清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所 

アクセスカウンタ

zoom RSS 谷本真由美@May_Roma の妄想 その8 ノマドってなによ? 

<<   作成日時 : 2013/07/12 09:55   >>

ナイス ブログ気持玉 45 / トラックバック 1 / コメント 2

   谷本真由美さんの『日本が世界一「貧しい」国である件について』に対する分析と批評です。


日本が世界一「貧しい」国である件について
祥伝社
2013-03-27
谷本真由美(@May_Roma)

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 日本が世界一「貧しい」国である件について の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



谷本真由美さんのツイッター
https://twitter.com/May_Roma

 今流行のノマドって早い話がフリーランスなんじゃないですか。

 で、谷本さんは日本人は貧乏な下層ノマドにしかなれないと断言しています。(P102)
 イギリスでは、ナイジェリア人やポーランド人などのノマドが大量に流入し、また付加価値の低い仕事は海外に移されている、製造業は東欧や南アフリカに移転なと書いています。またイギリスの低賃金労働市場にも外国人が入り込んでいると書いています(P105〜106)。

 「この人たち(外国人労働者)は、イギリス人たちよりも遙かに少ない賃金で一生懸命働きますから、大変喜ばれています。(中略)東欧出身の大工さんはイギリス人よりも雇うことスが安く、仕事も丁寧だったりしますから大好評です。(中略)腕が悪く仕事をしないイギリス人の大工さんには仕事が来ないのです。


 「こんな調子ですから、最近は元々中産階級だった人たちが『下層ノマド』となり、仕事を求めてオーストラリアや中東、中国、カナダに移住する例すらあります。  
 低スキルの労働者だけではなく、大卒のホワイトカラーや、建築士などの専門職も移民しているのです。

 
 まあ最後のパラグラフは中産階級は低スキル労働者と読めるのですが、それはおかしいでしょう、という突っ込みは置いておいて、これまでぼくが指摘した英国労働の問題を自分で書いておられます。

 これまで向上心もなく、時間を切り売りし、仕事のやる気が無い、プライべートを仕事よりも優先するのが日本以外の正しい生き方だ、英国は勤労者の天国だというようなことを谷本さんはご主張してきたはずです。

 ところが、ここに来て、努力もしない、やる気の無い労働者は移民に仕事を奪われます。
 中産階級も労働者階級に転落か、国外に職を求める就職難民になるしかない、と述べています。なんでこれが日本よりもいいシステムなんでしょうかね。

  ですが、ご本人は矛盾に気がついていないようです。本を書くときに校正していれば、矛盾に気がつくと思うのですがね。


 日本の場合職能制ではないので、職場転換で不要や縮小になった部門の人間を他に配置転換したりします。また熟練した社員はプライスレスの価値をもっているので、解雇は最後の手段で利益が下がっても雇用を続けたりします。

 対してアングロサクソン系は、固定費である人件費を削れば、ぱっと見た目のバランスシートがよくなるので、安易に解雇します。また業績が良くても自分がボーナスを取りたいために、人員をカットしたりします。当然現場にしわ寄せがいきますが、偉い人たちはお構いなしです。

 そしてレイオフは入社時期が若い順ですから、若者ほどレイオフを繰り返して、失業保険で食いつなぐはめになりますから、若者ほど経験を積めないようになっています。

 現在米国ではシェールガス革命もあり、製造業の国内回帰が始まっています。ところが熟練工を首にして、会社を畳んでしまったので、国内で熟練工が非常に不足しております。このためせっかくのビジネスチャンスを生かせないケースが多いようです。


 一部の経営者が、従業員を食い物、使い捨てにするのがアングロサクソン的な方式経営の本質です。

 谷本さんはそれが素晴らしいと仰っている。またご自分の主張の矛盾に気がつかない。世の中にはその場、その場で言うことがころころ変わる人がたまにいますが、卑しくもプロの物書が、同じ本の中でころころ変わるのはいかがなものでしょうか。




以下の記事を朝日深部のWEBRONZA+に寄稿しております。

空自のF−35は中国が導入するSu−35に対抗できるか(上)
――ロシアが売却する事情とは?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013070400007.html?iref=webronza
空自のF−35は中国が導入するSu−35に対抗できるか(中)――日本が不利な理由
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013071000011.html?iref=webronza
空自のF−35は中国が導入するSu−35に対抗できるか(下)――F-35導入の是非を再考すべき
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013071100005.html?iref=webronza


東日本大震災で防衛省の無人機はなぜ飛ばなかったか(1)――墜落を恐れた?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013061900007.html
東日本大震災で防衛省の無人機はなぜ飛ばなかったか(2)――省内の食い違い
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013062000004.html
東日本大震災で防衛省の無人機はなぜ飛ばなかったか(3)――難しい新規参入
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013062700005.html?iref=webronza 
東日本大震災で防衛省の無人機はなぜ飛ばなかったか(4)――「我が国固有の環境」とは何か
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013070100008.html?iref=webronza

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 45
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!)
面白い 面白い
かわいい かわいい

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
英国のEU離脱。  EU離脱では問題は解決しない。
 さて、英国が国民投票でEU離脱を決定しました。 ...続きを見る
清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所...
2016/06/27 10:25

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
まるで、やる気のない英国労働者がキリギリスで、真面目な移民がアリのようですね。すると、キリギリス達がネオナチの思想にかぶれて、アリを火炎瓶でいじめる結果につながるのですね。清谷様のブログを読んでいると、実によく分かります。
ひゃっはー
2013/07/12 11:12
お邪魔します。

>卑しくもプロの物書が、同じ本の中でころころ変わるのはいかがなものでしょうか。

 「イギリスは豊かで日本は貧しい」という点では一貫しているのではないでしょうか。おそらく谷本女史は日本とイギリスを「同じまな板の上に並べて」はいないのでしょう。「中国=文明、それ以外=野蛮」の中華思想のように「日本はイギリスでない、イギリスと異なっている=日本は貧しい」とでも考えているのでしょうか。尤も彼女の立ち位置を考えると、中国よりも「本家中国よりも"中国である"事を目指し、自分と中国が文明で日本とかを野蛮とみなす(当然中国は自分達以外は全て野蛮)」かつての朝鮮に近いようにも思えますが。
ブロガー(志望)
2013/07/14 16:01

コメントする help

ニックネーム
本 文
谷本真由美@May_Roma の妄想 その8 ノマドってなによ?  清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所 /BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる