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zoom RSS 空自の次期戦闘機はT-50の共同開発でいいじゃないでしょうかね。

<<   作成日時 : 2013/12/31 12:50   >>

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空自の次期戦闘機はロシアのT-50の共同開発でいいんじゃないでしょうかね。

新防衛大綱でもロシアは脅威であるとの記述はなくなり、むしろパートナーと持ち上げています。

何しろ我が国に単独で新戦闘機を開発するようなカネはありません。ノウハウもありません。無理して作るとF1のような機体ができてしまいます。
F-2は傑作機だとか言っている人がいますが、現実を知ればとてもそのようなことは言えません。そもそもF-2は既存機の改良型に過ぎないのに、過大な開発・調達・運用コストがかかっています。そして空幕自体が調達数を削減した機体です。何をや言わん、でしょう。


欧米を見渡せば次期戦闘機を作る具体的な話はありません。
トルコでは計画がありますが、パートナーとしてはちょっと頼りないでしょう。

で、ロシアはT-50は開発資金難で結構難航しています。インドも参加していますが、それでもです。要はカネが足りない。

ここで日本の得意とする技術をつぎ込めば結構いい機体ができるのではないでしょうか。
ただアビオニクスなどはネットワーク関連のこともあるので、日本独自にした方が宜しいでしょう。あるいはエンジンにしても日本独自の改良を加えるなどしてもいいでしょう。我が国のエンジンメーカーには独自に戦闘機のエンジンを開発する能力はありませんが、コンポーネントレベルでは極めて高い開発力・技術があります。


そして政治的にはロシアに恩を売れる。これをテコに北方領土の話を進めるという手もあるでしょう。
ロシアにしても中国に売るよりも、我が国と共同開発の方が知的財産権を守れるメリットがあります。共同開発の条件としては中国(それとウクライナ、パキスタン)に売らないことがマストです。

無論こんな話は政治的、外交的には難しいことは分かっています。
ですが現実的ではない、と一笑にふせるでしょうか。

現状を見てください。
アメリカ様のご機嫌をとってF-35を選んだはいいが、予定数が揃うのはいつのことでしょうか。その間にもF-4EJは退役していきます。
しかも調達コストはバカ高い。

そして何よりも、共同生産の名のものに日本の戦闘機生産基盤を破壊してしてしまった
こうなれば後はアメリカの言いなりです。

かつてアメリカの自動車メーカーは都市部の鉄道会社を買収しましたが、それは鉄道会社を潰して車を売るためでした。日本の戦闘機生産基盤の姿がこれにダブります。

後は「ご主人様」であるアメリカの戦闘機を言いなりで輸入するしかないでしょう。おこぼれで多少の生産分担ぐらいは獲得できるでしょうけども。

果たして戦闘機の生産基盤を潰して、より対米依存度(というか隷属度)を増して外交的、軍事的な独立性を弱めることが現実的な選択だったのでしょうか。

また、機数が揃うまで中国様の脅威は止まるのでしょうしょうか。

森本元大臣や佐藤前防衛政務官は時間という概念が理解できないようです。
彼らはF-35の数が揃うまで、F-4EJの飛ばさなければいいと主張しています。
それでは空自の基地は博物館になります。航空博物館で国防が全うできるならばこんな安上がりなことはありません。

自衛隊の装備調達の多くは同様です。いつまでにその装備を揃えなければならないという、時間の概念がありません。装備の調達自体が目的化しており、極端な話それが完了するのは100年先でもいいわけです。
それは当事者意識の欠如です。実際の脅威に備えるために装備を調達しているという意識が欠如しています。
ですから「お買い物官庁」と揶揄されてきたわけです。その性癖は未だに変わっておりません。


このような現状を鑑みれば、むしろT-50の共同開発の方が軍事的、産業的には合理的であり現実的です。更に米国に対しての外交的なカードを切れることになります。あまり無体なことをすると米国以外と付き合うよ、と。


民主党政権、ことに森本元防衛大臣の決断は後世の歴史家から指弾されることになるでしょう。まあ、自民党政権でも同じだったと思いますけども。

安倍政権には期待ができません。またもやはじめに調達ありきで、ろくに調査もせずにAAV7やオスプレイ、グローバルホークなどの玩具を買うわけですから。アメリカ製の玩具を買うと自民党のセンセイ方に、もれなく美味しいおまけがあるんじゃないでしょうかね?




以下は12月24日の防衛大臣記者会見のぼくの質問です。
http://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2013/12/24.html

Q:韓国からの弾薬の要求ということは、5.56mm以外の要求というのはあったのでしょうか。それとも、5.56mm弾だけだったのでしょうか。
A:今回、私どもが現地から報告を受けているのは5.56mm弾のみの要請というふうに承知をしております。

Q:中期防で水陸両用車とオスプレイと思われるティルトローター機の調達が明記されているのですが、両方ともまだ十分な評価をしていない段階だと思います。AAV−7に関しては先日報道官の方から平成26年度中に評価を行うという回答があったのですけれども、平成26年度中ですとAAV−7指揮通信型、回収型が到着していないということで、APC型のみで判断をすると。そうすると、そもそもなぜ指揮通信型と回収型は評価目的で購入しているのかということになりますし、オスプレイに至ってはそういう評価を全くしていない段階で既にもう中期防で調達を決めるということで、すごく拙速な感じを受ける。何か政治的な導入をしなければ行けないという理由が両方ともあるのでしょうか。
A:私どもは、部隊から様々なヒアリングをする中でこのような装備についての検討を行っております。今日具体的な予算についてのレクチャーがあるというように聞いておりますので、そこでしっかり聞いていただければありがたいと思います。

Q:住友重工の指名停止の件なのですけれども、機関銃関係で非常にデータなんかに一貫して不備があったということで、これに関して5ヶ月というのは非常に軽いのではないかと思うのです。74式機銃を調達された時期ではじめから全てデータが偽装されていると。これに関して例えばもう少し重たい処置はないのか、あとは例えばM2であるとかMINIMIに関しては外国からの輸入に切り替えるということは考えていないのか、あとは過去の損害賠償などは考えていらっしゃるのでしょうか。

A:この問題については、担当部局から私の方に報告があった時点から、ある程度時間をかけての対応について協議させていただき、内部でかなり検討して、最終的には報告も受けております。いずれにしても、今日終わった後細かく説明させますので、そこでお話をしていただければと思います。



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日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(上)――トルコの狙いは何か?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013112500006.html
日経が伝えないトルコとの戦車エンジン共同開発の真実(下)――日本がパートナーを組むべき国はどこか?


アベノミクスで食材偽装が増える?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013111100009.html


機動戦闘車は必要か(上)――島嶼防衛にもゲリラ・コマンドウ対処にも不向き
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013103100010.html?iref=webronza
機動戦闘車は必要か(中)――脆弱な防御力
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内 容 ニックネーム/日時
T50案は検討する価値があると思います。ウクライナ、パキスタンに売らない条件もごもっともです。日本の技術はエンジンに限らず総合技術が弱いのはその通りで、要素技術をうまく使えば先方も喜ぶでしょう。実際に見積書を作成すれば、そのコストパフォーマンスに驚くと思われます。残る課題は搭載兵器でしょうか。インドに加勢する形で交渉すれば、ぼったくりのリスクも低減できそうです。意外にも空自のパイロットが一番興味を持っているかもしれません。航空祭でのネタとしても抜群です。マンネリしている専門誌(広報写真集?)にとっても朗報です。

2013/12/31 16:16
昔、荒巻さんの要塞シリーズで、元のスミノフ帝国から独立した東シベリアと共同開発した戦闘機を使うシーンがありましたね。アビオはともかく、搭載兵装は国産品でも宜しいのではないでしょうか。もちろん、航法システムにはGPSにグロナス両者を採用、既に国内商社もグロナス用の受信機を手掛けているようですし、導入へのハードルも低いでしょう。何なら、大石さんの作品よろしく東シベリアを独立させちゃうとか? それだけの知恵を持ち合わせた人間が日本に居れば良いですけど・・・・
KU
2013/12/31 17:28
テトリスをベースして、ぷよぷよができたように、いい機体ができるかもしれませんね。
ひゃっはー
2013/12/31 20:10
T-50は面白い機体ではあるんですが、ロシアと交渉なんてアメリカ以上に難物ですよ。国益追求も露骨にやってくるでしょうし、サハリン2の例もありますからね。私はグリペン押しですので(笑)
マリンロイヤル
2013/12/31 21:40
ロシアがアメリカにダダ漏れになること覚悟で乗ってきますかね…
あと、さすがにT-50ではF-4の退役には間に合わないんじゃないかと
F-15の非改修機の代替なら間に合うかもしれません
ゆう
2014/01/01 02:30
お邪魔します。
 日本人初の宇宙飛行士は毛利衛さんになる予定でしたが、スペースシャトル事故で秋山さんになりました。また今はスペースシャトルは引退し、宇宙飛行士はロシアのロケットで宇宙ステーションに行っています。ですから可能であれば複数の選択肢を持つ事は必要と思うのですが、日本の場合「これしかない」という状況を作らないと(という事にしないと)決められないのかも知れません。かつてペリーに黒船を突き付けられてようやく開国したように(不平等条約を結んで)。

外国は問答無用で追い払え→力で勝る相手をどうやって追い払うのか?→この国賊め!

で連中を無視できなかったので。
ブロガー(志望)
2014/01/02 07:44
空は情報戦において現在も対中よりも対露を重視してるのでそれはないです 終わり
鈴木
2014/01/02 22:51
>空は情報戦において現在も対中よりも対露を重視してるのでそれはないです

 どこを相手にするかを考えるのは政治・外交であって、軍事はあらゆる相手と組み、あらゆる相手と戦う可能性を考えておかなければならない。「より嫌な相手に対処するため嫌な相手と組む」というのはよくある事(例 かつて英米はファシズムと戦うため共産主義と手を組んだ)。「中国は粗悪コピーしか作れない」とでも考えているのであれば、かつて欧米にそう思われていた日本が零戦を作った事を忘れてはならない(中国は日本ほどモノ作りへのこだわりは無いかも知れないが)。
ブロガー(志望)
2014/01/03 21:28
この件に関しては清谷氏とJSF氏が共同で出版されてみてはいいんではないでしょかね。
タン
2014/01/04 12:08

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