清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所 

アクセスカウンタ

zoom RSS 技本と米国防高等研究計画局(DARPA)の違い

<<   作成日時 : 2014/01/11 12:46   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 9 / トラックバック 0 / コメント 19

革新こそ最大の防御 米国防総省・DARPA局長 プラバカー氏 2014/1/6付 [有料会員限定]
http://www.nikkei.com/article/DGKDASM101001_S4A100C1NN1000/



米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)は先端的な研究の予算分配と評価に徹底しています。

対して我が国の技術研究本部は基礎研究(殆どなし)から技術実証研究、装備化まで行っています。またリモート・ウェポン・ステーションの研究のように、技術実証なのか、装備化なのか不明な研究も多々あります。

技本の最大の問題は本来分離すべき予算配分と評価、これと実際の研究を一つの組織でやっていることです。
自分の研究を自分で評価するわけですから「自分を褒めてやりたい」的な自画自賛になるわけです。まあ、泥棒に縄をなわせるようなものです。

ですから、評価は概ね大成功。全てがバラ色になるけです。防衛省の事業評価では大絶賛していたわけです。 

これをあまりテラシーが高くない国士やら軍オタの方々が頭から信じこんで、ウリナラマンセー的に防衛省凄い、自衛隊強い!状態になるわけです。
得てしてこの手の人たちは技本がハイブリッド車輌や軽量榴弾砲のかなり基礎的な実証研究をした程度で、すぐにでも装備化できる、外国製など必要ないと信じこんだりします。
つまり工学に対する認識が希薄なわけです。
化学でもそうですが、実験室の化学合成と工場での生産は設備もそうですが、材料も反応法も違います。
機械の類にしても同じです。実験室レベルのシロモノが即実戦に使えるのはロボットアニメの世界ぐらいです。
ですが、この手の人達に限って工学的にありえないとか言っちゃうのは何故なんでしょうかね?


一例を挙げるならば、ぼくが報じたように技本の開発した陸自のUAVがまさに必要なとき、先の大震災で一度たりとも飛ばなかったりするするわけです。ところが防衛省の政策評価では大規模災害やNBC環境下における偵察に必須で、極めて有用であることが確認できたと自画自賛(笑)。

基本的に評価・予算分配と研究は分けるべきです。

今後行われる防衛調達改革では調達を担当する組織が新設され、技本もその中に統合される構想のようです。是非とも技本は解体し、評価・予算分配と研究は分離すべきです。
また技術評価の能力を高めるべきです。そのためには外部の専門家を招聘するべきです。
お雇い外人をいれてもいいと思います。

装備化に関しては、基本的に各幕が主体となって直接主契約社に発注してもよいのではないでしょうか。


span style=color:#000;background:#ff9>新しいウェブニュースサイト、NEXT MADIA Japan In-Depthに寄稿しております

陸上自衛隊の水陸両用車の調達先は『アメリカ製』だけが候補の「出来レース」?〜水陸両用装甲車=AAV7は導入ありきでいいのか@
http://japan-indepth.jp/?p=2220
陸上自衛隊の水陸両用車の調達先は『アメリカ製』だけが候補の「出来レース」?〜水陸両用装甲車=AAV7は導入ありきでいいのかA
http://japan-indepth.jp/?p=2220
陸上自衛隊の水陸両用車の調達先は『アメリカ製』だけが候補の「出来レース」?〜水陸両用装甲車=AAV7は導入ありきでいいのかB

http://japan-indepth.jp/?p=2234
安倍政権の安全保障軽視が露呈!やっつけ仕事の国防計画?〜安倍首相はまともに安全保障を考えていない
http://japan-indepth.jp/?p=1956
これではまるで中国政府の記者会見だ!」〜情報発信強化を謳いながら、安全保障報道で外国メディアを差別する安倍政権
http://japan-indepth.jp/?p=1939
低性能でも価格は数倍から10倍の国産小火器〜住友重機が防衛省に納入していた機関銃データの改竄も露呈
http://japan-indepth.jp/?p=1930

夢想的な平和主義者ではなかったネルソン・マンデラ〜武装組織への上手な処遇が生んだ安定政権
http://japan-indepth.jp/?p=1900
「軍事産業は国の財産」と演説した現実的政治家ネルソン・マンデラの死と「最後の未開拓巨大市場」南アフリカの現在
http://japan-indepth.jp/?p=1919


朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しています。
陸自の水陸両用装甲車、AAV7導入は裏口入学だ
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013122500002.html?iref=webronza


日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(上)――トルコの狙いは何か?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013112500006.html
日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(下)――日本がパートナーを組むべき国はどこか?

アベノミクスで食材偽装が増える?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013111100009.html
機動戦闘車は必要か(上)――島嶼防衛にもゲリラ・コマンドウ対処にも不向き
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013103100010.html?iref=webronza
機動戦闘車は必要か(中)――脆弱な防御力
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013110100004.html?iref=webronza



真・大東亜戦争 1
アドレナライズ
2013-02-01
林 信吾

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 真・大東亜戦争 1 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


林信吾との共著、真・大東亜戦争キンドル版1巻が現在49円とお得になっております。全17巻です




テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 9
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス
驚いた

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(19件)

内 容 ニックネーム/日時
技本の評価部門がしっかりしていれば、機関銃の不良品を40年間に渡ってつかまされる、などという事態も防げていたと思うのですが。
ひゃっはー
2014/01/11 14:12
本文に同意です。日本がアメリカから学ぶべきは、そういうチェック&バランス的な発想でしょう。ただでさえ「空気」に支配されやすい日本では特に肝に銘じるべきです。アメリカでは当初予算だけでなく事後の推移まで評価され続けるようなので、予算超過が酷いと計画打ち切りになるようです。計画打ち切りになる基準も予め示されるらしいです。議会へのロビー活動が激しい部分ばかりを見ているとアメリカの底力を見誤ります。日本でチェック&バランスが機能するのはいつでしょうか。「空気」はただの雰囲気ではなく、「長幼の序」などの伝統が背景にあるのでかなりやっかいです。少なくとも私(1983年生まれ)の同世代までの日本人には解決できないでしょう。

2014/01/11 16:30
なんとなく、原子力規制庁や規制委員会発足前の原子力行政を思い出しました。両者が発足するまでは経産省と外局の保安院が、それぞれ原発の推進と規制を担当していたわけですが、その結果はご存じのとおりです。やはり組織を正常にするには、一人二役をさせるのではなく、業務を実行する役と結果を監視する役とに別れさせる必要があるかと思います。
KU
2014/01/11 17:35
グランドチャレンジでDARPAがDまで
やっているかのような印象はあったでしょうが、
R&D(RDT&E)のDを含む技本は、
どちらかといえば米陸軍のTARDECに近い印象がありますね。
イラク戦争非対称戦フェースでは、
軍事紙で良く目にする名前でした。
名無し
2014/01/11 17:48
>今後行われる防衛調達改革では調達を担当する組織が新設され、

装備施設本部の立場がない(苦)
名無し
2014/01/11 17:52
話が逸れますが、時事通信によると海自がRQ-21インテグレーターを導入を検討しているようですね。記事によると「初の固定翼艦載機」になると。「憲法で保有を禁じられている空母が〜」なんて書いてありましたが、あのクラスのUAVなら「いずも」や「ひゅうが」クラス以外の護衛艦のヘリ甲板でも普通に運用できそうな気がしますが。それに必要ならYouTubeで実際の運用シーンを確認出来るだろうに、何を拡大解釈すれば、こんな内容になるのでしょうか。
KU
2014/01/11 18:23
清谷様

ヨーロッパの主要国には米国防総省の国防高等研究計画局に当たるような組織があるのでしょうか。もし、おさしつかえなければ、ご紹介いただけると幸いです。
ブリンデン
2014/01/11 19:18
伊豆下田の玉泉寺にハリス記念館があります。この記念館には、江戸時代にアメリカ初の日本総領事になったハリスが日本滞在中に様々な物品を調達した記録が展示されています。その記録を見ると、ハリスはまず必要な物を明確にし、仕様書を作り、地元の農民や商人に示して調達し、その善し悪しについて評価し、記録しています。アメリカ人は150年以上も前からそういうことをやっているのです。防衛省や自衛隊の幹部はハリス記念館を見学して調達や評価のやり方を学ぶべきです。
BNSF
2014/01/11 20:11
米国の国防研究予算の4分の1、32億ドルがDARPAの所管であるわけですが、その他4分の3、各軍の研究予算に当たる部分についてはDARPAの監察対象となっておりません。この各軍所管部分について、予算執行と切り離した第三者機関による監察が行われているのでしょうか?
DARPAって研究の実行部隊を持たない、研究費を大学や民間の研究所に配分するための機関でしょ。本当に役立つのかよくわからないような先端的研究プロジェクトも申請対象に上がってくるということですが。
まあ、日米双方の特定機関につき、研究開発体制全体の比較もせずに対照するというのは、木を見て森を見ずのようなものと思いますが。
arisawa
2014/01/12 07:55
>ヨーロッパの主要国には米国防総省の国防高等研究計画局に当たるような組織

知り限り存在しません。予算も米国ほど潤沢ではないですし。仏DGAにしてもスェーデンのFMVにしても
研究開発と評価予算付けは分けて今ます。

>DARPAって研究の実行部隊を持たない

その点では技本も対して変わらないですよ。
実際の研究や試作は企業に丸投げです。

今回たまたま、記事が出たのでDARPAを例に上げたのですがの米国防省の装備開発にしても、研究開発
側が評価をするシステムになっておらず、また
GAOという極めて厳しい評価機関が存在します。

防衛省の組織改革でDGAのような組織を目指すようです。

英国はDE&Sを民営化しようたがやめたようです。
さすがにそれはやり過ぎでしょう。もっとも英国
は過去研究部門のほとんどを民営化(カーライル)に売り飛ばしました。

キヨタニ
2014/01/12 10:54
DARPAの予算32億ドル、1ドル100円として3200億円、定員は300人位。技本は予算1000億円で定員は専属の自衛官も含め1000人位。技本はいくつか直属の研究施設を有し、自衛隊の部隊と共に評価試験などを行っているんですが。企業丸投げとする根拠及び具体的証拠は?
GAOって米国の会計検査院ですね。予算執行の効率性や適正について事後的に監査する組織ですが、ここが研究開発計画の評価、策定を主体的に行う機関ではありません。
arisawa
2014/01/12 13:30
清谷様

情報を教えて頂き、ありがとうございます。やはり何だかんだ言っても米国は予算があるのですね。
ブリンデン
2014/01/12 15:21
>arisawa

よく読んでからコメントしてください。
技本でXP-1とか10式の主砲の試作とか、マイクロUAVの開発とかやっていると思っているなら
そう思っていればよろしいのでは。ぼくは止めません。
キヨタニ
2014/01/12 21:06
どこの国も開発主体が評価もやっていて、それでまともな評価ができているのだ、と信じているのであればどうぞご自由に。
キヨタニ
2014/01/12 21:09
自衛隊マンセーの愛国者は有害ですね
あs
2014/01/12 23:53
自衛隊はドクトリンの研究も提示もしていないので、技本が何か画期的な研究をする可能性はありません。全部外国の後追いか既存のモノの改良でしょう。
マリンロイヤル
2014/01/13 12:24
評価能力のないひとに研究はできないし、研究できないひとは評価もできないから、
結局、同じ能力の人材が2倍必要になるのではないでしょうか?

2014/01/13 22:19
>あさん

有効需要(支払能力・意思の伴う需要)ある所、供給は有ります。特に人材は、古今東西、必ず供給されますので、心配ご無用です。「隗より始めよ」の故事を待つまでも有りません。
まあ、今の日本では人材の「需要」は極端に少ないんですけどね。タダでこき使いたい、という要望は山ほど有りますが。
x
2014/01/14 23:54
元々が人員も足りなければ予算も少ない中でやってますから、批判が的外れの気がしますね
ナンダカナー
2014/01/17 15:38

コメントする help

ニックネーム
本 文
技本と米国防高等研究計画局(DARPA)の違い 清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所 /BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる