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zoom RSS 「当たり前」の感覚がマヒしている防衛省 世間には通じない内輪の「常識」

<<   作成日時 : 2014/04/09 11:19   >>

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 ジャーナリストの桜林美佐氏が面白い指摘をしています。

「当たり前」の感覚がマヒしている防衛省 (1/2ページ)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20140407/plt1404071833005-n1.htm


「例えば、『不具合が生じたから急いで直してくれ』と言われれば、どんな企業でも飛んでいきます。そこで、どこがどの程度悪いのかじっくりと見るわけですが、耳を疑ったのは、この時の作業は経費として認められないのです」

 担当の裁量にもよるだろうが、契約をしていないのに工数を認めることはできないというのだ。これは「契約前修理」呼ばれている。

.
小規模の企業は、地方部隊などで公募があった場合、直接見に行って、次の時に書類を受け取り、さらに後日、説明会に行き…と、入札に参加するには足を運ぶ回数があまりに多いため、「少額の品物ならば、この時点で赤字です」と苦笑する。



 こんな馬鹿げたことは防衛省では多々行われております。その他担当者の印鑑をもらうのに例えば富士学校、市ヶ谷、赤羽などに行脚しなければならない。これに丸々2日はかかります。当然人件費はかかるし、時間もかかります。こんなことは防衛省の内部で書類を回せば済む話です。
 ところが「出入り業者」を呼びつけるのが当たり前で、疑問を持たないわけです。


 市ヶ谷の人達は民間人の動く時間や労力は只だと思っているフシがあります。

 また自分たちの不注意で生じた不具合を、きちんと調べもせずに納入業者のせいにして、すべての該当品を取り替えろと主張したりします。逆らうと後々面倒だし、意趣返しを恐れて唯々諾々と従う業者も少なくありません

 当然ながら決められたレートの仕事をしていれば、利益が大きく減ります。このためメーカーでは工程数を水増しするなどして利益を増やしているし、商社も決めたた数パーセント程度のマージンでは赤字になりますから、利益を増やしています。これまた公然の秘密です。

 それを止めろと強制すれば、雪崩を打って撤退する業者が続出するでしょう。


 以前も書いたと思いますが、海自の掃海・輸送ヘリMCH-101や練習ヘリTH-135などが諸外国のユーザーや国内のユーザーに較べて稼働率が低い。これも原因は海自の官僚主義にあります。この件は防衛省内部でも理解されており、改善が検討されているようです。
 ところが自衛隊応援団は「だから外国製はダメだ、国産にべきだ」などと短絡してしまいます。


 非効率な官僚主義こそがコスト高の大きな要因です。
 ところが永田町のセンセイ方はえてしてこのような事実を知りません。
 防衛に関しては市ヶ谷の「大本営発表的ご説明」だけを唯一の情報ソースにしているからです。

 で、ウィキペディアあたりも参照にした「ご説明」用の資料を元にこれが防衛省・自衛隊の実態と思い込んでしまいます。ですから防衛装備輸出に関しても現場感ゼロの官僚作文になっています。

 このような防衛省の抱える問題の具体例をどんどん報道していくことこそが、防衛産業と、防衛力の強化につながります。

 


 
NEXT MEDIA "Japan In-Depth"[ジャパン・インデプス]に以下の記事を寄稿しております。

<200億円の海自P-1哨戒機>性能も怪しい高コスト機の開発ではなく現有機の近代化を
http://japan-indepth.jp/?p=4818

朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました

知られざる日本発のクールジャパン的ヒット商品「エア・ソフト・ガン」はなぜ市場を失いつつあるのか?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014032400011.html

月刊ZAITENに「防衛産業はやりたい放題」を寄稿しました。

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先細る防衛産業 中小こそ輸出のチャンス 国はバックアップを

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市ヶ谷の人々は、ダンボール箱に入れて郵送すればいい物でも、取りに来させるんだそうです。それで、企業はその経費を入札価格に上乗せして入札してくるものだから、防衛省は自分で自分の首を絞める結果になるのです。

やはり、市ヶ谷の人々は金正日になりたがっているのではないのでしょうか。つまり、地方人が市ヶ谷にやってくる様子をビルの上から見下ろして優越感に浸っているんですよ。
ひゃっはー
2014/04/09 14:07
海自の営門の心得みたいな文書に「商人の出入りは」ウンヌンと書いてあって、まだこんな意識なのかと呆れた覚えがあります。
マリンロイヤル
2014/04/09 15:58
守屋スキャンダル後商社&取引先海外メーカーには強制的に利益の開示を求めているはずです。サービス(日本流サービス)を劣化させても、事業撤退しないのは各商社の親方日の丸への忠誠からでしょうか?
ちきてり
2014/04/10 02:24
ほとんどどこの国でも一般人ですら当たり前の感覚は麻痺しているがな。
誰だってそうだと思うが
〈〉
2014/04/11 13:04
お邪魔します。
 「軍事関連は所詮穢れ仕事」という観念から離れられず、それに加えて「(予算規模をとっても)自分達はアメリカ(軍)の足元にも及ばない」なので、普通の人が普通に持つ仕事への誇り・矜持といったものが持てないのでしょう。例えば清谷様にとって軍事ジャーナリストという仕事は「飯のタネ」ですが、「日本の安全保障等に貢献したい」という意識を持ってやっておられるのでしょう。「単なる金稼ぎ」なら「防衛省とかの太鼓持ち」をやっても良いわけですから。普通の人が普通に持つ仕事への誇り・矜持といったものが持てないから、出入りの業者をいじめたり、政治家や一般国民とかに事実では無い事を教えたりしなければ、当人の「心のバランス」が保てないのではないかと思ったりします。

 話は変わって、北朝鮮の無人機が韓国に侵入しました。我が国に中国の無人機が侵入してくるのも時間の問題でしょう(もうしていた?)。ですから屯田兵部隊に航空隊を作り、そこにターボプロップの攻撃機を配備して無人機対策に当てたらどうでしょう。自衛隊は国よりも自己防衛・組織防衛に一生懸命ですし、海保は「うちは警察、軍事などという穢れ仕事なんかしない」でしょうから、ここはやはり屯田兵部隊の出番だと思います。滑走路は広域農道の使えそうな場所を改修して確保して(日本では高速道路よりも広域農道の方が転用し易いのでは)。
ブロガー(志望)
2014/04/12 12:04

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