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zoom RSS 陸自の現有師団は解体すべし

<<   作成日時 : 2012/11/08 10:34   >>

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 陸自は現在師団と旅団が混在しています。

 これは動員や作戦の計画をたてる上で定量化ができにくく、非常に不便です。
 しかも師団といっても実態は他国の旅団に毛の生えた程度です。

 そして旅団は陸将補=少将が指揮しています。他国では普通准将がその任に当たっています。
 階級インフレです。 

 陸自の師団は全て旅団に統一すべきです。その上で3〜4個旅団で一個師団を編制すれば宜しい。
 併せて将補と一佐の間に准将を置き、旅団長にすべきです。

 より小ぶりな部隊が必要とあれば、普通科一個連隊を基幹とした諸兵科連合部隊をいつくか作って、首都防衛などにあてれば、現在のようにカスタマイズされた師団は必要なくなるでしょう。陸自の普通科連隊は実質的に大隊規模ですから、この部隊の指揮官は一佐でいいでしょう。 
 わけのわからん師団ばかりでは作戦見積もりが難しくなるだけです。

  で、方面隊は5個から3個に減らし、あるいは方面隊は解体して陸自総隊を創設する。 

 そうすれば海空自との統合作戦もスムーズに行きます。
 が、君塚陸幕長にはその気はないでしょう。ご自分が、現在のシステムで先の大震災で統合部隊を指揮して「大成功」したから、それをいじると自己否定になるんでしょう。

 東日本大震災での自画自賛を否定し、問題点を指摘した人間は市ヶ谷から飛ばされました。
 

 さて、師団を旅団に統一すれば、指揮系統がシンプルになり、より実戦的になるだけではなく、中間関節部門の人員を大きく削減できます。これなれあば師団数が減ることになり、施設や特科、機甲も集約できます。つまり部隊は縮小されるが、部隊あたりの予算は増えて近代化が容易になります。
 また、当然将官のポスト、人数を減らせます。

 将官は秘書、副官、運転手がつきますから将官が減ればこれらの人員も削減できます(一佐も同様です。しかも一佐は大分過剰です)。

 陸自兵力は現役は8〜10万人程度でいいのではないでしょうか。その分予備役を厚くすればよい。いずれにしてもいまの定員、予算規模でまともな近代化はできません。陸自の装備は途上国並、稼働率・充足率はガタガタという実態を納税者は認識すべきです。

 こんなことでは人民解放軍には勝てません。

 まともな近代装備を揃えた部隊を揃えるのか、今まで通り、途上国と比べても遜色ある装備で、充足率も低く、装備の稼働率もひくいまま放置するか。どちらかを選ぶべきです。

 当然第7師団は第7旅団、機甲旅団に格下げ。戦車なんて、せいぜい独立戦車連隊が二つもあればいいでしょう。400輛なんていりません。火砲も同様です。そんな金があれば無線機を買うべきです。それもNECが作っている値段だけは高いやつじゃないのが。

 
 陸幕首脳は国防よりも組織防衛に熱心のようですが、我々納税者は組織防衛のためではなく、国防のために納税をしているのです。


 自衛隊には当事者能力がないので、こういう改革は政治の出番なのですが、得てして「国士」を気取る政治家の大半はこのような自衛隊の現実に興味がありません。
 防衛費を増やせ、人員を増員しろと繰り返すだけです。威勢のいいことを吠え、安っぽい愛国心アピールするだけならば、程度の低いネット右翼や軍オタと同じです。
  

 財務省が悪い、政治が悪い居丈高に叫ぶのは気持ちはいいでしょうが、現実逃避に過ぎません。
 どこの役所でも与えられた予算でやりくりしています。

 防衛省は100円のカップラーメンに500円だしても平気な人達です。彼らのお小遣いを増やすと、今度は百円のカップラーメンに1000円出すようになるだけです。この金が無い状況にも関わらず普通の何倍も払っている装備がいかに多いことか。


 陸幕では米国がアパッチの導入決定にあとに、旧式化したAH-1Sのライセンス生産を決定し、米軍がアパッチの生産が終わったあとも延々とAH-1Sの生産を続けていました。しかも単価は最大48億円。米軍の約6倍です。 そのあと、OH-1もAH-64Dも予定の数分の一で調達が中止されました。
 
  防衛省内部の人間で与えられた予算では、仕事が出来ない、予算が増えれば仕事ができるというのであれば、当事者意識が欠如していることになります。
 そのような、出来ないことをすべて他人のせい、外部環境のせいにする人は組織を去るべきです。
 

 威勢のいい空理空論を振り回すまえに、現実を見るべきです。



朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました。
もう一つのUH−X疑惑――空自次期救難機を巡る疑問(下)(2012/11/01)
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2012102600008.html

もう一つのUH−X疑惑――空自次期救難機を巡る疑問(上)(2012/10/29)
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2012103100007.html

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コメント(3件)

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それをヤリタイのは戦車を減らしたい人員を海自に移したいからでしょう?
理由が無いから・・・。
名無し
2012/11/08 11:32
1:編成の均質化、2:階級過剰な将官、3:人員減によるコスト移算で陸自の近代化。3つの話題と思いますが、一般論としては全て賛成です(具体論は別)。もう一つ、「2」と関連して、4:現役部隊の充足率の向上も重要と思います。

最も明白なのは「1」だと思います。多様な部隊編成は、配備地にへばりつく考えに基づいている気がします。陸自は機動展開して戦う部隊となると決めました。師団でも旅団でも良いが、統一すべきです。

「2」では、現状で、実員が6000名弱の「師団」を「中将」が指揮しています。米軍では実員3500名の旅団を大佐が指揮している現実と比較すると、問題がはっきりすると思います。同盟国として部隊を並べて戦うにあたって、実害はないのでしょうか。

「3」の削減幅は色々な議論があると思います。一気に10万ではなく、まず実員12-13万を目指す方が良いと思います。10万で耐えうる体制に迅速に移行するのは困難では?

「4」ですが、「師団」の実員が6000名にも達しない理由の一つでもあります。また、充足率が97%以上になれば、実員だけで議論すれば良い。予算不足で人員を削減すれば直ちに2−3この部隊が消える(or 即応予備に変わる)、というほうが、予算編成でよほど実のある議論ができると思います。情勢緊迫時のエクスパンドは、即応予備(これも増やすべき)が担うべきでしょう。
ドナルド
2012/11/12 00:00
師団解体と定員8〜10万人、削減予算で予備増員は良い案だと思います。でも旅団では大きいと思います。普通科連隊規模でよいのではないでしょうか。西部方面普通科連隊規模(定員約650人)に汎用化・機甲化・海兵化を加えて、800人位。呼称も変えて「大隊」とか「戦闘団」。戦車は方面隊に10両位。海自も解隊再編したほうがいいでしょう。
読者
2012/11/18 18:26

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