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zoom RSS 駐在防衛官の問題点

<<   作成日時 : 2013/01/21 14:02   >>

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日本の情報ルートに穴 駐在武官、アフリカに2人
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS20013_Q3A120C1PE8000/

 「駐在武官」とは自衛隊から派遣されて在外公館に籍を置き、軍事情報の収集を担当する防衛駐在官を指す。
アフリカでは現在、エジプトとスーダンにそれぞれ1人ずつしかいない。


 これはぼくは以前からずーっと、指摘続けてきたことです。南部アフリカなんて防衛駐在官ゼロ、ですよ。
 韓国ですら南アに武官を置いているのに。

 そもそも論でいえば、駐在防衛官は外務省に出向し、外交官扱い、予算も外務省の予算です。
 しかも軍事がお嫌いな外務省は防衛駐在官の予算をけちりますから、近隣諸国に出張もろくにできない。
 またレセプションとかか夫人同伴のイベントなども多々あり、まともに活動すると持ち出しです。
 ですから、事情通の大臣とかは機密費からそっと費用を差し出すこともあるようです。
 
 対して、エライ人の中には駐在防衛官をガイド、運転手代わりに使う人もおるようですが。
 誰とはいいませんけど。


 以前はまったく駐在防衛官が直接防衛省に情報を送ることができませんでした。現在は公式にはこの状態が改善されているとの話ですが、その実以前とあまりかわらんです。

 我が国は諜報活動ができませんから、他国よりも熱心に防衛駐在官による情報収集を行わないといけません。
 実際はその逆です。

 
 特にアラブ、アフリカ、アジア、南米などにおいて軍事情報無しで、政治的外交的な決定を下すのは極めてリスクの多い選択となります。

 先進国への駐在防衛官はでも国によってそれぞれ陸海空自衛隊の指定席があります。例えばフランスは空自ですが、では今度戦車の調査をしろといわれても困るでしょう。

 また駐在防衛官が一名ではせっかく築いた人脈の引き継ぎが困難で、新任者はほぼゼロベースで人脈を構築する必要があります。


 ですから重要国には複数の駐在防衛官を置き、また彼らを補助するジュニア・オフィサー、下士官のチームを編成しておくべきです。集めた情報は共有できる様にしておくべきです。本省、統幕、情報本部との連携も必要です。
 当然ながら予算、特に領収書の必要がない金も用意するべきです。

 特にアフリカや中東では中国の活動を監視する必要があります。

 またその国が国威をかけて行っている軍事や航空見本市には防衛省・自衛隊から10名単位の代表団を送り込むべきです。そうして相手国の軍とトップレベルので信頼関係の熟成と情報のパイプの強化を図るべきです。できれば、各幕僚長が顔をだすぐらいすべきです。
 こういうところは中国を見習うべきです。

 ヒユーミントな情報はコツコツした人脈作りと顔を出す回数、情報交換がキモです。ぼくらの商売でも同じです。
 それもやらずに困ったときだけやってきて情報を寄越せでは、相手にされません。
 日頃のお付き合いが大事です。


画像

 軍事見本市、SOFEXにて中国のブースを訪れるヨルダン国王。

画像

 同上。現地要人と談笑する人民解放軍将官。

 いつも事件や戦争が起きるたびに、政府は右顧左眄して大騒ぎしますが、事が終わるとそのまま情報収集と防衛駐在官の改善が放置されていきました。
 それが今まで繰り返されてきました。


 つまり、我が国の政治家は情報に対して非常に鈍感である、ということです。

 軍事情報は経済、国益とも密接に結びついています。例えば今度の事件のように危ない国の危ない情報を国が察知して、企業に適切な情報を与えておけば回避できる危機はあります(それも進出するのだ、というならば自己責任ですが)、特に我が国は米国やフランスのように軍事介入できるわけではないでので、尚更軍事情報は必要です。

 ところがこれまで、何回も痛い目に遭ってきたにも拘わらず、軍事情報の収集を怠ってきたというのは日本の政治レベルの低さ、意識の低さを如実に物語っています。


 ついでに言えば、邦人救出も自衛隊はできません。危ないところには自衛隊は行っていけない法律になっていまます。
 海外に於ける国民とその資産の安全に国は全く責任を負っていないことになります。
 

アフリカの防衛駐在官、増員に意欲…防衛相
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130120-OYT1T00565.htm?from=main1

「現在も防衛駐在官を送り込んでいるが、もう少し情報収集(を強化)する必要がある」と述べた。

 小野寺大臣は駐在防衛官の扱いを外務省から防衛省に移す気があるのでしょうか。現在のまま外務省の所管であれば、多少人数を増やしたところで焼け石に水です。駐在防衛官を何のために置くのか、何をやらせるかのかという政治的なオーダーを確立しなければ、多少人数を増やしても意味がありません。
 外務省と喧嘩をする覚悟があるのでしょうか。我々は大臣の今後の行動の注目する必要があります。


 安倍政権が目指す「新しい国」とはなんなのかは知りませんが、こういう旧弊を正すことが「新しい国」なんじゃありませんか。
 
 

政府、防衛省の情報力が低いのは構造的な問題。
http://kiyotani.at.webry.info/201301/article_9.html

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
今回の記事はわりと安心して読める良記事だったと思います。
党利巣借り
2013/01/21 21:55
外務省は役立たず。防衛省の情報部署を強化して管轄すべし。
th
2013/03/05 09:23
駐在防衛官じゃなくて防衛駐在官です。ちゃんと気をつけて下さい
yy
2013/04/24 22:38

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