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zoom RSS イスラエルへの武器輸出は可能か?

<<   作成日時 : 2014/03/16 12:45   >>

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 政府は14日、武器輸出三原則を全面的に見直す新たな原則案で、中東紛争へ関与する可能性が指摘されるイスラエルへの武器や関連技術の輸出は可能となるとの見解を示した。自民党本部で開かれた安全保障関連部会の合同会議で政府担当者が「イスラエルは(禁輸対象国に)入らないだろう」と述べた。

イスラエルへの武器輸出可能 新原則案で政府見解
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2014031401001910.html

 民主党政権当時の森本敏元防衛大臣は、フジテレビのプライムニュースで国連憲章に則ればイスラエルに輸出は可能だと発言、佐藤正久議員もこれに同調していましたが、それはどうなったんでしょうね。

 国連憲章に沿うならOKであれば、集団的安全保障の行使も、国連軍参加も何の問題もないような気もしますし、自衛隊を軍隊にしてもよろしい訳です。それならそもそも現在の武器禁輸自体がおかしいことになるような気がします。
 苦肉の策なのでしょうが、あまりに筋が悪いと思います。
 

 何でイスラエルの輸出が大事かというと、それができないとF-35のサプライチェーンに入れてもらえなくなるか可能性があるからです。

 仮にこれがダメってF-35のプロジェクトから抜けるとなると既に支払った多額の税金をドブにすてることになるでしょう。

 そもそもサプライチェーンに入れるかどうか、どの程度のパーセンテージのコンポーネントを製造して輸出するのか、全く白紙で「新しい玩具が欲しいよう」の一点張りで導入を決めちゃったわけです。
 つまりロクにわからないころだらけで、カネがかかるだけはわかっている。だのに、まともに他の機種の評価も、F-35自身のリスク評価も行わず、想定した機数がいつまでに調達できて、戦力化できるかもわからないまま、米空軍と同じ玩具が欲しいと、思考停止で調達を決定しました。ぼくはFX選定は始めからF-35ありきで、官製談合の疑いもあると考えています。

 森本氏も佐藤氏も機体が揃うまでF-4Jを地上に留め置けば、期待寿命を延長できると主張しますが、平和ボケもいいところです。

 で、最近になって空幕なんぞもロッキードマーチンはぼったくりバーだ嘆いている。んなことはぼくが以前から繰り返して警告してきこたことです。

 当事者能力欠如もいいところです。


 イスラエルとの共同開発には魅力もあります。ですが優秀な企業も多い反面、何しろ海千山千の連中です。ですから、ナイーブな日本政府と日本企業がお付き合いするのは如何なものでしょうか。
 イスラエルの某企業なんぞは、米国製の兵器を盗んでおき、それをいけしゃあしゃあと壊れたからと米メーカーにしたりします。最大の援助国の米国ともスパイ問題を起こしております。

 ある意味イスラエルとのお付き合いは猛獣使いでもなった気にならないと難しいでしょう。

 また我が国の技術情報やノウハウがお得意様である中国にだだ漏れする可能性があります。これをどのように防ぐのか。我が国には相手国の人間を拉致したり、カネで買ったり、暗殺するような諜報組織はありませんぜ。

 日本企業は技術のセキュリティに関して甘すぎます。


日本企業の機密技術が、海外に流出するケースは後を絶たない。韓国や中国の後発メー
カーは、日本の技術者を好待遇で引き抜くなどして、日本企業を上回る実力を蓄えてきた
とされる。

 企業秘密を漏洩した場合に厳しい罰則を科す米国などと比べ、日本は「産業スパイ天国」
と揶揄され、制度の不備が指摘されてきた。日本政府は現在、知的財産戦略本部を通じ、
罰則強化などの検討を始めている。

東芝、怒りの提訴 韓国企業に断固たる措置 1000億円以上の利益喪失
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140314/dms1403141533005-n1.htm


 今後外国企業との付き合いが増えれば、技術者の引き抜きやら、カネや色仕掛やらの工作による情報漏れなどの対する対処のノウハウも必要でしょう。今のうちから備えておくべきです。そもそも兵器輸出を行う気がないメーカーは、防衛省の需要だけでは将来先細りでいずれは廃業となるでしょう。ならば早く事業の撤退や他社への譲渡を考えるべきです。
 やる気もないのに防衛予算にしがみつくのは税金の無駄遣いであるのみならず、自衛隊の弱体化を招いています。
 多少大げさにいえば言えば国を危うくする非常に半社会的な行為とすら言えます。



 武器輸出するならば、転売リスクの低いオーストラリアへの潜水艦の販売などの方が筋がいいのではないでしょうか。仮に技術移転をしても、今からオーストラリアが、大して大きくもない潜水艦の輸出市場に参入することはないでしょう。


 それとP-3Cなど中古兵器の販売。米国も対潜装備などを外したP-3Cをベトナムに販売しようとしていますが、我が国がやって悪いこともない。整備や運用の指導で退職した自衛官を送り込めば、就職援護にもなるでしょう。

 武器輸出は、まずは安全なところから始めるべきじゃないでしょうかね。





ウェブニュースサイト、NEXT MADIA Japan In-Depthに寄稿しております

【NEW】防衛省・本年度導入の装備に疑問>正統な手続きを経ない官製談合の疑いがあるAAV7導入
http://japan-indepth.jp/?p=3804
【NEW】<中国・軍事技術の不法コピー>ウクライナ政権崩壊が中国への軍事技術供与を加速させるhttp://japan-indepth.jp/?p=3688

C-2輸送機の開発遅延は人災@〜震災の補正予算で発注された輸送機の調達単価200億円は当初計画100億円の2倍!杜撰な計画で最大積載量も低下
http://japan-indepth.jp/?p=3246
C-2輸送機の開発遅延は人災A〜調達コストが高く・性能も中途半端・外国に売れる見込みの無い機体を「国産機だから」と調達すべきではない
http://japan-indepth.jp/?p=3248

まともな評価もしないでオスプレイ導入を政治決定した安倍政権〜兵器は子供の玩具ではない@
http://japan-indepth.jp/?p=2962
まともな評価もしないでオスプレイ導入を政治決定した安倍政権〜兵器は子供の玩具ではないA
http://japan-indepth.jp/?p=2967
安倍政権は軍拡?! 右派?!〜その実態は多額の税金をアメリカに貢ぎ、自衛隊を弱体化させている事実に警鐘@
http://japan-indepth.jp/?p=2899
安倍政権は軍拡?! 右派?!〜その実態は多額の税金をアメリカに貢ぎ、自衛隊を弱体化させている事実に警鐘A
http://japan-indepth.jp/?p=2902

陸上自衛隊の水陸両用車の調達先は『アメリカ製』だけが候補の「出来レース」?〜水陸両用装甲車=AAV7は導入ありきでいいのか@
http://japan-indepth.jp/?p=2220
陸上自衛隊の水陸両用車の調達先は『アメリカ製』だけが候補の「出来レース」?〜水陸両用装甲車=AAV7は導入ありきでいいのかA
http://japan-indepth.jp/?p=2220
陸上自衛隊の水陸両用車の調達先は『アメリカ製』だけが候補の「出来レース」?〜水陸両用装甲車=AAV7は導入ありきでいいのかB
http://japan-indepth.jp/?p=2234


朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しています。
国産機銃は廃止すべきだ(上)――製品不良で多くの自衛隊員が死傷する
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014012700004.html
国産機銃は廃止すべきだ(下)――小火器メーカーの再編を
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014012700005.html?iref=webronza

オスプレイはいっそのこと、政府専用機に
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014011600005.html
陸自向けのオスプレイ導入は「裏口入学」だ
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014011500004.html
陸自の水陸両用装甲車、AAV7導入は裏口入学だ
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013122500002.html
日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(上)――トルコの狙いは何か?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013112500006.html
日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(下)――日本がパートナーを組むべき国はどこか?
アベノミクスで食材偽装が増える?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013111100009.html



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コメント(5件)

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今回の東芝事件 一罰百戒を狙っているのだろう(つまり、他にもたくさんある。)。

日本人は、情報が人に伴って漏洩していくことについて無頓着すぎる。

当然、日本から出て行く人があれば入ってくる人もあるのである。

一例を挙げれば、自衛官の外国人妻。

2013年時点で、自衛官の外国人妻は800名、うち600名は中国人である。

断っておくが、これらの外国人妻全てに問題があると言っているわけではないので、念のため釘を刺しておく。

しかし、過去にイージス艦の情報が自衛官の外国人妻を通じて漏れたのは事実である。
真の愛国者 ゆりか
2014/03/16 15:43
先週の産経ネット(?)によれば、日本とトルコによる戦車用エンジンの共同開発の件は、出来上がった戦車用エンジンを第三国に輸出する際に、日本政府の了承を得ることを契約の中に盛り込もうとしたところ、トルコ政府が難色を示したために、お流れになったそうです。
なぜ、戦車用エンジンの技術が第三国に流れるのには神経質になるのに、F−35の技術がイスラエルに流れるのは構わないのかといえば、F−35がなりふり構わず欲しいから、としか言いようがないですね。
ひゃっはー
2014/03/16 18:23
F35の問題は、それこそ事前にさんざん言われてた(笑)ことばかりで。F35は少数に留めて、別な機種を入れるべきでしょう。
マリンロイヤル
2014/03/16 18:29
今週発売の週刊文春にて、飯島内閣参与が連載記事にてイスラエルの企業に触れておられます。早い話が「とにかくイスラエル(企業・技術)は、こんなにスゴイ!」みたいな内容で、思わずポカーンとしてしまいましたが(苦笑)
正直言いまして、普段からインテリジェンスの大事さを説いている人が、この程度の認識しか持ち合わせていないのか、と失望してしまったのも事実です。これでは他の国会議員の先生方の意識や知識も、推してしるべし、かなと。
KU
2014/03/16 19:04
お邪魔します。
 民生品でも海外生産に於いて「事実上の奴隷労働(児童労働他)への加担」が問題視されています。しかも現地法人だけではなくその取引先の現地企業のそれまで問われるそうです。となれば所詮は余所の国であり、そこまでやろうとすればその国(の制度や慣習等)との衝突もあり得ますから(文化侵略になりかねない?)、「それなら国内の方がマシ」と製造業の国内回帰の流れもあるそうです。

 民生品でもこれですから、ましてや軍事となるとさらに色々な問題が発生し得ると思われます。「国内か海外か」の二者択一では無く、「適材適所」を考える必要があると思われます。
ブロガー(志望)
2014/03/30 11:30

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