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zoom RSS 機動戦闘車よりもノリンコのVN-1戦車駆逐車の方がよほどマシ

<<   作成日時 : 2013/10/28 14:10   >>

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日本のメディアが“チヤホヤ”する新型「機動戦闘車」、2つの弱点は大丈夫か?―中国紙
http://news.livedoor.com/article/detail/8197318/

「日本の新戦車は手りゅう弾1個にも耐えられない?」と題した記事で、公開されたばかりの陸上自衛隊向け新型戦闘車両「機動戦闘車」について、浮航能力や空挺降下能力を備えていないことから、その戦闘能力に疑問を呈している。

性能面から考えると、日本の機動戦闘車は実際は「タイヤ式戦車」だといえる。日本メディアは浮航能力もないこの機動戦闘車を「離島防衛」や「釣魚島(尖閣諸島)の防衛」などと関連して考えているが、無理なこじつけとか言いようがない。


 いや、その通りです。

 そもそも機動戦闘車の開発は戦車の定数減に危機感をもった機甲科が主導で根回しし、実現したはじめに組織防衛あり、のプロジェクトです。これをやらないと機甲科のポスト、頭数が減ってしまい、影響力も低下します。
 その意味ではまさに「装輪戦車」です。

 ですから島嶼防衛とかゲリコマ対策など使用するというのはこじつけです。
 相手がせいぜい軽戦車ならば105ミリ砲は必要ない。むしろより小口径で水陸両用機能をもたせた方が運用の柔軟性が確保できたでしょう。
 そもそも戦車が欲しかったので、しかも74式の砲弾が流用できるので105ミリ砲以外の選択がなかった。

 軽装甲車ならば中口径の機関砲でも十分なわけです。ならば新型の8輪歩兵戦闘車を開発し、量産すればよかった。

 そもそも装輪装甲車に水陸両用機能が要らないというのはコマツが言い始めたことですが、陸自はそれを検証もしないで採用しちゃったわけです。これはコマツのキーパーソンに聞いた話です。

 機動戦闘車に水陸両用機能が必要かどうかの検証も必要でしょうけど。尖閣では使い道が無いでしょう。まあ非直接照準射撃ができれば多少は話が違ってくるでしょうけど。

 しかもゲリコマ対処といっておいて、これに適した多目的弾の開発も行っていません。

 その上、例によって発展性のない専用車体ですから、高価格、低生産数になって、いつまでたっても数が揃わない。多分途中で生産打ち切りです。
 そのくせ装備はプアです。ネットワーク化すら前提とされていません。一体どこの貧国の「装輪」戦車でしょうか。今日日途上国だってネットワーク前提ですよ。
 

 陸幕のユーザーがきまっていないという「大本営発表」を素直に信じると要求および開発主体が存在しいことになります。それでまともな開発ができるはずがない。
 ところが実体は機甲科主体で行われてきたわけです。陸幕がユーザーを「戦闘部隊」としているのは機甲科の名前を出すと戦車の定数に含まれてしまう可能性があるからです。そうなるとお大事の「本物の戦車」の定数を削減される恐れがある。
 これは方便のつもりでしょうが国会を欺く、納税者を欺く行為です。

画像

 機動戦闘車に比べてノリンコのVN1の戦車駆逐車のほうが遥かにましです。
 まず、ファミリー化で調達・運用コストが低く抑えられる。
 次に、ネットワーク化前提である。
 更に多目的弾を開発し、市街戦用の装甲パッケージがあります。これにはドーザーも付随しています。
 そのうえ乗員は追加で一名が搭乗可能で、下車偵察員などが搭乗できます。

 また対戦車戦闘を前提としたセンサー、FCSなどを採用し、主砲からはMBTの射程外から狙える対戦車ミサイルも使用できるので、ある程度の対戦車対処能力もあります。

 技術的には未熟なところもあるでしょうが、開発コンセプトは遥かに優秀です。

画像
画像

 機甲科の主敵は普通科、特科など他の兵科、さらに内局、財務省であり、余力もて国土を防衛する、というところでしょうかね。


 組織防衛に明け暮れていると戦争で負けますぜ。

 
 機動戦闘車に関しては近日中にWEBRONZA+でも記事を公開します。


新しいウェブニュースサイト、NEXT MADIA Japan In-Depthに寄稿しております。http://japan-indepth.jp/?cat=51

自衛隊の情報源はウィキペディアや2ちゃんねる?@
http://japan-indepth.jp/?p=979
自衛隊の情報源はウィキペディアや2ちゃんねる?A
http://japan-indepth.jp/?p=994
自衛隊の情報源はウィキペディアや2ちゃんねる?B
http://japan-indepth.jp/?p=1011

“報道ヘリ”が象徴する大手メディアの問題点〜災害救助の弊害と匿名の無責任体制@
http://japan-indepth.jp/?p=941
“報道ヘリ”が象徴する大手メディアの問題点〜災害救助の弊害と匿名の無責任体制A
http://japan-indepth.jp/?p=950

大手新聞も混同「武器輸出三原則」と「武器輸出三原則等」の大きな違い@|[連載]清谷信一「自衛隊の常識は軍隊の非常識」(3)
http://japan-indepth.jp/?p=900

大手新聞も混同「武器輸出三原則」と「武器輸出三原則等」の大きな違いA|[連載]清谷信一「自衛隊の常識は軍隊の非常識」(4)
http://japan-indepth.jp/?p=906

大手新聞も混同「武器輸出三原則」と「武器輸出三原則等」の大きな違いB|[連載]清谷信一「自衛隊の常識は軍隊の非常識」(5)
http://japan-indepth.jp/?p=909

陸自の新兵器、機動戦闘車は無用の長物
http://japan-indepth.jp/?p=755

朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しています。
陸自の「水陸両用部隊」は米海兵隊の劣化コピーでいいのか(上)――不足する情報収集
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013102300007.html?iref=webronza

陸自の「水陸両用部隊」は米海兵隊の劣化コピーでいいのか(中)――参考になる英海兵隊
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013102400005.html?iref=webronza

陸自の「水陸両用部隊」は米海兵隊の劣化コピーでいいのか(下)――自衛隊はプロ集団の英海兵隊に学べ
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013102500005.html?iref=webronza


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コメント(21件)

内 容 ニックネーム/日時
清谷様、10月25日の防衛省記者会見の質疑応答で、機動戦闘車に関してご質問されたのは、清谷様でしょうか。

明確な答えが得られなかったようですが。
ブリンデン
2013/10/28 15:40
そうです。後日報道官から回答とういうことで。でも話のキモは大臣がどう思っているかということだったんですけども。
キヨタニ
2013/10/28 18:09
はじめにラプターありき。はじめにオスプレイありき。はじめにAAV-7導入ありきetc・・・.計画性も何もあったものじゃない。いつまで経っても効率的とか合理的といった言葉と無縁ですよね、自衛隊の装備計画って。それでも最近はまとめ買いするようになっただけでもマシか、とは思っていましたが、結局は声のデカイ集団が自分のシマを防衛するのが最優先、てことですかね。
カッコ
2013/10/28 18:39
清谷様

どうもありがとうございます。25日の質疑応答を見ると、清谷様のような質問がほとんどないのが残念です。これからも専門的な知識を生かした質問を期待してます。
ブリンデン
2013/10/28 18:57
こういう質問をすると側で控えている報道官が嫌な顔をするんですよね。
キヨタニ
2013/10/28 19:02
陸自の普通科、機甲科(偵察)など戦闘部隊に配備され>
戦略機動できるハイブリッド戦闘車
28年度の装備化を目指す(2013年10月9日):朝雲新聞 http://www.asagumo-news.com/homepage/htdocs/news/newsflash/201310/131021/13102101.html
K
2013/10/28 20:14
105ミリ砲のくだりには、なるほどと思いました。プロの目から見て、日本人の軍事的合理性の欠如が治る可能性はどのくらいあるのでしょうか?私は「失敗の本質」や「海軍反省会」などの書物を読んで悲観的に捉えています。

2013/10/28 21:40
「装備調達の迷走」は、遠回りに見えてもドクトリン・軍事理論の研究でしか解決できません。
マリンロイヤル
2013/10/29 09:11
調達の失敗といえば、空自の戦闘機やら海自のミサイル艇、掃海ヘリが定番ですが、陸自はアパッチから始まってUH-X、01軽MATに機動戦闘車と最近ひどすぎる気がします。
マリンロイヤル
2013/10/29 18:00
機関砲搭載車両は別に作るのでは?

ストライカーの浮航能力って静水限定じゃないんですか?
米軍は60tのM1エイブラムスでも上陸させられるんだから考慮する必要も無いですし
第9
2013/10/30 06:25
主砲は相手が105mm持ってますし、市街地で運用する場合に機関砲はスパスパ抜けてヤバいという戦訓がイラクで出てますし、妥当でしょう。

装甲車が間に合わせ的に持つ浮航能力が日本で必要かは疑問ですね。
日本の川は流れが速すぎて、池とか湖でしか使い道ないですし。
離岸流で逆らえない程度の能力では、上陸に使うのも不安。
そもそも、防御を下げて浮くか、大柄にして浮くかの制約を受けますし。

りゅう弾なら兎も角、多目的弾って何でしょう?
HEAT-MPとは違うわけで?


専用車体は仕方ないでしょう。
105mmを運用しようとすると、宅地での物理的な制約となる2.5m以下に収められなかったのでしょう。

10式の成果を流用した機動戦闘車は、ネットワーク前提でしょう。
GPSアンテナも確認されてますし。


まあ、機動戦闘車は要らんと思いますけどね。
機動戦力で、歩兵の盾たる戦車を優先すべき。
融合炉
2013/10/30 11:18
ゲリコマ等で火力支援を受ける普通科隊員にしてみたら、
自分の隣に居るのが戦車と機動戦闘車のどちらがいいかと聞かれたら、
そりゃ戦車のほうがいいに決まってます。
北海道から九州まで運ぶとかならいざ知らず、
せめて方面管内の戦車1個大隊くらいは自由に動かせるだけの輸送体制を確立すべきだと思う。
陸自も機動戦闘車をこさえる前に北海道に大量に飼い殺しにしている機甲戦力を
有効活用するのが先なんじゃないでしょうか。
きらきら星
2013/10/30 21:58
方面管区内程度なら、自走で行けるでしょう。
融合炉
2013/10/31 17:47
いや、装軌車の自走って路上でもかなり厄介みたいですよ。
何年か前に第7師団の戦車と装甲車を駐屯地から港まで
何十キロか自走させたら途中で1台エンコしてました。
トレーラーや戦車回収車、部品補給や整備の体制。
戦車を必要な時に必要な場所へ展開出来る体制は作っておかないと。
それが出来た上で初めて機動戦闘車がどうこう言えると思います。
きらきら星
2013/11/01 13:11
>方面管区内程度なら、自走で行けるでしょう。
可能は可能でしょうけど到着した後の主に足回りの整備や搭乗員の負担等を考えればいわゆる
戦車トランスポータの類は必要だと思います
ケロケロ
2013/11/01 17:36
戦車をトレーラーに積んで長距離を移動させるよりも、装輪の「戦車」が自走する方が何かと付けて有利である。ゆえに、南北に長い本州には機動戦闘車が必要だ、というのなら分かりますよ。ところが、防衛省はそうは言っていない。なら、キドセンなんぞよりも戦車輸送用のトレーラーを増強して、機甲科の人達を輸送科(?)に転職さたほうがマシでしょう。
ひゃっはー
2013/11/02 13:33
>ひゃっはーさん
その辺は最近の防衛大綱の流れから読み取れると思います
http://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2013/pc/2013/html/n2211000.html
ゆう
2013/11/02 16:44
#HEAT-MPとは違うわけで?

どうやら今回はHEAT-MP([破片機能付]多目的対戦車成形炸薬弾)以外にはイスラエルの新型APAM([同調機能付多弾頭}対人対物弾)。一つの砲弾に弾頭6つを積み、各自に電子信管を備える事により、同時爆発或いは各自遅延爆発が出来、殲滅効果を高めるに成る。

まあ、考えは良いか、高価の弾頭になりそうです。一発一発なら勿論APAMの方が効果的でしょうけど、費用対効果なら、普通の榴弾の方が良いかもしれません。そして、調整されるのは飽くまで爆発タイミングですので、HEP(粘着榴弾)の代わりに成らないでしょう。

そして、HEAT-MPは対ゲリラ用に置いて効果は良く無いと聞いています。如何に破片機能付でも、爆発力の大部分は対戦車ジェットの形成に向いたので、歩兵への効果は限らている。そして、壁に向いても穴は比較的に小さくに成る。これなら、普通のHE-FRAG榴弾の方が効きが良いでしょう…

#GPSアンテナも確認されてますし。

えっと、航法アンテナが有ってもデータリンクは必ずしも有ると限りません。

とは言え、確かに無いとは考えにくいです。だから、私も清谷氏へ「根拠を開示して下さい」と願います。(あれは、勿論「清谷氏の情報は2チャンから」何か言ってない。だが、どんな人から聞いて、彼はどんな反応を示した事によって清谷氏に「データリンクは恐らく無いだろ」の発想を生んだについて興味が有ります。少なくとも、10式は7億ではないと書いた時位の説明が望ましいと想います。)

清谷氏、お願い出来ませんが?
香港からの客人
2013/11/03 01:22
どこで使うんですかこれ?PKO用?
よくゲリコマゲリコマと言う人が居るが、日本国内でゲリラが発生する可能性は殆ど無く、海外派遣でのことを言ってるのかな?
いやたぶん何処からともなく沸いたゲリラが日本国内で大暴れするのを夢見てるのでしょう。

国内は妄想でいいとして、外地でPKOでこんな戦車もどきが大砲ぶっ放したら、現地の人からは侵略軍と思われ憎しみ100倍返しを長期喰らい続け、日本の未来は安泰でしょう。
誰かの儲けネタと陸自の趣味嗜好など利害もマッチしメデタシメデタシです。
あと何度ガッカリさせられたら、このクソゲーゲームオーバーになるのかなあ。
なん中華ひやし中華
2013/11/07 08:07
ゲリラ・コマンド(ゲリコマ)は『正規軍』でゲリラ戦術を作戦として遂行する兵士または集団を指す言葉です。
↑の人の考えるのは中東などで米軍に対して行われているゲリラ戦のことなのでしょうが、そちらはパルチザンと呼ばれたりもする、『民兵』もしくはそれらが集まった組織が行います。
歴史的にはゲリラは後者の意味を指し、これと区別するためにゲリラ・コマンドと呼ばれる用語ができたのです。
なおゲリラ・コマンドは特殊部隊による後方錯乱などを目的とするコマンドー攻撃が含まれることがよくあります。
おそらく防衛省もこのような認識があるので、機動戦闘車の説明があのような形になったのでしょう。
で、日本国内でゲリコマによるゲリラ戦は起きないというのは妄言といっても過言ではありません。
なにしろ日本人の意思など関係なく、敵(この場合だと中国)が「GO」と言えば作戦が始まるのですから。

まぁ結局、機動戦闘車は本州有事に特に威力を発揮するよう設計されてますな。
よくいる軍オタ
2014/03/30 12:36
雑誌「軍事研究」で
フィンランドパトリアAMVvs陸自の機動戦闘車
の特集ありましたけども、当然、パトリアAMVの方がマシですよ。
AMVはVN-1のようにファミリー化されてますし、
水陸両用機能も付いてますし、
有事には十分役に立ちます。
それに比べて、陸自の機動戦闘車は大砲があるだけのただの車、こんな役立たず兵器を押し付けられた
自衛隊員の皆様は気の毒です。
$
2017/02/27 23:38

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