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zoom RSS アフリカ・中東における日本の軍事情報収集の限界が極めて低い件について。

<<   作成日時 : 2014/01/06 19:29   >>

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首都ジュバで銃撃戦、爆発音も…南スーダン
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140105-00000543-yom-int

我が国の軍事情報の収集能力が低いのは、政治家のインテリジェンスに対する意識が低いからです。
仮にいくら優柔な情報収集分析機関が組織されても、オーダーをだす政治家がその資質・見識を欠いていれば、いわゆるインテリジェンス・サークルは機能しません。つまり宝の持ち腐れになります。

逆に言えば、現状でも政治家がまともなオーダーをだして、外務省や警察庁、防衛省などの尻を叩いて、予算をつければ現体制でももっとまともな情報収集が可能となります。

インテリジェンスの弱さは特にアフリカ、中東においてそれが顕著です。

これはアメリカ一辺倒外交も原因の一つでしょう。現地との太いパイプを持っていないことに加え、現地にかなりの組織を持っている英仏などの欧州とのパイプもかなり細いのが現状です。

前から申し上げておりますが、なぜ陸自の特殊作戦群を情報収集に使わないのか。
特殊作戦群を恒常的にヨルダンに派遣して訓練でもすれば、ヨルダンの特殊部隊と親密な関係を構築できます。

ヨルダンの特殊部隊はイスラエルの次いで、中東ではもっとも練度が高く、装備の質も高く、部隊の規模も多きい特殊部隊です。
しかもこれまた中東では非常に優秀である同国の情報機関と極めて強い関係にあります。国家憲兵隊特殊部隊もかなりの実力を持っています。

またヨルダン軍の特殊部隊はPKOなどでアフリカで多数の経験があり、またアフリカ諸国の軍隊の教育なども行っており、アフリカでの軍事情報に精通しています。

この件に関して以下の記事を参照してください。
自衛隊の情報感度と特殊部隊(上)――練度の維持と中東の情報収集は大丈夫か?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2012061200005.html
自衛隊の情報感度と特殊部隊(下)――情報収集と分析に金と人を投入せよ

http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2012061500015.html


ですから、今度の南スーダンの件でもヨルダンの特殊部隊と親密な関係を作っていればもっと
まともな情報が入手できたはずです。

ご案内のようにヨルダンは中東情報の要だけではなく、アフリカの情報にも通じています。ですが、外務省もまたヨルダンの重要性を認識していません。
民主党政権時代にヨルダンのアブゥドル二世国が来日したのですが、日本側が対応したのは外務副大臣でした。外務省が如何に中東の安全保障に興味が薄いかがうかがえます。

アブゥドル二世国王は米英で教育を受けて、英軍に勤務したことある、開明的な国家元首です。しかももと特殊部隊司令官であり、現在の特殊部隊の拡充に力を入れてきた本人でもあります。そもそも親日的なのですが、こういう国ともっと密に付き合うべきです。

今後アフリカに防衛駐在官を増やし、防衛省はそのための教育やシステムも拡充しますが、
「マロは武士(もののふ)は嫌でおじゃる」体質の外務省がまともな予算を付けるかどうかはかなり怪しいと思っております。

現状防衛駐在官の使える予算な極めて少なく、隣国までの出張もできないような有り様です。
現地のイベントでは夫人同伴が多いのですが、外務省は夫人の経費は出しません。
極論を言えば新聞の切り抜きと他国の武官仲間と駄弁るだけが仕事です。

在外の駐在防衛官は外交官?防衛省から外務省に出向してから派遣する奇妙なシステム
http://japan-indepth.jp/?p=812
軍事情報軽視の日本政府と防衛駐在官の構造的問題http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013012500007.html

このような状態が放置されているのも、政治家が海外のインテリジェンスに無理解であり、興味がないからです。
インテリジェンスの強化という意味ではまず政治家の意識改革が必要です。

まあ、そもそもインテリジェンス(知性)に欠センセイ方が多いという問題がありますが。

それから特殊部隊をどんどんPKOなどの海外任務に投入して経験を積ませるべきです。
訓練だけに明け暮れているのでは実力が身につきません。

 
新しいウェブニュースサイト、NEXT MADIA Japan In-Depthに寄稿しております

陸上自衛隊の水陸両用車の調達先は『アメリカ製』だけが候補の「出来レース」?〜水陸両用装甲車=AAV7は導入ありきでいいのか@
http://japan-indepth.jp/?p=2220
陸上自衛隊の水陸両用車の調達先は『アメリカ製』だけが候補の「出来レース」?〜水陸両用装甲車=AAV7は導入ありきでいいのかA
http://japan-indepth.jp/?p=2220
陸上自衛隊の水陸両用車の調達先は『アメリカ製』だけが候補の「出来レース」?〜水陸両用装甲車=AAV7は導入ありきでいいのかB

http://japan-indepth.jp/?p=2234
安倍政権の安全保障軽視が露呈!やっつけ仕事の国防計画?〜安倍首相はまともに安全保障を考えていない
http://japan-indepth.jp/?p=1956
これではまるで中国政府の記者会見だ!」〜情報発信強化を謳いながら、安全保障報道で外国メディアを差別する安倍政権
http://japan-indepth.jp/?p=1939
低性能でも価格は数倍から10倍の国産小火器〜住友重機が防衛省に納入していた機関銃データの改竄も露呈
http://japan-indepth.jp/?p=1930

夢想的な平和主義者ではなかったネルソン・マンデラ〜武装組織への上手な処遇が生んだ安定政権
http://japan-indepth.jp/?p=1900
「軍事産業は国の財産」と演説した現実的政治家ネルソン・マンデラの死と「最後の未開拓巨大市場」南アフリカの現在
http://japan-indepth.jp/?p=1919


朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しています。
陸自の水陸両用装甲車、AAV7導入は裏口入学だ
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013122500002.html?iref=webronza


日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(上)――トルコの狙いは何か?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013112500006.html
日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(下)――日本がパートナーを組むべき国はどこか?

アベノミクスで食材偽装が増える?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013111100009.html
機動戦闘車は必要か(上)――島嶼防衛にもゲリラ・コマンドウ対処にも不向き
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013103100010.html?iref=webronza
機動戦闘車は必要か(中)――脆弱な防御力
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013110100004.html?iref=webronza



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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
お疲れ様です。
本当に情報が欲しければ、情報に飢えてれば、ネット活用とちょっとした動きだけでもそこそこの情報は得られるはずです。
それで得られる程度の情報を持っていないということは、余程のバカか、年齢に相応しい経験すらしていない無意味な人生をすごしているのか、根性が腐っているのか、その複合か、なのではないでしょうか?
まさか、「やりかた習ってません」つーゆとりでもあるまいし、、、
unimaro
2014/01/06 22:23
この件も清谷様がご指摘のとおりだと思います。

ところで、日本にはこういった内容を政治家に啓蒙する組織(軍事系シンクタンク)が存在するのでしょうか?

その点、清谷様は、どのようにお考えでしょうか。
ブリンデン
2014/01/06 23:23
日本版NSCの安全保障局が発足しました。
内政事情も含め
日本にはDHSのような組織も必要ですね。
対外活動ではSAD/SOGも望ましいです。
カンパニーのSAD/SOGは
軍の特殊部隊あがりが一般的です。
軍(自衛隊)が
より軍事色の強い形で出動すると国会の承認や
法改正の必要性まで
求められるかも知れません。
ただ、政治的要因としては
公明党の懸念があるので下手に諜報分野を
強化できない事情もあると思います。
名無し
2014/01/07 15:50
内容には大いに賛同します。

防衛駐在官の件はなかなかの改善はみこめないでしょうね。
我が国は二次元外交を戒めてますが、二次元国防になっています。
安全保障の主務官庁は、依然として外務省です。
米軍高官、国防総省高官が、来日した際に防衛省に訪問しなくても必ず外務省には行きます。外務省に行かず防衛省にのみ行くことなど滅多にない程ですから。
外務省は軍事インテリジェンスの有用性、重要性を組織としてはさほど理解していません。個人単位では、かなり理解している人はいますが。

安全保障の主務官庁であり、外交の一元総本山たる外務省が、組織として軍事インテリジェンスを理解するようにならないと駐在武官の冷遇は改善されないでしょう。
ちなみに外務省が財務省から獲得している駐在武官一人あたりの活動経費額は少なくはありません。
ただ使える風潮、雰囲気があまりないというのが実態です。

各国大使館の大使が自衛隊を疎ましく思ってるとこの
傾向が強まりますが、そうでない場合でも外務省そのものにその傾向があるので、大使館の会計担当から文句を言われることが状態化しています。

そもそも1佐の武官を一等書記官としてる時点でいかに外務省が自衛隊、自衛官に差別意識があるのかわかります。
ルーフィー
2014/01/08 03:22

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