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zoom RSS 外務省がやっと在外公館に防弾車を配備

<<   作成日時 : 2014/01/28 17:40   >>

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 イラクやアフガニスタンなどではすでに導入している防弾車を、犯罪組織による誘拐・襲撃などが多い国に配備する。合計で数十台規模になる見通しで、襲撃回避の研修を受けた運転手も増やす。在外公館の警備状況を順次点検し、優先度合いを吟味しながら、襲撃を受けにくいような塀や窓、非常時に寸断されない通信設備を整える

在外公館に防弾車 政府、中東や中南米で襲撃対策
http://www.nikkei.com/article/DGKDASFS22032_X20C14A1MM0000/

 90年代からイラクを含めて外交官が襲撃されてきたのに、いままでまともな対処をしてこなかったということです。
 遅まきながらも対策を始めたことは評価すべきでしょう。

 ただこれが単なる利権で怪しげなコンサルにカネを落とすだけが目的、ということも十分考えられます。以前イラクの騒動の時も、外務省は軍用のボディアーマー、インターセプターをかなり高い値段で入れていました。

 記事中にはドライバーの訓練も行うとありますが、これは当然です。本来ドライバー、ナビゲーター含めた護衛のチームを編成すべきです。

 問題は在外公館の長である警備官が専門の訓練を受けていないことです。自衛隊と警察から相応の階級で外国語が堪能、妻帯者という条件で選ばれています。これではまともな警備はできません。防弾車だけではなく、警備体制を抜本的に見直すべきです。

 例えば海上保安庁の陸上部隊を作り、その中に在外公館の警備部署をつくるなどして、組織的な在外公館警備体制を構築すべきです。同時にそのような組織で邦人保護が必要な場合の計画や実施を行うべきでしょう。

 防弾車は世界中で数多く作られております。ランクルなど日本車ベースのものも少なくありません。やはり我が国の顔ですから日本車ベースの方が好ましいでしょう。

 できるだけ、現地のメーカーを使ったほうが保守やメンテで有利ですし、コストも低減できます。中東であればヨルダンのKADDB(King Abdullah II Design and Development Bureau )が、この種の特殊車両の老舗、英国のジャンケル社と合弁の JLVM(ヨルダン軽車輛製造会社)が結構いいものを作っています。
 ヨルダンの軍やジャンダルマリの特殊部隊、情報部は優秀で彼らのフィードバックが活かされております。ヨルダンで作っているので価格もそれなりに安く、メンテにも便利です
 またヨルダンには世界最大級の特殊部隊訓練センターがあり、そこでドライバーの養成コースも存在します。

 車輌を全部共通化した方が訓練の共通化が出来るなどのメリットもあるとの主張もあるでしょうが地域によっても必要とされる防御力も異なってきます。
 ただ、オリジナルの車種と防弾仕様をある程度共通化しておくべきでしょう。
 また、調達と運用を民間軍事会社にすべて丸投げするという手もあるでしょう。

 いずれにしてもまともなコンサルに依頼して事情をきちんと調査し、最適なメーカーと支援システムを選び、できるだけリーズナブルな調達価格と運用価格で支出を抑えることが肝要です。


画像

JLVMが開発した防弾VIP救急車です。VIP護衛車輛に随伴し、不測の自体に備えるための救急車防弾仕様の救急車です。既にヨルダン国王の護衛部隊に3輛が導入されています。

画像

同上。内部にはストレッチャーが一台装備されており、延長されたルーフ部分にも各種の最先端の医療用機器や装備が搭載されており、極めて高度な処置を施すことができます。なおシートはすべて革張りと豪華です。
場所によっては首相や、ら皇室関係者のためにこのような装備も必要でしょう。


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http://japan-indepth.jp/?p=1956
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http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014012700004.html
オスプレイはいっそのこと、政府専用機に
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014011600005.html
陸自向けのオスプレイ導入は「裏口入学」だ
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014011500004.html
陸自の水陸両用装甲車、AAV7導入は裏口入学だ
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013122500002.html
日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(上)――トルコの狙いは何か?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013112500006.html
日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(下)――日本がパートナーを組むべき国はどこか?
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http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013111100009.html
機動戦闘車は必要か(上)――島嶼防衛にもゲリラ・コマンドウ対処にも不向き
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013103100010.html?iref=webronza
機動戦闘車は必要か(中)――脆弱な防御力
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013110100004.html?iref=webronza
機動戦闘車は必要か(下)――高いコスト
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013110700008.html


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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
そういえば、南朝鮮で日本の大使の車が襲われましたね(笑)
マリンロイヤル
2014/01/28 19:46
なぜに海上保安庁にそのような部署を?
一月
2014/01/28 22:40
清谷様

専門の警備チームをつくるという案には賛成です。また、防弾救急車の導入は、今の情勢を考えると検討する必要があると思います。

ただ、日本の場合、大使館の警備となると警察庁がイニシアチブを取りたがるでしょうね。SATを母体としたようなチームを立ち上げそうな気がします。

その当たり、清谷様は警察庁の関与はどのようにお考えでしょうか。
ブリンデン
2014/01/29 08:43
>なぜに海上保安庁
我が国に国家警察がなく、自衛隊を使うわけにもいかない。外務省に任せられるといういうとこれもアレだしというところです。拙著「専守防衛」に構想を書いております。
キヨタニ
2014/01/29 14:02
清谷様

警察庁が国家警察の創設を考えているのではないでしょうか。
ブリンデン
2014/01/29 17:24
警察庁には実働部隊が無いので現状無理でしょう。

>警察庁が国家警察の創設
それはないでしょう。
地方警察の幹部は警察庁職員で事実上警察庁を頂天した組織で、地方に発言権はない。この美味しい
システムを警察官僚は手放しはしないでしょう。
キヨタニ
2014/01/29 19:37
なるほどですね。

ちなみになぜ自衛隊にまかせられないのですか?

大使館警備は多くの国は自衛権を根源にして実施しています。警察権で対応する事案は該当こくの警察に対応を任せます。
こんな感じの状況で海上保安庁という警察組織に軍が行う自衛権の行使を根拠にした大使館警備をやらせるのは無理でしょう。

ちゃんとやるならこの問題が生じます。
一月
2014/01/29 21:25
清谷様

ご見解を示していただき、ありがとうございます。しかし、日本の警察組織も縄張り争いがすごそうですね。
ブリンデン
2014/01/30 11:08

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