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zoom RSS  「死の商人」とは

<<   作成日時 : 2014/04/03 16:55   >>

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 1日に武器輸出に関する見直しが閣議決定され、それに先立つ内閣府のレクチャーに参加してきました。

 よく世間(朝日新聞などのメディアも含めて)では兵器を製造する企業を「死の商人」などと脊髄反射的に非難することがありますが、これはいかにも大人げないでしょう。

 というか、かなりナイーブです。


 我が国は兵器・武器の世界有数の輸入大国です。
 兵器を売るのは悪いけど、買うのはいいのでしょうか。

 武器輸出を「死の商人」と非難する人たちが、輸入する側を「死の消費者!」と糾弾することを見たことがありません。

 こういっては何ですが売春は非道徳的だが、買春は倫理的にOKといっているようなものです。

 それに問題なのは自国で開発できない国から兵器を買う権利を奪うことが正当化できるか、ということがあります。
 例えばA国とB国があって、A国は自国で開発して戦闘機を持っています。ところがB国は開発できません。戦闘機の輸出が非道徳的と許されないのであれば、B国は戦闘機を持てません。

 A国は戦闘機が持てないB国から容易に制空権を奪え、侵略は容易になるでしょう。
 また実際に戦争にならなくても、A国はかなりB国に対して様々な要求を突きつけることができるでしょう。

 ところがB国が戦闘機を輸入できれば、A国とB国の間では軍事的な均衡と抑止力によって「平和」が保てます。

 B国が戦闘機を持たない場合と持った場合、どちらが「平和」でしょうか。
 
 「武器輸出は『死の商人』だ!」

と、頭ごなしに糾弾する人達はこのように具体的なことを考えていないのでしょう。
仮にそのようなことも考えた上での武器輸出を否定するのであれば、兵器の作れない国は死ね、といっているようなものなのですけども。


実際問題としては武器輸出によって、紛争が起こることも、それがエスカレーションすることもあり、先進国が武器供与を外交の手札に使ったり、途上国支配に利用するケースも多々有ります。
この事実を否定はしませんが、武器をすべて禁輸すれば世の中が平和になるというのは
空想に過ぎません。武器輸出のメリット、デメリットを良く議論すること必要でしょう。

ところが政府もメディアもそのような情報をあまり開示したり、報道したりしません。
ですから観念論が幅を効かせているわけです。

またデュアルユースに関しては事実上野放し状態です。
我が国しか供給出来ないコンポーネントや工作機械などが堂々と外国の軍隊や軍需工場で使用されています。

また一方で優れた国産兵器は禁輸さえなければたちまち世間を席巻するというのもイリュージョンです。実戦経験もなく、市場でも揉まれたこともなく、基礎研究費用や実験費用もロクに使わないで、海外の情報もまともに収集しないで優れた兵器ができるものでしょうか。

また国内市場ではロクに収益が上がりません。収益がなれれば研究開発も、設備投資も、従業員の教育もできません。

このような現状を保守派の論者は、防衛産業は儲け度外視でやっていると浪花節というか、演歌の耐える女的な自体を美化することが多いのですが、そんな状態が長年続けば、まともな製品、ましてや最先端の製品なんぞつくれるわけがありません。

先日日本飛行機のハンガーが潰れて日米の哨戒機などがダメージを受けましたが、ハンガーは建設後60年も経っておりました。ハンガーを立て直すという「設備投資」をしていれば防げた事故でしょう。

国内のメーカーの生産設備はかなり老朽化しているのが現実です。


兵器輸出に反対にしろ、賛成にしろ冷静に現実を見つめて議論をすべきです。
それができていない一因には防衛省の秘密主義があります。他国では当然開示すべき情報を握りこんで出さない。だから町場ではファクトをベースにした議論が盛り上がらないわけです。ですから防衛省は積極的に情報を公開すべきです。

例えば「MAMOR」のような広報誌では自画自賛だけではなく、もっと議論のデータとなるような情報の開示や防衛省や自衛隊の問題点も取り上げるべきでしょう。
提灯記事を書き飛ばすことが広報の仕事じゃないはずです。





朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました

知られざる日本発のクールジャパン的ヒット商品「エア・ソフト・ガン」はなぜ市場を失いつつあるのか?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014032400011.html

月刊ZAITENに「防衛産業はやりたい放題」を寄稿しました。

ZAITEN (財界展望) 2014年 05月号 [雑誌]
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2014-04-01

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月刊WEGDE4月号に以下の記事を寄稿しています

先細る防衛産業 中小こそ輸出のチャンス 国はバックアップを

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※このコンテンツはカラーのページを含みます。カラー表示が可能な端末またはアプリでの閲覧を推奨します。


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コメント(28件)

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ダメなものはダメ

これは土井たか子氏の言葉ですが、この記事を読んでも同じことを言うと思いますよ。
ひゃっはー
2014/04/03 18:49
朝日新聞の記事を読むと、メーカーとしては今まで実戦で使われることを想定していなかったようですよ。
朝日の記者は自覚してないでしょうけど、かなりのぶっちゃけ話だと思います。
国産兵器推しの方々はどう思われますかね。
最近のオピニオン欄では、古庄・元海幕長のインタビュー記事がありましたけど、興味のない人でも理解しやすいものでした。
本当に玩具でしかないもので任務をさせる現状の日本こそ「死の商人」ではないでしょうか。

2014/04/03 23:02
お疲れ様です。
んー、土素人感覚ですみませんが、
ウリ的には、重要・主要な兵器売却関係の継続によって、当該国間に軍事的つながりが強く出来てしまう、ということは、私の国日本にとっては危険なことではないのかなぁ、と感じるのが率直なところ。フランスやイスラエルの客を食うのであればまだしも、米国の客を食ってしまうようになると、、、必ず奴らは臍を曲げ、3倍返しだ!どころじゃないでしょう?
で、まずいところだけ日本に押し付けるようになるのは見え見えで、、、
unomari
2014/04/04 01:22
トヨタが世界中で車を造らなければ交通事故は格段と減り死傷者はぐんと減るんでしょうな。
トヨタ
2014/04/04 18:57
お久し振りです。

確かに、自衛隊の国産装備に問題がないとは、とても言えません。

しかし、私の手元にあるイランMODLEXやDIO、インドネシアのPINDAD社の武器輸出カタログや価格表の
バックナンバーを眺めると年を追うごとに国産装備が充実しています。
それに、以前にも述べましたが、インドネシアは、軽火器の類が供給先に困らず、しかも性能的にもまずまずなセルビア製AKより、遥かに高くつくにも関わらず、敢えて、自動小銃の国産を行っている事例も有ります。
また、イランは潤沢な石油や天然ガスの現物を使えば、北や中国から、幾らでも武器弾薬や関連技術等
を入手できるにも関わらず、何故、国産装備の開発を行っているのか、その事を考えるべきではないでしょうか?
技術は自分で、試行錯誤しなければ身に付かないし、国内にもお金が落ちます。
それに短期決戦でケリを付けるならば、海外からの装備を購入し、備蓄すれば良いでしょうが、イランイラク戦争の際、サダム フセインはテヘランを3か月で陥落させると豪語していたにも関わらず、極端な長期戦に陥った事例もありますから。

あ様は、国産装備を玩具同然だと言われますが、
インドネシア製自動小銃は先に述べた通りですし、
イランが誇る国産装備の中には、玩具どころか、お笑いのネタにされている物すらあります。
しかし、インドネシアはアチェ等で、イランは、イラクとの戦争やレバノンやシリアで、親イランのヒズボラ兵が供与されたイラン製装備で、血みどろの戦いを行っています。
彼等からすれば、苦しい戦いを支えてくれた国産装備は誇るべきものではあり、この教訓から、国産装備を疎かにする事が、自国の存亡に影響する事を弁えているのではないでしょうか?


チャイカ
2014/04/04 21:43
私にとって自衛官は同胞ですから、可能な限り有利な状態で作戦遂行できるのが望ましいと思います。
実戦を想定しない兵器は自衛官への侮辱でしょう。

2014/04/05 16:23
ブログ主は別に国産装備自体は否定していませんよ。
どこの国でも国内開発にはメリットとデメリットがあるが、日本の場合デメリットが大きすぎる。
国産装備を疎かにしているのは他ならぬ防衛省自身と国内メーカー。
だからこの現状をなんとかせいとブログ主は訴えているわけでしょ。
きらきら星
2014/04/05 21:21
チャイカ様にちょとお聞きたいのですが、あなたは現場の自衛官に向かって「技術を身につけて、国内にお金を落とすためにも、問題のある国産装備を使ってくれ。それは誇らしいことだ」と言えますか?
ひゃっはー
2014/04/06 12:52
拙投稿に対し、皆様方からの手厳しい御指摘有難う御座います。

確かに現場で任務に就く、自衛官には、最も優れた装備を供与したいのは、当然です。
しかし、装備の維持等についても、重要でしょう。
最新鋭装備で有っても、維持等が手に余るようであれば、論外でないでしょうか?
最盛期のソ連陸軍機甲兵は、当時最新鋭のT-64戦車の維持等が難しく、遙かに性能が劣るものの、維持等が容易い、T-55戦車を「古い友人」と呼んで、重宝していましたから。

それから、海外から装備を調達やその後の維持等に、付きまとうのが、政治や外交の壁です。
国連の武器禁輸や自国の影響力行使の為、紛争国同士を天秤に掛けて、有利な方に装備等を供与する場合があります。
一例を挙げるならば、台湾海軍は新しい潜水艦が喉から手が出る程欲しいにも、関わらず、北京の妨害で入手できません。
これから、日本が装備を導入する場合にも、同様の事態が予想されるでしょう。
米国ですら、中国ロビーにしてやられていますから、それ以外の諸国の場合は…。

ひゃっはー様の問い掛けに対し、レスしますが、
先に述べた事例で、装備が入手できなくて、戦う以前に敗北するよりも、劣性の国産装備で有っても、ないよりは遥かにマシです。
某アニメの名言ですが、「所詮、戦いは人間が行うものですから」

最後に、武器=悪と言った日本のような例外を除けば諸外国、取分け途上国国民にとって、国産装備は、誇るべきものでしょう。
国産装備は防衛のみならず、工業水準等のシンボルであります。
先進国よりまだまだでも、我等がこれだけの物を成し遂げる事が出来た。
我等は、着実に自分の足で歩んでいるのだと…。






チャイカ
2014/04/06 21:44
チャイカ様へ
私の質問に正面から答えて頂けないことが何とも残念ですが、あなたの主張には矛盾があります。
それは、あなたは問題のある国産装備であっても無いよりはマシだから、現場の者に使わせればいい、といったことをコメントしていましたが、ではソ連戦車兵が問題のあるT−64よりもT−55を使用していたことを、どのように説明されるのでしょうか?

また、我が国が海外から装備の調達等を行う際に、政治や外交の壁に阻まれた具体的な例としては戦闘機の電波妨害装置やソースコードを挙げることができますが、調達先や視野を広げれば有利な取引を行うことはできるでしょう。これは、清谷氏が過去に何度も記事にしています。
ひゃっはー
2014/04/07 08:54
ひゃっは−様からの再レス有難う御座います。
誠に申し訳ございませんが、拙投稿が要点を得なかったので、もう一度レスします。
維持管理や補給について、T-64とT-55戦車の例えを使い、述べました。
性能が遥かに劣るにも関わらず、ソ連戦車兵に取って、T-64戦車より、T-55戦車の方が、維持管理や補給等が容易かったからです。
それから、御質問の「技術を身につけて、国内にお金を落とすためにも、問題のある国産装備を使ってくれ。それは誇らしいことだと、現場の自衛官に言えますか」ですが、既存の海外装備より、劣っていても、調達や補給等の為、敢えて国産装備にしました。
しかし、我等は借り物でない、装備を築き上げる事ができました。試行錯誤しつつも、自分の足で歩んでいることは誇りに思いませんか、もし、現場で問題点が有ったら、改善し、より優れた装備を供給します。
となら、言えるでしょう。
尤も、私はそのような立場にないのですが…。

ひっっはー様に再び延べたいのですが、
スカルノ時代のインドネシアも帝政イランも、外貨がないと言うわけでなく、資源や地勢等の理由で、海外からの装備導入が可能でした。
具体的には、前者はMig21戦闘機やTu-16爆撃機、後者はF-14やF-4戦闘機等の第一線級装備を揃えていました。
しかし、革命や戦争等でその能力を生かしきる事は出来ませんでした。
なかんずくイランは革命とその後のイラクとの戦争の際、装備調達や補給に困窮し、苦しい戦いを行わなければなりませんでした。
両国とも資源や地勢等の理由は変わっていないにも関わらず、補給等で苦しんだ過去の教訓から、国産装備の充実に余念が有りません。
「維持管理や補給」等の面から、国産装備は重要では無いでしょうか?
それに数多くの途上国が防衛産業の振興に努めているのは…。
チャイカ
2014/04/07 15:31
チャイカ様へ
今まで陸自が主要装備品において現場で問題点が有ったら改善し、より優れた装備を供給したことがあったでしょうか。むしろ現場で問題点が有っても放置し、調達を中止する場合がほとんどだったではないですか。
また日本は自衛隊発足以来、革命や戦争が起こったことは無いにも関わらず、F−15やOH−6の稼働率が高い一方で、国産のバイクや指揮通信車の稼働率が低いことを、どのように説明するのですか。
ここまで来た以上、はっきりと言いましょう。
あなたは、技術を身につけて、国内にお金を落とすためにも、問題のある国産装備を自衛隊に使わせるべきだ、と考えている以上、内心で現場の人間をバカにしているのではないのでしょうか。そんな人から国産装備品に誇りを持て、などと言われたくはありません。
違う、と言われるのであれば今までの妄言はすべて撤回されて、もう一度基礎から勉強されてはどうですか。あなたはイランやインドネシアの装備のことを調べている場合ではありません。
ひゃっはー
2014/04/07 18:50
T-55、T-64は実戦を想定して造られた兵器です。
はなから実戦を想定していない国産兵器とはちがいますよ。
新旧、優劣の問題ではないのです。

2014/04/07 21:53
妄言ですか。
だったら、嘗ての日本や途上国は、どうなりますか。
先に述べた理由で、自分たちの装備体型を築く過程で、海外の既存の装備より、割高で、明らかに性能が劣るものでも、
採用しているものは
有ります。
例外を除けば、途上国の装備品は、先進国をベンチマークしていますから。
その一方、彼らは国産品に誇りを持っています。
ここまで成し遂げた、次はもっと優れたものを作っていくと

それから、戦後日本は、熱戦こそ経験しませんでしたが、一触即発のあの恐ろしい冷戦下であったことをお忘れではないでしょうか。

後、装備品の改修ですが、調達中に64式小銃ですらAからCに改修されています。
ただし、そのペースが遅いのは問題ですが。

チャイカ
2014/04/08 13:57
チャイカ様の意見をまとめますと

技術を身につけて国内にお金を落とすためにも、自衛隊は問題のある国産装備であっても使うべきだ。それで現場が文句を言ってきたら、海外からの装備の導入は政治と外交の壁があるから無理だ、無いよりはマシなんだから我慢しろ、所詮、戦いは人間がするものだから、装備の良し悪しなんか気にするな、国産バイク等の稼働率が低くても戦争が始まったら国産品の稼働率は向上するから問題ない、イランやインドネシアはクズな国産装備に誇りを持っているから、お前たちも見習うべきだ、などと言って説得すればいい。

といった所になるのでしょうか。
これを妄言あるいは暴言と言わずして、何というのですか?
ひゃっはー
2014/04/08 15:58
新興国が当面の採算性を度外視しても自国の兵器産業を育てるには意味があります。
ですが、問題は投資に見合う成長があったかどうかでしょう。明らか性能に対して価格が高いのであれば、持続的な発展は不可能です。

たとえば我が国ではヘリは未だにまともな国産ヘリが開発できず、機体3社、エンジン2社がBK117を除けば防衛省に寄生しています。同じ敗戦国のイタリアとはエライ違いです。

これは単に価格だけの話ではなく、性能面も同じです。性能的にも怪しい装備を長年に渡って無批判に買い続けることはメーカーをスポイルします。

現状残念ながら我が国では国産装備を調達するという手段が目的化しているように思えます。
キヨタニ
2014/04/08 16:29
チャイカ様へ
あなたはなぜ、イランやインドネシアの防衛産業が小銃を国産しているのか、それによって最大の利益を得るのは誰か、両国には日本のような天下りや利権に関する問題はあるのか、といったことを調べたことはありますか?ありませんよね。それどころか、毎回「その事を考えるべきではないでしょうか?」といった一文で他人に下駄を預けて、御自分は逃げていますよね。そうやって何も分かっていない状態で、兵器のことを語ろうとするから御自分のコメントが醜い自己矛盾を起こすわけなのです。
 繰り返しますが、あなたは今までの妄言をすべて撤回されて、もう一度基礎から勉強するべきです。兵器のカタログを読んだだけでは、勉強したとはいえません。困ったときには、清谷氏に聞いてみたり、本を推薦してもらえばいいではありませんか。まあ、清谷氏は当然、自分の書いた本を薦めてくるのでしょうけれど(笑)
ひゃっはー
2014/04/09 07:36
確かに投資と成長は重要です。
両国とも、資源等で支払い能力が有るものの、リソースは無限ではないですから。
しかし、再三述べますが、ジャカルタが何故、セルビア製AK(一番安い物)の3倍近くも払って、自動小銃の国産化を行うのか、テヘランに至っては、価格や性能どころか、実用性について、お笑いのネタにされている物すら、国産化しているのは、過去の苦い教訓があります。
なかんずくイランは革命とその後のイラクとの戦争の際、装備等の入手に困窮しましたから。
国防の為、必要な装備がなければ、最終的には「敗北=死」しか有りません。
その為、彼らが、不安定な輸入ではなく、割高で、性能が劣るにも関わらず、装備の自給自足に尽力するのは当然です。
また、両国とも国産装備を揶揄したり、バカにしていません。
特に後者は、国産装備を誇らしげにしています。
プロパガンダの要素も大きいのですが。
結局の所、この問題はコストとリターンのみならず、彼等の国家戦略等も関係しているのでしょう。

それから、防衛産業はどこでも、政府の管理下で、軍や準軍事組織と密接な繋がりが見られます。
中には、商談担当者が現役軍人ですらありました。
これは現場と調達・対外供与部門が、情報や人のやり取りを行っている一例ですが、それを天下りや利権と言うならば、もう何もいえないです。

最後に装備に関する情報を得るには、現物や部品を手に、関係者と討論する、実際に現場に行き、稼働状況等を確認するのが一番です。
しかし、ブログ主様と異なり、いち民間人の私はそのような立場に属していません。
とは言え、当該国の防衛産業が発行するカタログや価格表は貴重な第一次情報で、公文章に属するものであります。
ブログ主様のレポ等と併用すれば、学びを深めるには役立ちますから。

チャイカ
2014/04/09 13:25
もう少しシンプルに考えられませんか。
武器輸出をして国際市場で揉まれて実力をつけたほうがいいわけです。
メーカーは実戦を想定していなかったと言っているわけですから、現状のやり方では「死の商人」にすらなれないでしょう。

2014/04/09 23:51
チャイカ様の主張は要するに「イランやインドネシアのように、日本も国産兵器の導入・開発に力を注ぐべきだ。それで多少自衛隊の戦力がダウンして、現場の自衛官の尊厳を傷つけても構わない」ということなんですよね。
それではまるで説得力がありません。
自説に説得力を持たせるには、イラン革命やイラン・イラク戦争がイランの防衛政策や防衛産業にどのような影響を及ぼしたのか、日本は当時の情勢とどこが似ていて、どこが異なるのか、そこからどのような教訓が得られるのか、といったことを具体的に述べないとダメでしょう。ちなみに、清谷氏は南アのアパルトヘイト政策が、同国の外交・防衛政策・兵器産業にどのように影響を与えたのか、そこから日本は何が学べるのか、といったことを記事にしているので、参考にされたらどうですか。
「イランやインドネシアがやってることを、日本もやろう」では「欧米人はパンを食べているから、日本人も米食をやめてパンを食べよう」と同じではありませんか。そんな短絡的な主張を、これまた短絡的な理由で自己正当化しようとするから、あなたの意見は妄言でしかないわけです。
ひゃっはー
2014/04/10 07:40
皆様方の御指摘通り、私の投稿文はシンプルではないところが有りましたし、説得力不足な所は否定しません。

本題に入ります。
欧米諸国と緊密で、ソ連とも関係が有った帝政イランは、潤沢なオイルマネーで、米英ソ西独の第一線装備を多角的に輸入し、運用していました。
具体的には、陸がM60、チーフテン、BMP-1、M113、
海がアルバンド級フリゲート、空がF−4、F−14等です。
既に国産装備は有りましたが、軽火器類(G−3小銃類)等で、これとて西独の支援を受けて生産されていました。
皆様方が有る意味理想とする装備体系かも知れません。何しろ一国に偏らない第一線装備を多角的に
導入し、運用していたのですから。
しかし、79年のイスラム革命で一変します。
ホメイニ師率いる革命イランと欧米諸国、なかんずく米国とは大使館占拠事件後、烈しい敵対関係となりました。また、イスラム色が濃厚な革命にソ連も警戒しました。
武器輸出国の顧問が撤退し、補給支援が途絶えると、まだ防衛産業が整っていなかったイラン軍は、
残された装備の運用が覚束なりました。
そして、国内の混乱を隣国の独裁者に目を付けられ、戦争を吹っ掛けられます。
イラン、イラク戦争です。
仏ソの支援を受けたイラクの機甲軍団に、イランは人海戦術等で挑まなければならず、莫大な犠牲を
払いました。
装備を入手したくても、先の状況下、応じてくれたのは、中国、北、ブラジルでしたが、北を除き、イラクと二股を掛けられ、しかも、借款等ではなく、現金買いしか有りませんでした。
戦いは88年に停戦となりました。
戦後、軍備立て直しが必要でしたが、敵対関係にある欧米諸国の助力は得られませんでした。


チャイカ
2014/04/10 22:04
ブログ主様には、連投申し訳ございませんが、
続けます。
しかし、ペレストロイカに入ったソ連(ロシア)と関係を戻し、Mig29戦闘機、キロ級SS等、民主化後のポーランドからはT-72MBTを導入できました。
ところが、米国の圧力で、装備の導入が再三、中断することが見られました。
彼等からすれば、このような過去の教訓から、装備の自給自足を図るのは、当然でしょう。
日本がこの事例から得られるのは、近所に境界争いをしている独裁国等があり、難癖を付けれられて、喧嘩を吹っ掛けられてもおかしくないです。
また、海外から多角的に新鋭装備を導入しても、供給先が、対立国と二股にかけたり、足元を見られ、不利な取引条件を飲まされる事でしょう。
尤もイランと違い、日本には、同盟国がいるのですが、先方は…。
ですから、国産装備の充実が必要です。
後、性能が劣り、割高な装備を支給された将兵の尊厳を損ねるですが、それなら、嘗ての日本や途上国はどうなりますか。
例外を除けば、途上国の国産装備は先進国をベンチマークしているのですから。それにあの戦いで、装備に困窮し、殉じていったイラン兵たちを思うと、国産装備は絶対に疎かに出来ませんから…。
チャイカ
2014/04/10 22:12
できるだけ兵器の国産化をすることをぼくは否定しませんん。特にコアな技術に関しては尚更です。北朝鮮の核ミサイルなんぞはその成功の好例でしょう。
我が国の場合、そこそこカネも技術もあるのに、使い方が残念で、まともな装備が開発できないことが多いのが問題です。
ですからいつもぼくはR&D、試験、情報収集にもっとカネとリソースを突っ込め、総花的はみんな大事という建前はやめて取捨選択をしろと主張しているわけです。
最大の問題は防衛省の官僚主義と当事者意識の欠如であり、資源を浪費して出来の悪い装備を調達していることです。であれば輸入の方がナンボもまし、というわけです。
キヨタニ
2014/04/11 11:28
イランの現代史を紹介してくれたチャイカ様には感謝したいのですが、国産装備の充実が必要だというのは、一面の真実でしかないでしょう。
同国の歴史からは、一国に偏らない第一線装備を多角的に導入し、運用すれば全体主義国家の侵略を抑止することができる、という教訓が得られます。ゆえに、日本は引き続き日米同盟を堅持するとともに、イギリス、韓国、オーストラリアとの連携を深めてよい装備を導入し、周辺の全体主義国家の侵略を抑止するべきだ、ということにもならないでしょうか? 戦いに勝つためには、まず敵の謀略を封じることだ、次に重要なのは相手の外交関係を壊すことだ、という孫子の兵法は今でも通用するのです。

それから、嘗ての日本、特に特攻専用機なんぞを作っていた大戦末期の日本は現場の人間をバカにしていたと言っていいでしょう。実用性においてお笑いのネタになるような国産装備を配備しているイラン軍も同様です。もちろん、ろくに連射もできないような国産機関銃を未だに配備している防衛省も、現場をバカにしていると言わざるを得ません。そうした現状を無視・温存して、国産装備を導入しろ、というチャイカ様の主張は妄言あるいは暴言です。
ひゃっはー
2014/04/11 13:32
極めて長い論争になりましたが、結局、
結論は、内外の現場を渡り歩いているブログ主様が述べている通りでしょう。
装備の国産化、なかんずくコアな技術に関しては、
否定できないが、現状は資金と技術の采配に問題があり、研究開発等の振興、取捨選択等が必要だと。
但し、どのように行うかは、最終的には、当該国の国家戦略=政治と言うしかないです。
私が冒頭で述べた通り、自衛隊の国産装備に問題がないとは、とても言えませんが、技術は自分で、試行錯誤しなければ身に付かないし、国内にもお金が落ちませんから。

最後にひゃっはー様が神風特攻隊の事について、触れられていますが、当時の絶望的な状況を思えば、とても現場の人間をバカにしているとは言えません。

問題はそのような事実が有った事を記録し、その教訓を活かすには、どうすれば良いかです。
これはイラン軍やわが防衛省の装備体系整備も同様
ですが、私より彼等の方が、遙かに心得ているでしょう。
これ以上述べても堂々巡りになるだけですから、これで幕引きとします。
折角、結論をブログ主様が出して下さりましたし、
これ以上続けても、御迷惑になるだけですから。



チャイカ
2014/04/12 05:25
建設的な議論は歓迎なので別に問題はありません。
それは自分の意見を見直す機会にもなるし、他人
がどのように考えているかを知る機会でもあります。
キヨタニ
2014/04/12 13:29
チャイカ様へ
話は堂々巡りなどしていません。少々、話がそれた部分もありましたが、あなたが御自身の主張が妄言であることを、頑として認めようとしないから、堂々巡りしているように見えるだけです。
私は、イランやインドネシアを除く外国は問題のある国産装備を導入していないから、自衛隊もそれに従うべきだ、という根拠に基づいて言っているわけではありません。あなたの主張があまりにも常識を無視した妄言であることを指摘しているのです。

ところで、もしもイラン・イラク戦争時にイランがお笑いのネタになるような、実用性の低い装備を配備していたら、イラクの攻撃を撃退できていたと思いますか? 私は出来なかったと思いますよ。
ひゃっはー
2014/04/12 20:40
チャイカさんの特攻隊についての認識を知って謎が解けました。あなたの考えには一貫性が確保されています。
私が当時に遡っても特攻隊を全面的に否定しているので、お互いの視点はかなり違っているはずです。あなたの視点から見ればそのように考えるのは矛盾しません。

2014/04/13 00:36

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