間だけではない、というわけです。
 まあ、ぼくにしても金儲けだけを考えているいるなら、物書きなんてやめています。
 


 起業家を増やすならばら、収入保障よりやるべきことがあるはずです。

 まず詐欺を取り締まること。
 現実問題として警察は数百万円程度の取り込み詐欺ではまず動きません。
 支払いが遅れているだけだろう、民事不介入だと嫌がります。
 ですから信用取引のリスクが極めて大きい。とても法治国家とは言えません。

 それから賃貸契約のコストが高いことです。
 店舗や事務所を借りる際に20ヶ月とか30ヶ月とかいう高い保証金を取られることが多々あります。これは賃貸料を払わない店子を強制的に排除できないからです。
 警察は動かないし、裁判起こしても時間もコストもかかるし、下手をすると判決文なんか役にもたたずに丸損の可能性もあります。

 また、店子側は高い保証金を払うことだけではなく、その保証金が返ってこないことがあります。例えば資本金300万円で起業して、10万円の賃貸物件で商いを始めるときに保証金を20ヶ月とられると残りは100万円です。資金繰りが悪化して生き残りが難しくなります。
 この高額な保証金は外国の小売業の国内市場参入の障壁になっています。政府は外国からの投資を増やしたいといいますが、これなんて対してカネを掛けずにできることです。
 
 何しろ法律をきちんと整備して、きちんと運用するだけのことです。これまた法治国家としてまともなことをやるだけでのことです。それで兆円単位のカネが流動するようになります。


 もう一つは、ボーナスです。
 現在役員のボーナスは法人税を払った後からしか取れません。当然所得税、住民税も払いますから税金が実質二重に取られます。
 また役員報酬は年に1回しか変えられません。これだと極めて柔軟性がありません。
 例えば給料が1千万円の資本金300万円の社長の会社で、売掛先が倒産して、予定していた売上が減ってしまい、1千万円の利益がでるところ、300万円の赤字になったとしましょう。
 そうなれば債務超過になりますから、金融機関はまずカネを貸してくれません。

 しかも政府はかつてサラ金規制をやって、カネを借りるすべを制限しました。これでウシジマ君的なヤミ金が増えたんじゃないでしょうかね。

 大げさに言えば、年利5パーセントの金利で、貸してくれるかくれないか分かるまで時間がかかる、あるいは貸してくれない金融機関よりも年利100パーセントですぐに貸してくれる街金のよほどましです。
 たった一ヶ月、一週間の資金が手当できなくて倒産している企業は少なくないでしょう。 実際に回りでも、黒字倒産をしている話はよく聞きます。ウチはサラ金でカネを借りたことはありませんけども。
 金利は高くても、リスクを取ってカネを貸せるようなシステムを作るべきです。今だって「異次元の金融緩和」とかいってもそれ、どこの惑星の話ですか、てな感じです。


 先に述べたように、現状では役員報酬を下げて、ボーナスで調整することが極めて困難です。過小して常にボーナスがが大きくなれば、トンデモなく高い所得税を払うことのにな
 大体役所じゃあるまいし、1年後の売上が正確に分かったら苦労はしません。

 また、儲かっても税金を二重取りされるので、モチベーションも湧きません。
 役員報酬を過小に設定すると法人税、事業税が実質的に極めて重くなります。

 起業しても1千万とか2千万円程度の収入だと重税感しか感じらません。まるで儲けると罰則を受けているような感じで、起業を妨害しているしか思えません。


 金融機関が機動的カネを貸してくれないこともあり、中小零細企業の役員は自分のカネを会社に貸すことが少なくありません。この点を考慮すれば少なくともある程度の貯蓄が可能な程度の税金の免除もあればかなり助かります。
 まあ、儲かったカネを銀座で使ったり、高級車買ったりする社長さんもおりますが、こういう人達は大抵その後会社を畳んでいます。一部にこの手人達がでるのはしょうが無いでしょう。

 
 役員のボーナスに対する実質二重課税を止めれば、中小零細企業の資金繰りがかなり楽になりますし、モチベーションも高くなるでしょう。

 所得保障よりも、例えば起業して10年間は所得税も法人税も無税にするとか方が合理的だと思います。

 こういう政策は予算が欲しい役所が、商売の経験のない役人とこれまた商売の経験のない学者と、せいぜい例外的に大成功した起業家を「有識者」として起用して一緒に作っているのでしょう。役所の予算は増えるでしょうが、起業家と、生き残る新興企業にとっての振興策としては極めて魅力が薄い政策です。
  


月刊ZAITENに「防衛産業はやりたい放題」を寄稿しました。

ZAITEN (財界展望) 2014年 05月号 [雑誌]
財界展望新社
2014-04-01

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ZAITEN (財界展望) 2014年 05月号 [雑誌] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル









テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 19
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
新聞記事に脊髄反射せずモトネタを調べてから記事にすべきでは?

清谷スレで早くも突っ込まれてますよ
シュピーゲル
2014/05/11 18:38
>>事業化可能な技術シーズがあること、十分な経営能力を有すること等を条件とする予定です。

こんな事、事前に分かる人なんかいるわけがない。
マリンロイヤル
2014/05/11 23:38
お邪魔します。
 「摩擦や軋轢を起したり、既得権益等を侵すような事はできない。しかし何かやってる”ふり”をしないと怠慢と批判される」から、こういった「一見何かをしているようで、実質何もしない」事をするのだと思います。あくまで「仲間内の和を保つ、その時その場の摩擦を避ける」事が”全て”ですから。特に素人民主党政権が不和や軋轢を起しまくった後なので。
ブロガー(志望)
2014/05/18 22:52

コメントする help

ニックネーム
本 文
補助金で年収500万円保証して起業促す? 役人は起業を舐めているんじゃないですか?  清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所 /BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる