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zoom RSS 大作家・林真理子氏の想像力の限界 ハーフはみんな美人美男でバイリンガル?

<<   作成日時 : 2013/10/05 20:48   >>

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9月26日号の週刊文春で、林真理子氏はご自身の連載「夜更けの縄跳び」で、ハーフに関して書いています。
 
 まずは、オリンピック招致のプレゼンをみて、事務所のスタッフが滝川クリステル嬢のフランス語が上手い、さすがハーフと持ち上げています。

「うちのハタケヤマがしきりに関心している。
「滝川クリステルって、本当にフランス語うまいですねぇ」
「あったり前じゃん」
私は言った」
「お父さんがフランス人のハーフで、パリ生まれなんだよ。これで話せなかったらおかしいでしょう」
「だけど長いこと日本に暮らして話せなくなった人っていっぱいいます」
「そういう人もいるかもしれなけどさ、実家にお父さんがいたら、ふつうフランス語しゃべるでしょう。話せてあたりまえよ


それを林氏も是としているようですが、確かに昔よりは上手くなりましたが、ネイティブのそれではありません。むしろ高円宮妃久子さまのフランス語の方が遥かに流暢でした。

 因みにクリステル嬢のフランス語は数年前から比べるとかなり上達しているようです。以前は件のプレゼンほど流暢ではありませんでした。恐らくは自らのキャリアアップとか、オリンピックに向けた特訓の成果だったのでしょう。
 つまり彼女がハーフだからフランス語がペラペラだったのではなく、成人して必要に迫られて努力した結果と見るべきです。

 で、林氏はハーフはみな美人で、バイリンガルか語学か二ヶ国語が堪能と決めつけています。

「何故かムキになる私たち、私に関して言えば単なるやっかみである。ハーフのひとっていいなァ。顔はハズレなく綺麗だしたいていはバイリンガル。来世はハーフに生まれてきたいものだ。そして世界を舞台に生きていきたいとつくづく思う。
 
 ハーフだから美男美女、母親ないし父親の母国語がペラペラなんていうのは、そこいらのおばちゃん並の発想です。外国に頻繁に旅行され、各界のセレブとのお付き合いをなさっており、それをエッセイにも書かれている大作家の見識としてはいささか、アレでしょう。

 そのような日本人の「無邪気な思い込み」が、どれだけハーフの心を傷付けるか。悪意がないだけたちが悪いといえます。その辺りの話は友人のサンドラの本に書かれています。

 まあ、子供は可愛くなるだろうという理由で、安直に国際結婚を望む日本人女性も結構多いのが現実だとか。国際結婚の大変さも考えないで、まるで子供です。

 因みにサンドラがその近著で本人の体験談として書いていますが、合コンで行ったら「ドイツのハーフ」ということで過剰に期待していた男性陣の落胆が顔に出ていたと、とほほな体験を記しています(多分トリンドル某あたりでも想像していたのでしょう)。

 ハーフが美人美男ばかりであるはずが無いでしょう。林真理子氏は白人とのハーフをイメージしているのでしょうが、例えば英国人やフランス人が皆、ファションモデル並の美貌を持っているわけはないでしょう。
 そもそもフランスなどハーフだらけです。5代も遡れば大抵外国人が身内にいます。ぼくの友人の奥さんは中国系のハーフだし、軍事雑誌の編集長はイタリア系、日本に住んでいる友人のおじいさんはドイツ人です。だからといってフランス人がみな美人、美男かといえば、当然、そんなことはありません。

 また語学がペラペラというのも皆が皆ではありません。サンドラの本で紹介されているように、外国人の父親や母親の母国語が喋れないハーフは多数おります。
  日本でハーフがバイリンガル、あるいはそれに近いレベルになるためには、両親がかなり熱心に教育し、またインターナショナルスクールや、フランス語とかドイツ語で教えている学校に通う必要がありますが、それは経済的にかなり豊かではないと無理です。

 ですから、ハーフに、あなた外国語できないのね(何で?)というのは、換言すればあなたのお家って裕福じゃないのね、と言っていることになります。
 
 外国人である親が、日本語が堪能な場合必ずしも家庭で自国語を話すとは限りません。例えばエアバス・ジャパンのステファン・ジヌー社長は極めて流暢な日本語を話します。フランス企業の日本法人には日本語の堪能なトップが少なくありません。彼らは英語もできるのが普通です。

 日本側の親が相手の国の言葉を理解できるとも限りません。日本で出会い、相手が日本語を喋れれば、日本語で意思疎通が不自由なくできます。その場合家庭内で例えばフランス語を話す環境にはありません。

 東京、特に港区あたりに住んでいればまだ、外国人のコミュニティがありますから、英語やフランス語、ドイツ語あたりならば子供同士でも話し相手が見つかりますが、地方ではそのようなコミュニティがありません。親と話すだけでは語学力を磨くのは困難です。

 また第三国語を使う場合もあります。相手が日本語は話せないけど英語のできるフランス人で、日本人の側はフランス語を話せず、英語は話せる。こういうカップルであれば英語が家庭の共通語になります。ですが子供が普通に日本の学校に通えばそれほど流暢に英語すら話せない場合もあります。

 更に親の言葉がもっと実用価値が低い、タガログ語とか、ペルシャ語であれば、両親はバイリンガルに育てるにしても、日本語と英語を教育する場合もあります。

 ですが、日本に生活し、日本人として暮らしている分には外国語は必要ありません。在日朝鮮人、韓国人の多くも母国語を話せません。林真理子氏の主張が正しいならば、在日は皆朝鮮語が堪能であるはです。


 林真理子氏の認識は日本がまだ貧しく、欧米に追いつけ追い越せの時代で、欧米に抜きがたいコンプレックスを持っていた時代のステレオタイプなそれでしょう。

 大作家だからすべての分野において高い見識を持てとは申しませんが、これだけ国際化が進んでいる現在、国民的な週刊誌に連載されているエッセイの内容としてはいささか古臭く、ステレオタイプで、俗物的にすぎるように思えます。
 
 本来編集者が諌めるべきでしょうが、編集者も同じレベルの見識なのか、大作家の玉稿には文句が付けられないのでしょうか。
 後者であれば林真理子氏は遠からず「裸の女王様」になる可能性があります。




朝日新聞に以下の記事を掲載しております。
「武器輸出」は中小企業から
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013100200005.html?iref=webronza



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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
サンドラさんの本、よんだことありませんが、面白そうですね。ちなみに、わたしは、幼稚園でも、心理学医師のところでも、保育士にも、「お母さんは日本語だけをお子さんにしゃべってくださいね」といわれました。おかげで娘はバイリンガルですが、いまは、フランスでも、一つの家庭で二つ以上の言語が飛び交う方が多いといっていました。貧乏家族でも複数言語話すようになっているようですよ。
junquo
2013/10/06 01:07
尼崎に住んでいる知り合いが「ハーフにもブサイクなのはおりますよ」と教えてくれました。
ひゃっはー
2013/10/06 20:16
腐女子脳
名無し
2013/10/07 06:09
お邪魔します。
 確か統計学に「分断の効果」というのがあったと思いますが、これもそれにあたるのではないかと思います。有名無名をひっくるめれば「ハーフである事」と「美男または美女で、かつ外国語が堪能」との間にはさほどの相関関係はないものと思われますが、「広く名を知られているか否か」で”分断”された結果、あたかも相関関係があるかのように見えるのではないでしょうか。名を知られるようになったのは「ハーフだから」ではなく、「美男または美女で、かつ外国語が堪能(のように見える)だから」かも知れませんが。
ブロガー(志望)
2013/10/08 22:36
サンドラって、「ここが変だよ日本人」という番組にでていた無知なヒステリー女です。
知識がないという自覚もなく、テレビカメラの前でキーキー喚き散らす姿は、醜悪そのものです。
上から目線で、日本人に説教垂れる前に、とっとと母国へ帰ればいいのですよ。
日本人の血を引いていても、所詮は外国人。原発事故を見ても解るように、危なくなれば簡単に国外へ逃亡する余所者です。
余所者は、余所者としての立場をわきまえてもらわないと困るんですよね。
シロ
2013/10/15 23:21
そういう考え方は排他的だと思いますが。
ぼくの知り合いの日本人でもフクシマ以後海外に
「逃亡」した人がいますが、それもヨソモノですかね。
キヨタニ
2013/10/16 15:09
>そういう考え方は排他的だと思いますが。
ぼくの知り合いの日本人でもフクシマ以後海外に
「逃亡」した人がいますが、それもヨソモノですかね。

そうやって、排他的という烙印を張るところが痛いのですね。別に海外逃亡がいけないというのではありませんよ。外国人にとって、日本は自分の国のではないのですから、逃げるのは当たり前。海外逃亡した人々を責めたり、軽蔑する気はありません(自分の子供を置いて、海外へ逃亡した動物以下の屑外国人は、軽蔑の対象ですけど)。
調子のいいときだけ、同胞として扱えと主張し、日本という国の甘い蜜だけつまみ食いし、危なくなれば海外へ逃亡する輩は、日本人であれ、外国人であれ、仲間意識や精神的共感を得ることはできないということですよ。日本と日本人のために命を賭けてくれる人々と、早々と海外逃亡した人をどちらに対して仲間意識を抱けますかね。

あのサンドラ・フェリンというのは、ここが変だよ日本人という番組で、やたら日本人の無反省振りを、上から目線言っていましたが、典型的なドイツ人ですよ。「ドイツは反省しているが、日本は反省していない」と偉そうに説教垂れたがる典型です。
要は、日本をナチスと同罪に引きずり込もうとしている無知なドイツの典型です。
当時のビデオを見ると、自分の無知と礼儀知らずを自覚もせず、ヒステリックに喚き散らしている醜悪な姿が見られますよ。
まあ、バラエティ番組ですらか、場を盛り上げる道化が必要だったのかもしれませんが(笑)
シロ
2013/10/18 22:59
サンドラ ヘフェリンの出演番組は見た事がないが著書を読む限り、滝川クリスタルにフランス人ハーフだからフランス語が話せると勘違いする林真理子のような人間に「ハーフはバイリンガルとかぎらない」とハーフに対する幻想を訴えながらも別の著書では「ドイツでは〜である」と特定の国や国民や人種に固定観念を植え付けるような矛盾が変。
ある時は「妄想をもってほしくないハーフ」である時は「ドイツ式を伝授するドイツ人」「ドイツ人で商売」「ハーフで商売」蝙蝠を連想させる。
基本的意見として上のブロガー(志望)のコメント「分析の効果」が作用している。という意見に同意。
このブログの文の中に「東京、特に港区あたりに住んでいればまだ、外国人のコミュニティがありますから」と書いてあるがそれもステレオタイプの思い込みにあたると思う。
港区にいる外国語を話せない外国人が外国のコミュニティーがある場合でも100%受け入れられるとは限らないだろう。


人間結局多かれ少なかれステレオタイプの傾向から抜け出れないと思う。
だからせめて相手のステレオタイプな考え方も自分のステレオタイプな考え方と同程度に許せる心と歩み寄りが必要だと思う。


マリオ
2013/12/19 06:02

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