清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所 

アクセスカウンタ

zoom RSS ロボット開発防衛省、技本はいつまで寝言をいっているのか。

<<   作成日時 : 2013/03/20 18:53   >>

ナイス ブログ気持玉 24 / トラックバック 0 / コメント 4

 大規模災害や国連平和維持活動(PKO)などでの活用を目指して、防衛省が「無人機」
の研究開発を急ピッチで進めている。

同省技術研究本部(技本)が2007年度から独自に研究を進める「手投げ式偵察ロボ
ット」だ。テロ組織が立てこもる建物に投げ込み、内部の様子を撮影する用途などを想定。
6年かけて重さを4分の1(670グラム)にしたほか、3メートルの高さから落下して
も耐えられるよう改良を重ねている。


手投げ式偵察ロボなど「無人機」開発急ぐ防衛省
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130316-OYT1T00570.htm?from=top

人間に代わって危険地帯での任務を黙々とこなすとあって、米国など主要各国が開発に
しのぎを削るが、日本は予算不足から大きく立ち遅れている。


またこんなことを言って。防衛省の主張を鵜呑みしてはいけません。
かつて北沢大臣は「自国の軍服を外国で生産している国などない」と断言しましたが、官僚の入れ知恵をまったくうたがわずに使ったんでしょう。そんなことを言うと馬鹿にされます。欧州の多数の国は外国製の軍服を使っています。無批判に取材対象の言説を信じるべきじゃありません。

 日本よりも開発費の少ないチェコとかポーランド、南ア、ウクライナ、トルコあたりでも無人機の研究や導入は進んでいます。
 少ないのは予算だ、それが問題だ、というのは、換言すると「我が優秀なる日本民族の力をもってすればまともな開発費を投入すればたちまちにして諸外国に追いつき、追い抜き・・・・」という選民主義、国粋的な意識があるんじゃないですかねえ。
 

 問題の本質は第一に、我が国は世界に冠たるロボット大国ですが、防衛省にはそれを使いこなす度量も才能もありません。
 第二に費用対効果、時間も資源であるという意識の欠如です。

 問題は予算の多寡よりも、防衛省・自衛隊の装備開発のあり方、技本の開発に対する姿勢にあります。
 海外視察予算が年間100万円以下、しかも視察と称して将軍様の卒業旅行に予算を使ってきたような組織にまともな技術評価、予測、開発ができるでしょうか。
 疑ってみるのが常識あるオトナというものでしょう。
 

 技本はもうロボット開発止めた方がいいでしょう。

 センスもスピード感もありません。
 時代遅れの骨董品を開発し、他国の何倍も高い値段で細々と調達(そして多大なコストをかけて維持する)ことになり、国防を危うくします。

  自衛隊のロボットや無人機導入は悲しいほど遅れています。
途上国より酷いレベルです。爆発物処理などチェコやハンガリー、トルコあたりでもUGVを導入しているのに陸自は未だに人間がリスクを負ってやっています。
 
 技本では平成16年度からiロボット社のパックボットに似たマンポータブルなUGVを開発してきましたが、重量は36キロほどあり、10.89キロのパックボットの3倍だった。これを軽量化するといって8年以上たってもできませんでした。技本の開発といっても日立に丸投げですけど。

 3・11ではiロボット社のパックボットが福島の原発偵察に投入され、防衛省はこれを購入しています。ところが、契約者は輸入代理店の双日ではなく、UGVの開発に「失敗」した日立。当然調達コストは、日立の分のコミッションが上乗しています。何で日立がプライムを張る必要があったのでしょうか。


 ボール式のロボット?そんなもの10年ぐらい前から複数のメーカーで実用化されています。今からそれに「追いつくべく」努力を多額の税金をかけて行う必要があるんでしょうかね? 海外の主要な見本市を視察していれば、こんなものを今更作ろうという発想は湧きません。まあ、視察にいってもどうせ、卒業旅行、情報収集の「お仕事」で来ているという意識はないし、夜の接待とかに神経がいっているのでしたら展示されても目に入らないでしょうけど。

 技本(というか丸投げしたメーカー)で開発が終わったころには海外の先行メーカーは更に新型を市場に投入していますよ。

 既に何度もご案内のように法外とも言えるコストを掛けて開発、調達された陸自のUAVは3・11で一度たりとも飛行できませんでした。信頼性に問題があったからです。
 だから震災後にはボーイングのスキャンイーグルや、フジインバックの民間のB型とかのUAVを調達したわけです。

 そもそもこれらのロボットや無人機はどの程度の数量が見込まれているのでしょうか。
 開発するに足りる必要数がどのくらいあるのか、それを事前にリサーチし、それが満たされないならば開発は断念すべきです。それがいつまでに必要なんでしょうか。 
 数十輛、100個単位のオーダーで、毎年少数の調達ならばコストが高く、輸入が圧倒的に安いです。
 開発するならばどれだけの需要があり、どの程度の期間で調達するのかという見積もりを先に行うべきです。


 グランドを数周遅れの技本が開発するのを待ち、それが部隊に配備が完了するまで延々と10年以上も待つのでしょう。
 その間、部隊は人民解放軍からも遠く劣った旧態然の装備のまんまで放置されるわけです。実際そうして、自衛隊、特に陸自の装備は世界からおいてけぼりを喰っています。現状とても先進国の装備体系じゃありません。

 
 むしろ、諸外国で開発されたものを中速連隊や特殊作戦群やら一部の部隊でいいから導入し、それが良ければ速やかに必要とされる量を調達する。不都合がればそれを国内で改良する。それでもダメで本当に自衛隊が欲しいものが必要(国内開発のための言い訳ではなく)ならば、国内で開発すべきです。

 まず部隊で導入すればその装備の必要性の是非、使い勝手、運用なども勉強できます。ところが現状導入されてから運用の方法を考えています。これでは戦争に勝てません。

 本気で国内開発するのであれば、技本は「身内」の防衛村の企業だけではなく、ロボット専業メーカー、ベンチャー、中小企業、研究機関や大学などに広く呼びかけ、その中から技術力があり、コスト的に優れた案を出すところを採用すべきです。
 
 3・11であれだけ現実を見せつけられても、技本はまだ目が覚めないのでしたら、開発者としての才能がないのか、良心がないのか、あるいはその両方ではないかと思われます。

 真面目にカネをかけて諸外国の開発動向、技術進歩のトレンドをリサーチし、その上で開発プロジェクトを絞り、本当に必要な研究開発を行うべきです。

 このような既存の企業と馴れ合いで、野放図かつ無責任な開発で開発費を乱用していると、それは結局国内防衛産業の弱体化を招きます。国産兵器は性能がいい、絶対必要だという「信仰」こそが長期的に見れば国内の製造基盤を脅かしていると思います。

 どうしても趣味の開発をやりたいのであれば、税金ではなくポケットマネーでどうぞ。


出遅れた自衛隊の無人機(上)
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2011050200016.html
清谷信一.出遅れた自衛隊の無人機(下)――漫然と開発を続けるのか?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2011051000005.html

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 24
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた 驚いた
面白い 面白い
ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!)
かわいい かわいい

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
お疲れ様です。
民間じゃないんだから、
「開発」
というのが、官僚どもにとって、
「一番おいしい!!」
んじゃないすかね?
unimaro
2013/03/21 22:05
お邪魔します。
 結局アメリカは日本に「本当に戦える」ようにする意志は無く、日本自身にもその気は無いのだと思います(実戦はあくまでアメリカに丸投げ)。しかしそれではアメリカの有権者・納税者の理解は得られないでしょうし(安保ただ乗り?)、日本の中にもそれに納得できない人達もいますし(その一方で自衛すら否定するような人達も無視できない)、周辺国の中にも「やれるかも」と思う人達が出てくるでしょう。ですからそれらに対する「アリバイ」として自衛隊は存在しているのではないかと思います。自衛隊の存在「自体」が「アリバイ」なのですから、兵器等の開発にも「実際にこれで戦う」という視点がある方が「不思議」なのではないでしょうか。
ブロガー^(志望)
2013/03/21 22:47
確かに無人機の導入は大幅に遅れていますね。

予算倍増して研究し、極力国産することが肝要ですが、
どうしても駄目な場合等は海外製の導入でしのぐこともやむおえないでしょう。

一番問題なのは今現在殆ど無人機が装備されていない事ですね。
無人飛行機飛行の法的制約も含めて改善すべきでしょう。
軍事オタク
2013/04/02 10:53
>ボール式のロボット?そんなもの10年ぐらい前から複数のメーカーで実用化されています
比較したいので具体例を教えてください
http://2.bp.blogspot.com/-Ur3LAgZd6hU/Uc682iQ9KJI/AAAAAAAAJOI/ezCV9EuoYik/s640/20121114-106-2.jpg
http://4.bp.blogspot.com/-UlvIvwotImo/Uc7AOKTI40I/AAAAAAAAJOY/68J4-g_IJS8/s640/%E8%AB%B8%E5%85%83.png
α
2013/06/30 04:13

コメントする help

ニックネーム
本 文
ロボット開発防衛省、技本はいつまで寝言をいっているのか。 清谷信一公式ブログ  清谷防衛経済研究所 /BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる