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zoom RSS 憲法改正の前にできることをやらずに、憲法改正だけを叫ぶのはプロ市民と同じメンタリティ

<<   作成日時 : 2012/12/31 23:57   >>

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 自民党安倍政権は憲法改正を目指しています。

 個人的には占領軍に銃剣を突きつけられて、与えられた憲法は改正すべきだと考えます。
 現憲法の制定手続きが正当であり、合法的ならば、ナイフを突きつけて性行為を強要することも強姦ではなく、合意の上の行為となります。文明社会で許されるものではありません。

 まあ、そのような「強姦憲法」を不磨の大典かのごとく崇め奉っているいる「日本ペンクラブ」のマジョリティの同業者たちは強姦を是とするのでしょう。

 その反面、一切戦争を否定する「平和憲法」があったお陰で、我が国が戦後米国の手先として戦争に狩り出されることはなかったわけです(朝鮮戦争の時の掃海を除けば)。ぼくはこれを 「死んだオヤジの遺言憲法」と呼んでおります。死んだオヤジの遺言ですからといえば、保証人になれとか、●●を付き合えとかはあまり強要されません。つきあいを逃げるのには非常に便利です。

 ですから、自主憲法制定を機に、やりたくもない戦争に巻き込まれることを想定し、逃げ道を作っておくべきです。
 例えばイラク戦争やアフガンでの戦争は不毛なだけで、現地の反感を買い、参戦国は多くの将兵の犠牲を出し、国家財政を圧迫しました。

 
 また一部の改憲論者の言動をみていると不安になります。自衛隊を巡る法整備やら、なにやらの諸問題が憲法を改正すればたちどころに解消するかのようなことを主張しております。

 ですが、憲法改正は魔法の杖ではありません。
 
 憲法を変えなくとも、法律を変えるだけで可能なことも多々あります。
 かつての有事法、国民保護法の制定でも一部それが、実現しました。
ですが、彼らは憲法改正をしなくてもできる、地道な法改正を主張することはあまり無いように思えます。
 憲法を変えれば全ては素敵に解決すると。

 ぼくは自衛隊は様々な法的な規制に縛られている、だから法を遵守する限り戦争は出来ないと申しあげてきました。
 
 たとえば、陸自は今年までファーストエイドキットもまともにありませんでした。採用されたキットもPKO用は充実していますが、国内用には止血剤など各種装備がオミットされています。これは医師法の縛りがあるからです。
 ですが、それは医師法を変えればいいだけの話です。しかし防衛省・自衛隊はそのようなことは面倒くさい、と思っているのでしょう。変えようと努力をしません。

 本気で戦争に備えているのであれば、法律の変更を要求するはずです。
 現状を見るに、自衛隊の将軍・提督達に本気で戦争する気は無いように思えます。
 このような現状は仮想敵国には見透かされているでしょう。であれば、自衛隊の抑止力はかなり低いと考えられます。

 つまり、憲法を改正する以前、努力してより自衛隊を実戦的に変えることは可能です。
 
 ところが威勢のいいことを言う「保守の論客」はこのような小さな問題をコツコツと掘り起こし、解決しようという地道な努力をしようとしません。
 世論を煽り、新しい玩具を買え、防衛費を増やせ、自衛隊の定員を増やせ、憲法を変えろと叫ぶだけです。
 
 まあ、その方が楽だし人気もでます。
 いくら喰うためとはいえ、それでいいんでしょうかね?

 非常にハードルが高い憲法改正を叫び、それが出来れば世の中は変わると主張し、小さな努力はしない。
 それは沖縄で反基地闘争をやっている連中と同類ということです。
 彼らは沖縄の戦略的な重要性を知っており、米軍が撤退しないことを知っています。仮に撤退しても自衛隊が代わりにその隙間を埋めることを知っています。

 手間がかかり、地味な改革には見向きもせず、簡単には実現しもそうもないことを実現しようと、大きなスローガンを掲げて、声を張り上げているほうが楽だし、楽しいし、金が儲かるのでしょう。


  やっていることや主張は少なからずプロ市民や観念左翼と大同小異です。
  こういう手合いに限って自衛隊を美化礼賛し、自衛隊は常に正しい、という無謬論を唱えます。
  防衛省、自衛隊は間違いを犯さない、彼らに問題があるとするならばそれは政治や、財務省が悪いからだ、と外に敵をつくり、擁護します。

  ぼくはこのような、無邪気に暴力装置が常に正しい、間違いを犯さないと主張するナイーブな人たちが憲法を変えようと主張することは極めて危険であると思います。

 憲法改正も大事でしょうけど、我々はもっと地道な努力をすべきです。
  


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コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
大学のとき、教授から聞いた話ですが、憲法を占領軍から押しつけられたことになってますが、教授の先生たちが基本を作成したのだそうです。
原案をマッカサーに見せたら、「どうやって国を守るきだ!」と驚いていたそうです。
その先生も亡くなっているでしょうから、真偽のほどはわかりませんがね。
本当なら、押し付けられたのではなく日本人が作ったということで、それがわかったら困る人たちがもみ消したのでしょうな。
そろそろ、憲法改正はしてもよいころだと思うし、自衛隊の実戦訓練はした方がよいでしょうな。
『グローバルホーク』ではなく『プレデター』を買った方がいいと思いますしね。
(=^・・^=)
2013/01/01 07:20
地道な努力が嫌いだから、劇的なパフォーマンスに走る、それを支持するのでは?>我々はもっと地道な努力をすべきです。

…産業構造を転換することはできない
既得権益の打破もできない
官僚支配を打破することもできない
少子高齢化を解決することもできない
対米従属外交を改善することもできない
領土問題を打開することもできない

…正直、今の日本で変更できること、変えても誰かの既得権益を短期的に侵害せずにすむこと言えば、憲法と教育基本法くらいなものです
明日はどっちだ、そもそも明日はあるのか
2013/01/01 20:32
憲法改正、その前に
防衛予算の増額と人員、装備の拡充
がありますけどね。
25DDや10式なども色々変わる
であろうから見物です。
ニコニコ
2013/01/02 12:20
できる事からやるのは大切ですよね
ごわす
2013/01/02 21:43
>一切戦争を否定する「平和憲法」があったお陰で、我が国が戦後米国の手先として戦争に狩り出されることはなかったわけです(朝鮮戦争の時の掃海を除けば)。

 何故、朝鮮戦争では実戦に参加した(どうみても、海外派兵で集団的自衛権の行使ですが)のに、ベトナム戦争ではお声がかからなかったのか?同じ憲法の下でです。(小林ゲンブン氏のように、「実は参戦していたと主張される人物もおりますが)
 理由は、憲法以前にベトナムで戦えるように自衛隊ができていなかったからからです。自衛隊、特に陸上は北海道における本土決戦専門部隊として設計され、これに適合するように編成も装備も訓練も作り上げられていました。韓国軍のように、豊富なゲリラ討伐の経験もあるわけではなかった。海自にもBWNはなかった。ただシーレーン防衛がだけが存在意義だった。そんな自衛隊を、ベトナムに投入しても、役に立つはずがなかったからです。無理に投入しても、ガ島と同じ結果になったでしょう。大陸で赤軍と戦うために訓練していた陸軍を、太平洋の島嶼戦にそのまま投入したのと同じ結果に。
土門見人
2013/01/03 15:49
路上に倒れた電柱一本をどかすのに「あうでもない、こうでもない」と、がんじがらめの法律で縛られている我が軍ですがイザとなれば「超法規的処置」で対処いたします。軍法会議での銃殺刑は謹んでお受けしまして「軍神」として祭られることを期待するヤツはいないだろうな。
最後の切り札
2013/01/03 19:41
お邪魔します。
 かつてフランクリン・ルーズベルトはニューディール政策を行いましたが、最高裁によってことごとく違憲とされ、そのために十分な成果が上げられなかったと聞いています。法律は憲法の枠の中でしか制定できませんので、憲法を変えずに法律を変えようとしても「憲法の壁」に阻まれます。ですから憲法の改正から始めるのが正しいのではないかと思います(憲法と相容れない法律を制定できるとしたら、そちらの方が怖い?)。
ブロガー(志望)
2013/01/13 16:17
有事法も国民保護法も憲法を変えずに作れました。それまで野戦病院の設備があっても法的には使えなかったわけです。
同様に現在陸自の看護陸曹の医療行為を大きく制限していますが、これも法改正で対応できまます。
ところが憲法改正を叫んでいる「国士」様方は
得てしてこういう、小さな積み重ねを指摘し、
これを変えていくことで自衛隊を戦える組織に
するような努力がお嫌いなようで、憲法改正というスローガンを繰り返すだけです。これでは
観念左翼と同じです。
キヨタニ
2013/01/14 13:29
私も上司から「できる事から一個一個やっていこうや」と指導されたことがあります。
ひゃっはー
2013/07/08 00:33

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