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zoom RSS 防衛省御用達、MAMOR誌ライター、水野某氏の批判に対する反論その1 

<<   作成日時 : 2014/03/21 17:59   >>

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 少し古いブログですがぼくは週刊東洋経済の2012年1/21号の「自衛隊のコストという特集の「開発の総本山・技本その実力は本物か」という記事を寄稿しました。
 これについて月刊MAMORのライターという人が批判をしておりました。

「東洋経済」1/21号の記事に関する考察」
http://hiro2.txt-nifty.com/backyard/2012/01/121-e78d.html

 このブログは「ひろ2号 」というハンドルネームで書かれており、プロフィールにも本名が掲載されていないので、カタリかと思っておりましたがどうも本人のようです。
 プロフィールのリンクから飛んだご自身のサイトでもH.Mizunoと書いているだけで、水野寛之というフルネームの記述はありません(著作の書籍の表紙の写真には載っていましたがけども)。

 「貧乏ライターです。仕事ください」とブログのプロフィールに書いてあるのですが、プロフィールにまともに名前も載せていないようなライターに編集者は注文しようとは思わないと思います。まあ別にぼくはどうでもいいのですけど。
 
この清谷某という自称ジャーナリストは、そもそもが技術というものについて理解していないんじゃないかと思えてならない。

と、この東洋経済の記事に大層ご立腹のご様子。
ぼくは彼と違って自分の名前を書いているのですから、清谷某ではなくフルネーで書くべきでしょう。ぼくを「自称ジャーナリスト」と揶揄するのは結構ですが、さぞかしご自分はライターとしての過去の実績と見識にご自信がおありのようです。それを検証してみましょう。


 まず彼は、
「日本の無人機は兵器じゃないけどね」

と、書いています。技本が驚くと思いますよ。FFOSやFFRSなど陸自の装備であるヘリ型無人機システムはいわゆる装備品ではないと主張しているわけです「弾が出ないから兵器じゃない」とでも仰るのでしょうか。

続いて引用してみましょう。

無人偵察ヘリを投入しなかったのは自衛隊(ひいては政府)の判断で、技本は関係ない。にも関わらず、憶測で技本が性能の劣ったUAVを作ったとミスリードしている。東日本大震災では2万人もの自衛隊員が投入され、現場は大変だったと聞いている。UAVだって自律飛行する訳じゃなくて操縦者が必要になるのだから、そこに人員を割くより別のところに配置すべきと判断したのだろう。その前提としては、情報収集衛星やJAXAの「だいち」による被害状況の観測が行われていたことがある。



とのことです。ですが防衛省のFFRSの政策評価書の事業内容の説明では、
「(中略)〜NBC(核・生物・化学)攻撃、災害派遣等の多様な事態に有効に対処できる無人偵察機」

とあり、事業の目的にも、

 「〜災害派遣等の多様な事態における適切な指揮活動を実施するためには、所要の映像情報の早期伝達が可能なシステムを保有する必要がある。無人偵察機は悪天候やNBC汚染下でも現場の詳細な情報をリアルタイムで映像にて得ることが可能である」

としています。

更に事業の達成状況に関しては、システムの構成、偵察能力に関する性能、探知・識別能力に関する性能、標定能力に関する性能、遠隔制御に関する性能に関してこれらを達成していると述べ、「極めて有用性の高い装備である無人偵察機を装備することが可能となった」と、結論づけています。

 まさに3・11はFFRSの活躍が想定されていたケースでしょう。ところがFFRSに加えてFFOSも一度たりとも飛ばなかったわけです。両システムともFLIRを装備しており、投入したら活躍して生存者の発見、救助、状況把握に活躍したはずです。

 投入されたかったのは信頼性が低く、墜落による二次被害が恐れられたからです。
「憶測で技本が性能の劣ったUAVを作ったとミスリードしている」と仰いますが、
ぼくは富士重工関係者やFFRSの代わりに、福島第一原発を偵察した固定翼B型というUAVを開発したフジインバック社の社長など出来るうる限り、関係各位に取材した出した結論です。

 付け加えるならば東洋経済の原稿でも書きましたが、この件に関して陸幕広報室は担当者に対する取材を拒否しました。こういう官側の態度には問題はないのでしょうかね。

 しかも憶測でミスリードしていると批判しているご自身が憶測を元に非難を行っています。


「UAVだって自律飛行する訳じゃなくて操縦者が必要になるのだから、そこに人員を割くより別のところに配置すべきと判断したのだろう」

だろう?

これって、想像ですよね。想像を元にMAMORのライターさんが批判するのはどうでしょうか。お説のとおりならばFFRSやFFOSの部隊の要員は現場で瓦礫をほったりとか、炊き出しをしたりとかしていたのでしょうか。

それにそもそも陸自のUAVは自律飛行がマニュアル飛行もできますが、

卑しくも天下のMAMORのラーターさんならば、をその辺りは推論ではなく調査をしてからすべきでしょう。それとも自分より格下である清谷某程度ならば推論で決めつて批判してもいいのだと仰るのでしょうか。


「その前提としては、情報収集衛星やJAXAの「だいち」による被害状況の観測が行われていたことがある」

つまり、水野氏はUAVなどなくとも人工衛星の情報収集で十分だと主張しています。であれば
空自の偵察機を含め有人の固定翼、および回転翼機による偵察や被災者の発見なども必要ないことになります。
衛星の情報だけで十分ならばわざわざどこの国軍隊もUAVなんて調達していません。水野氏は軍事に関する基礎的な情報と認識が欠如しているではないでしょうか。
また諸外国のUAVが現地に投入された事実は説明がつきません。


FFOSに関していえば以前からペイロード、通信距離、後続距離の不足が指摘されてきました。またFFOSにしてもFFRSにしても震災後予算はついていません。恐らくはFFRSも調達は中止になるでしょう。
対して震災後の補正予算ではボーイング社のスキャンイーグルやフジインバック社のB型が取得されています。
これを水野氏はどのように説明するのでしょうか。


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内 容 ニックネーム/日時
MAMORですか。最初に発売された際、物は試しと購入してみました。はっきり言って、こんな内容でよく防衛省が公認を出したな、と言いたくなるほど、お粗末というか軟派な内容だったかと覚えています(ウダロイ級のSSN-14を対艦ミサイルと紹介していましたので、すぐに指摘させていただいた覚えが。次に発売された号ではキチンと訂正されていました)。他にも某出版社の「J○○○○」シリーズも、一時期はメチャクチャでしたもんね。観艦式の特集記事で「掃海艦」を「掃海艇」と表記したりするといった初歩的なミスが散見されるなど、本当に専門誌なのか?と言いたくなる内容でしたが。
KU
2014/03/21 18:29
え?無人偵察機って、本来の目的は「無人攻撃機」であり、最初から無人攻撃機では世論がきついだろうから偵察とした、と思ってました。
だってアフガンでもパキスタンでも、米軍の無人攻撃機は民間人虐殺に大活躍じゃないですか。
コントローラ(人)は、ゲーム感覚で殺人を犯せるから、軍としてはリスク無く殺人を命令できるからもってこいの機材ですよねぇ
unimaro
2014/03/21 22:32
UAVのことを何も知らなくても、自衛隊マンセー的な記事を書き、理由にならない理由で他人を批判すれば御用雑誌のライターが務まるということですか。こりゃあ石破茂氏から自閉隊と言われる訳ですな。
私も仕事がなくなったら、MAMORのライターになろうかな。
ひゃっはー
2014/03/22 10:49
確かにおかしいと思います。
何故投入しないか不思議でした。
陸自から明確な回答がほしいですね。
軍事オタク
2014/03/22 13:28
>>軍事オタクさん
普段から飛ばしてないモノを飛ばせる訳ないですよ(笑)たまに飛ばしても演習場の決まった場所ばかりだったんでしょう。初めての場所の災害現場で急に飛ばせと言われても操縦者は未熟でしょうし、自立飛行するにも精密な地形のデジタルマップが無いんだろうなと推察します。
マリンロイヤル
2014/03/22 15:57
>FFOSやFFRS
総合火力演習でも遥か彼方でしか飛ばせず、観客スタンドからも点にしか見えなかった代物ですからね。
けど、その時はちゃんと安全の為に遠くで飛ばしていますとアナウンスがあったので、信頼性が低いと言うのは周知の事実だと思っていました。
この人は何を擁護しようと言うのでしょうかね。
何を今更
2014/03/23 00:50
unimaro氏へ
包丁の本来の目的は「武器」であり、料理に使うのは世を忍ぶ仮の姿なんですね(笑)
?
2014/03/23 08:38
お邪魔します。
上の米へのレス。
http://unimaronikkibuckup.blog.fc2.com/?no=1235 米欄2014/03/24(08:52)
↑、これへのレスは、このURL先へ願います。
お邪魔しました♪
unimaro
2014/03/24 08:54

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