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zoom RSS JALがエアバスからA350の導入を決定、と日経のアレな見識

<<   作成日時 : 2013/10/08 15:45   >>

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JAL、エアバスから最大56機購入と発表
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL070O5_X01C13A0000000/?dg=1

 JALはA350型31機の購入を確定しており、さらに最大25機を購入できるオプション契約もした。座席数は350程度。現行の大型機ボーイング777型機の後継として投入する。2019年の就航をメドに準備を進める計画だ。


 これまでJALはボーイング一辺倒でした。多くのエアラインがボーイングとエアバスを競わせて、値段交渉をしているのになんともコスト意識に無頓着であったわけです。
 ボーイングにとっては最高の顧客だったでしょう。何しろマージンが薄いあの業界で、値引きを交渉をしないわけですから。
 
 そのコストはすべて利用者がかぶってきたわけです。

 今回もかなりの好条件をエアバスから引き出せたようです。

 かつての国営の頃は日米貿易不均衡是正のために、という大義名分がありました。それでも全部をアメリカ製の機体する必要は無かったでしょう。
 しかもJALは民営化後もボーイングに一辺倒でした。結果が経営破綻です。コスト意識のコの字もない会社でした。
 
 ですが日経は本日朝刊で
 『「今後も経済的な決断」が今後も押しとせるかは不透明。ボーイングはエアバスに比べ日本の航空機産業と結び付きが強く、航空機航空機部品メーカーにとっては最大の顧客。しかし、日本での機材販売が減れば国内メーカーに発注する意義は薄れる。影響は受注減の形で部品メーカーに及びかねないだけに、経済産業省などを含めボーイングへの配慮を求める動きも出てきそうだ』
 と書いています。

 さすが日本を代表する経済新聞、見事なまでの思考停止の対米ポチぶりです。

 かつて同紙はFX選定で、ユーロファイターを買ったら日米同盟が瓦解すると書いていました。だったら英米の関係もとっくに瓦解しているはです。まるで何かの信者のようです。


 ですが、経産省が航空機産業のために、会社に損害を出してもボーイングを買えと、値下げも要求するなと行政指導ができるでしょうかね。そんなことを唯々諾々と聞いてしまえば、JALの経営者は株主に訴えられます。
 
 日経は株式会社というシステムをご存じないのでしょうか。

 それは多少は影響があるでしょう。当然米国側はそのような圧力をかけてくる可能性は否定できません。ですが、ボーングが日本メーカーをベンダーに選んでいるのは日本の市場が美味しいからではなく、日本企業の技術力や品質、納期の正確さなどを評価しているからです。
787にしても頻繁な設計変更に何とか追いつけてきたのは日本企業だけです。
 
 中国市場が大きいからといって、ボーイングが中国のAVICに主翼を任せるでしょうか。
 また市場規模ならばエミレーツとエティハドという2つの気前のいい航空会社を有する、UAEにももっと仕事がまわっているはずです。

 また、日本企業が仕事を確保しているのは、767、777、787と日本政府が多額の費用を出してきたことも貢献しています。これはエアバスやEUからさんざんボーイングに対する補助金だと攻撃されてきました。
 日本企業を排除するのであれば、日本政府から出資があてにできなくなります。

 よしんばボーイングからの受注が減っても、エアバスとの付き合いを増やせばいいだけです。日経の言うとおりであれば、日本市場がそれだけ魅力的であれば、エアバスやEUが秋波を送ってくるでしょう。エアバスとの関係を強くすればいいだけです。
 むしろ、ボーイングに縛られることなく、フリーハンドになるわけですからビジネスチャンスになるかもしれません。

 日経に主張は
 1)航空部品メーカーを助けるために、JALが損をかぶるべきだ。少なくともそれを容認する。
 2)役所や政治の民間企業に圧力をかけることは許される。市況経済に役所が介入すべきだ、あるいはそれを   是とする。
 3)航空産業には米国しか存在しない。
 4)アメリカ様を怒らせてならない。そのためにはJALや利用者は犠牲になってもいい。
 ということではないでしょうか。

 まるでかつてのプラウダやイザベスチャ並の見識です。

 国益の観点から言えば、欧州ともパイプを太くし、軍用機の共同開発も視野に入れて、国際市場へ本格的に参入するきっかけするほうが、アメリカ様のご機嫌を伺ってばかりいるよりは、はるかにいいはずです。
 まあ、こういう発想は日経にはないのでしょう。

 仮に米国や政府がJALに圧力をかけることがあるならば、それを調査報道し、糾弾するのが経済媒体の使命ではないでしょうか。アメリカべったりの思考停止の羽織ゴロの将来は明るくないと思います。

 企業が日経の取材に協力的なのは記事が信頼できるからではなく、日経にネガティブな記事が載ると株価に影響があったりするからです。まあ未だに羽織ゴロ扱いなのですが、その自覚がない。危ない会社ほどその自覚が無いといいますが・・・

 

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
キヨタニ様

今回、両社を競わせたことで、エアバス側からかなりの好条件を引き出したようですね。次はANAですが、ボーイングから好条件を引き出させそうな気がします。
ブリンデン
2013/10/08 17:49
対米態度ってのは結局は政治の結果ですからね。横田基地・横田空域。航空界もなんだかんだでアメリカの影響が強い。横田空域に関しては、アメリカの占領と表現する人も居ますし。対中において、政治リスクを考慮せざるを得ないのと同じ。JALが今回ボーイングを切れたのは、羽田発着枠で政治との結びつきが弱くなった点も含め面白い転換だと思う。
ぽー
2013/10/09 22:49

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